MENU

免震装置データ改ざん

大手油圧機器メーカー「KYB」による、免震・制振装置のデータ改ざん問題には、驚くばかりです。
「不正担当」社員の間で、秘密裏に改ざんが引き継がれていたようですが、経営陣の関与はあるのでしょうか。
シェアの大きい企業だけに、不適合品の使用範囲はきわめて広く、日本中の重要な建造物に及んでいます。
国交省は「震度7の地震でも倒壊の恐れはないので、安全性に問題はない」と表明し、無知を晒しています。
震度階級って7までしかないのですよ。熊本地震の震度7の、100万倍の強さの揺れでも、震度7ですよ。
「震度7の地震でも倒壊しない」というのは、どれほど巨大な揺れでも倒壊しないと言うことに等しいのです。
国交省所管の気象庁の地震担当者が聞いたら(もう聞いてるでしょうけど)、呆れますよ。
無知に加えて、この事件の対象が広すぎるためか、問題を矮小化したい意図があるのかもしれません。
東日本大震災のときもそうでしたが、危機的な大問題に対してお役所は、どういうわけか平静を装います。
監督責任逃れなのか、事なかれ主義なのか。それとも国家機関が、正常性バイアスに陥るものなのでしょうか。
東京オリンピックを誘致する際の、安倍首相の “under control” だという発言も、まさにそれでしょう。
言霊の国ですから、願望を口にすれば叶い、不吉な事を喋れば災いを呼ぶのです。
建設中の新しい熊本市民病院にも、KYBの不正な免震オイルダンパーが使われていることが判明しました。
熊本地震で事実上倒壊し、そこからの復興のシンボルとも言える新病院が、いい面の皮です。
市民病院のサイトには、「工事の進捗状況」として、写真が掲載されています。
そのうち6月30日撮影分の、「免震工事」と題した少々誇らしげな写真が、今となっては痛々しいばかりです。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

コメント

コメントする

目次