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医薬品名の由来

咳止め薬の「アスベリン」と不整脈治療薬「アスペノン」の処方間違いが多い、という報告が出ました。
このように冒頭3文字が似ている薬は、電子カルテで処方する際に間違えて選ぶリスクがあります。
以前から、似たような名前の薬の取り違え事例は相次いでおり、その都度、注意喚起がなされてきました。
間違いそうなぐらいに名前が似ているとすれば、まず、発売よりも前に手を打つのが最善の策でしょう。
それをスルーして発売後に取り違えが起きたのであれば、必要ならその時点で薬剤名の変更を検討すべきです。
「アマリール」と「アルマール」がそうでした。これは後者が改名することで決着しました。
では、「アスベリン」と「アスペノン」では、どちらの名前を残し、どちらを変えましょうか。
歴史の長い「アスベリン」は残して、比較的新参者の「アスペノン」を改名すべきでしょうか。
あるいは、薬剤名の命名の由来も考慮して、より意義深い名称の方を残す、という考え方もありでしょう。
「アスベリン」という名称の由来は、メーカーのインタビューフォームによると「特になし」だと。ありゃま。
「アスペノン」の名前の由来もまた不可思議。メーカーによる説明はこうです(以下原文のまま引用)。
 aspen(英語)は,ポプラの葉のような,よく震える.
 ポプラの葉のようにぶるぶる震える.
 従って,アスペノン(Aspenon)は,“「ざわざわ」,「ぶるぶる」と震える心臓を抑える”という意味になる.
なにコレ。もうちょっとまともな日本語を書きましょうよ。これじゃまるで、ポエムじゃないですか。
つまり、ポプラの葉のように震える(aspen)ことがない(non)ってことですよね。まあ悪くない。
てことで、よく注意して両方とも使いましょうかね。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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