ANAの「アップグレードポイント」が、2027年度から廃止されることになり、一部で騒ぎが起きています。
「何の話?」みたいな方が多いと思いますが、今日はこの話です。興味の無い方は我慢して読んでください。
「マイル」「プレミアムポイント」「アップグレードポイント」「スカイコイン」「ステイタス」
この5つが、現時点でANAから(直接または他の組織等を介して)、ANAの顧客に付与されているものです。
マイルは、搭乗距離や運賃に応じて獲得できるほか、通販サイトやクレカのポイントからも移行できます。
プレミアムポイントは、搭乗距離と運賃などに応じて年ごとに算定され、翌年度のステイタスを決定づけます。
アップグレードポイントは、プレミアムポイントに応じて付与され、座席のアップグレード等に利用できます。
スカイコインは、マイルやアップグレードポイントから一定のレートで交換でき、搭乗券等の購入に使えます。
ステイタスは、航空券の予約のしやすさや搭乗順、ラウンジ利用等のサービスのグレードを規定するものです。
互いに関連し合っているこれらの項目は、たしかに少々煩雑です。以前から私もそう思っていました。
そこでこのたび、アップグレードポイントを廃止して、その役割をマイルに一本化しようというわけです。
一般の方には特段の問題を感じない改正ですが、一定のステイタス以上の方には少々ショッキングなのです。
というのも、ステイタスのうま味のひとつは、付与されるアップグレードポイントの多さにあるからです。
安いチケットを購入しても、アップグレードポイントを使って上位クラスの座席に変えることができます。
それがマイルに一本化されるとなると、ステイタスではなく、マイルを多く持つ人の方が有利になります。
航空会社は近年、本業の運送業だけでなく、通販やサービスへと業務をシフト・拡大しようとしています。
全サービスに共通する「通貨」をマイルに集約し、ANA経済圏を構築しようとしているのかもしれません。
(写真は、今回の件を報じる記事)

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