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ガッテンできない話

NHKの「ためしてガッテン」がいつの間にか、ただの「ガッテン!」になってます。
「ためして」無いのです。「ためさずガッテン!」です。偶然か、番組の質も落ちたような気がします。
今週は「決定版!コラーゲン100%活用SP」と題して、コラーゲンが皮膚や関節に効く、という話でした。
以前この番組では、「コラーゲンは食べたら消化分解されて、コラーゲンではなくなる」としていました。
今回はそれを覆し、「コラーゲンが十分に分解されなければ、またコラーゲンが作られやすい」という話。
ある研究を参考にして、必ずしも定説ではない理屈で、コラーゲン食品の効果を宣伝するような趣旨です。
これはまさしく先週の放送と同じで、一部の学説を過大に評価して、一般人に間違った知識を与えるものです。
大炎上したと言ってもよい先週のテーマは、「最新報告!血糖値を下げるデルタパワーの謎」でした。
「特定の睡眠剤(2014年発売の『ベルソムラ』)を飲んで熟睡すると、血糖値が下がる」というのです。
たしかに、不眠は耐糖能を悪化させるので、睡眠剤によって熟睡できれば、血糖値が下がりやすくなります。
睡眠リズムが改善することは、食生活をはじめとする生活習慣の改善にもつながるでしょう。
また睡眠剤のなかでは、まったく新しいメカニズムで効く『ベルソムラ』が、最近の話題になっています。
ただそれだけの話だと私は思うのですが、まさか、糖尿病の治療のためにこの薬を処方するなど、論外です。
標準的でもなければ、保険も利かないような治療法を、NHKが大々的に取り上げるのは、問題です。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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