睡眠薬などの「向精神薬」は、漫然と多種類・長期間処方してはならないことになっています。
当院では原則として、1人1種類のみ、1処方1カ月以内、ときどき休薬を促す、等を考慮して処方しています。
主たる標榜科は「内科(一般内科)」なので、睡眠薬だけの処方は行わない方針です。
ですが時々、睡眠薬(睡眠導入剤)が欲しくて来院する方がいて、処方内容や日数で「ひと悶着」あります。
一方で、生活習慣病等で定期的に来る方が「最近眠れん」と訴える場合に、睡眠薬を出すことはよくあります。
要は、薬物依存とか、副作用とか、あるいは万一の「横流し」を防ぐ意識が常に必要だということです。
睡眠不足を訴える方には、眠れない方と、睡眠時間がとれない方がいて、後者の方に睡眠薬は出しません。
短時間で良いから深く眠りたいという希望があったとしても、そのために薬を使うことはオススメできません。
「眠る」と似た言葉に「寝る」がありますが、意味は微妙に違います。
前者は睡眠状態に入りそれを維持することであり、後者は眠るための就寝行為を指す言葉だと思うのです。
なので不眠症は「眠れん」、睡眠不足は「寝られん」を使うのが、わりと的確かもしれません。
ちなみに「寝れん」は「ら抜き言葉」ですが、「寝られん」よりも「眠れん」に近いように感じます。
「最近寝れん」と聞けば睡眠障害かと思い、「寝られん」と聞くと忙しいのかと想像してしまうのです。
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