先月公表された、厚労省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」で「介護の状況」をみると、
「要支援」となった原因の第1位は「関節疾患」、2位が「高齢による衰弱」、3位「骨折・転倒」でした。
「要介護」となった原因の第1位は「認知症」で、2位は「脳卒中」、3位が「高齢による衰弱」でした。
「要支援」も「要介護」も、「高齢による衰弱」が主要な原因だったというのがポイントです。
ちなみに平成28年の「国民生活基礎調査」には、熊本県が含まれていません。
熊本県ではこの年、震災で調査どころではなかったのです。県内の介護認定も滞った年でした。
厚労省は「高齢者の虚弱(フレイル)に対する総合対策」を打ち出しましたが、その「フレイル」って何?
お役人だけが悪いとは思いませんが、このようなカタカナ言葉を登場させられても、市民はピンときません。
「加齢とともに心身の活力が低下し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの危険性が高くなった状態」
これが厚労省による「フレイル」の定義ですが、つまり簡単に言えば「老衰」のことですよね。
医学・医療が進歩し、がんでも心臓病でも脳卒中でも感染症でも、昔のようには死ななくなった。
人間は、その心身能力の限界まで生きるようになってきたわけで、その最終段階がフレイル(老衰)なのです。
後期高齢者の保健事業の在り方として、「フレイルの進行を予防する取組が重要」だと厚労省は言っています。
でも、たとえ老衰の進行を予防できたとしても、結局その先に待っているのは、老衰なんですけどね。
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