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加熱式は禁煙にあらず

元旦から禁煙している方へ。それが3日坊主にならないための方法はただ1つ。決して1本も吸わないことです。
昨年から「非燃焼・加熱式タバコ」が問題視され、日本呼吸器学会など各種団体が、その害を警告しています。
前にも書いたように、加熱式タバコでも、喫煙者の健康には悪影響があるし、受動喫煙の可能性もあります。
ところが、喫煙者にも周囲の人間にも、そのような認識が不足していることが問題なのです。
受動喫煙についてはとくに、東京五輪との兼ね合いもあって、近年社会問題化しています。
喫煙者自身の健康問題よりも、受動喫煙の問題の方がクローズアップされているのは、新しい傾向です。
そのためか、周囲に煙をまき散らさない加熱式タバコへのシフトが加速しているように感じます。
実際はPM2.5を含むエアロゾルが拡散する加熱式タバコですが、目に見えない分、気にならないのでしょう。
私の外来を訪れる生活習慣病の方にも、紙巻きタバコを加熱式に切り替えた方が目立ちます。
気になるのは、当院の禁煙外来受診者が激減していることです。
昨年、禁煙外来を新たに受診した方は20人でした。一昨年までの7年間は、年平均39.4人だったのにです。
加熱式に切り替えることで少し安心して、禁煙する意識が薄れてしまった方がいるのかもしれません。
しかし加熱式でも、ニコチンをガッツリ吸い続けることになります。「ニコチン依存症」は治りません。
加熱式タバコが発売されたばっかりに、喫煙率の減少傾向が鈍化しないかと心配です。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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