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凝固点降下

透明なロックアイス作製の研究を始めてから、すでに1週間以上を経過しています。
前回は、「凝固点降下」を応用してー10℃で純水をゆっくり凍らせる実験を開始したと、書きました。
では、お待たせしました。実験結果の発表です。失敗です。
まあ、そう言っては元も子もないので、少し経過を書きましょう。まずは、凝固点降下のおさらいから。
-10℃のシャーベットを作るには、水500gに食塩を何グラム溶かせばよいか。
NaClの組成式量58.4、水のモル凝固点降下を1.85とすると、10 = 0.5 x ( 食塩量 / 58.4 ) x 2 x 1.85
いちおう解説しますと、右辺の0.5は、0.5kgすなわち500gの意味です。
食塩量を組成式量で割れば、モル数が出ます。電離するので、質量モル濃度は2倍と考えます。
上の式を解くと食塩量は316g。よく溶かして冷凍庫で半日冷やし、良い感じのシャーベットが完成です。
純水のペットボトルをこのシャーベットに浸け、全体をクーラーボックス内に安置。ここからが難しい。
純水は徐々に凍ってきますが、気がつくとシャーベットが溶けています。ボックス内の温度が高すぎました。
そこで次は、冷凍庫内に安置してみると、こんどは純水のボトル内が真っ白に凍りました。冷えすぎです。
野菜室内でもだめ。溶けます。どうもこの方法は、-10℃のシャーベットを作った後の維持が難しい。
で、結局どうなったかというと、氷屋さんの通販で透明な氷を買うことにしました。安易ですみません。
氷代って意外と安い(送料は高い)のです。これまでの実験のコストと手間の方が、よっぽど大変でした。

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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