ANAの厳しい結論

ANAのマイレージ会員制度の改革について、当初打ち出した方針が不評だったため、本日再改定案が出ました。

4月に発表された改革案で叩かれたのは、「SFC会員」における新基準の創設と、結果的な待遇の改悪です。

ANAの会員制度「ANAマイレージクラブ」では、搭乗ポイントによって翌年の会員ステータスが決まります。
これは毎年更新されるステータスなので、それを維持するためには毎年一定数の搭乗が必要となります。

しかし例外的に、いちど「プラチナステータス」を取った人が手続きをすると、永年ステータスが得られます。

これが「SFC(スーパーフライヤーズカード)」という、ANAカード(クレカ)の所有権です。
ひとたび「SFC会員」になると、搭乗しなくてもカードを所有するだけで、ステータスが維持できます。
そのため、1年間だけ集中的に搭乗してSFC会員になる、いわゆる「SFC修行」が行われることになります。

こうして、SFC会員の数は増え続け、ラウンジが混み合い、本来のステータスのメリットが失われてきました。

そこで、ANAカードの決済額が年間300万円以上かどうかで、SFC会員をランク分けすることにしたのです。
300万円以下の場合は、ラウンジ利用権とスターアライアンスゴールド資格を剥奪するという厳しい措置です。

これは、既存のSFC会員にとっては寝耳に水です。永年資格じゃなかったのかと憤る気持ちにもなるでしょう。

ANAが一定の経済圏を確立・拡大しようと、搭乗よりも金を使わせる方針に軸足を移しつつあるともいえます。
既存のSFC会員からの反発が大きい一方で、永年資格の是非について議論が深まる機会ともなりました。

さていよいよ本日、ANAが発表した結論は、4月に発表した改革案をほぼ踏襲した厳しいものでした。
決済額300万円以下でも「混雑時を除き、国内ラウンジと一部の国際線ラウンジは利用可能」となっただけ。
スターアライアンスゴールド資格についての見直しはなく、国際線利用者の淡い(甘い)望みは絶たれました。

SFC会員による海外ラウンジ(ホノルルを除く)の利用料は、すべてANAが他の航空会社に支払っています。
そのコスト削減のためにスターアライアンスゴールド会員を減らすのが、本改革の主眼だと私は見てます。
長年の顧客であっても、今あまり搭乗せずカードも使わないなら、海外のラウンジ代の面倒はみないわけです。

多くのSFC会員から激しい批判を浴びた制度改革でしたが、固い決意をもって断行されることとなりました。
でも実は、今頻回に国内外でANAに搭乗している優良顧客には、今回のSFC改革は喝采モノだったのです。
一定程度の離反(=ANA離れ)を織り込んでいたANAです。ブレませんでしたね。ある意味あっぱれです。

(写真は、羽田空港第2ターミナルに並ぶANA機たち。2年前に撮影

この記事を書いた人

医療法人ひまわり会 つるはらクリニック 院長

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