医学– category –
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肝心か、肝腎か
「心臓外科」「脳外科」「肝臓外科」と並べてみると、テレビドラマで描きやすいのは、心臓外科でしょう。 なにしろ心臓は、「見た目」に動く臓器なので、手術が成功した... -
消炎酵素剤の販売中止
「あらためて調べ直してみたら、効果が無かったので、販売は中止します」 臨床現場で長年使われてきた薬が、なんのことはない、毒にも薬にもならなかったことが判明した... -
エレガントな癌検診
寄生虫の一種「線虫」を使って、癌を早期発見する、という研究が報じられたのは、ちょうど1年前のこと。 たった1滴の尿から、1時間半程度で、数百円の費用で、多種類の... -
溶連菌感染の初期症状
溶連菌感染が多いことは、昨年末にも書きましたが、全国的に、かなり流行しているようです。 子どもの「風邪」のほとんどは「ウイルス感染」ですが、溶連菌感染は風邪に... -
ジカ熱と黄熱
「ジカ熱」の話題が出て、真っ先に私が思い出したのが「ジカ中毒」。もちろん、まったく別の病気です。 私は小さい頃、よく自家中毒になっていました。きっと、ナイーブ... -
リンゴ病流行中
「リンゴ病」は4,5年周期で流行しますが、今年は流行年です。当院にもほぼ毎日、1人か2人来院されます。 正式には「伝染性紅斑」という名前の感染症で、おもな症状は、... -
新型ノロ流行か
ノロウイルスによる、感染性胃腸炎の流行が懸念されています。テレビを見ればノロの話題ばかり。 もはや、この呼称をやめるように訴えている野呂さんへの、配慮のかけら... -
睡眠時無呼吸症候群
「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中の無呼吸や低呼吸によって、さまざまな身体障害を引き起こす疾患です。 当院でも、簡易検査や治療を行っていますが、その原因や治療法... -
最低2日間見張ること
インフルエンザ。熊本ではまだ流行していませんが、いまのうちに書いておくことがいくつかあります。 それは「タミフル」などのインフルエンザ治療薬による、こどもの異... -
点滴してください
「点滴してください」と来院される方がいます。しかし「わかりました」と即応するわけにはいきません。 特殊な治療薬の投与ならともかく、単純な補液(輸液)が必要なの... -
胃潰瘍とアスピリン
脳梗塞や心筋梗塞等の既往がある方には、「アスピリン」を処方することがよくあります。 アスピリンには、血小板の働きを抑制して、血液をサラサラにする作用があるから... -
熱中症と熱射病
梅雨明けしたとたんに、熱中症が増えています。毎日のように、点滴が必要な患者さんが来院します。 昔は「日射病」と言っていましたが、やがて「熱射病」を経て、いまは... -
腹腔鏡下胆嚢摘出術
なにかと話題になっている「腹腔鏡手術」。これは「腹腔鏡」という器具を使って行う手術のことです。 腹部を切り開かず、腹腔鏡で体内をのぞき込みながら、ちまちまと、... -
血圧を一日中測る
高血圧症の方も、そうでない方も、自分の血圧をときどき測ってみることには、大いに意味があります。 その絶対値だけでなく、朝晩の違いとか、最近上がってきてないかと... -
どうしてピロリか
ピロリ除菌治療、続けてますよ。もちろん断酒も。 胃がんの原因につながる細菌なので、除菌した方が良いのですが、どうにも危機感を抱きにくい感染症です。 もしかする... -
ピロリ三次除菌
また出ました、ピロリ君(菌)。私の話です。いままで2度も除菌治療をしたのに、しぶといヤツです。 3度目の除菌(三次除菌)をすることになりました。 ピロリの除菌... -
ヘリウムガス吸引事故
テレビ番組の収録中に、12歳の少女がヘリウムガス吸引で意識を失った事故が、今年1月に起きました。 その経緯について、日本小児科学会がこのほど、学会誌の最新号で詳... -
病名と地名・人名
「新たな感染症の名称を定める際には、その中に、地域、国名、人名、動物の名称を含むべきではない」 WHOが先日発表した指針です。その例として「日本脳炎」などが挙げ... -
ツツガムシ病
青森や秋田や山形で、今年初の「ツツガムシ病」の患者報告が出始めました。これからが流行期のようです。 なかなか遭遇することがない病気のようですが、全国で、毎年数... -
飲んではいけない薬か
また週刊文春が、「飲んではいけないジェネリック医薬品」などという、挑発的な記事を出しています。 「ジェネリックに変更したとたんに、薬疹が出た。その薬を止めたら... -
胃酸を吐く
胸痛を訴えて来院する方はたいてい、心臓のことを心配しています。 「今朝から左胸の痛みが続きます」「2,3日前から心臓が圧迫されています」 このような症状の場合は心... -
ようやく麻疹排除
日本が「麻疹排除」の状態であると、このたび国際機関によって認定されました。 「麻疹排除」とは聞き慣れない言葉ですが、「土着株による麻疹の感染が3年間確認されな... -
善玉と悪玉の中身は同じ
コレステロールには善玉と悪玉がある、ということになっていますが、誤解を招きやすい表現です。 善玉も悪玉もありません。コレステロールという物質は、ただの1種類し... -
白と金のドレス
元の色は青と黒のドレスなのに、人によっては白と金に見えるという、「白と金のドレス」問題。 そのドレスの画像が、最近ネットを騒がせています。パソコンで見る限り、... -
迅速検査の偽陰性
インフルエンザの流行も下火になったかと思っていたら、この週末はまた、高熱で来院する方が増えました。 病状からインフルエンザを疑えば、多くの場合、迅速診断キット... -
インフルエンザと高熱
インフルエンザが流行しています。毎日多くの方が、節々の痛みを伴う急な発熱を訴えて来院されます。 あまりに熱が高くて心配になる方も多いですが、熱はウイルスの仕業... -
MRSAに効く抗生物質
「MRSA」に効く強力な抗生物質が、「iChip」という培養手法で開発されたと、いま話題になっています。 もちろんMRSAとは「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」のことで、抗... -
エボラより怖い病気
インフルエンザはエボラよりも怖いと、昨日あるテレビ番組が、取り上げていました。 国内死亡者数が毎年1万人という、驚くような数字も示していましたが、たしかにこれ... -
遮断鉗子の大「助手」論
「遮断鉗子の大『助手』論・前編」(佐多荘司郎著)という本を、先日Amazonで買いました。 ある心臓外科医が修行する中で見いだした、執刀医(術者)ではなく助手はどう... -
病原体の感染経路
リベリアから羽田空港入りした発熱男性から、エボラウイルスは検出されなかったようです。 しかしこれで安心してはなりません。「偽陰性」の可能性もあります。 いやそ...