昔からある、かけ算の順序問題を、あらためて考えてみました。
「ひと皿にリンゴが5個、そのような皿が4つあります。リンゴはぜんぶで何個ですか」
「皿が4枚、それぞれの皿にリンゴが5個乗っています。リンゴはぜんぶで何個ですか」
いずれの設問も、式を書いて答えるなら「5x4=20(個)」でも「4x5=20(個)」でもよさそうです。
しかし、かけ算は「ひとつぶんの数xいくつ分」の順に書くのがきまりだ、という考え方があります。
一方で、かける順序などどうでもよい、という合理的な考え方もあります。答えは変わらないからです。
「皿にリンゴが5個、そのような皿がワゴンに4枚、そのようなワゴンが3台。リンゴはぜんぶで何個ですか」
自然に考えると「5x4x3=60(個)」です。リンゴの数が、かけ算で増えていくイメージが分かり易い。
これを「4x5x3」としたら、わずかながら違和感を感じます。
さらに「5x3x4」とすると、さらに強い違和感を感じます。かける順序が理に適っていないからです。
まず皿の数に着目して「4x3x5」というかけ順もあるでしょうが、これは少々へそ曲がりです。
かけ算の順序を意識することは、自分が求めようとしているものを、きちんと確認することになります。
その意味では最初に、求めるものの数(リンゴの数)を持ってくるのが、いちばん自然で理に適っています。
正答であればいいという合理性よりも、思考過程の理屈こそ、とりわけ教育上は重要だと思います。
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コメント
コメント一覧 (2件)
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検索でたどりつきました。
「掛け算には順序が必要」と主張されるかたにはこの事をお聞きしたいと思います。
「2時間を分で表しなさい」というとき
60×2=120
2×60=120
の、どちらが正しいのでしょうか?
私はこの問題でずっと困っています。
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返信がたいへん遅くなりましたが、私の考え方は、こうです。
「分で表しなさい」という問いですから、
求められているのは「分」です。
したがって、最初に60(分)をもってくるのが自然だと思います。
設問が「2時間を」で始まるので、「2」から始めたくなりますが、
やはり、「60」から始めるほうが理にかなっていると思います。