老眼

近視の人は老眼にはならない、というのは、もちろんウソです。

6,7年前、子どもの運動会でビデオ撮影しているとき、モニター画面がよく見えないことに気づきました。

当初はモニターの劣化を疑いましたが、ある日、老眼と悟りました。劣化していたのは自分の目でした。

老眼は、それと気付いた日からどんどん進行するものです。

メガネをはずさなければ新聞が読めなくなり、今では大きな文字の本でも読めなくなりました。

遠近両用のメガネを作りましたが、それもすぐに合わなくなりました。

ある日、新聞がぼやけるのでメガネをはずそうとしたら、目尻の皮膚をつまんでしまいました。メガネはかけていなかったのです。ショックでした。

最近では顔の皮膚をつまむことにも慣れています。

いちばん困るのは、目の前の料理が見えないこと。

料理を「目で楽しむ」ために、食事中はメガネをはずして食べます。

それほど楽しめない料理の場合には、メガネをかけたままです。

停電の恐怖

昨年末(12月30日)に、熊本市東部などの広い範囲で停電がありました。原因は落雷でした。

診療中に停電で電子カルテが止まると大変なので、夏の雷の時期にはいつもドキドキしていますが、真冬に停電するとは思いもしませんでした。

停電に備えて無停電電源装置(UPS)というのがあります。

当院でも開院当初から、電子カルテのサーバ機など重要な3カ所にUPSを取り付けていましたが、ふと思い立って、年末に新たに3カ所増設していたのです。

まさにその、UPSを増設した2日後の診療中に、停電は起きました。

すごいラッキーだったかと言えば、実はそうでもなかったのが悲しいところ。

たしかに、新しく取付けたUPSは見事に作動してくれました。突然の停電には驚いたものの、診察室のパソコンが稼働していることに気付いてニンマリ。

ところが、肝心のサーバ機のUPSが作動しておらず、電子カルテは止まり、したがって診療中断を余儀なくされました。

UPSは古くなるとバッテリーを交換しなければならないのですね。すっかりサボっていました。

古いUPSは、やたらにデカくて重いテーブルタップと化していたわけです。

ところでこの日、一番心配したのは、実は電子カルテではなく、保冷庫のワクチンです。

停電が長引いて保冷庫内の温度が上がると、保管しているワクチン約100本がすべてパアになるので大損害です。

幸い、停電は3分程度で復旧しましたが、ホントにヒヤヒヤしました(保冷庫だけに)。

テラ

いまやビデオレコーダーといえばハードディスク(HDD)になりました。

最初に買ったレコーダーの録画容量は80GB(ギガバイト)でしたが、最近買ったものは3TB(テラバイト)=3000GB。

「テラ」という、従来はめったに耳にしなかった言葉が、最近は普通に使われるようになってきました。

それにしても、HDD容量の拡大と、それに反比例した価格下落はとどまることを知りません。

通販サイトでパソコン用外付けHDDの最安値を見ると、2TBで約1万円でした。1TBあたりの価格(これを私は「テラ単価」とよびます)は5,000円です。

私が初めてHDDを購入したのは22年前。容量は10MB(メガバイト)でしたが、それでも当時は無限の記憶容量を得た感がありました。

価格は約10万円。10MBで10万円なので、1GB当たりに換算すると1,000万円。テラ単価はなんと100億円!

HDDの容量当たりの価格は、22年で200万分の1になったわけです。

ちなみに、K(キロ)、M(メガ)、G(ギガ)、T(テラ)のあとは、P(ペタ)、E(エクサ)、Z(ゼタ)、Y(ヨタ)と続きます。

これまでのペースで行けば、数十年後にはYB(ヨタバイト)が当たり前になるでしょうね(ヨタ話)。

境界線

北朝鮮の肩を持つ訳ではありませんが、韓国と北朝鮮の海上の軍事境界線、いわゆる北方限界線(NLL)には違和感を感じます。どうみても北朝鮮にとっては不利だからです。

11月の砲撃事件で話題になった延坪(ヨンピョン)島は、ほとんど北朝鮮沿岸に位置しているのに韓国領です。

どういういきさつで国連軍がこのような境界線を設定したのか、そのとき北朝鮮側が異を唱えなかった理由は何か。

それで思い出すのが、岡山県と香川県の海上の境界線です。瀬戸内海のちょうど中間に県境があるのかと思えば、実は、ほとんど岡山沿岸付近に境界があります。

したがって、両県の間の瀬戸内海の島々の多くが香川県に属します。

以前、香川の病院に勤務していたときにこのことを知り、疑問を感じて地元の人に聞いたことがあります。

すると「樽流し伝説」を教えられました。

江戸時代に、県境でもめた備前と讃岐が、海の真ん中の島から樽を流して境界線を決めたという言い伝えです。

樽流しを提案した岡山側があらかじめこっそり行った実験では樽が香川寄りに流れたのですが、本番のときは潮流が北向きで、岡山沿岸に境界線ができてしまったというのです。

ずるいことをすると、こういう結果になります。

月の模様

今夜は皆既月食でした。

そのニュースを見ながら、こどもの頃に私が感じたことを思い出しました。

それは月の模様についての疑問です。

月には「餅つきをするウサギ」にたとえられる模様があるけれど、待てよ、月は自転しているのではなかったか?

自転しているのなら、いつもウサギばかり見えるはずは無いのに・・・

おとなになったある日、その答えを知りました。

「月の自転周期と公転周期がまったく同じ」であると。

だから月面はいつも同じ側が地球に向いているのです。

「そんなこと常識でしょう」という方、すみません。

「えっ、そうなんですか?」という方のみ、この続きをお読みください。

長い間地球の引力が月に作用して、ついにいちばん安定している状態に落ち着いた結果、月の公転周期と自転周期が「同期」したそうです。

同様に、月の引力も地球に及んでいるので、地球の自転周期もだんだんと遅くなっているようです。

最終的に、いちばん安定した状態になったとき、地球の自転周期は月の公転周期と同じになります。

そうなると、昼が半月続いたあと、夜が半月続くという、じつにのんびりした「1日」になってしまいます。

単位としての「日」=「月」になるので、1月1日の翌日は2月1日、その翌日は3月1日になります。

ゆめタウンは毎日5倍です。

もう一つ、地球上は、月がいつも見える地域と、1年中見えない地域に分かれてしまいます。

つまり、月のウサギから見ると、地球がいつも同じ模様になるわけです。

テータのバックアップ

電子カルテのデータは毎晩バックアップをとっています。

パソコンにトラブルがあると、診療データがすべて失われてしまう危険があるからです。

これが電子カルテシステムの最大の弱点だと思います。

で、保存方法について。

(1)USBメモリ

いちばん一般的で便利な保存メディアですが、小さくて持ち運びやすいのがかえって問題です。

診療データは個人情報のカタマリ。院外で紛失すると大変なことになります。

院内で紛失したとしても慌てます。

私は決してUSBにはコピーしないことにしています。

(2)パソコンの内蔵ハードディスク(HDD)内の別フォルダにコピー

簡単で速いので毎晩やっているのはこれですが、これはおもにソフトのトラブルによるデータ損傷に備えたもの。

ハード(パソコン)が故障したらデータも一蓮托生。復旧が不可能になる危険もはらんでいます。

(3)外付けHDD

パソコンが故障してもデータは温存されます。いい方法ですが、理想的には次のNASでしょう。

(4)ネットワークHDD(NAS)

院内LANに接続して、パソコンとは離れた部屋に設置しています。火事のときに両方とも焼失する確率を減らすためです。

(5)インターネットHDD

セキュリティー完備のインターネットHDDはたくさんあります。無料のものも多いです。

クリニックが火事で全焼してもデータは残ります。

自宅でも電子カルテデータを閲覧できるのが、この方法のメリットです。

ただ、データを丸ごとアップロードしようとするとかなり時間がかかります。

私の場合、一部ファイルのピンポイントバックアップに使っています。

(6)データ保管サービス

厳重警備のSECOMなどのバックアップセンターにオンラインで保管する方法です。

全国複数の秘密の場所で隔地保存しているそうなので、天変地異のときでも安心です。

ま、現実的にはNASでしょうか。

宇宙との交信

3分35秒

これが、地球から金星探査機あかつきまでの通信にかかる時間だそうです。

地球から指令電波を出して、その反応が返ってくるまでに7分かかるのですから、トラブル処理操作には相当の苦労があったと思います。

ところで最近、地球から20光年離れた惑星からのパルス信号が受信され、地球外生命体の存在が現実味を帯びてきました。

先月からは、世界合同での地球外知的生命探査(SETIというらしい)も始まり、私の近所では、東海大学宇宙情報センターがこの計画に参加しています。

20光年といえば、宇宙ではご近所ですが、通信には往復40年かかるということ。

多分こんな感じ。

2010年「こちらは地球です。応答願います。」

2050年「すいません、もう一度お願いします。」

    「地球です、どうぞ。」

2090年「あー、ちょっと聞き取りにくいのですが。」

受験生の方へ

インフルエンザの予防接種を、今シーズン2回受けておきたい受験生の方へ。

申し訳ありませんが、今年はそれができません。おかしな話です。

季節性インフルエンザワクチンの接種回数は、昨年までの規定ではこうでした。

  12歳以下  :2回

  13歳~64歳:1回または2回

  65歳以上  :1回

13歳以上であっても、「2回接種した方がより効果的」であり「希望者は2回接種しても良い」のでした。

そのため、例年多くの受験生や医療従事者が2回接種を受けていました。

ところが昨年、新型インフルエンザワクチンのときに、厚労省は「13歳以上は1回で良い」との通達を出しました。

「健康成人に対するワクチン接種後の抗体価上昇が、1回と2回で差がなかった」というのがその根拠です。

しかし本当のところは、新型ワクチンの輸入に手間取った国がひねり出した、苦し紛れのワクチン節約策でした。

「苦し紛れではなく、本当に1回で良いのである」と言い張る国は、その言い分を正当化すべく、今年の接種回数を「13歳以上は1回のみ」に決めてしまいました。

国と委託契約した医療機関はこの規定を守らなければなりません。

ですから今年は、受験生の方が希望しても、2回接種はできないのです。

昨年はあくまで「新型」の話だったのですが、新型と季節性の「混合」ワクチンである今シーズンも、同じ解釈がなされたわけです。

とするならば、昨年までの季節性ワクチンを「2回接種でもよい」としていたことが「過剰な接種」であったいうことを、国が根拠をもって示さなければなりませんが、・・・ありえないことです。

医学的には、2回接種してもまったく問題ないどころか、それなりに有効性は増すと思われます。

ビートルズ配信

ようやく3日前から、アップルのiTunes Storeでビートルズの曲が購入(ダウンロード)できるようになりました。

アップルとビートルズの両方のファンとしては、とても感慨深いものがあります。

思えば、私が初めて買ったビートルズは、中学校のとき友達から譲り受けたEP盤でした。

そのビートルズ本人(たち)が英国に設立した会社がアップル(アップルレコード)です。レコードにはリンゴのマークがありました。

一方で、そのビートルズの成功にあやかろうと名付けられたとの逸話もあるパソコン会社が、米国のアップルコンピュータ(現アップル)。

当然両者は商標権を巡って争うことになり、アップルコンピュータが音楽事業を行わない約束でいったん和解しました。

当時の発想では、パソコンと音楽は無関係だったので、そのような合意ができたのです。約30年前の話です。

私が初めてMacを購入したのはその数年後。

当時すでにMacのサウンド関連機能はけっこう充実していて、楽しいソフトがたくさんありました。

これがやがて音楽事業への侵入とみなされる状況になり、再び両アップルの争いが始まりました。

私には苦しい時代でした。いっそのこと両者が合併したらどうなのかとさえ思いました。

20年前にふたたび和解が成立。

「アップルコンピュータは物理的な音楽コンテンツを配布しない」という内容の合意です。

では現状はどうなっているか。

現アップル(旧アップルコンピュータ)は、音楽を非物理的な(電子的な)コンテンツという形態で配信し、自ら製造した装置で再生させるというビジネスモデルを確立してしまいました。

この成功は、20年前の合意内容による逆境が生み出した、アップル起死回生の逆転劇でした。

そのようないきさつがあったので、すでに多くのアーティストがiTunes Storeで楽曲を提供しているにも関わらず、ビートルズだけはまだ配信されていませんでした。

今回のことで、音楽業界がCD販売からデータ配信へと大きく舵を切ったように思えます。

ビデオ流出

尖閣ビデオ流出が大きく報じられています。

この件には様々な問題点や背景をはらんでいますが、私が気になったのは「流出」です。

秘密情報が外部に漏れた場合には、通常「漏洩」という言葉を用います。

では、漏洩と流出、どう違うのか。考えてみました。

言葉から受ける印象としては

 漏洩:小さな漏れ、こっそり

 流出:大きな漏れ、どっさり

漏れ方(イメージ)

 漏洩:口頭・筆記・撮影など、諜報部員的イメージ

 流出:文書・画像・映像など、マスコミ的イメージ

漏らした人が得られるもの(イメージ)

 漏洩:金銭・弱み解消、場合により身の危険・犯罪歴

 流出:儲け・自己満足、場合により社会的絶賛・非難

情報はどうなるか

 漏洩:秘密性は持続

 流出:しばらく話題

ひとことで言えば

 漏洩:裏取引による情報提供

 流出:不本意な形の情報公開