総菜の衛生管理

スーパーの総菜売り場で買ったポテトサラダで、腸管出血性大腸菌O157に感染する食中毒が起きました。

感染者のうち1人が重体、2人が重症とのこと。客が自由にすくい取って、量り売りする方式だったようです。

製造工程における(従業員による)汚染なのか、売り場における(客からの)汚染だったのか。

不特定多数の客が、食品に自由にトングを入れたり出したりする販売方式に、問題があるのかもしれません。

O157に汚染された客が、その手でトングを持ち、持った部分がポテトに接触した可能性は、十分あります。

ポテトとトング、その清潔と不潔の境界部をつねに意識して扱っている客など、あまり多くはないでしょう。

このようなことは総菜売り場に限りません。たとえばレストランやホテルの、バイキング形式の食事。

料理の消費回転が速ければ、たとえ汚染されても病原体が増殖する時間はないかもしれません。

しかしそれでも私は、客の一人一人がつねに清潔な操作をしてくれているかどうかが、とても気になります。

できれば、厨房から運ばれてきたばかりの料理に、なるべく早めに手を付けたいと考えています。

ショーケースに、できあがったおかずが陳列されていて、それを自由に選ぶ形式の食堂も、私は気になります。

学生時代に、下宿近くに老夫婦が経営する食堂がありました。ショーケース方式の店でした。

おかずとサラダなどを選び、温かい御飯と味噌汁を椀にもらって、席に持ち帰って食べます。

それから20年ぐらいして、その店にまつわる驚くべき体験談を、先輩から聞かされました。

(以下、勇気と覚悟のある方だけが、読み進んでください)

焼き魚の皿を選んで、魚の片面を食べ終わり、魚をひっくり返すと、裏側はハエの幼虫だらけだった・・・

何十年も前の話ですが、その話を聞いてから私は、作り置きの総菜やバイキングには、どうしても慎重です。

(追記)

その後、他の店舗のポテトサラダ購入者からも感染者が出たと報じられました。製造工場が原因?

バイキング形式が悪いんじゃなくて、結局、いちばんよくあるパターンみたいですね。

ジェネリック食料品

「ふわころ」という、セブンイレブンのスイーツが、「ジェネリック萩の月」だと、ちょっと前から話題です。

仙台銘菓「萩の月」にソックリなことを、模倣品とかパクリとは言わずにジェネリックと表現するのが面白い。

各地の銘菓にも、似たようなものがありますが、この場合はあまりジェネリックなどとは言いませんね。

それぞれの販売地域はおおむね地方限定だし、どこがオリジナルかを詮索するなど無粋ってものでしょう。

鹿児島の「かすたどん」や福岡の「お月さま伝説」も「萩の月」に似てますが、まあそれぞれ名物ってことで。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1522.html" target="_blank" title="ジェネリック">ジェネリック</a>」という言葉は、後発医薬品の名称が「一般名(generic name)」であることに由来します。

一般名というのは、言うなれば「成分名」みたいなもので、商品名としては無味乾燥だし語呂も悪い。

メーカー独自の名前が付いた「先発品」とは異なり、「後発品」では原則として独自名称を名乗れないのです。

たとえば「アムロジン錠5mg」という高血圧の薬には、30社を超えるジェネリックが出ています。

後発品は「アムロジピン錠5mg「サワイ」」のように、一般名の後にメーカー名の略称が付きます。

先発品名「アムロジン」と一般名の「アムロジピン」では名前が似てるので、これはまだマシな方です。

サノフィが発売している鼻炎薬「アレグラ錠60mg」も、20社以上が後発品を作っている大人気薬です。

しかしそのジェネリック名は、「フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」」などと味気ないものです。

ジェネリック医薬品はすべてこのような、成分表記優先で個性の無い商品名になりつつあります。

ジェネリック食料品にも適用されたら「ふわころ」は、「カスタードクリームスポンジ「セブン」」ですかね。

ジャックダニエル

「スコッチ」「アイリッシュ」「アメリカン」「カナディアン」「ジャパニーズ」、さて何でしょう。

ていうか、最初のスコッチでバレバレですが、世界5大ウイスキーとよばれるもの(生産地)ですね。

よくもまあ、日本がここに入り込めたと思いますが、それもこれも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2136.html" target="_blank" title="鳥井信治郎">鳥井信治郎</a>と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2136.html" target="_blank" title="竹鶴政孝">竹鶴政孝</a>の二人おかげです。

「お前はこのごろ、ウイスキーの話ばかりじゃないか」という方へ、「ウイ、好きーなので」

という、つまらないダジャレはさておき、今日は珍しくアメリカンウイスキーの話。つまり、バーボンです。

銘柄でいうなら、「ジャックダニエル」とか「ワイルドターキー」です。水の江瀧子じゃないですね。

大好きなジャックダニエルは、昨年、蒸溜所創業150周年記念ボトルが発売されたので、即買いしました。

即買いしたのですが、買ったことを即忘れしてて、物置から発見したのはつい最近のことです。

バーボンはトウモロコシが主原料なので、スコッチとは少っち、どころかだいぶ香りや味わいが違います。

中でもジャックダニエルは、他のバーボンとは少し製法が異なり、テネシーウイスキーと呼んで区別します。

150周年ボトルばかり飲むのはもったいないので、標準のジャックダニエルを買っておくことにしました。

通常このような場合、Amazonか楽天で買うのですが、ところがです。近所のスーパーの方が安かった!

震災後の復旧(建て替え)がやっと終わって、つい最近開店したばかりの、近所の「ゆめマート龍田」です。

生鮮食品中心のスーパーなのに、なぜかジャックダニエルが、通販よりもずっと安いんです。

今日はチャリだったので持ち帰れず、明日の夜、車で買いに行くことにしました。売り切れませんように。

サントリーオールド

日経に連載中の『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2136.html" target="_blank" title="琥珀の夢">琥珀の夢</a>』(伊集院静・作)は今日、「サントリーオールド」誕生の瞬間を描いていました。

昔からなじみのある「ダルマ」(または「タヌキ」)ですが、私が最後に飲んだのは学生時代かもしれません。

もちろん、二十歳(前)後の若造に、ウイスキーの味なんて、わかるはずもありませんけどね。

学生時代の飲み場所を大別するなら、仲間と行った焼き鳥屋か、コンパで使ったパブでしょうか。

後者ではたいてい、「サントリーホワイト」の薄〜い水割りを、旨いとも思わずにワイワイ飲むのが常でした。

よほど特別な場合に限り「オールド」を思い切ってキープしましたが、値段の高さを有り難がっただけです。

この手のサントリーのウイスキーは、もう30年以上は飲んでいません。今でも買って飲もうとは思いません。

「オールド」は、サントリー創業者の鳥井信治郎氏が、会心のブレンドとして世に出した超ヒット作です。

私が学生の頃、オールドは世界一売れているウイスキーだったようです。まさにお化け商品です。

しかしその原料に使われていた山崎のモルトはわずかで、それ以外の不可解な「まぜもの」が問題でした。

当時発売された『ほんものの酒を!』などの本にも影響を受けて、私はサントリー嫌いになりました。

いまではサントリーも、上質なウイスキーを作っていますが、ひどいウイスキーもまだ量産しています。

後者はちょうど、第3のビールを本物のビールだと偽って売っているようなものです。

そんな偽物を上手に味付けして、大々的に宣伝して売りまくるサントリーが、私はイヤなのです。

ブームの功罪

日経の朝刊に連載中の、伊集院静氏の『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1759.html" target="_blank" title="琥珀の夢 ——小説、鳥井信治郎と末裔">琥珀の夢 ——小説、鳥井信治郎と末裔</a>』に、はまっています。

主人公の鳥井信治郎は、言わずと知れた、サントリーの創業者です。

3年前に放送されたNHKの連続テレビ小説『<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1091.html" target="_blank" title="マッサン">マッサン</a>』では、鴨居欣二郎という名で登場していました。

その役を演じたのが堤真一だったので、『琥珀の夢』を読んでると、主人公に堤真一のイメージが重なります。

『マッサン』では、豪快ゆえに繊細さに欠ける人物のように描かれていた鳥井氏が、小説では違います。

その反対に、ドラマではすばらしい人物として描かれていた竹鶴政孝氏が、小説では影の薄いチョイ役です。

誰を主人公にするかによって、こうも描かれ方が違うのかと驚きます。

鳥井氏は、空襲や進駐軍から山崎蒸溜所の原酒の樽を守り抜き、逆に進駐軍に売りつけて大儲けしたそうです。

また、飲み手の希望に添う味のウイスキーを作り、たくみに宣伝して売りさばくのが、サントリー流でした。

一方で竹鶴氏は、日本人ウケする商品を作ることをヨシとせず、本場のスコッチの味を再現しようとします。

ようやく日本人の方が「成熟」して、ニッカの良さがわかるようになったのは、比較的最近のことでしょう。

ところが、連ドラが巻き起こした「マッサンブーム」によって、ニッカの商品は製造が追いつかなくなります。

その結果、原酒不足によって代表的な商品が姿を消してしまうという、「悲劇」が起きてしまいました。

「鶴」は生産終了、「余市」は10年とか20年とかのエイジング商品が終売、今はノンエイジのみの販売です。

『マッサン』前は1万円台だった「余市20年」は、いまAmazonで買うと15万円を越えます。ひどい話です。

こんなことなら、ニッカの良さなど知られないままでも良かったのに。そう思うファンは多いかもしれません。

シングルモルトの飲み方

ブレンデッドウイスキーはともかく、シングルモルトをロックで飲むなど邪道だ、というのが常識のようです。

それならばと、最近はストレートを試すようになり、ついにシングルモルト専用のグラスも買いました。

そのグラスの特徴は、そのほどよい細さと、飲み口の広がり具合と、ガラスの薄さでしょうか。

余市(ウッディ&バニラ)とラフロイグ10年で試してみたところ、前者はフルーティーで、後者は刺激的。

アルコール度数55%の余市がむしろまろやかで、40%のラフロイグがひどく焦げ臭くノドを焼きます。

3分の1ほど飲んだところで、残りをワイングラス(ブルゴーニュタイプ)に移し替えてみて、驚きました。

揮発した成分が、目に刺さり鼻を突くほどに立ち込め、一つ一つの香りが分離して、分かり易くなったのです。

さらにその残りを、ロックグラスの氷の上に注ぐとこれがまた、変わるんですね。面白い。

低温によって香りが沈静化した分、香りに邪魔されていた味、とくに甘みやコクを感じやすくなりました。

このように、グラスを次々とせわしなく変えて、香りと味の変化を感じながら飲むのが、いまの私の流儀です。

シングルモルトは結局、自己流に楽しめばいいと思いました。

難を言うなら、私の方式では洗い物がやたらと増えます。洗うのはもちろん、私です。

ウイスキーを、とくにシングルモルトを飲まない方には、まったく興味の湧かない話でしょう。

でも、心配ご無用。私もほんの10年前まで、ウイスキーの美味しさを知らなかった人間ですから。

人類が初めて口にした酒は、果実か穀物が発酵してできたワインやビールのような醸造酒だといわれています。

ずっと後になって、その酒を加熱して蒸溜して飲んでみてはどうかと思いついた人の、その発想に感謝します。

こりゃなんだー

「コリアンダー」の話なのですが、読者にオチを予測される前に、先手を打ってタイトルに書いておきました。

NHKのサイトで、「コリアンダー」と「パクチー」と「香菜(シャンツァイ)」についての記事を見かけました。

これらは全部同じモノだけど、どの呼び名がよく知られているかは年齢層によって異なる、というお話。

40〜50代はどの呼び名もよく知っていて、若い人ほどパクチー以外はあまり知らない、と。

NHKの調査結果の詳細が分かりませんが、問題の本質は、単に言葉遣いの違いではなさそうです。

どの年代がどのような食生活をしてきたか、ということでしょう。

パクチーの中国語が香菜で、コリアンダーはその果実を乾燥させて香辛料にしたものを指す場合が多いとか。

若者たちに人気のタイ料理にはパクチーがよく登場するので、その知名度が高いのでしょうね。

そう言えば、小学生時代に読んだ、吉四六(きっちょむ)さんのトンチ話を思い出しました。

なにぶん、昔の話なのでうろ覚えで、肝心な部分が少し間違ってるかもしれませんが、多分こんな具合です。

ある畑で獲れた見慣れぬ野菜のことを、吉四六さんは出まかせで「ぱくちい」だと知ったかぶりました。

あとで殿様に呼ばれ、その野菜は何と申すのかと尋ねられ、苦し紛れに「こりゃなんだー」と答えます。

前に言ったのとは違うではないかと咎められると、乾燥したものはそう呼びます、とトンチを利かせたとか。

炊き餃子もどき

上野動物園の赤ちゃんパンダが、うっすらと目が開き始めたと報じられました。体長は34センチ。

いい感じの大きさです。ずっとこのぐらいのサイズなら、家で飼ってリビングでゴロゴロさせたいですけどね。

でもニュース映像をよく見ると、パンダの目はまだ開き始めだからでしょうけど、細目でつり目です。

昔、漫画で「パンダはたれ目で可愛いけどよく見るとつり目で怖い」というのを読んだ記憶があります。

その4コマ漫画とそっくりの、遠目にたれ目なのに本当はつり目の赤ちゃんパンダに、ちょっと驚きました。

パンダつながりで言うなら、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」は、通称「PMDA」でパンダ似です。

“Pharmaceuticals and Medical Devices Agency” なんだから、どうせなら「PAMDA」にすればいいのに。

そのPMDAの専門委員をしている友人が、しばしばFacebookで飯テロをしかけてきます。

このたびは博多名物の「炊き餃子」の画像でした。これは見た目にも、かなり旨そう。ひどく食べたい。

博多まで出かける暇がないので、自宅で「炊き餃子もどき」を作ってみました。

スープに餃子とネギをぶち込んで、ついでに御飯も入れて、豚骨餃子雑炊みたいな感じになりました。

不味くはないけど、まあ、あれです。ちょうど、餃子付きのラーメンライスを食べてる感じ。

いつか本場のを食べに行こう。

サントリー頂けない

ビール類の酒税一本化のニュースは、私にとっては朗報です。いつも飲んでるビールが値下げされるからです。

一方で、逆に値上げされることになる発泡酒や第3のビールは、幸いなことに私はあまり飲みません。

そんなリッチな話ではありません。ひと晩に2,3本飲んでいたビールを、最近は1本に減らしているのです。

仕事帰りの風呂上がりに、たった1本なのだから、旨いビールを飲む小さな贅沢ぐらい、多めに見てください。

そうは言っても、新製品が登場したときには、それが発泡酒でも第3のビールでも、とりあえず試すタチです。

最近だと「サントリー頂(いただき)」です。CMで気になってたので、さっそく頂きました。

が、意外にも、唐沢寿明が「コックゥ~ん!」と言うほどの強さがありません。むしろマイルド。

と思ったら、しらばくして効いてきましたね、7%というアルコール度数の高さが。これって、酔いますね。

口当たりに刺激が少なく、のどごしも軽く、しかしあとから効いてくる。ビールとしてはダメなやつでしょう。

私がビールに望むのは、その真逆。ノドに突き刺さり、ゲップが出まくり、鼻にツーンと来るやつがいい。

「サントリー頂」のCM『絶頂うまい出張編』の内容が不適切だとクレームが出て、炎上したことが話題です。

サントリーのサイトからは削除されていますが、もちろんネット上には残っています。

後学のため見てみると、まあたしかに、不快に思う人もいるでしょうけど、その逆の人も大勢いそうです。

こんなCMを削除するような弱腰だから、ビールもぼんやりしてくるのです。

アイラ巡り

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1449.html" target="_blank" title="村上春樹">村上春樹</a>の『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』という、読めば飲みたくなる本があります。

アイラ島とアイルランドを巡って、その土地と人と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2092.html" target="_blank" title="ウイスキー">ウイスキー</a>の話を書いた、すぐ読めてしまう旅行記です。

すぐ読めるけど文章の洗練度は高く、さすがです。彼の小説はあまり読みませんが、エッセイの類は好きです。

アイラ島には現在8カ所の蒸溜所があり、独特の香りのする、いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1110.html" target="_blank" title="アイラ・モルト">アイラ・モルト</a>」を作っています。

ピートに由来するヨード香(またはイソジン臭)が特徴で、しかも蒸溜所によって香りと味わいが違います。

ネットで「アイラくらべ」などという記事をよく見かけるように、香りを比較して楽しむ人は、かなりいます。

アイラ党を自負するからには、私も飲み比べて違いを把握しなければなりません。

というわけで、自宅の書斎にアイラ・モルトを収集して、夜な夜なテイスティングをしているわけです。

何種類も味わうために、毎晩何本かのボトルから少しずつ、ほんの少しずつ味わいます。

ストレートで飲むべきであることは承知していますが、私は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2103.html" target="_blank" title="ロック">ロック</a>です。そこが邪道です。すみません。

村上春樹氏によれば、癖の強さは「アードベック」が筆頭。これは私も認めます。荒々しく突き刺さります。

私はいつも、一番好きな「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-583.html" target="_blank" title="ラフロイグ">ラフロイグ</a>」から始めます。これが私なりの基準なのです。

それから「アードベック」の刺激を味わい、「ボウモア」で少し落ち着けてから、「カリラ」に手を出します。

アイラ・モルト以外にも浮気したりしながら、最後に「ラフロイグ」に戻って、アイラ巡りを終えます。

そうこうするうちに、心地よい眠気に襲われるのです。