医者の不養生

腱鞘炎の装具を付けていると、よく「医者の不養生」ですね、と言われてしまいます。

他人には偉そうに言うのに自分ができてない、そのことを言い表した言葉です。

似たようなものに「紺屋の白袴」とか「坊主の不信心」があります。

医者・紺屋・坊主以外の職種ではこのような言葉はないのでしょうか。

ちょっと作ってみました。

「教師の不勉強」これ、なかなかいいですね。

「検事の不道徳」乗ってきました。

「役人の不親切」親切な方もいます。

「調理師の不衛生」いけません。保健所に連絡です。

「政治家の不誠実」ふつうすぎ。

「時計屋の不整脈」主旨がずれてきました。

おつりのほうになります

腱鞘炎になってから、箸を使わなくてすむピザを食べることが増えました。

昨日宅配ピザが届いたときの会話。

ドアを開けると、「はじめに商品のほうをお渡ししますが大丈夫ですか?」

次に2千円を出すと、「2千円からおあずかりします」

さらに、「こちら、おつりのほうになります」

「~のほう」   

いちばん頻繁に耳にするフレーズで、応用範囲の広い言葉です。ムカつきます。

「大丈夫ですか」 

何か心配事がある状況で使う言葉です。もしかすると私の腱鞘炎を気遣ってくれたのか。

「~円から」   

丁寧に言おうとする気持ちなのか、おつりを前提とした意味を込めたのか。ともかくイヤな言葉づかいです。

「~になります」 

これについては、ちょうど来週6/10のNHKの番組「みんなでニホンGO!」でとりあげられるようです。

ちなみにこの番組、NHKらしい比較的深い掘り下げと、NHKらしからぬ軽いノリ(レギュラー出演者のザキヤマに負うところ大)のバランスがよくて、最近の私のお気に入りのほうになります。

誕生日

患者さんのデータ整理していて、遅ればせながら年齢にまつわる変な「とりきめ」に気付きました。

ある年の3月31日に生まれた子と4月1日に生まれた子は同学年ですが、その次の日の4月2日に生まれた子は1学年下級生になります。なぜか4月1日と4月2日の間に境目があるのです。

なんか違和感ありますね。

何??と思われた方、詳細はまたいつか解説しますが、ひとことで言えば法律上の年齢解釈のためです。エイプリルフールとは無関係です。

平成14年に国会で民主党議員がこの違和感について質問していますが、当時の小泉総理は違和感なしと答弁しているようです。

ところで誕生日には、周囲が「おめでとう」と祝福し、本人は「ありがとう」と応えます。(あるいは「おめでたくもない」と眉間にシワを寄せてみせます。)

しかしよく考えてみると、自分がこの日に何かを成し遂げた訳でもなく、ただ年月が過ぎることを祝われることに、最近何かしらの違和感を感じていました。(また違和感です)

そして気づきました、「誕生日=出産日」であることに。

つまりこの日は、自分を産むという偉業を成し遂げてくれた母親に、感謝する日ではなかろうかと。

5月の第2日曜日よりはよっぽど意味のある「母の日」だと思います。

ちょうど誕生日を迎えた方、「ああ、もうこんな歳になって、おめでたくもなんともない」なんて言わずに、お母さんに感謝の一言をどうぞ。