振動で発電

旭化成が、階段と床の振動で発電して、エアコンの電気代をまかなう住宅を研究(実験)しているとのこと。

最近「エネルギーハーベスティング」という言葉を聞くようになりました。

日常生活のなかで発生するさまざまなエネルギーを、取り出し集めて利用しようという考え方です。

家電製品から出てくる熱や、自動車走行時の振動も、工夫さえすれば電力に変えることができます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-752.html" target="_blank" title="前に書いた">前に書いた</a>、タイピングによる発電も、まさにその発想です。

振動で発電と聞けば、すぐ思いつくのは「貧乏ゆすり」による発電でしょう。

売電すればひと儲けできます。貧乏ゆすりをすればするほど、貧乏ではなくなるわけです。

騒音で発電することも可能でしょう。マイクで集音したら電気が発生することなど、古くからある原理です。

ガミガミ怒られたときなどは、「ちょっと待って、発電するから」と言えば、相手を黙らせることも可能。

人の重みで発電するのも、エコでいいですね。

靴底や、イスや、トイレの便座への応用を考えたら、いくらでもアイデアが膨らみます。

路面に圧電素子を敷いて、通行人の重みで発電する実験のニュースも、以前聞いたことがあります。

デジタル体重計なんて、まさにうってつけ。体重計に電池が必要なことが、むしろ不思議なぐらいです。

Appleが開発中の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-643.html" target="_blank" title="iWatch">iWatch</a>」は、バッテリー容量(持ち)の問題に直面していると報じられています。

それこそ、持ち歩くモノなんだから、振動発電させたらどうでしょう。自動巻の腕時計のように。

ま、そんなことぐらい、もう検討済みでしょうけど。

科学掘削船

日本の造船技術について特集した、NHKの番組を見ました。

「戦艦大和」とか、巨大タンカー「出光丸」とか、科学掘削船「ちきゅう」とか、どれも日本の誇りです。

しかし何よりも驚いたのは、豪華客船「飛鳥II」の最上級客室の世界一周クルーズ料金2700万円でしょうか。

それはともかく、いちばん興味をもったのは、海面上に微動だにせず留まって海底を掘る、科学掘削船です。

しかも太平洋の水深1000メートルの海底を、さらに7000メートル掘ってマントルに到達しようという計画。

掘りすぎでしょう。

マントルに達したその瞬間、マグマが噴き上がって、船上は溶岩流で大惨事になりませんか。

と、思ってしまいましたが、よく考えるとたしか、マントルは固体なんですよね。

調べてみると、マントル上部の成分は「かんらん岩」だそうです。変換すると「橄欖岩」と難しい漢字です。

ちなみに、そのかんらん岩の主成分は「かんらん石」だそうです。変換すると「観覧席」が出てきました。

かんらん岩は、温度が上がるか圧力が下がることによって、少しずつ溶けて、液体のマグマになるそうです。

言ってみれば、地底の圧力によって、マグマをむりやり押し固めたのが、かんらん岩というわけです。

となると、掘削パイプがマントルまで貫通したとき、その部分が急に減圧してマグマ化する危険はないのか。

「地球深部探査センター」のQ&Aによると、たしかにそのままではマントルが「減圧融解」するそうです。

なので、マグマ化しないように、冷却しながら掘削するそうです。ホントに大丈夫なのか。なんか心配。

ランドサット

地球上の史上最低気温は何℃か、考えたこともなかったですが、マイナス93.2℃だそうです。

このたびNASAが発表したのは、3年前の南極での気温です。

「ランドサット8号」の観測データから解析したそうですが、それにしてもだいぶ時間がかかったものです。

ランドサットは、NASAが開発した地球観測衛星です。地球をぐるぐると周回してくまなく撮影しています。

このデータは、防災や環境監視や農林水産業に活用することができます。

日本の産業技術総合研究所(産総研)は、日本上空通過時のランドサットのデータを受信しています。

受信したデータは先月から、リアルタイム(2時間以内)で、ネット上に無料で公開されているようです。

ランドサットのデータを直接受信するのは、熊本の東海大学宇宙情報センターのパラボラアンテナです。

これが高速ネットワーク回線を介して産総研に送信され、画像処理されて、ネット公開される仕組みです。

また出ましたね、東海大のパラボラアンテナ。地球外知的生命探査(SETI)にも参画している、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-58.html" target="_blank" title="あの施設">あの施設</a>です。

宇宙人との交信という突拍子もない研究だけでなく、もっと普通に社会に役立つ仕事もしているみたいです。

明晰夢誘導装置

画期的な装置だと思っていたところが、急転直下・・・ややこしい話なので、順を追って書きます。

(1)明晰夢

睡眠中に夢を見ている途中で「あっ、これは夢だな」と気付きながらも、まだ見続けている夢のことです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-469.html" target="_blank" title="私もときどき見ます">私もときどき見ます</a>。しかし「明晰夢(Lucid Dream)」という呼び方は、最近になって知りました。

(2)Kickstarter

不特定多数の出資者から資金をネットで調達する、いわゆる「クラウドファンディング」のひとつです。

映像や音楽や特殊技術製品など、クリエイティブなプロジェクトに特化しているのが特徴だそうです。

(3)LUCI

睡眠中の脳波を解析してイヤホンから話しかけ、明晰夢を誘導する、ヘッドバンド型の近未来的な装置です。

量産化に向けてKickstarterで資金募集を開始したことが、先月話題になり、私も大いに興味を持ちました。

(4)詐欺

LUCIに対してはKickstarterでの人気は高く、目標額を大きく上回る36万ドルの出資が集まったとのこと。

ところが一昨日、募集が突然打ち切られました。どうやらLUCIは、詐欺だった可能性が高いそうです。

だいたい、夢に介入して、それを夢だと気付かせ、さらに続きの夢を見させようなんて、夢みたいな話です。

ホントに実現したら面白いですけどね。

左利きが少ないわけ

魚にもヘビにも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-319.html" target="_blank" title="左利き">左利き</a>とか右利きがあると、今日の朝日新聞に紹介してありました。

その内容はよく理解できませんでしたが、少なくとも「利き側」があるのは、人間だけではないようです。

考えてみると生物のからだは、外見上は左右対称に近いですが、その内部(内臓)は全く左右非対称です。

たとえば心臓は、発生初期には左右対称に形成され始めますが、途中から一方の方向にねじれていきます。

それが「左ねじれ」なのか「右ねじれ」なのか、確率的に定まるのではなく、一方に決まっているのです。

消化器やその他の臓器でも同様で、すべては遺伝子によって定められています。

では、そのような内臓の左右非対称性が、利き手にも関係しているのでしょうか。

左利きの人口が全体のわずか10%程度というのには、何かよほど理由がありそうです。

「右利きの戦士は、左手に盾を持つので心臓を守りやすい」という自然選択説は、あまりに短絡的です。

それなら「日本の侍は、左腰に刀を差す武士のしきたりが右利きに有利だった」という理屈も成り立ちます。

ていうか実際に、左利きの侍は、左右どちらに刀を差していたのでしょう。

ネット検索してみたら多くの方が、侍は左利きであっても、刀を差すのは左側だと教えてくれています。

その理由はさまざま。武士の左利きは、厳格に右利きへ矯正されていた、という説が優勢です。

なかには「刀を右の腰に差している武士を見た事がありません」などと言い放つ人もいます。何を見たの?

(訂正)

最初、タイトルを「左利きが多いわけ」としていました。うっかりミスにしても、あんまりですね。

イプシロンの意味

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-711.html" target="_blank" title="イプシロン">イプシロン</a>」

かつて日常的には、あまりなじみのない言葉でしたが、最近では一番よく知られたギリシア語になりました。

打ち上げが延期され、その次は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-693.html" target="_blank" title="中止">中止</a>となり、そしてついに成功した、新開発の固体燃料ロケットの名前です。

そのように命名された、その隠された理由を、JAXAの森田マネージャーが最近明らかにしました。

それは、完全国産固体燃料ロケット「M(ミュー)ロケット」の名前に由来するとのこと。

ミューロケットの流れを継承する意味で、「M」の文字を横向きにして「ε」にしたのだと。

この「イプシロン」ですが、文字で書くと、意外にもなじみがあります。

(`ε´)

このブゥーといった感じの口元(と鼻?)の部分。これがイプシロンの小文字。日頃からよく見かけますね。

蛇足ながら、

(`Д´)

これが双璧をなす絵文字でしょうか。となると、この鼻は何なのか。

調べてみるとロシア語。「デー」と読むらしいです。英語の「D」に相当する文字でしょうか。これを、

(´Д`)

の方で使うと、情けない感じがなかなか良いです。ちなみにイプシロンをここで使うと、

(´ε`)

これまた、憎めない顔ですね。ま、どうでもいい話ですが。

打ち上げ成功

仕切り直しで本日となった「イプシロン」ロケットの打ち上げ。もちろん成功しました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-693.html" target="_blank" title="前回">前回</a>は休診日だったので、自宅でじっくり見守っていたのですが、打ち上げ中止のハプニング。

今日は診療日だったので、診察室のパソコンで、JAXAの「打ち上げライブ中継」を見守っていました。

打ち上げ予定時刻は13時45分でしたが、警戒区域に船舶が入る恐れが出たため、15分延期されました。

誰ですか。こんなときに邪魔するのは。もしかして、他国?

おかげで当院の14時からの予防接種の開始が遅れる羽目になりました。それもこれも、その船舶の責任です。

イプシロンは時間通り打ち上がりましたが、すぐに傾き始め、大丈夫かと思うほど斜めに飛んでいきました。

東に向かって打ち上げたからです。これは地球の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-183.html" target="_blank" title="自転">自転</a>を利用して、効率よく速度を上げるためです。

安全のため、射場の東側には大きく海が広がる場所が選ばれます。内之浦もそうです。

地図で見ると、宇宙空間観測所の北東方向には津代半島が突き出し、その東の先端に「火崎岬」はあります。

これにちなんで、イプシロンから分離された衛星SPRINT-Aの愛称は「ひさき」と命名されました。

ひさきの仕事は、気象観測でも衛星放送でも情報通信でもGPSでもなく、ただ、惑星を観測することです。

こういう、純粋に科学的探求を行うためのプロジェクトって、いいですね。

ベテルギウス膨張

「ベテルギウス」が、近いうちに超新星爆発を起こす可能性があることは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-163.html" target="_blank" title="昨年も書きました">昨年も書きました</a>。

ここにきて、状況はいよいよ緊迫してきたようです。大げさに言えばそうなります。

ベテルギウスは、冬の星座オリオン座の、左上角の赤い星です。地球から640光年離れたところにあります。

そのベテルギウスが、最近急速に膨張しているというニュースが、今日になって飛び込んできました。

過去40年で、直径が2〜3倍に膨らんでいるとのこと。過去4億年じゃないですよ、40年ですよ。

直径が太陽の1000倍といわれている巨大な星が、このようなスピードで膨張しているとは、こりゃ大変。

専門家の間には否定的意見もありますが、ついに超新星爆発の前兆かと、一部では盛り上がり始めています。

もしもベテルギウスの惑星に知的生命体が住んでいたとしたら、今頃は大騒ぎでしょう。

はたして今年爆発するなんてことはあるのか。どうせなら、見てみたい。

爆発後3カ月間は、月の100倍の明るさで輝き続けるとか。かなり明るい夜になりそうです。

超新星爆発で大量のガンマ線が出るので、地球への影響が少し心配されます。

シリウスの距離の星の爆発だったら、地球上の生物は絶滅するそうです。ベテルギウスが遠くてよかった。

0.07秒

「わずか0.07秒のズレのために発射中止」というニュアンスの、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-693.html" target="_blank" title="イプシロン">イプシロン</a>打ち上げ中止報道。

どのような尺度の正確さが求められるかにもよりけりですが、0.07秒は、わずかとは言えないでしょう。

「地上設備とロケットのコンピュータの間の通信には必ず0.07秒かかるのに、それが考慮されていなかった」

とぼけたこと言ってますね、JAXAも。

通信時間も考えず、「イプシロンは時間通りにやってないじゃん」て、地上が早とちりしたってことでしょ。

イプシロンにしてみれば、「まだ命令聞いてないっスよ」てな感じなのに、叱られたわけです。

「パソコン2台で発射管制を行うことができる」って前評判でしたが、全然管制できてないじゃないですか。

「ロケットに人工知能をもたせた」そうですが、ならば通信せず、ロケットに全部任せときゃよかったのに。

今回の打ち上げ中止が、どれほど日本の科学技術の評価を下げたことか。

打ち上げ前から「ICBMに転用できる」と日本を非難してきた韓国の、高笑いが聞こえてくるようです。

JAXAの方へ。来月はビシッと決めて下さい。できれば火曜か金曜でお願いします。また生中継見ますので。

打ち上げ中止?

今日午後1時45分に予定されていた、新型ロケット「イプシロン」の打ち上げが、突然、中止されました。

NHK・民放各局の中でただ1局、日本テレビの「ヒルナンデス!」だけが、その模様を生中継していました。

休診日なので、ずっと見てました。固唾を呑んで、そのカウントダウンを聞いていました。

「5、4、3、2、1、ゼロ・・・・」え〜っと、あの、飛び上がりませんが・・・もしかして、失敗? 

その後しばらくして「打ち上げ中止」と報じられました。

いやいや、「ゼロ」を言ってなければまだしも、ゼロまでカウントしておきながら「中止」ですか。

発射19秒前に異常が検知され、カウントダウンが自動停止したそうですが、じゃあ、あのカウントは何?

今月初めに電気系統の配線ミスが判明し、打上が5日延期されたと思ったら、こんどは19秒前の中止ですか。

ロケットの異常ではなく、地上との通信に問題があったとするJAXA。むしろ問題の矮小化が気になります。

次の打ち上げでロケットに異常があっても、通信の問題で異常と判断できない可能性が心配です。

「中止」であって「失敗」ではなかったにしても、今後の打ち上げビジネスに差し障りはあるでしょう。

思い出すのは、大型ロケット「H2」と「H2A」の打ち上げ失敗。あの時にも、同じことが懸念されました。

運用終了が迫る気象衛星「ひまわり5号」の後継は、当初、公募名による「みらい1号」となる予定でした。

しかしこの衛星を搭載した「H2 8号機」が打ち上げに失敗。

次の気象衛星は「H2A 6号機」で打ち上げる予定でしたが、衛星の納期が間に合わず。

仕方なく情報衛星を載せて打ち上げたところ、これが失敗。日本のロケット技術に暗雲が立ちこめました。

しかし次の「H2A 7号機」で、気象衛星は無事打ち上げ成功。日本中が安堵したものです、たぶん。

衛星の名前は「みらい2号」ではなく「ひまわり6号」と命名されました。やっぱ、ひまわりっしょ。