「投票・ワクチン・検査パッケージ」ってどうよ

「NHKをぶっ壊〜す」と叫ぶ政治家の映像を公平に放送しなければならないNHKの心情、お察しします。

いつのまにか政党名が「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」になってる政党の党首、立花氏です。

メディアはたいてい、自分に都合の良いような編集や報じ方をするものですが、選挙関係は別なんですね。

候補者や党首の発言に恣意的な編集ができず、ほとんど放送事故レベルの面白さがあります。

さて、投票率がどうなるか。過去2回の総選挙の投票率は53%前後でした。

最近の世論調査では、「投票に行く」と答えた人は若者では20%程度だったとのこと。

この若い世代からの得票を掘り起こせた政党は、かなり有利だということですね。

投票率を上げるためなら、たとえば「投票・ワクチン・検査パッケージ」なんてどうでうすか。

まだワクチンを接種していない方は、投票所で必ず接種でき、ついでにPCR検査までできちゃう。

3週間後に同じ場所で2回目の接種もでき、ついでにまた、PCR検査ができちゃう。

ただ反ワクチンの人からすれば、「投票所に行ったらワクチン打たれてしまうよ」ということになりますね。

その結果、反ワクチンの人からの票を減らす効果があるかもしれませんが、それはさすがに問題でしょう。

総選挙を利用して、若者のワクチン接種率を上げようという作戦、うまく工夫してなんとかなりませんかね。

岸田総理大臣誕生

「岸田文雄君を、内閣総理大臣に指名することに決まりました」

大島衆議院議長のこの宣言をTVで耳にした方は多いでしょう。ならば聞いてて違和感はありませんでしたか。

「岸田」という名前の部分のアクセントです。

「石田」のように平板型で発音されることが普通なのに、大島議長は「西田」のごとく頭高型でした。

大島議長がそのように発音した理由だけでなく、なぜ石田と西田とでアクセントが異なるのかが気になります。

同様に、「岩田」と「有田」でも違うし、「羽田」と「成田」も違います。何か規則があるのでしょうか。

そんなことばかり気になって、首相会見はあまり聞いていません。

ちなみに岸田氏本人は、自分の名前を平板型で発音しています。

内閣支持率が最初だけ高いのではなく(頭高型)、ずっと安定して(平板型)ほしいものです(うまくない)。

おりしも東京都の新型コロナ新規感染者数が、今年初めて100人を下回りました。熊本県はなんと3人!

もちろんこれは岸田氏の「功績」ではなく、なんなら菅氏の「置き土産」とも言うべき数字かもしれません。

コロナ禍が最悪の状況を脱して、少しばかり希望の持てるタイミングでの新政権発足で良かったですね。

岸田文雄氏が自民党新総裁

自民党総裁選では、岸田文雄氏が新総裁に選ばれ、河野太郎氏は敗れました。

国会議員票と党員・党友票で捻れがあり、最初の投票では河野氏が1位かと思っていましたが、違いました。

岸田氏が最初から1位だったので、シコリの残る「決選投票での逆転」にならなくて良かったと思います。

党員・党友票のある自民党総裁選は奇しくも、日本の総理大臣を直接選挙で選ぶような側面があります。

それを意識して、党内の選挙なのに、候補者らは国民に聞こえるように政策アピールをしていました。

この点が今回の総裁選の良い面だったと思います。これまでには経験したことの無い斬新なイベントでした。

さて、岸田氏です。悪い人には見えません。温厚で常識的で、ユーモアも分かるような方のようです。

とは言え、自他共に認める「聞き上手」ですから、あちこちと衝突するような改革ができるとも思えません。

党役員人事や組閣では、「中堅・若手の思い切った登用」と「老壮青のバランス」を重視するとのこと。

結局、「老」を切り捨て切れないということですか。そこでしょうかね、議員票がトップな理由は。

まずは明日の人事がどうなるのか。お手並み拝見というところですが、良い意味でサプライズが欲しいです。

同時多発テロから20年

アメリカ同時多発テロ事件が起きたのは、ちょうど20年前のことでした。

その日私は、市民病院で2例目の手術を終えて、ICUの休憩室のテレビで事件を知りました。

NHKはまだ、旅客機が世界貿易センタービル北棟に衝突した事故として報じ、生中継映像を映していました。

ところが、そのままテレビを見ていたら、あろうことか、2機目が隣の南棟ビルに突っ込みました。

この瞬間、旅客機が故意にビルに突入したこと、すなわちテロであることに気付かされ、戦慄したのでした。

それでもまだ、燃えている階層は限られていたので、ほとんどの人は逃げられると願って見ていました。

しかし願いもむなしく、突然、2棟のビルが相次いで崩壊。とても信じられない光景に言葉を失いました。

その時点でビルから避難できていなかった方の、ほぼ全員の死亡が予想される大惨事となりました。

最初に被害に遭った北棟と比べて、後で被害を受けながら先に崩壊した南棟の方が、被害者は少数でした。

南棟にいた人たちが、北棟の惨事を見て対岸の火事で済ませず、早めに避難を始めていたからです。

「事故」であるならば、慌てて逃げる必要はなかったのに、念のため逃げて助かったのです。

これは、日本の豪雨や地震、津波、噴火などの自然災害の被害を小さくするためにも、とても重要な教訓です。

念のため避難することは、臆病でも恥ずかしいことでもない、勇気ある賢明な行動なのです。

避難訓練やイメージトレーニングなど、すぐに体が動くような日頃からの準備が大事なんでしょうね。

菅首相が突然、もう総理大臣やめたっ!

菅首相が突然、自民党総裁選に立候補しないことを表明しました。つまり総理大臣を退任すると。

これまで菅政権の政策を批判し続けて来た野党などは、こんどはこの時期の退陣は無責任だと批判しています。

でもコロナ対策に専念したいっていうんだから、仕事を投げ出すわけじゃないし、ま、いいじゃないですか。

誰がやっても難しい時期の政権でしたが、それにしても菅氏には、国民に訴え伝える力が足りませんでしたね。

質問には、まともに答えずはぐらかす。まっ直ぐで誠実な発言など、菅氏の口からは聞いたことがありません。

コロナ禍という国難のなか、最悪の政権支持率で首相を入れ替え、そして総選挙に向かうことになります。

このタイミングでの政権交代は、私は望みません。野党だって、いま政権を運営できる力はないでしょう。

自民党の中の、誰か行動力・発信力のある方が、前例の踏襲にこだわらない政策を断行していただきたい。

また次の首相にはぜひ、真摯な態度で国民に向き合い、自分の考えを自分の口で誠実に伝えて欲しいものです。

パンデミックにおいてはまた、科学的な態度が大事です。専門家の意見やデータをないがしろにしないこと。

こんな特殊な状況下では、たまには<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1442.html" target="_blank" title="理系">理系</a>の頭を持つ人もいいと思うんですけど、誰かいますかね。

調べてみたら、岸田・石破・河野・高市・野田・茂木・小泉・下村、全員文系大学出身でした。やっぱり。

若者だって、接種したい人は大勢いるのです

東京都が若者を対象に渋谷に設けた新型コロナワクチンの接種会場に、想定を超える人が訪れてパンクです。

予約不要で接種できると言えば聞こえはいいですが、つまり先着順です。混乱するのは当たり前でしょう。

かつて高齢者の集団接種の電話予約では各地で大混乱を招いたことを、都の職員は覚えてないのでしょうか。

どうして役所の人たちには、普通の想像力がないのでしょうね。その見通しの甘さは重症です。

若者専用の会場を設けたら、ワクチンを接種する若者を少しでも掘り起こせる、ぐらいに思ったのでしょう。

接種を渇望している若者が大勢いることを想像できず、初日に200人という冗談のような定数設定でした。

多くの若者に接種させるのが目的なら、巨大な会場で初日は2万人ぐらい接種できる準備をしときなさいよ。

ワクチンと会場に余裕があれば誰も慌てないし混乱もしませんが、不足気味と聞けば人は殺到するのです。

そういった人の心理を考えて、最初は大きすぎるぐらいのキャパを設定するぐらいの戦略で良いのです。

明日以降は抽選券を配布する方式にするそうですが、いったん現地に行かなければならないシステムがダメ。

若者向けなんだから、ネットでエントリーする抽選方式でいいじゃないですか。都庁の職員って素人の集まり?

テレビにかじりついて人流抑制

東京五輪が閉幕しました。

反対論の中でなかば強行された大会でしたが、やってみると案外、ていうか予想通り、盛り上がるものですね。

ひとたび反対した以上はテレビ観戦など絶対にしない、なんて意地っ張りじゃないんです、日本人は。

感染が拡大する中での開催には懐疑的だった私ですら、観戦用にテレビを買い替えちゃいましたからね。

首相や都知事らは、国民がみなテレビにかじりついていたので、むしろ人流は減ったと屁理屈をこねています。

でもたしかに、五輪開催全体の影響はさておき、テレビ中継の面だけを切り取れば、そうかもしれません。

これは日本だけではなく、世界中で同様の傾向が見られたかもしれません。ならばたいした人流抑制策です。

閉会式の演台の「蛾」が気になると世の中が盛り上がるぐらいですから、みんなテレビの前なのです。

日本中いや世界中の人が目にした、世界で最も有名な蛾です。欲を言えば、もう少し動きがほしかった。

それで思いついたのですが、9月も10月も、とんでもなく面白いテレビ番組をやればいいじゃないですか。

もう、世界中の人が釘付けになるような、外出したら損をするような特番(あ、録画すればいいのか?)。

外出を規制するのではなく、外出したくなくなるにようする、いわば「太陽政策」ですよ、望まれるのは。

外食産業やその周辺業界への支援・補償はまた別問題として、とりあえず一般市民はステイホームです。

たとえば、大画面テレビ購入への補助金など、どうですか。すでに購入した場合の遡及適用もお願いします。

五輪の盛り上がりとコロナの増え方が、ここまでシンクロしますか

新型コロナについては連日書きたくもないのですが、感染者が増えすぎて触れないわけにはいきません。

予想はしていましたが、東京ではついに3千人超え。全国各地で感染者が過去最多レベルです。

多くの医療従事者が緊迫した雰囲気で、病床ひっ迫への危機感を露わにしています。私も同感です。

ところが政治家となると、反応が違うんですね。

・連休中に減っていた検査数が連休明けに増えたので、感染者数が(見かけ上)増えた(だけだ)

・人流は減っている(ホントかね)

・感染者のうち高齢者の割合が減っているので、ワクチンの効果が出ている

どうして彼らは、一大事なのに平静を装い、物事を真正面から受け止めようとしないんでしょうね。

責任を回避したい一心なのか、政治家はどうしても、自分たちに責任のある危機を矮小化しがちです。

その不誠実な態度が、国民感情との乖離を招き、政治家は信頼を失うのです。

感染者数が増えたのなら、「これはもう、大変なことになってます」と、素直に認めましょうよ、市民目線で。

「このままでは、東京五輪の継続も危ぶまれます」とまで言ってもいいでしょう。

その上でしかし、よい情報も取り上げつつ建設的な解決策を提示し、国民の協力を求めればいいのです。

「人流も減っていますし、そこ(五輪中止)はありません」という菅首相の言い方は、国民の反発を招くだけ。

「私は五輪を中止したくありません。みんなで人流を減らしましょう」とでも言えば、まだマシなのに。

集団接種の合間に反ワクチン本を読んでみた

今日も懲りずに、熊本城ホールの新型コロナワクチン大規模集団接種へ、6回目の出動をしてまいりました。

来場者は約2千人。私が予診を担当したのは127人。ほとんどが高齢者(112人)の2回目(110人)でした。

10時から18時までの出動時間のうち、いつも17時半以降は予診がなく、接種後の急変に備える待機時間です。

したがって、休憩を差し引くと実労6時間半。いつもと同様、被接種者一人当たり約3分の予診ペースでした。

2回目の被接種者の予診に要する時間は、せいぜい1分間。よって、予診の間に2分間の小休憩が入ります。

この2分間の小休憩が約120回あるので、その合計は約4時間となります。これは結構な時間です。

と言うわけで私はいつも、合間に本を読んでいます。

今日は、最近有名な反ワクチン本である『新型コロナワクチンの正体(内海聡著)』を読みました。

内容に問題がありすぎて国民の利益に反する、と言う理由か、Amazonが一時「発禁」にした本です。

その後Amazonが販売を再開したので、いったいどんな本なのか、後学のためにさっそく購入しました。

集団接種の合間に反ワクチン本を読むのもホントどうかと思いますが、今日の勤務中にちょうど読了しました。

内容をここに書くのもアホらしいほどの「トンデモ本」ですね。でも、ダマされる人もいるのでしょう。

果てしないデタラメに、現実のワクチン問題(真実)を適度にまぶして書いてあるので、タチが悪いのです。

せっかく加速してきたワクチン接種にブレーキ

東京などでは「第5波」の訪れが警戒されるのに、ここに来てワクチン不足が問題になってきました。

職域接種は、申請が殺到してモデルナ製ワクチンの不足が懸念されるため、新規の申請受付が停止されました。

接種を渇望する国民がいかに多いかを政府は予測できず、安易な大風呂敷を広げすぎたのです。

ハシゴを外された企業・団体も多いことでしょう。今後、集団接種や個別接種が混乱しなければよいのですが。

一方でファイザー製のワクチンも、元々供給が減ることが分かっていた今月から、不足が懸念されています。

大阪市では、集団接種や個別接種での1回目の予約受付が、一旦中止されることになりそうです。

ただし、1回目接種済の人の2回目分を確保するために、新規の1回目を止めることが正しい判断なのかどうか。

さいわいなことに熊本ではまだ、ワクチンの供給については比較的平穏です。

当院の場合も、個別接種用のワクチンは、申請した分だけ毎週2回、確実に届けられています。

毎日の予約者数を6で割った数のバイアルを申請するのが原則ですが、念のため予備をくれと言えばくれます。

とはいえ、その予備ワクチンを結局は後日使うことになるので、過剰在庫をかかえているわけではありません。

いつも院内に1,2本の余裕を持ってバイアルの破損や希釈ミスに備えつつ、古い順に使っているだけの話です。

ところが田村厚労相は、国の施策の失敗を棚に上げて、「医療機関に在庫がたまっている可能性がある」だと。

この人って、どうしてこのように、医療者をムカつかせるいい加減なことばかり言うんでしょうね。