不適切テロップ問題

「セシウムさん」テロップで非難を浴びた東海テレビが、今朝、検証番組を放送したようです。

ネットでも公開されていたので見ることができました(たっぷり1時間)。

番組では、3つの観点から検証を行っていましたが・・・

(1)なぜ不適切なテロップが作られたのか?

テロップ作成者(制作会社の50台男性:懲戒解雇)の、「ダミーであって、本番にそのまま使うはずはないので、思いつきで作った」という、悪びれる様子もない態度にはあきれました。

彼は証言の中で一度も自分の「罪」を認めず、「岩手の農家に対する悪意はなかった」と見当違いの発言ばかり。問題にすべきなのは、彼の心の闇かもしれません。

(2)なぜ不適切なテロップが放送されたのか?

今回のテロップには、最終的に番組のプレゼント当選者の名前が表示される予定だったので、当選者が決まるまではテロップの修正が行われないまま、番組が進行していたとのこと。

生放送番組では、VTRを流している間に、次のコーナーの打ち合わせやリハーサルなどを行うそうです。今回そのリハ中に、若手スタッフが装置のスイッチを押し間違えてしまい、不適切テロップが放送されてしまいました。

直接的原因は彼女の単純ミスですが、彼女は責められないと思います。周囲のいい大人たちが、彼女をチェックもサポートもしてやれなかったことの方が問題です。今後彼女の精神的ケアが必要になるかもしれません。

(3)なぜ23秒間も放送されたのか?

生放送中のVTR放送時間というのは、スタッフにとっては休憩時間のような、緊張感から解放される時間でもあるとのこと。チェック体制の不備も問題のようです。

検証番組は、放送局の人員不足やタイトなスケジュールも要因のひとつと分析していました。

しかしそれは(2)と(3)に関してです。

私に言わせれば、(1)の原因である、テロップ作成者の良識のなさが、すべてだと思います。

想定外

東京電力は、3年前に福島第一原発に10~15mの津波を試算していたことが判明しました。

ではこれまで東電の言ってきた「想定外」とは何だったのでしょうか。

どうやら「想定外」には2通りの意味があるようです。

ひとつは、「科学的想定外」

誠実に科学的に検討しても「想定することが常識的でない」もの。

たとえば、マグニチュード10の地震とか、高さ100メートルの津波とか。

もうひとつは、「人為的想定外」

「知識不足で想定できなかった」= 無能

「たかをくくって想定しなかった」= 怠慢

「何らかの意図があって低く想定した」= 欺瞞

東電のいう「想定外」は、こちらのようです。

今回の大地震では、それまでの計算法(気象庁マグニチュード)ではM8.4だったところが、突然に世界標準の計算法(モーメントマグニチュード)に切り替わり、最終的にM9.0になりました。

当時は、だんだんと数値が増えることに違和感を感じるよりも、むしろM9.0と聞いて、さもありなんと、震災の巨大さを再認識したものでした。

巨大地震に対しては、今回の計算法の選択は科学的に正しいとも言われています。

しかしこれが、地震を「想定外」の規模に格上げするための誰かの悪知恵なら、国民を欺く行いではないか、という見方もあります。

マグニチュードでいうなら、1960年のチリ地震がM9.5であったことはよく知られた事実です。

1100年前の貞観地震の際に巨大津波が起きたことも、電力会社は以前から把握していました。

そして現に、東電は10mを超える津波を試算していました。

ところが実際に原発は、これらよりもずっと小さな地震や津波を「想定」して、建設・運営されています。

『無能』や『怠慢』だけでは説明がつきません。

企業合併

日立と三菱重工の経営統合のニュースが飛び込んできました。

企業の合併とか統合とか聞くと、両企業の主導権争いや役員の派閥争い、官僚の介在と政治家の暗躍、ライバル企業やマスコミまで巻き込んだ、水面下でのドロドロとしたものを想像してしまいます。

以前にみたNHKドラマ「銀行」の影響でしょうか。

合併話は、事前に情報が漏れるとうまくいかないらしいです。

日立・三菱重工も、キリン・サントリーの二の舞にならないか、心配しています(ウソ)。

それはさておき、今後実現するとおもしろい企業合併を予測してみました。

PanasonicとSonyが合併して「Panasony」。かなりインパクトがあるブランドです。

JALとANAで「JANAL」。独禁法の関係で合併は無理でしょう。

毎日新聞と朝日新聞が統合して「毎朝新聞」。実在していないのに、すでになじみがあります。

ドン・キホーテとびっくりドンキーが合併して「びっくりドンキホーテ」。びっくりです。

ハウスとハイム

積水ハウスの家に、いま私は住んでいますが、その前の家はセキスイハイムでした。

ハイムからハウスに引っ越す前に、この両社について調べてみたので、研究発表します。

かつて日本には、日本窒素肥料株式会社(日窒)という、その名の通り窒素肥料などを製造する会社がありました。約100年前に水俣で設立された、チッソの前身です。

戦前の日窒は世界有数の化学会社でしたが、戦後に解体されました。

この日窒を母体として、戦後発展してきた会社が、チッソや積水化学や旭化成、信越化学などです。

しかし各社のホームページ(HP)上で公開されている「沿革」を見ても、お互いの関係については、まったく触れられていません。

積水化学のHPによると、会社は戦後いきなり設立されています。戦前から脈々と流れる化学の血筋について触れないのは、もったいない話です。

その積水化学の住宅部門が、私が生まれたのと同じ昭和35年に分社化され、設立されたのが積水ハウス。

一方で積水化学本体に、その後再びできた住宅部門のブランドがセキスイハイム。

元々は兄弟のような会社ですが、いまは名称が紛らわしいライバル会社です。

旭化成は、戦前に日窒から分家した会社ですが、HP上では出自について触れていません。途中で社名が一時「日窒化学工業」になったことは隠せないのでサラッと記載。

信越化学も戦前に日窒が関わって作った会社ですが、そのいきさつには触れていません。

これらの会社はみな、チッソとのつながりを語りたがらないようです。

模倣と隠蔽

偽のアップルストアが、中国でいくつも見つかったそうです。

知的財産権という概念が存在しない国なので、あまり驚くことでもないですが、それにしても堂々としたものです。

ひところ、iPadのコピー商品が話題になりましたが、今度は店自体がコピー。

「売っているものが本物ならいいじゃないか」という店員には、罪悪感ゼロです。

「中国版新幹線」も、日本などの技術供与を受けておきながら、自国技術による開発であると強弁する中国。

その高速鉄道の安全性が疑問視されている中で、大きな列車事故が起きてしまいました。

救助活動は早々に打ち切り、何事もなかったかのように列車の運行が再開されました。

それだけでも驚きなのに、事故車両を破壊して地中に埋めてしまうという、あり得ない暴挙。

今日になって、埋めた列車を掘り返して運び出したようですが、世論に押されて真相究明に踏み切った、と考えるのは甘いでしょう。

批判をかわすため、あるいは、あとで誰かに「証拠品」を掘り出されないように、より確実な隠滅を計った、とさえ思えてしまいます。

日本の、電力会社などの隠蔽体質は、中国に比べたらかわいいものです。

再生可能エネルギー特別措置法

太陽光発電で世界の首位を走るのはドイツ。しかし2004年までは、日本がその地位にありました。

なぜ、ドイツで発展し日本は低迷しているのか。

それは政策の違い。突き詰めれば、電力買取方法の違いでしょう。

日本の制度は「余剰買取」

「発電した電気を使って電気代を節約できますよ。電力が余った分は買い取りますよ。」

と、悪い話じゃないし、社会的意義も認めるけど、導入コストまで考えると、すごく得するほどでもない。少しでも得しようとして、セコ技を研究する者もいます(私)。

ドイツの制度は「全量買取」

「発電した電力はすべて買い取りますよ。使う電気は別に買って下さい。」

つまり、発電すればするほど、ドンドン儲かるしくみです。ひとつの事業としても成立します。

直接的には節電とは無関係ですが、社会全体で見たときに、大きな意味を持ちます。

衆議院で審議中の「再生可能エネルギー特別措置法案」は、この「全量買取」を推し進めるもの。

個人的にも、ぜひ成立してほしい法案です。

この法案が閣議決定されたのは震災前。くしくも、震災当日の午前中でした。

もしも原発事故が起きなかったら、電力業界の圧力によって骨抜き法案に修正されていたかもしれません。

そう思うと数奇な運命の法案です。いまは首相の延命に貢献しています。

やぶれかぶれ脱原発

脱原発を突然宣言した菅首相は、ドイツの首相とは正反対に、厳しい批判を浴びています。

すなわち、延命のためのパフォーマンスではないかと。

行き当たりばったりで、閣内も不一致。どんな「いいこと」を言っても、与党内にすら同調の声はあがらず、「早く辞めろ」と言われるばかり。

すでに退陣を表明した首相が、一国の方向性を変える重大な発言をして何の意味がある、そのような疑問も聞かれます。

私はしかし、敢えて菅首相を不器用な善人と考えて、以下のように推測してみました。

いまの菅首相は、四面楚歌ながらも、権力はまだ手中にあります。ある意味「怖いものなし」状態です。

こうなったら、最後に「自分の良心にしたがって」やりたいことをやっておこうと、開き直っているのではないでしょうか。

かつて首相が浜岡原発停止を指示したとき、その根拠は、その地域において比較的高い確率で大地震が起きる可能性があるから、というものでした。

原発というものが、「何が起きても安全」ではなく、「大地震の場合には危険である」ということを、そのときすでに、首相は認めていたわけです。

ところが大地震は日本のどこにでも起こり得ます。浜岡よりも確率が低くても、起きてしまえばどちらも同じ、大災害です。

浜岡を止める理由があるのなら、その理由はすべての原発に当てはまってしまう。

そういったことを自問自答した結果、ついに菅首相は、正義は脱原発にあり、という結論に達したのかもしれません。

「ストレステスト」の提唱で間接的に脱原発を試みたものの、世間の不評を買ったので、ついに、やぶれかぶれの直球勝負に出た。

そのように私はみていますが、かいかぶりすぎ?

(追記)

首相はその後、「脱原発は私(個人)の考え方」と修正発言。やぶれかぶれも中途半端。

やらせメール

九州電力が墓穴を掘りました。

玄海原発運転再開のための説明番組における「やらせメール」問題です。

会社側の人間が、一般市民を装って、会社にとって有利な意見をメールする。

これを九電が指示したというのなら、明らかに世論操作です。

ただ、九電を弁護するわけではないですが、今回の「やらせメール」は稚拙で無計画なものだったと思います。

まず、本社からの指示メールの扱いがずさん。秘密裏に伝達されるべきなのに、容易に関連会社内に拡散し、2000人以上が目にしたといいます。内部告発が出てこない方がおかしい。

また、実際のやらせ投稿があまりに無計画。原発再稼働の賛成数が286と、反対の163を大きく引き離す「やり過ぎ」な結果になってしまいました。やらせメール投稿の「発案者」はいても「管理者」がいなかったのでしょう。

そもそも、メールやFAXによる短時間の意見集約に、公正さを求めること自体が、無理なような気がします。

このような場合に投稿するのは、人一倍問題意識を持ち、行動的な人が多いでしょう。

概して、保守的な人よりも革新的な人の方が、投稿する動機を持ちやすいと、私は思います。

九電は、このようなバイアスを是正しようとあせり、やり方を誤ったのかもしれません。

結果として、九電の信頼は、東電並みに失墜しました。

九州人でB型

松本復興担当相。「暴言」の責任をとって、本日あっさりと辞任しました。

被災地の人々の感情を逆撫でした、一昨日の発言はひどかった。

岩手県知事や宮城県知事との会談では

「知恵を出さないやつは助けない」とか「そうしないと、我々は何もしないぞ」と高圧的。

両知事は「あんたには助けてもらいたくない」という言葉がノドまで出かかったことでしょう。

マスコミ記者に対しては

「最後の言葉はオフレコです。いいですか、みなさん。書いたらその社は終わりですからね。」

いったいあなたは何様ですか。

少し反省したのか、その後の釈明会見では、とってつけたような九州弁で

「わたしは九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして・・・」

九州人を敵に回しましたね。

さらに

「わたしはちょっとB型で短絡的なところがあって、・・・」

日本国民の2割を敵に回しました。

それにしても菅首相。

以前、東電の社長を怒鳴りつけた時のように、昨夜のうちに松本大臣を怒鳴りつけた上で、スパッと首を切っていれば、ちょっとはマシだったのに。

思いつきで行動する人かと思えば、大事なところで動カン。

マイナンバー

「社会保障・税に関わる番号制度」に使う共通番号の名称が、「マイナンバー」に決まりました。

ずいぶん前から「国民総背番号制度」と揶揄されて、その有用性と危険性が同時に議論されてきました。

「マイナンバー」は、親しみやすく無害な印象を与えることには、成功したかもしれません。

この名称は、2月24日から3月23日までの間、一般公募されていたようです。うかつにも、私は知りませんでした。

途中で震災が起き、じっくり考えて応募しようと思っていた人は、応募し損ねたかもしれません。

応募総数は、なんと、たったの807件。そのうち18件が「マイナンバー」だったそうです。

大学教授やコピーライターなどの、いわゆる「民間有識者」9名がその選考に関与したようですが、「マイナンバー」以外にどのような名称が応募されたのか、それがいちばん知りたい。

「IDナンバー」とか「個人番号」とか「国民番号」とか、ふざけて「背番号」とかもあったかも。

100人ぐらいの組織票があれば、へんてこりんな名前がトップになりそうなぐらいの応募総数ですが、政府によれば、名称の選考は「応募件数の多寡で決定されるものではございません」とのこと。でしょうね。