コロナ禍中(渦中)での指導者交代が、吉と出ますように

NHKの世論調査では、菅内閣を「支持する」と答えた人が先月より1ポイント上がって56%だったとのこと。

支持する理由のトップ2は、「他の内閣よりよさそうだから」27%、「人柄が信頼できるから」25%。

不支持の理由のトップ2は、「政策に期待が持てないから」36%、「人柄が信頼できないから」26%。

まず興味深いのは、不支持理由の中でも「他の内閣の方が良さそうだから」は少数だったということ。

つまり、菅内閣は支持しないけど、だからといって他に支持する内閣もないという、悲しい状況なのです。

また支持者にしたって、「政策に期待が持てるから」を挙げた人は多くなく、やはり消去法的な支持理由です。

本来、内閣支持理由には断トツで、「政策に期待が持てるから」が来るべきですけどね。

人柄への信頼が、支持理由としても不支持理由としても重要な因子のようです。

政策や実行力の評価ならともかく、人柄が真逆に評価されるというのは、つまり好みの問題なのでしょうね。

その極端な例が、米大統領選でのトランプ氏の得票率の意外な高さと、その支持者の熱狂ぶりです。

コロナ禍で彼の非常識さがあれほどまでに露呈しなければ、再選もあったかもしれません。

比較の問題か実際の人柄か、勝利したバイデン氏が、実にバランスのとれた堂々たる常識人に見えてきました。

理由は違うにせよ、日米ともに非常時に指導者が交代することになりましたが、真に大事なのはこの次です。

あえて私の菅内閣支持理由を言うなら、「いま指導者を支持しなくてどうする」。

大統領選挙は、開票で混乱する(かもしれない)のが毎回面白い

アメリカ大統領選挙は、そうなったら面白い(失礼)と思っていた接戦になってるので、目が離せませんね。

バイデン氏は控えめに「勝利に向かっている」と言い、トランプ氏は大仰に「選挙に勝った」と言い切る。

その最終結果がいつ判明するのかわかりませんが、少なくとも今夜のブログには間に合いそうにありません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2847.html" target="_blank" title="開票速報など無意味">開票速報など無意味</a>だと書いたことがありますが、大統領選挙は別。だって開票過程自体が面白いですから。

「大阪都構想」の住民投票が、3日前に行われました。これもまた接戦でした。

現職の知事と市長が「改革」をぶち上げ、敵対勢力が「現状維持」を求めるという、一種のねじれが面白い。

そこそこ人気のある2人なので、余計なことをしなけりゃ現職に留まれるのに、敢えて賭けに出たんですね。

しかし何が問題なのか私にはよくわかりませんが、都構想は否決されました。

この住民投票のように「変化」か「維持」かを多数決で決める場合、「変化」の側が不利だろうとは思います。

なぜなら、「もう少し様子を見たい」という中間派は、とりあえず「現状維持」を選択するからです。

しかし選挙とか投票では、そのときの勢いが大きなうねりとなって予想外の結果が出る場合がありますよね。

だからイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票のように、あとで冷静になると自分の投票に後悔したりする。

大阪の2回目の住民投票でまた僅差で負けた知事・市長側は、都構想のうねりを作りきれてなかったわけです。

コロナ禍も当然、現状維持派への追い風です。どうしてこのタイミングで住民投票を断行したんでしょうね。

事故は過失でも、逃げるは故意です身の破滅

某若手俳優が、車でバイクをひき逃げした件。その報道の中で、気づかされたことがあります。

自分が関与した交通事故では、たとえ自分に非が無くても負傷者を救護しなければならない、ということ。

これを守らなければ、ひき逃げになるそうですね。負傷者がその場では「大丈夫です」と言ってもです。

たとえば交差点で信号待ち中に、路肩を走ってきたバイクが、自分の車の左のドアミラーに接触したとします。

バイクは弾みで転倒。その時ちょうど信号が青になり、すぐ発車しなければ渋滞を招く状況。

バイクの兄ちゃんにケガはなさそうで、立ち上がってこっちに向かって、申し訳なさそうに会釈をしています。

窓越しに「大丈夫ですか?」と声を掛けたら、「大丈夫です。ミラーにぶつけてすみません」との返答あり。

このケースでも、私がそのまま車を発進させて走り去ったら、ひき逃げってことですよね。

20年ぐらい前に、家族を乗せた車でバイパスを走ってたら、前方でミニバイクが転倒していました。

その後ろには、別のバイクが道路上に停めてあり、その運転者が転倒したバイクの方に駆け寄っていました。

どういういきさつかわかりませんが、2人とも無事な様子なので、私はバイクの脇を徐行して通過しました。

ところがその時、どうしたことか、停めてあったバイクが私の車の方に倒れてきたのです。私は慌てて急停車。

車から降りて見てみると、車の右前輪とフェンダーの間にバイクのハンドルがはまり込んでいます。

バイクの兄ちゃんは呆然と立ち尽くしているので、私が一人で苦労してハンドルを引き出しました。

この一部始終を対向車から見たら、間違いなく、私が2台のバイクをはね飛ばした事故現場そのものですよ。

車を傷つけられたことに文句を言うより、いち早くその場を離れた方がよさそうなので、私は走り去りました。

私には何の落ち度も罪も無いはずですが、これが今だと、対向車のドラレコに撮られて大惨事でしょうね。

そこそこ期待されているうちに、あれこれ挽回して欲しい

衆院本会議での代表質問なんて、見ててホントにつまらないのですが、ときどき面白い発言が飛び出しますね。

それが菅総理。安倍さん以上に舌足らずで、照れ笑いしながら発言する姿がどうにも憎めません、今のところ。

言葉としては「俯瞰的」が好きみたいですね。オレは大所高所から見てるんだ、という上からな表現です。

あと、「いずれにせよ」も多い。それまでの議論を一瞬にしてチャラにしてしまう、恐ろしい接続語です。

それに今日は、次のような、面白い発言が飛び出しました。

「まずは新型コロナ対策。そして経済の再生が最優先であり、国民の皆さんの政権への期待も、そこそこにあると思います。(場内爆笑、菅さん苦笑い)。まずは、これらに全力で取り組みたいと考えます」

「そこそこにある」は「そこにある」の言い間違いなんでしょうけど、狙って言ったとしたらかなりの上級者。

なにしろ現実に、国民の期待は「そこそこ」ですからね。

真偽はともかく、菅総理は「たたき上げの苦労人」イメージなのですから、ならばそれを裏切らないことです。

たとえば、日本学術会議の任命見送り問題に対しては、「違法ではない」と逃げるのはいただけません。

「政権にとって不都合な人選だと安易に考えて任命を拒否したものであり、それは全くの誤りであった」

「学術会議からは今後も、課題の解決に向けた提言を頂戴したい。6名の候補者は改めてただちに任命したい」

とりあえずそんな風に改めれば株が上がります。学術会議の問題については、もっと暇な時に考えましょうよ。

いずれにせよ、俯瞰的に考えたら、いま学術界と争ってる場合じゃないんです。

菅総理大臣の所信表明演説は、目標がわりと細かくて具体的でした

菅総理大臣が、本日召集された臨時国会で所信表明演説を行いました。

その中で、とくにコロナ対策については、冒頭で次のように述べていました。

(1)地域の医療機関で1日平均20万件の新型コロナの検査能力を確保する

(2)来年前半までにすべての国民に提供できる数量のワクチンを確保し、無料で接種できるようにする

(3)雇用を守り事業が継続できるように、持続化給付金や無利子・無担保融資などの対策を続ける

(4)Go Toキャンペーンにより、旅行、飲食、演劇やコンサート、商店街でのイベントを応援する

ついでデジタル化については、

(5)来年3月から保険証とマイナンバーカードの一体化を始め、運転免許証のデジタル化も進める

(6)デジタル庁は、来年の始動に向け、省益を排し民間の力を大いに取り入れながら、早急に準備を進める

(7)すべての小中学生に1人1台のIT端末の導入を進め、オンライン教育を拡大し、新しい学びを実現する

(8)行政への申請などにおける押印は、テレワークの妨げともなることから、原則すべて廃止する

このほか、脱炭素社会の実現や地方創生や社会保障や安全保障についても、わりに具体的に述べています。

細かいコト言ってるな、というのが第一印象。悪く言えば羅列的ですが、箇条書き的でわかり易い演説でした。

これに対して石破元幹事長は、「抽象論ではなく具体論を語ることが菅総理大臣のカラーだ」と述べました。

公明党の山口代表も、「目指すべき課題について、具体的な政策目標をはっきり述べていた」と評価しました。

ところが立憲民主党の枝野代表は、「目次を羅列した中身で、ビジョンが示されていない」と批判するのです。

野党って、どうしてこうなんでしょう。ビジョンを示せばこんどは、具体的な中身が無いなんて言うのです。

「ビジョンがはっきりしないが、具体的な点は評価する。重要なのはその実現だ」ぐらいに言えばいいのに。

「Go To キャンペーン」って全部、制度設計がダメ

「1万円以上のご利用で、千円分のポイントを差し上げます」みたいな店は、よくありますが、

「利用金額がいくらでも、千円分のポイント還元します」っていう店、ある? あったらバカですね。

ところが国が始めた「Go To イート」では、そのようなバカみたいな制度設計になっているようです。

そこにつけ込んで小金を稼ぐ「錬金術」は責められませんよ。制度を上手に利用しているだけですから。

私が学生だったら、血眼になってGo To 錬金術に励んだかもしれません。そういうの好きでしたから。

とは言え、グルメサイトに送客報酬を支払わなければならない飲食店が、結果的に被害に遭うわけです。

Go To 錬金術はたとえ合法的だとしても、決して褒められた行いではありませんね。

農水省はこの事態を、当初から想定していたとうそぶいていました。経済を回す効果はあるのだと。

しかしさすがに非常識だとわかったのか、ここに来て「錬金術封じ」に舵を切りました。

付与ポイント以下の利用金額の場合は、ポイントを付与しない方針に変更とのこと。そんなの当たり前じゃん。

政府の「Go To キャンペーン」は全般に、国民を待たせた割に完成度が低く、バグだらけです。

その制度の陰で儲けているのは、一部の広告代理店やグルメサイトだという構図も、だんだん見えてきました。

もうホント、火事場泥棒だらけじゃないですか。そんな日本の社会経済構造には、まったくムカつきます。

コロナ禍で困窮している人や企業を救済する制度のはずなのに、第三者ばかりが儲かる仕組みなのですから。

コロナ禍ですから、申請主義も性善説になってます

「持続化給付金」の不正受給が全国で相次いでいるとのこと。でしょうね。なにしろ申請が簡単過ぎます。

しかしこのコロナ禍にあっては、助成金や給付金などの申請は、不正を覚悟でも簡便であるべきだと思います。

このような状況では、円鏡じゃないけど早いのが取り柄。何よりも、早い給付が最優先でしょう。

「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金給付事業」も申請は簡便で、提出する書類はごくわずかでした。

8月末に申請したら予定通り9月末に入金したので、同日中に、当院職員の個人口座に振り込みました。

迅速に処理してくれた県の関係者に敬意を表して、今日はさっそく恩返し。実績報告書を提出しました。

以前、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3180.html" target="_blank" title="「申請主義」の基本理念は「性悪説」">「申請主義」の基本理念は「性悪説」</a>だと書いたことがありますが、いまはすっかり「性善説」ですね。

緊急時だからしょうがない。そのかわり「性悪」な人がつけ込みやすく、不正受給天国みたいになっています。

こんな時に不正や詐欺を働く火事場泥棒に対しては、国があとでじっくり厳罰で対処してください。

今日は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2172.html" target="_blank" title="医療施設静態調査">医療施設静態調査</a>」にも回答しました。3年ごとに行われる、診療機能を把握する統計調査です。

例によって厚労省お得意の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3248.html" target="_blank" title="Windows版Excel文書">Windows版Excel文書</a>を使ったオンライン調査票なんですよね。

「記入の負担を軽減できますので、ぜひオンライン調査を御利用ください」との記載にムカつきます。

そのMacユーザーの怒りをにじませた手書きの紙調査票を、今回もまた郵送した次第です。

遅れている日本のデジタル化を、この際、一気に進めてほしい

菅政権の「デジタル化推進政策」は、動きが速そうな分、その結果も期待できる雰囲気があります。

安倍政権の継承と言いながらも、意外と大仕事をしてくれそうな気がします。気のせいでないといいのですが。

守旧派官僚や頭の固い経営者らからの反発に負けずに、「デジタル庁」には頑張っていただきたいものです。

マイナンバーを預貯金口座と連動させるのも、義務ではなく選択制にするとは良いバランス感覚ですね。

いろんな理由で反対する人がいますから、全員賛成を目指してたら何も進みません。

社会のデジタル化では当面、便利な世の中を望む人だけが便利になればいいのです。

運転免許証とか健康保険証のデジタルカード化(スマホ表示)なんて、技術的には楽勝でしょう。

JAFの「デジタル会員証」は、もう何年も前に導入されていますが、あんなヤツでいいわけですよ、だいたい。

なにより、マイナンバーカードこそ、真っ先にデジタル化すべきです。ICカードを持ち歩くよりよほどいい。

社会保障や納税と連動させるのは当然です。そうなったらもう、保険料納付も確定申告もしませんからね。

私の預金口座から勝手に引き落としていただいて結構。その他の税金もみなどうぞ。

個人情報がどうの、セキュリティがどうのという人もいるでしょうけど、それを言い出したらキリがない。

日本人はとかく、本来やるべき事よりも副作用の方を先に心配してしまいます。ワクチン行政と同じです。

世界水準以上の安全対策をして、少なくとも世界標準レベルのデジタル化を、チャッチャと進めましょうよ。

もちろん、情報漏洩による国民財産の損失に対しては、政府が完全に補償する仕組みをつくってください。

デジタル化を迅速に推進させることで得られる、国民とお役所のメリットの方が、もはやよほど大事です。

などと偉そうに言いながら、私はまだマイナンバーカードを作っていません。

だから言うんですけど、プラスチックのICカードはもう古い。やるなら一気にデジタル化でしょう。

懇親会なんて、不要不急の最たるモノでしょう

熊本市医師会の会員懇談会(会務報告と懇親会)は、今月下旬に開催される予定でしたが中止になりました。

そりゃそうでしょ。参加者の中から1人でも、たった1人でも感染者が出たら、あとで大変なことになりますよ。

「医師が新型コロナウイルス感染 医師会懇親会に参加後に発症」そんな新聞見出しが目に浮かびます。

「こんな時期にお医者さんが懇親会するって、どうなんですかね」と、ワイドショーも食いつくでしょう。

しかしそんな非難よりも何よりも、クラスターの発生が懸念されます。医師会懇親会クラスターです。

クラスターの怖さは、それが発覚した時点ではすでに、感染がある程度拡大してしまっているということです。

市内のあちこちの医療機関の医師たちの感染が次々に発覚し、外来診療が次々に止まっていくなんて地獄です。

それに医師らは、感染しているとは知らずに何日間か診療を行っていたはず。最悪のパターンです。

他の職種・業種ならいざ知らず、医師会がそんなリスキーな会合を開いてどうしますか。

懇親会なんてまったく不要不急です。会務報告だけなら文書の配布で十分。

当初は、最大限に注意を払って懇談会を敢行する雰囲気でしたが、ギリギリのところで踏みとどまりました。

日本各地の感染状況を見ていると、市中感染も気にはなりますが、いまだにクラスターも大問題です。

この場所が、この施設が、この会合が、クラスターになりはしないかと、常に意識する行動が必要です。

帰省を規制する既成事実など規正したらどうかと藤井棋聖が言ったとか

「自粛しろ 経済まわせ 家にいろ 旅行には行け 帰省はするな」

誰が詠んだかネットで出回っている短歌。上手い。上手いけど笑えない。チクハグな政策をディスる一句です。

ここに来て政権内からも、帰省は制限しないとの声が出始めましたが、人によって言うことがバラバラ。

新型コロナ感染では、誰にも予測できない展開が続いています。誰が担当しても政権運営は難しいのです。

「マスクしろ 隙間はなくせ 鼻出すな 二重顎なら 出してもいいよ」

いま作りました。ヘタですみません。例の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3151.html" target="_blank" title="アベノマスク">アベノマスク</a>。ご本人もついに、使うのやめちゃいましたね。

何をやっても、考えが足りない上に動きが遅い。アベノマスクのドタバタも、コロナ政策を象徴しています。

とは言え、熟慮して迅速にというのも無理な注文。ならば、毎日でも真摯に会見して、国民を味方にしなきゃ。

「過ちて改めざる、之を過ちと謂う」「過ちては改むるに憚ること勿れ」

結局これ。過ちそのものよりもむしろ、それを改めない硬直化した態度の方が問題。意地っ張りはダメ。

ただし、政策方針を転換・修正するときは、その都度誠実に丁寧に説明しないと、国民からは不信感が出ます。

このコロナ禍で、先々までずっと変更無く通用する政策などありません。朝令暮改は恥だが役に立つのです。

いまから言うのもアレですけど、今年の流行語大賞って、もう、候補が多すぎて選べませんね。