大阪府が「医療非常事態宣言」

大阪府が「医療非常事態宣言」を発出しました。重症患者用病床のひっ迫度合いの高まり受けたものです。

大阪:緊急事態宣言解除(2/28)→666人(4/3)→「まん防」適用(4/5)→878人(4/7)→医療非常事態宣言

東京:緊急事態宣言解除(3/21)→555人(4/7)→「まん防」適用要請準備

吉村・大阪府知事が、緊急事態宣言を「前のめり解除」したせいで、感染が拡大したと批判されています。

横目に見ていた小池・東京都知事は、大阪のようになるまいと、早めに動き出そうとしているのでしょうか。

しかし、変異株が広がり、新手の強力な方策もない現状では、感染者数の急増は止められないでしょう。

不思議なことに熊本の感染者数はまだ少ないですが、人の移動が多い大型連休後にどうなるか、わかりません。

最初の「緊急事態宣言」が出されたのが、ちょうど1年前。その日の感染者数は、東京87人、大阪53人。

東京と大阪が逆転していますが、いまの感染者数は1年前のちょうど10倍です。

でも緊急事態宣言は出てない。しょうがないので大阪では独自に「医療非常事態」を宣言したというわけです。

ところで「非常事態」と「緊急事態」って、どう違うんでしょうね。以前から私を悩ませ続けている疑問です。

「非常」とまでは言えなくても「緊急」性が求められることはありそうなので、前者の方がより重大なのか?

今夜のNHK「ニュースウオッチ9」では、誤って「医療緊急事態宣言」というテロップを出していました。

プロでも間違えるんですから、両者に明確な違いは無いんでしょうね。(前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3233.html" target="_blank" title="「禍」と「渦」">「禍」と「渦」</a>も間違えたけど)

「まん延防止等重点措置」適用決定

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3356.html" target="_blank" title="熊本市医師会PCRセンター">熊本市医師会PCRセンター</a>に、2カ月ぶりに出動してきました。昨年8月以来、5回目のご奉公です。

PCRセンターの外来受入検査枠は、感染拡大に伴って当初の1日20人から徐々に増え、今では50人まで可能。

ですがおそらく、1月をピークに減っています。2月に私が出動したときは30人台、今日はわずかに7人でした。

とは言え、全国の感染確認数は明らかに増えており、第4波に向かっています。熊本でも怪しい雲行きです。

来週5日からの1か月間、大阪府、兵庫県、宮城県に対して「まん延防止等重点措置」の適用が決まりました。

この3府県で済むはずもなく、やがて東京都を含む各地で適用されることになるんでしょうね。

首相「緊急事態宣言に至ることを防ぐための、そしてまた感染拡大を防ぐための措置であります」

記者「今回の措置で十分な効果が得られなかった場合、再び緊急事態宣言を出すことは検討されるのですか」

首相「ですから、緊急事態宣言に行かないような、また感染拡大防止につながるような、対応策であります」

「まん防」決定に際して記者会見(質疑応答)が行われましたが、首相に真摯な返答を期待するだけムダです。

緊急事態宣言に至ることを防ぐための措置なのだから、緊急事態宣言に至ることは議論も想定もしません。

いまから取りかかろうかという施策が失敗する可能性など、間違っても口にしない、「言霊」の国なのです。

悪い展開は想定せず、物事は常に良い方向に進む前提です。結果的にうまくいかなかったら、想定外なのです。

「後手後手」だと叩かれてきた昨年来のコロナ対策は、残念ながら未だに「先手先手」とは言いがたいですね。

尖閣に上陸されてしまう前に

「電子戦」に対応する最新鋭システムを備えた部隊が、熊本市の西部方面隊に日本で初めて設置されました。

その名も「第301電子戦中隊」。そこに「ネットワーク電子戦システム(NEWS)」が配備されています。

平時は電波による情報収集、有事には相手へ通信やレーダーを無力化するなどの任務を行うといいます。

「無力化」というのは、相手の通信を混信させ、ミサイルやドローンの誘導を妨害することのようです。

もしかすると、相手の電子機器を一瞬にして無力化する「EMP(電磁パルス)」機能を持っているのかも。

熊本に続き、今後は北海道、長崎、鹿児島、沖縄などにも電子線部隊を配備する計画とか。

電子戦の「相手」は誰を想定しているのかは、言わずもがな。ていうか中国ですね。

「陸」「海」「空」に次ぐ新しい安全保障領域が、「宇宙」「サイバー」そして「電磁波」だとされます。

この3つの「新領域」の頭文字をとって「ウサデン」。「ウナデン」じゃないです。「ウナドン」でもない。

「サイバー」だけ英語っていうのが統一感がないので、ここは「電脳(空間)」とすべきでしょう。

なので、新3領域の呼称は「ウデンデン」でいきましょう。

陸自のNEWSは地上配備の車載型ですが、米軍にはすでに戦闘機型の「電子攻撃機」があります。

「電子妨害士」が搭乗して、ミサイルの代わりに妨害電波を発射するとか。「妨害士」って、なんかウケる。

中国軍が尖閣諸島に上陸するのは時間の問題のような気がしますが、はたしてそれをNEWSが阻止できるのか。

電子戦で対抗できなかったら、次は従来の「陸海空」で戦うしかないんでしょう? それだけは避けたい。

延長するにしてもしないにしても、これまでと違うコト、始めましょう

東京の感染者が減らず、変異ウイルスが増えています。緊急事態宣言はどうなるのか。もしや再々(々)延長?

事態は改善してないどころか、むしろ悪化してます。しかし、延長して意味があるのかもわからない。

前回延長を決めたとき、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3440.html" target="_blank" title="ただ延長するだけじゃダメ">ただ延長するだけじゃダメ</a>だと書きましたが、結局、ただ延長しただけでした。

飲食等関連業界の疲弊と病院病床のひっ迫はひとつも改善してないのに、首都圏の人出だけは改善しています。

漫然と宣言を続ければ、だれだって緊急事態慣れするんです。「コロナが出たぞ〜」になっちゃうんです。

何かガツンと手を打って、これまでと違うコトしなきゃ。じゃあ何すれば良い?、と訊かれても困りますが。

一方で地方都市では、感染者が激減してもなお、市民が慎重に行動し続けているところもあります。

熊本は時々クラスターが出ていますが、それでも全体的には市中感染がずいぶん減っている印象です。

年度末から連休にかけて都会と地方で多くの人が行き来して、熊本の感染者数も増加に転じるんでしょうかね。

私はPCR検査至上主義者ではありませんが、次の波が来る前の今、検査態勢の拡充こそ必要だと思います。

その一環か、熊本市が医療従事者等の一斉PCR検査を打ち出し、当院職員も今週検査を受けたところです。

こういったスクリーニング検査は、批判もあるでしょうが、今後の再流行の芽を摘む意味で重要だと思います。

待ちに待った新型コロナワクチンの接種が、医療従事者から始まっています。

誰がいつ接種したかを、自治体や国がきちんと把握するシステムが、構築されています(されつつあります)。

この機会を利用して、接種しに来た全員に、ワクチン接種と同時にPCR検査をするなんて、どうでしょうかね。

「国民の疑念は招いていない」と、アンタが言うな

歴代の総務大臣らがNTT幹部と会食したようですが、皆さんおおむね、似たような釈明をしています。

高市早苗氏は、「割り勘にするか全額を自身が負担する対応を徹底していた」ので接待は受けてないと言い訳。

野田聖子氏は、「プライベートの会合という認識だったので、接待という認識はなかった」と述べました。

武田良太・現総務相は、「国民の疑念を招くような会食や会合に応じたことはない」の一点張り。

すみませんが、疑念を招いたかどうかは、国民が決めることです。そして現に、国民は疑念を抱いています。

高市氏も野田氏も、あわてて「差額」を返金したようですが、それこそ、墓穴を掘ったようなもの。

割り勘というのは形だけで、実質的には接待だったことを認識していたことの表れです。

数百万円とか数千万円とかの金額ならともかく、どうして数万円得する程度のケチな過ちを犯すのでしょう。

仮に政治家はノラリクラリで逃げ切ることができても、官僚はそれで将来を棒に振ってしまいます。

「国民の疑念を招かない」=「李下に冠を正さず」ですよ。どうしてみなさん、それができないのか。

でも、「国民の疑念を招くようなことはしていない」と釈明する方はまだ、比較的善良な人かもしれません。

本当に悪質な方ならたぶん、「国民の疑念を招いてしまいました」という言い訳をするでしょうから。

緊急事態宣言は、ただ延長するだけじゃダメですからね

東京、神奈川、埼玉、千葉に発令されていた緊急事態宣言はやはり、21日まで再延長されることになりました。

宣言が出された1月7日頃に比べれば感染者数は激減していますが、いま解除すべきじゃないという判断ですね。

病床使用率がまだ高いことや、感染者数の減少が鈍化していることを考慮したものでしょう。

この緊急事態宣言や、それに伴う時短営業や自粛が守りの感染対策なら、攻めの対策はワクチン接種です。

全国に人口比例で配分しつつあるワクチンですが、この際、思い切って首都圏を優先したらどうでしょう。

もちろん、熊本にも十分に配分してもらいたいところですが、日本全体の感染抑制の方がもっと大事です。

ワクチンは、人口比ではなく感染者数に比例した配分の方が理にかなってると、私は思います。

さて、緊急事態宣言を延長したからには、その2週間で何をするのか、その具体的な内容が重要です。

首相は「状況を慎重に見極めるための2週間」だと言いますが、まさか言葉通りの様子眺めじゃないですよね。

国民はもう、今まで通りの生活しかできませんから、国や自治体が変わらなきゃだめですよ。

PCR検査や積極的疫学調査の規模を拡大するなんて言ってますね。それが本当に具体的に進むことを願います。

延長は困ると嘆く人もいれば、2週間程度の延長では生ぬるいという専門家もいます。

何が正しいかは分かりませんが、あの延長は有意義だったね、と後で思える2週間であってほしいですね。

余人をもって代えがたい「失言王」

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性は競争意識が強い(略)それでみんな発言する」

このような、東京五輪組織委員会の森喜朗会長の発言が、波紋を広げています。

発言に異を唱えなかったJOC委員らの姿勢も含めて、もはや日本全体が、欧米からの非難を浴びています。

森氏の女性蔑視が第一の問題ですが、民主主義(=理事会での活発な発言)も気に入らないのでしょう。

多くの「失言」がしばしば、その人の本音や価値観をそのまま(うっかり)吐露した結果です。

今回も、言い間違いや勘違いじゃないので、発言そのものを撤回したところで、発言の真意は消滅しまません。

とは言え多くの人間には、程度の差こそあれ「裏表」があると、私は思っています。

ですが、教育や経験によって醸成された常識や良心によって、発言をコントロールできるのが大人です。

酩酊時や、諜報機関に捕まって特殊な薬剤を盛られたときにだけ、そのコントロールが外れてしまうのです。

森氏のように、つねに言いたいことを言ってしまうのは、それが森氏の「裏」ではないからでしょう。

非常識な本音を「表」として放言する生き方をしてきたので、それを抑制しようという発想がないのです。

周囲の取り巻きには、彼に諌言する者がいなかったとも言えるでしょう。言うなれば裸の王様です。

それだけの批判を浴びながらも、「余人をもって代えがたい」ので会長職を続投する(してもらう)方向とか。

東京五輪という国家的プジョジェクトの中心人物として、代えられる余人がいないことがまた、問題ですね。

小さな部分に費やす労力が、全体の大半を占めたりします

「自治体の4割 “感染者から協力得られず調査に支障” 厚労省調査」

というニュースの見出しの「4割」に驚いてはみたものの、その数値にどれほどの意味があるのかと考えた件。

新型コロナ感染者に対しては、感染経路や濃厚接触者を特定するため、いわゆる疫学調査を保健所が行います。

しかしさまざまな理由で、感染者が調査に協力しない場合があることは、以前から問題になっています。

自治体のうち4割が、保健所の調査について「協力が得られず支障が生じた経験がある」と回答したようです。

調査対象とした155の自治体のうちの、回答のあった112件のうち48の自治体が、そのような返答だったと。

しかし、それぞれの自治体で、「疫学調査拒否」事例が感染者のどのぐらいの割合だったのかは、不明です。

たとえば拒否率が1割だったとしても、その自治体の回答は「協力が得られず支障が生じた経験がある」です。

112のうちの48自治体で1割拒否ならば、全体の拒否率は約4%と、単純に言えばそういう計算になります。

なので大事なのは、各保健所が、どのぐらいの回答拒否に遭って困っているかという、その具体的な内容です。

「自治体の4割」という表現はウソではなくても、感染者の協力拒否率が4割かとの勘違いを誘う見出しです。

とは言え、たとえ疫学調査に協力しない人が1割程度だったとしても、感染拡大防止の観点からは問題です。

少し意味合いは異なりますが、同様の苦労は私も経験します。PCR検査の結果を電話連絡するときです。

10人のうち、たった1人でも電話がつながらないと、その方のためにずっと電話し続けなければなりません。

その日のうちにお伝えしたい大事な連絡ですが、何度かけても、夜遅くまでつながらないことがあります。

たった1割の相手であっても、そこに費やす労力や全体に及ぼす影響は、とても大きいということです。

マスク拒否おじさん、第2弾現る

大学入学共通テストで、試験中に鼻を覆わないマスク装着で指示に従わなかった受験生が、失格となりました。

試験中もその後も、周囲にかなり迷惑を掛けたお困り中年(49歳)だったようで、結局、逮捕されました。

「常にマスクを正しく着用してください」とセンターは指示していたそうですが、では正しい装着とはなにか。

サージカルマスクと比べたら、ウレタンマスクや薄い布マスクはそれ自体、「正しい装着」とは思えません。

その反対に、人の鼻からの呼気によるウイルス拡散が本当に問題になるのか、少々疑問ではあります。

しかしそうだとしても、いま、鼻出しマスクの正当性を主張するのは、協調性・公共性に欠ける考え方です。

李下に冠を正さずの気持ちで、疑われることはやらない、紛らわしい自己主張をしない、その態度が肝要です。

残念ながらこの「受験生」は、受験よりも自己主張の方が大事だったと見えます。

試験監督の指示を拒否した以上、途中で妥協したのでは自分の主張を否定することになると考えたのか。

振り上げた拳を降ろすタイミングを逸して、めんどうくせえオジサンになってしまいました。

この件に関して、次のような擁護的な発言(ツイート)をしている人物(34歳)がいます。

「40代の受験生を差別する必要もない(略)何歳になっても新しいことを学んでみたいと思うのは素晴らしい」

この人物こそ誰あろう、マスク装着を拒んで飛行機を着陸させた、いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3263.html" target="_blank" title="マスク拒否おじさん">マスク拒否おじさん</a>」です。

残念ながら彼もその後の行動に問題があったようでで、今日このツイートの直後に逮捕されました。

2人とも、何を主張してもかまいませんが、実力行使は暴力です。言論を重んじる人間の行為ではありません。

変異種にも有効な、良いワクチンでありますように

新型コロナウイルスの英国型の変異種への感染が、英国滞在歴のない3人から確認されたとのニュース。

これが市中感染だとすれば、この変異種はもう、日本にかなり入り込んでいるのかもしれません。

国内の感染がさらに拡大する可能性まで出てきました。

変異種が国内に広がる前にワクチンの接種が始まり、しかも変異種にもワクチンが効いてほしいものです。

そのワクチン接種の体制強化のため、河野規制改革担当相が「調整役」に抜擢されました。

普通に考えたら田村厚労相の仕事ですが、菅首相が敢えて河野氏を選んだのには、理由があるのでしょう。

省益を考慮する田村氏に任せていたのでは、厚生官僚の反対を突破することができないからかもしれません。

新型コロナウイルスワクチンは、通常の治験・承認の過程を経ておらず、きわめて例外的な事案ですからね。

日本のワクチン行政の規制や旧習を突破する必要があり、「規制改革担当相」が担うことになったのでしょう。

その河野氏といえば最近、東京五輪について、「何があるか分からない」と率直に述べて議論を呼んでいます。

一方で加藤官房長官は、「関係者はいま、感染対策を含めて準備に取り組んでいる」との従来型の見解。

加藤氏のように、望むことだけを述べ、悪い予測は口にしないのが、日本人らしい物の言い方です。

その反対に河野氏は、客観的・合理的発想で、なんでも率直に口にする、日本人らしからぬ部分があります。

異例のワクチンの導入には、河野氏のような合理的発想が必要なのかもしれません。