出生数ついに70万人を下回る

去年生まれた子どもの数が、統計開始以来初めて70万人を下回ったことが、厚労省の調査でわかりました。

その68万6千人余りという数字が、前年より4万千人余りも、大幅に減っていることが、私には衝撃的でした。

出生数推移のグラフを見ると、上に凸じゃないですか。だんだん減っているのではなく、加速が付いてます。

これ、だいぶヤバいです。親の世代が激減してるので、どう転んでも、今後の出生数は減り続けるでしょう。

仮に、来年合計特殊出生率が回復しても、出産適齢期の女性の数が少ないので、出生数は易々とは増えません。

よほど大幅に持続的に出生率が増えない限り、今後ずっと、出生数が減り続けることが確定的なのです。

地域医療を担う者として、あるいは事業主として、私に何ができるのか。以前からそれを考え続けています。

私が行っている診療では、直接的に子どもの数を増やせている(減るのを食い止めている)とは思いません。

ですがいまの子どもを守る医療を続けていれば、やがて出産年齢の女性も増やせると信じています。

生後2カ月からのワクチンデビューや満1歳で始めるワクチン接種は、とくに精力的に推進しています。

HPVワクチンは、勧奨接種停止中においても、対象のお子さんをもつ親御さんに接種を啓蒙してきました。

乳児の百日咳を減らすべく、妊婦さん対象のワクチン接種も、この1,2カ月で何人かに接種を行いました。

職場としての当院は、何人もの職員の結婚・出産・育児を支援してきました。子どもがたくさん生まれました。

しかしどの職員もみな、時短勤務を経て最終的には当院を去ってしまい、この問題の難しさを物語ります。

私ができることは限られていますが、これからも当ブログでの情報発信は続けて参ります。

「曖昧の美徳」

トランプ政権発足以来、激しく打ち出し続けている関税政策に対して、各国は対抗措置を計画しています。

と、そんな難しい話を続けるつもりも能力も私にはありません。

他国が「対抗措置を講じる」と憤っているのに、日本の首相の発言のなんと曖昧なことかと、それが言いたい。

石破首相は、「あらゆる措置を検討していかなければなりません」だと。悲しくなるような言い回しです。

「検討する」と言うだけでも漠然とした表現なのに、「いかなければなりません」とは、まるで他人事です。

そもそも「あらゆる措置」って何。「遺憾の意を表明する」ことですか。つまり結局何もしないと。

もともと日本人は、断定的な発言を好まない国民ですね。「曖昧の美徳」と言ってもいいかもしれません。

ただし政治家の場合は、対立を避けて和を重んじるというより、ただ言質を取られたくないのが本音でしょう。

結果的に失敗するのがイヤなのでしょう。成功しなくても良いから失敗だけはしたくない。

官僚やお役人も同様で、施策の失敗によって批判されるぐらいなら、無策のほうがマシと思っているのです。

たとえばワクチン。日本人は元来、有効性よりも安全性を重要視する傾向があります。

なによりも副反応の無いワクチンを求め、もしも副反応が出たものなら過剰反応してしまいます。

国はそのような国民感情に棹さして流され、トラブったワクチンはすぐ止める措置をとってきました。

消去法のような形で誕生した石破首相。政権外に居たときの、あの皮肉交じりの威勢はどこに行きましたか。

もう破れかぶれで、やりたい事をやりたいようにやったらどうですか。失うモノは、たいして無いですよ。

骨だけ撮して欲しいのよ

放射線技師が盗撮、というニュースを聞いて、となると撮したのは骨や内臓じゃないんだな、と思ったりして。

この手の事件は無数に報じられていますが、こういう業務中の盗撮をされると、もう同業者全員が迷惑します。

全ての挙動が怪しまれ疑われ、担当者は必ず「同性」にしろ、なんていう面倒なことにもなりかねません。

被害者が好みのタイプだったと、件の技師は言ってるようですが、もしかしてストーカー対象だったのか?

ニュースを聞きながら、「骨まで愛したのかね」とつぶやいたら、「それ言うと思った」と家人。

幼少期、私が最初に覚えた歌謡曲が、城卓矢の『骨まで愛して』でした。年上の従兄弟から習ったのです。

「生きてる〜ぅ限りは〜 どこ〜ま〜で〜も〜 探し続ける 恋ねぐら〜」

意味不明な「恋ねぐら」という言葉のその音、響きが、当時の私には「刺さった」んでしょうね。

空港や機内で、私はよく写真を撮りますが、最近は空港内に「盗撮NG」のような掲示物が目立ちます。

Facebookなどを見ると、CAさんや地上係員が映り込んだ画像をよく見かけます。あれがダメなんですよね。

こういうのは、ご本人の承諾を得るだけでなく、喜んで一緒に映ってくれる場合に限り、撮影が可能です。

なんとなく断り切れずに被写体になる雰囲気があれば、撮さない方が良いですね。

顔だけ隠してSNSにあげたとしても、撮影者のコレクションには顔が残るわけで、それがすでにNGなのです。

放射線技師の盗撮は、女性の外見を撮ってしまったのが問題でした。骨だけ撮しときゃよかったのに。

文春のお詫びと訂正

中居正広氏の問題。昨日の記者会見を最後まで見た人はみな、時間をムダにしたことを悔いているようです。

まあそれにしても、10時間以上にわたって老人たちを吊るし上げたことは、ちょっと感心できませんね。

そうでなくてもスッキリした返答のできない重役たちですから、時間とともに余計グダグダになるだけですよ。

それを夜中の2時半まで「尋問」するとは、理由が何であるにせよ人権侵害じゃなかろうかとさえ感じます。

そういう風に、相手が疲労困憊するまで尋問し続けた検察官が、最近問題になったばかりじゃないですか。

驚いたことに週刊文春は、当該トラブルが起きた会食は、中居氏が女性を誘ったものだったと訂正しました。

これまでは、女性がフジテレビの幹部社員に誘われたと報じていたのに、まるで話が違いますよ。

いまフジテレビがこれだけ大きく叩かれている問題の、その根幹に関わる部分が誤報だったというのですか。

「一部を間違えて報じましたが、社員の関与は変わりません」との主旨で、文春は言い訳をしています。

「誤報ではあっても、結果的に大きな問題が浮き彫りになりました」とでも言ってるようで、釈然としません。

だから週刊誌は、と批判するつもりはありません。週刊誌とは所詮、そういうものなのだと思うべきです。

「2025年問題」の年になりましたが

「2025年問題」という名称が象徴する、その2025年になりました。

多くの人口を抱える「団塊の世代」が、すべて後期高齢者(75歳以上)になる年だといいます。

しかし、その世代が74歳でも73歳でも本質は変わらず、日本はとっくに「超高齢化社会」の真っただ中です。

すでに、医療や介護や年金や、すべての雇用や消費など、社会・経済に影響する大問題が起きています。

抜本的には生産年齢人口を増やさなければ解決しませんが、残念ながら少子化も進んでいます。

20年も30年も前から分かってたのに、指をくわえて見ていたかのような結果になったと言わざるを得ません。

医療者(とくに内科系開業医)としてできることは、まず、生活習慣病や感染症を減らすことでしょうか。

健康寿命を延ばせば、医療・介護費用を減らせるはず。政府はもっと健康増進や予防医療に力を入れて欲しい。

たとえば禁煙は絶対です。禁煙外来で使う経口禁煙補助薬の、一刻も早い流通再開を期待しています。

厚労省の少し前の資料を見ていたら、「たばこの値上げの意義」として3つあげていました。

(1)成人の禁煙を促し、青少年の喫煙防止にも役立つ

(2)喫煙率の高い低所得者層の禁煙を促進し、健康格差を縮める

(3)ニコチンの依存性により税収の増加も期待できる

少々問題のある記述ですが、本音なんでしょうね。じゃあ早く、欧州並みの価格と税率にすればいいのに。

「貸金庫」に何入れる?

ついに頭取まで登り詰めたか、と驚きましたうそ。

「三菱UFJ銀行の貸金庫窃取事件」について会見に臨んだ頭取の名前が、半沢氏だったもので。

貸金庫って、私は現物を一度も見たことがないですが、映画やドラマではよく見かけるので馴染みはあります。

顧客と銀行員がそれぞれの鍵を同時に差して回し、ボックスを引き出す、というのが私のイメージでした。

まるで、潜水艦の核弾頭ミサイルの発射キーを、艦長と副艦長が同時に回す、みたいな。

でも実際は、貸金個室に入るのに銀行側の鍵が必要だけど、貸金庫そのものは顧客用の鍵だけで開くんですね。

犯人は、その顧客用の鍵のスペアキーを管理する責任者だったそうで、つまり典型的な「中の人」の犯行です。

中の人の犯行は大規模な犯罪にもつながりかねず、絶対に防げる仕組みにしておかなければなりません。

今回のような個人的な犯行よりも、別の誰かに脅されてやむを得ず犯行に及ぶ可能性の方が問題です。

だって、犯罪組織やテロリストはだいたい、そういう手口でしょ?(映画では)

なのでいくら脅されても、部門責任者どころか支店長や頭取ですら犯行不可能なシステムであるべきです。

ところで貸金庫には、皆さんいったい何を入れてるんでしょうね。貴金属とか権利書とか思い出の品ですかね。

あるいは映画みたいに、偽造パスポートとか拳銃とか極秘情報の入ったUSBメモリでしょうか。

犯罪組織の方々はいま、貸金庫の違法なブツをその元行員に見られたんじゃないかと、気が気じゃないはず。

元行員の今後の無事を祈ります。でもそれより、その元行員は脅されて実行犯となった可能性はないですかね。

うりうりな妄想

瓜売りが瓜売りに来て瓜売れ残り売り売り帰る瓜売りの声」(諸説あります)

報道番組を見ていて久しぶりに、このフレーズを思い出しました。

中国共産党の元実力者で失脚した「薄熙来(はくきらい)」氏の息子が、台湾人と結婚したニュースです。

サラッと報じられたので、ふ〜んで終わるところですが、私はこの息子の名前が以前から気になっていました。

その名も「薄瓜瓜(はくかか)」氏。それから連想して、瓜売りフレーズを思い出したわけですうりうり。

中国共産党政治局に妙に興味がある時期が、かつて私にはありました。誰でもありますよね、そういうのって。

ネット情報に飽き足らず、遠藤誉氏の著書とかを買い込んで読みあさったりしました。

人口十何億人の巨大な国家を、たった数人が、激しく順位争いをしながら支配するという仕組みが怖過ぎます。

2011〜2012年に起きた「薄熙来事件」は、まるで映画のような展開でした。次のような感じでしょうか。

冒頭、薄氏の腹心(重慶市の副市長)が、女装姿で米国領事館に駆け込みますが、最終的に亡命に失敗します。

薄氏の不正蓄財のマネロンを担当していた英国人を薄氏の妻が毒殺した、その証拠などを携えての亡命でした。

この、重要人物が女装して決死の覚悟で行動するという手口は、古今東西いろんな場面で出てきますね。

こうして、強大な権力と莫大な資産で隆盛を極めた薄氏は、習近平の汚職狩りの象徴として起訴され失脚。

ところが、薄夫妻が無期懲役で収監されて物語は終了と思いきや、息子が台湾人と結婚するという新展開。

「両親は人民と大局の犠牲のため、身をもって屈辱を忍んで重責を担っている」と、瓜瓜氏は挨拶しました。

反体制組織の支援を受けた薄氏の復讐劇が、いま始まろうとしています(個人のうりうりな妄想です)。

高齢者ドライバーと「危険運転」

池袋の暴走事故で実刑判決を受けた飯塚幸三受刑者が、老衰のため刑務所で死亡したとのこと。

高齢ドライバーにより交通事故が社会問題となる、まさにその発端の大事件を引き起こした人でした。

もうひとつ最近問題となってるのが、無謀運転による死亡事故が「危険運転致死」と認められない問題です。

「危険運転」の定義や該当基準が国民感情に合わないと、以前から疑問の声が上がっています。

アルコールや薬物の影響がある状態での運転が危険運転に該当するというのは頷けても、別の疑問が生じます。

であるならば、無謀な運転で異常に興奮して脳内麻薬が出まくっている状態こそ、もっと問題じゃないですか。

それはいまの自分の運転が安全かどうかの判断すらできずに運転している状態であり、もう危険運転です。

もちろん、運転が安全ではないとわかって運転して死亡事故を起こしたのなら、未必の故意の殺人罪でしょう。

なので、超高速度運転による死亡事故は、過失致死ではなく、危険運転致死か殺人かで争うべき事案です。

よく言われるのは、事故の前は無事に運転できていていたので危険運転ではないというオカシな理屈。

逆でしょう。危険運転だけどこれまでは運良く事故らなかっただけ、と考える方が自然じゃないですかね。

少なくとも事故った時点で、やはり制御できていなかったことが立証されたわけで、つまり危険運転なのです。

これは高齢者ドライバーでも同じこと。周囲から「危なっかしい」運転だと思われた時点で危険運転でしょう。

日頃運転できていたのは運が良かっただけ。事故った時点で、やはり危険運転だったことが露呈するのです。

それまで無事故だったことをもって「運転を制御できていた」とする屁理屈は、即座に撤廃していただきたい。

兵庫県知事返り咲き

パワハラなどの疑惑で失職した斎藤元彦・前兵庫県知事が、返り咲きとなりました。

この件では、ひどい知事だと思う以上の興味も無く、選挙では県民が引導を渡すのだろうと思っていました。

県議会議員の全会一致で不信任を議決、多くの市長たちも対立候補を支持しているし、もう一巻の終わりだと。

ところが、肝心の「民意」は、斎藤氏を選んだんですね。最初は、驚き以外の何物でもありませんでした。

メディアは「SNSの勝利」だといいます。ただしそれは、伝え方が上手かったというだけの話ではありません。

「既得権益層 vs 改革者斎藤」の構図が明確となり、県民の認識を変え、投票行動にまで至らせたわけです。

私は俄然、興味が湧きました。これまで大手メディアが報じてきた事が、間違っていたのではあるまいかと。

テレビは斎藤氏を、「功績もあるかもしれないが、疑惑が問題」との順で報じ、疑惑ばかりを掘り下げました。

「疑惑があるが功績も大きい」という言い方をせず、改革者としての斎藤氏を評価しませんでした。

それは、権力者の疑惑報道は国民ウケするという浅はかな考えであり、メディアにありがちな残念な態度です。

玉石混淆のネット情報ではありますが、少し検索してみたら、ウソかホントか怪しげな話が山ほど出てきます。

確かめようもないので鵜呑みにはしませんが、兵庫県には何か闇がありそうな気がします(個人の妄想です)。

なにしろ5期20年の長期に渡り君臨した元知事の、その後継者を破って前回、斎藤氏が当選したわけですから。

そりゃ旧勢力が復権を狙って、斎藤氏の疑惑をでっちあげるなど常套手段でしょう(妄想が続いてます)。

しかし見事に再び当選した斎藤氏。映画ならこの後、敵対勢力の粛正が始まることになります(妄想炸裂中)。

政権はどうなる?(アメリカ篇)

まさか、これほど圧勝するとは想定外でした。トランプ氏が米大統領に返り咲きますね。

人生には三つの坂があると申します。上り坂、下り坂、田原坂(例えとして)。

「ハリスの旋風」は吹き止み、ガキ大将みたいなヤツがまた、世界最強国の大将になります。

「もしトラ」が現実となったいまの状況を、何トラって言えば良いのでしょう。「またトラ」ですか。

中東やウクライナへの影響とか、日本経済・外交への影響とか、何がどうなっていくんでしょうね。

トランプ氏はEV嫌いです。現政権のEV推進政策がポシャってしまうのかと思うと、これはかなりヤバいです。

そうでなくても、いま世界的に「EV失速」と言われているのに、これがますます加速するのでしょうか。

加速するのであれば、それはもはや失速ではなく減速ですね。日本を含む世界への影響が心配です。

「アーリー・アダプター」としてEVを購入した私から言うと、少なくとも日本では、充電インフラがダメです。

日頃の充電の手間には慣れましたが、とにかく航続距離が短い。遠乗りには常に、電欠の恐怖が伴います。

充電インフラが拡充しなければEVは増えにくいし、EVが増えなければインフラ整備も進まなという悪循環。

それに加えてまたトラですから、日本のEVはもう完全に停滞期に入るというか、我慢の時間帯ですね。

いやそう言えば、トランプ氏はイーロン・マスク氏と仲良しでした。じゃあEVは潰さないでしょう(希望)。

「MAGA」の4年間が、来年からまた始まります。2期目なので、余計にやりたい放題かもしれません。

「GAFA」を(少なくともAppleを)、あんまりいじめないでくださいね。私の願いです。