パンダ観察記

上野動物園のパンダ舎から、ライブ映像が発信されているということを知り、念のため見てみました。

パンダにプライバシーはありません。8カ所のカメラが、舎内ほぼ全域をカバーしているようです。

うち4台は殺風景な室内カメラですが、ほかの4台は屋外の放育場を各方向から映す、楽しげな映像です。

9時半の開館時間を少し過ぎたころ、ライブ配信が始まりました。パンダは2頭とも放育場にいました。

私は4つのウインドウを開き、4つの屋外カメラの映像を同時に見る万全の態勢で、観察に臨みみました。

どうやら放育場はフェンスで半分に隔てられており、2頭は別々のエリアにいました。

意外なことに、パンダは基本的に歩いています。しかも歩くのが速い。

とくに1頭は、ほとんど休み無く、おもに放育場の外周(フェンス沿い)をぐるぐる歩き回っています。

たまに池に近付くと、下半身だけを水に漬け、数秒後にまた歩き出します。何でしょう。トイレ?

下半身だけが濡れた状態で歩き回り、ときどき地面に座ったりするので、お尻だけ泥で茶色く汚れています。

もう1頭は、歩き回るだけじゃなく、よく遊び、池に入るのも好きみたいです。暑がりなのでしょうか。

しばらく歩き、木に登り、降り、ハンモックに乗り、降り、池にしばらくつかり、またグルグル歩きます。

こっちの方がパンダっぽい。

1時間半ほど観察しましたが、満腹だったのか、食事シーンなし。

2頭がフェンス越しに見つめ合うシーンなし。たまにニアミスしても、知らんぷり。

どっちがリーリーでどっちがシンシンかも、わからずじまい。

珍渦虫

ナゾの生き物「珍渦虫」の研究が話題になっています。

なによりも「ちんうずむし」という読み方にまず、やられました。

そもそも「うずむし」という生き物のことを、私はよく知りませんでした。扁形動物の仲間らしいです。

「扁形動物」には、渦虫のほかに、吸虫や条虫などがいるそうです。

吸虫と条虫なら、私も知っています。寄生虫の一種です。学生時代に習いました。

一方で渦虫は寄生をせず、水中や陸上などで生活しているそうです。有名なプラナリアも渦虫の仲間です。

で、珍渦虫ですが、驚いたことに渦虫の仲間ではなく、扁形動物ですらないそうです。

口と肛門は共通で、頭や足や触覚などの感覚器官がなく、中枢神経系や生殖器官すら退化しているとのこと。

食べた口から排泄し、何も触れず、何も感じず、何も考えず、子孫も残さない?

それでいて、大きさが1cmほどもあるので、へんてこりんな生き物というほかありません。

このたび国際研究チームが、欧州の海底に住む珍渦虫の、卵からの「ふ化幼生」の成長を観察したそうです。

ていうかまず、どうやって卵を産んだのか、珍渦虫。

おまけに、幼生には、足があり、肛門があり、中枢神経もあったとのこと。

ということは、成長に伴って、それらが退化したということになります。

使わないから退化するわけで、足と肛門はまだわかりますが、中枢神経もですか。

頭は使わないと退化する。戒めにしましょう。

両A面ヒラメ

背中だけでなく腹も黒いヒラメが、玄界灘で刺し網漁にかかったと、話題になっています。

ヒラメと聞いてすぐ思い出すのは、「左ヒラメに右カレイ」というフレーズ。

目のある側を表にして、腹部を手前にして置くと、左向きなのがヒラメ、右向きなのがカレイ。

一般に、魚の絵を描くときや皿に魚を盛りつけるとき、頭を左に向けた方がなんとなく落ち着きます。

その意味では、カレイよりもヒラメのほうが落ち着きます。

犬や猫や自動車や自転車の絵を描くときでも、どちらかと言えば、左向きにすることが多いですね。

これには<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-319.html" target="_blank" title="利き手">利き手</a>(右利き)との関係も考えられていて興味のあるテーマですが、その話はまた別の機会に。

今回見つかったような両面が黒いヒラメは、「人工的に育てられた個体には時折ある現象」らしいです。

もともと養殖ヒラメには、裏側の白い方に黒い斑紋があるそうです。これは知りませんでした。

斑紋ができる原因は、海底の砂に潜れないためのストレスらしいです。

養殖場の水槽の底はコンクリートなのでしょうか。そもそも養殖自体がストレスでしょう。

玄界灘で捕れたヒラメは、何かよっぽどひどいストレスにさらされていたのかもしれません。

サナギ

毎朝掃除していて気付くのは、最近イモムシの糞が減っていることです。

ということは、イモムシも減っていると、そういうことです。

私の駆除が奏効したのかというと、そうではありません。

おそらくイモムシたちは、土にもぐって、サナギになりつつあるのでしょう。

しかし、あとで多数の「蛾」が土から湧き出てくるのもイヤです。

サナギ化防止策としては、樹木の幹に粘着剤を塗り、土に降りてくるイモムシをくっつける方法があります。

市販品で知られるのは、アース製薬の「バラの虫ホイホイ」です。

本来は、アブラムシやゾウムシが土から上がってくるのを防止するものですが、逆の使い方をするワケです。

そこで先日、糞の量が最も多いオリーブの木の幹に、バラの虫ホイホイを塗る作戦を決行しました。

が、ホイホイのチューブの開け方に失敗して、手がベトベトになり、もう戦意喪失。塗るのも中途半端。

指の粘着剤を取るのにひどく苦労しました。あとで調べたら、サラダ油で拭き取るとよいとのこと。

そうこうするうちに、最近は糞の量も減ってきた。つまり作戦は間に合わなかったと、そういう顛末です。

やがてイモムシたちは、サナギを経て成虫になり、大きなハネを広げて飛び立つのでしょう。

こういうのを「完全変態」といいますが、サナギって、つくづく不思議ですね。

サナギの殻の中では、幼虫の体はいったんドロドロに溶け、成虫の体が再構成されるそうです。

生命の神秘としか言いようがありません。

イモムシ再び

クリニックに黒いイモムシがたくさん現れたことは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-346.html" target="_blank" title="以前書きました">以前書きました</a>。

「セスジスズメ」という、スズメガの一種の幼虫でした。

今度は自宅で、新種発見です。

生垣のプリペットが茂り、枝が飛び出しているのですが、その先っぽに、ぶら下がっていました。

太さ1cm以上、長さ10cm近くの、巨大なイモムシです。

黄緑色なので、今度こそアゲハか、と一時は喜んだのですが、残念。おしりにツノ(尾角)があります。

これはスズメガの特徴です。ネットで調べたら「シモフリスズメ」の幼虫と判明しました。

斜めのストライプが斬新で、口元がちょっとカワイイのですが、かわいくても蛾です。

動きが鈍いので、捕獲は簡単。昨夜2匹捕まえました。

イモムシ(芋虫)は元々、サトイモなどの葉っぱを食べる、スズメガの幼虫につけられた名称だそうです。

芋に付く虫だから芋虫。

だからスズメガの幼虫は、イモムシの本流と言ってもよいでしょう。

スズメガの幼虫は、数ミリ大の黒い糞をします。オシロイバナのタネに似ています。

今朝あらためて生垣の根元を見たら、糞がずらっと並んでいました。

まだまだかなり、住んでますね。

毛虫駆除

クリニックの裏に植えている竹が、毛虫にやられました。

発見したその日に、とりあえず、ハエ用殺虫剤を振りかけて「仮駆除」を行いました。

さらに翌日、業者に専門的な処置をしてもらいました。

私は毎朝、その竹の周囲も清掃しているのですが、竹の異変には気づきませんでした。

ただ、2週間ぐらい前から、竹の根元周辺の地面に、抹茶をまいたような黄緑色の粉が広がっていました。

誰かが抹茶をこぼしたのだろうと思っていました。

しかし、掃除しても掃除しても、毎朝抹茶がまかれていたのでした。おかしいなとは思っていました。

業者に来てもらうと、開口一番「ずいぶん糞が落ちてますね」と。

抹茶は毛虫の糞でした。

図鑑で調べたら、タケノホソクロバの幼虫であることが判明。

毒針毛が密生しており、かなりヤバイ毛虫のようです。

イモムシは嫌いではありませんが、毛虫は大嫌いです。こういうのを「毛嫌い」というのでしょうか。

足の数

昨日の日馬富士、強かったですね。

白鵬は投げられて、見苦しくも「おっとっと」と一本足。

足と言えば・・・(ちょっと強引な展開です)

「朝は4本足、昼は2本足、夕方は3本足の生き物は何か」

有名なスフィンクスのなぞなぞ。答は「人間」です。

ヒトは、進化の過程で二足歩行をするようになりました。

他の動物の中にも、時々2本足で立つヤツがいますが、それらは概して知能が高そうです。

では一般的に、足の数の少ない方が高等生物と言えるのか。

その理論で言えば、タコはイカよりも高等です。この場合「高等」と「高級」は一致しません。

イモムシには足がたくさんありますが、よく見ると、先端の方の6本だけが細く、あとは太い足です。

成虫になると、6本足の蝶や蛾になります。どうやら後ろの方の太い足は、本物では無かったようです。

わが家の庭で見かける生物の足の数は、犬(4)、昆虫(6)、クモ(8)、ダンゴムシ(14)の順にだんだん増えます。

ムカデに至っては、足の数は30本以上。

高等か下等かはともかく、足が多いほど、ゾワゾワします。

イモムシ

クリニックの敷地内で、黒い「イモムシ」をたびたび見かけます。

毛は生えていないので、いわゆる「ケムシ」ではありません。

黒を基調として、黄色の縞によっていくつかの節に分かれ、各節にオレンジ色の目玉模様が並んでいます。

たびたび見かけるので、「クロちゃん」と呼ぶことにしました。

その気品のある、ビロードのような黒と鮮やかなオレンジからは「クロアゲハ」を連想します。

ある朝などは、同じ場所に5匹のクロちゃんが集合していました。

これはもしや、時期が来れば、無数のクロアゲハが舞い飛ぶクリニックになるかもしれません。

そう思いながらも、念のためネットで確認すると、なんと、クロアゲハの幼虫って緑色じゃあないですか。

なら、このクロちゃんっていったい誰なのか。

名前がわからないものを検索するのは、意外と難しいものですが、そこは工夫次第。

「イモムシ 黒」で画像検索すると、いとも簡単に、クロちゃんとまったく同じモノを見つけました。

う〜ん、残念なことに、クロちゃんの本名は「セスジスズメ」という「蛾」でした。

差別するわけではないですが、蝶と蛾では、雲泥の差です。

まあそれでも、ひいき目に見れば、セスジスズメって「ステルス戦闘機」に似てて、蛾にしては格好いい。

ただし、無数に舞い飛んでほしくはないですけど。

ツクツクボウシ

朝晩がずいぶん涼しくなってきました。

ツクツクボウシの鳴き声が、いくつも重奏して聞こえてきます。

もの悲しい気持ちになりながら、しばらくじっくりと、耳を傾けてみました。

あらためてその「メロディー」を、私なりに忠実に、文字で再現してみます。

(1)「ヂィィィーーー」  序奏です。では始めますよって感じ。

(2)「ヂワヂワーーーヅワヅワーーー」 だんだんメロディーらしくなってきます。

(3)「ヅクヅクヅクヅクーーー」 いつのまにか主題に変わっている!

(4)「オーシ」 来たぁ! 

(5)「ヅクヅクオーシ、ヅクヅクオーシ、ーーー」 第1主題のリフレイン開始。長いときは20回以上。

(6)「オイス」 主題が転換するとき、短く挿入されます。省略されることもあります。

(7)「オイヨース、オイヨース、ーーー」 第2主題登場。これを4,5回繰り返す。

(8)「ヂィーー」 そしてピタッと鳴きやみます。

コオロギ

夏真っ盛りですが、早くもコオロギを見かけるようになりました。

クリニック周辺にもたくさんいて、ときどき院内を訪問してくれます。

ピョンピョン跳びはねるのを、素手で簡単に捕まえてみると、手の中でモゾモゾ動いてカワイイです。

似たような色ツヤなのに、ゴキブリとは大違いです。ゴキブリが手の中でモゾモゾされたらたまりません。

コオロギがバッタみたいに飛ぶのを、私は見たことがありません。

もしかすると飛べない虫なのか? ニワトリやペンギンが飛べない鳥であるように。

ネットで調べてみたところ・・・

「本来飛べる」「基本的に飛べない」「種類によっては飛ぶ」「育ち方による」「危険を感じたら飛ぶ」

残念ながら、一定の結論に到達することができず、私の疑問は未解決のままです。

少なくともオスの翅(はね)は、飛ぶことよりも鳴くために役立っているようです。

ちなみに、ゴキブリが飛ぶ目的は、間違いなく「人を恐怖におとしいれるため」です。

必ずこちらの顔をめがけて飛んで来ます。