ダンゴムシの本

「花より団子虫」というのは、以前話題になった「育児ことわざ」のひとつ。

私もそうでした。小さい頃にダンゴムシを「収集」していたことは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-302.html" target="_blank" title="以前書いた">以前書いた</a>通りです。

どこにでもいて、動きがのろく、気持ち悪くないので(これには意見が分かれるか)、捕まえやすいのです。

ダンゴムシが気持ち悪くないとすれば、その理由はたぶん、触ったときに動かないからかもしれません。

つまみ上げた手の平の上ではただの、小さな黒い玉なのです。

しかし少し待っていると、その玉が伸びて、モゾモゾ動き出します。その時にも触っていられるかどうか。

ダンゴムシが好きかどうかは、これでだいたいわかります。

最近ふとした成り行きで、「ダンゴムシの本」(奥山風太郎+みのじ著)というのを買いました。

A5版の薄い本なのに1800円(税別)とは、医学書並みに高額ですが、読んだら医学書より面白かった。

ダンゴムシは、からだを丸める鉄壁の防御を身に付けたので、逃げ足は遅くてもかまわないと。なるほど。

同じダンゴムシの仲間でも、フナムシは丸くなれず、そのかわりに異常に逃げ足が速いというわけです。

ただし、フナムシがたとえダンゴムシ並みの鈍足だったとしても、捕まえて手に乗せたくはありませんね。

丸くなってくれないと、脚のモゾモゾが気持ち悪いからです。

シカ逃走中

熊本市動植物園から逃げ出したニホンジカが、まだあと1頭見つかりません。もう1週間以上たちました。

江津湖付近か、もしかすると市街地に潜伏しているのかもしれません。まあ、逃げたのがシカでよかった。

京都大学のiPS細胞研究所では、マウスの逃走がホットな話題です。

飼育ケースに敷き詰めたチップ(おがくず)の中に埋まり込んでいたマウスに、気付かなかったようです。

遺伝子組み換え後の動物だったことが、問題視されています。

大学病院で研究していた頃、私もたびたびラットに逃げられて苦労したことを思い出します。

ケージからラットを取り出す際は、実験室のドアを必ず閉めます。万一の逃走に備えるためです。

ラットは尻尾が太く長くて持ちやすいですが、けっして持ち上げて宙づりにしてはなりません。

すごい勢いで動き回るからです。噛まれそうで怖くて手を離してしまえば、必ず逃げられます。

誰かが実験室のドアを開けないように施錠した後、実験そっちのけの捕獲劇が始まることになります。

モルモットは、ラットと同じぐらいの大きさですが、動きが比較的緩慢で、あまりどう猛ではありません。

しかし頭が良いので、ケージの閉じ具合が甘いと、すき間をこじ開けて逃走します。

朝実験室に行ってみると、ケージがもぬけの殻、ということが何度もありました。

我が家の愛犬アンナが庭から逃亡した顛末は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-273.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>通りです。

いつか見つかるだろうとは思いながらも、いちばん心配なのは交通事故でした。

動物園のシカも、逃げ回るうちに交通事故に遭わなければいいのですが。

ダイオウグソクムシ

鳥羽水族館の「ダイオウグソクムシ」が、5年間断食を続けているというニュースに、参りました。

1月2日のエサやりでは、手羽先、マグロ、ホタテ、サンマ、ブリを与えても、見向きもしなかったそうです。

それって居酒屋メニューじゃないですか。嫌いですか。

エサの少ない深海の環境に適応しているとはいえ、エサが与えられたなら、とりあえず食べとくべきでは?

5年前の1月2日にアジを食べて以来、何も口にしていないのに、体重はほとんど変化していないそうです。

なるほど。正月にあれこれ口にした私の体重が、それなりに変化したのもうなづけます。

漢字で書くと「大王具足虫」。「ダイオウイカ」と同様、超巨大なのでこのネーミングとなったのでしょう。

成長すると体長45cmにもなるといいます。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-302.html" target="_blank" title="ダンゴムシ">ダンゴムシ</a>の仲間(等脚類)だそうです。たしかに似てます。

日本近海の海底にも「オオグソクムシ」というのが住んでいるそうです。体長は10cm程度。

「口から悪臭を出して身を守る」らしいですが、当の本人は臭くないのでしょうか。

磯でおなじみの「フナムシ」も等脚類の仲間。近寄ると集団で逃げます。集団で向かってきたら地獄です。

それにしても、どうしてフナムシはあんなに素早く動けるのに、ダンゴムシはのろいんでしょうね。

アーモンド

アデノウイルスや溶連菌による咽頭炎や扁桃炎の患者さんが、最近多いです。

その医学的考察は後回しにさせていただいて、今日は「扁桃」について考えてみました。

のどの奥の、のどちんこの両側に張り出した組織を「口蓋扁桃」といいます。いわゆる「扁桃腺」です。

その名の由来は、アーモンドの種子に似ていることだそうです。アーモンドの和名が「扁桃」なのです。

でも、どう見ても、日頃食べる流線型のアーモンドには似ていません。そのことが長年の私の疑問でした。

どちらかと言えば、梅干しの種子の方が、よっぽど似ています。

急に気になって調べてみると、我々が口にしているアーモンドは、その種子そのものではありませんでした。

種子の殻の内部の軟らかい中身、すなわち「仁」の部分のみを、アーモンドと称して食べているようです。

仁ではなく、アーモンドの種子全体の写真を探して見てみると、なんと、肥大した口蓋扁桃にそっくり。

アーモンドに近い植物の杏(あんず)の種子もまた、口蓋扁桃によく似ています。梅干しのタネも同様です。

そして杏の仁(杏仁)も、梅干しのタネの仁(天神様)も、どちらもアーモンド(の仁)にそっくりです。

これらに共通するのは形だけではありません。新鮮な状態では、青酸配糖体を含むので毒性があるそうです。

ところで、アーモンドと聞いて私が連想するのは、ヤマザキの菓子パン「アーモンドスペシャル」です。

マーガリンたっぷりで、塩味が利いてて、大好きですが健康には悪そうです。ある意味、毒性があります。

スズメ

都会の人はめっきり見かけなくなったでしょうね、スズメ。

私もかつて、スズメをほとんど目にしない時期がありましたが、最近は毎朝、大群に出遭います。

自転車通勤路にしている農道でのこと。夜には<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-712.html" target="_blank" title="虫が目に入って">虫が目に入って</a>困る道ですが、朝はすがすがしい場所です。

そこでは、春にはヒバリが何匹もさえずり、夏には名前も知らないような大型の鳥が闊歩します。

先週ぐらいから、数十匹のスズメの集団が、毎朝いつも同じ場所に現れるようになりました。

田んぼを見ると、まだ黄緑色ですが、稲穂が実り始めています。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

ま、それはともかく、その稲穂を狙っているのか、スズメが大量に集まってきているのです。

少し小ぶりで、色も薄茶色の、おそらく今年生まれた若鳥たちでしょう。

私の自転車が近づくと、みな一斉に飛び立ち、少し離れた所に着地します。

しかし私の進行方向に逃げていくものだから、何度も何度も逃げなければなりません。

スズメたちからすれば、逃げても逃げても人間に追いかけられる、ひどく恐ろしい状況なのかもしれません。

でも毎朝のことなんだから、少しぐらい学習して、違う方向に飛んだらいいのに。

虫が目に入る

自転車で、夜暗くなってから帰宅するとき、何が困るかって、虫でしょう、いまの季節。

途中で田んぼの横を通る区画があるのですが、走っていると必ず、顔に無数の虫が当たってきます。

その一部は、目に入ります。鼻から吸い込みます。唇にも張り付きます。

なるべく前傾姿勢で、顔を下に向けて走り抜けたいのですが、ずっとうつむいた状態では危ない。

前方の安全確認のために、ときどき顔を上げなければなりません。そして上げた瞬間、やられます。

昼間見ると、ちょうどこちらの顔の高さぐらいに、蚊柱ができてますよね。

小さな虫がたくさん群れてます。虫なのに、近付いても逃げない。ていうかむしろ、待ち受けてる。

いやそれどころか、避けようとしても寄ってきます。寄ってきて、私の顔を蚊柱で覆い尽くす感じ。

覆い尽くすだけじゃなく、そのまま私の移動速度に合わせて、ピッタリ付いてきます。

夜にも蚊柱があるのなら、私は何もわからないまま、まんまとその中に顔を突っ込んでいるわけです。

調べてみると蚊柱は、たいていは「ユスリカ」の群らしいですね。

蚊ではなくハエの仲間なので、刺さないそうです。確かに、蚊柱に顔を刺された覚えはないですけどね。

クマゼミ大合唱

クマゼミの朝の大合唱が、本格化してきました。

私は毎朝4時55分に起床するので、クマゼミが鳴き始める時刻がだんだんと早まっているのを実感します。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-301.html" target="_blank" title="以前も書いた">以前も書いた</a>ように、気温にも影響されるようですが、最近では5時台後半からワシワシ鳴き始めます。

朝一番はまだ数匹が重唱している感じですが、遅れてお目覚めのセミたちが、だんだんと加わってきます。

クリニックの庭掃除をする7時前ごろ、樹木に近寄ると、腹を震わせているクマゼミが何匹も見つかります。

目の間隔が広くて、アブラゼミに比べるとブサイクですが、黒いカラダが緑色に光る色合いは好きです。

テレビドラマの夏の屋外シーンで、BGMのように聞こえてくるのは、たいていミンミンゼミの鳴き声です。

東京都心部にはミンミンゼミが多く生息し、クマゼミがほとんどいないそうです。ちょっと驚きですね。

クマゼミは西日本、ミンミンゼミは東日本、というのが大ざっぱな分布のようです。

セミの生息地やその変遷(クマゼミの分布の北上など)については、研究や趣味のサイトがとても多いです。

それにしても、「ワシワシ」のかわりに「ミンミン」が聞こえる夏の朝など、私には想像がつきません。

ドラマで「ミーンミーンミーン」という鳴き声を聞いても、なぜか私は暑さを感じません。

むしろノスタルジーを感じます。幼少期に、ミンミンゼミの声を聞いていたのかもしれません。

ハマキムシ

クリニックの裏の竹の葉のいくつかが、クルッと巻かれていることに、今朝気付きました。

ちょうど「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-579.html" target="_blank" title="ちまき">ちまき</a>」のような感じで、長円錐状または筒状に巻かれているものが、いくつかありました。

よく見ると、1枚の葉を細長く巻いたものと、2,3枚を寄せ合わせて綴った大きなものがあります。

いずれも細くて白い糸で接着(粘着?)させて、作製しているようでした。

いくつかのちまきの一部は破れていて、その内部に「きなこ」のような粉が充満しているのが見えました。

図鑑で調べてみると「ハマキムシ(葉巻虫)」の仕業のようです。「ハマキガ(葉巻蛾)」の幼虫です。

成虫の写真を見ると、いかにも地味な蛾ですが、幼虫時代には、なかなかの職人芸を披露するようです。

幼虫はこのちまきの中で羽化するのでしょうか。サナギのときはどうなっているのでしょう。

「きなこ」に見えたのはもちろん、糞です。でも、なぜ竹の葉を食べて「きなこ色」の糞をするのでしょう。

以前大量発生した「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-371.html" target="_blank" title="タケノホソクロバ">タケノホソクロバ</a>」のときは、「抹茶」かと見まごうばかりの黄緑色の糞だったのに。

疑問は尽きませんが、とりあえず目に付いたちまきはすべて摘み取って駆除しました。

クモの巣

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-333.html" target="_blank" title="朝の清掃">朝の清掃</a>をしていると、植木の枝の間や生垣の上などにクモの巣が張っているのを、ほぼ毎日見つけます。

クモは益虫なのですが、クモの巣は見栄えが悪いのでやむを得ません、ただちにホウキで取り除きます。

でもそのまま掃除を続けていると、ゴミがやたらにホウキにまとわり付いて、面倒臭いことになります。

クモの糸には粘着性があるので、ホウキに絡まったクモの巣が、ゴミを引っ付けるのです。

調べてみると、クモの糸のうち、横糸にのみ粘着性があり、縦糸にはないそうです。

だからクモ自身は、縦糸の上を歩いているとのこと。

でも突風が吹いて、クモがよろけて横糸の上に足を乗せてしまったらどうなるのでしょうね。

粘着性の正体は、糸の上に玉状に並んだ「粘着球」と呼ばれる液状の粘着物質です。

この粘着球は、一定間隔で規則正しく並び、クモの仕事の緻密さを物語っている、と思ったら違うようです。

クモが分泌した粘着物質が、その表面張力によって勝手に玉状に並ぶらしいですね。

そういうことを、詳細に研究している人たちが、世の中には大勢いるようで、頼もしいです。

クモの巣は毎朝取り払っているのですが、翌朝にはまた新たな巣が張っています。クモも元気です。

あれって、張るのにはそれほど時間がかららないらしいですね。

クモの種類によっては、毎日夕方に巣を張り、朝には片付けるヤカラもいるそうです。屋台ですか。

竹の秋

この連休は天気が良かったですね。

自転車でブラブラしてみると、意外な場所に麦畑を発見。麦の穂はまだ緑色で、元気に真上を向いています。

来月には黄金色に色づいて、収穫期を迎えるのでしょう。

一方近所の竹林周辺では、黄色の落ち葉が道路一面に広がっていて、自転車がスリップしそうなぐらいです。

6月が「麦秋」なら、5月は「竹秋」なんだろうか。調べてみたらその通り、「竹の秋」ともいうそうです

竹は常緑樹ですが、葉の寿命は1年。常緑であるためには、てきぱきと葉を「更新」しなければなりません。

新しい葉の準備ができると、丸まって伸びてきて、それが開く直前に、古い葉が色づいて落ちるそうです。

他の木々と同様に、竹も今が「新緑」の季節でありながら、同時に「落葉」の季節でもあるわけです。

そう言えば、クリニックの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-371.html" target="_blank" title="裏に植えている竹">裏に植えている竹</a>も、変な時期に落葉するなぁとは思ってました。

竹の落ち葉は細く、薄く、軽いので、風に飛ばされやすく、建物や塀や段差の隅の溝に集まります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-333.html" target="_blank" title="清掃">清掃</a>は意外と難しい。ちり取りに掃き集めた落ち葉が、風で全部吹き飛ばされたりします。

フタ付きのちり取りが必要ですな。