生垣も塀もフェンスもない庭は、じつに開けっ広げで間抜けです

自宅の庭の生垣が、すべて撤去されてしまいました。わが家はいま、衣服を剥がされた丸裸の状態です。

ブラインドカーテンをキッチリ閉めておかなければ、周辺道路からわが家のリビングが丸見えになります。

逆に愛犬花ちゃんは、リビングのカーテンと窓の間に入り、座り込み、往来を厳しく監視し続けています。

そして道行くすべての歩行者、自転車、二輪車、自動車、散歩の犬猫に対して、猛然と吠えかかります。

ところが不思議なことに、花ちゃんを庭に出してみると、すぐそばの道路を誰が行き来しようと吠えません。

まだ生垣があった頃には、庭を縦横無尽に走り回って、往来の人や車に向かって吠えまくっていたのに、です。

そうなのです。花ちゃんにとって、生垣の無い庭はもう家の外。外敵から守るエリアではなくなったのです。

かわって、自宅の境界線はリビングのサッシ。そこが現在の防衛最前線となりました。

さて今後、屋敷の境界には角度付き格子のフェンスを設置する計画で、現在基礎工事中です。

この、私が考えに考え抜いたプランによって、屋外からはリビングの方向が一切見えなくなるはずです。

裏を返せば、リビングからは往来がまったく見えなくなるということです。

そうなると花ちゃんはもう、リビングでは吠えません。防衛・威嚇活動の場は、再び庭に移ります。

犬はやっぱり、庭駆け回る姿が似合っています。

セミの抜け殻が多い木と少ない木

朝の蝉時雨が、心なしか弱々しくなってきました。近隣のセミの個体数が減ってきたのでしょう。

もうそろそろ、交尾を終えて産卵の時期に入りつつあるのかもしれません。

我が家の庭で枝を大きく広げて茂るシマトネリコは、セミたちの楽園です。

夏になると、その根元付近の土に、直径3cmぐらいの穴がいくつも出現します。幼虫が出てきた穴です。

夜のうちに木に登り、羽化し、朝までにはどこかに飛んで行きます。そこには抜け殻が残ります。

数えてみると、幹や枝にしがみついている抜け殻は30個以上。根元の土の上にも、たくさん落ちています。

我が家の愛犬・花ちゃんは、時折抜け殻をクンクン嗅ぎますが、動かない生き物には興味が無いようです。

一方でクリニックのメインツリーであるケヤキは、例年とは打って変わって、今年は抜け殻がほぼゼロです。

これは異常事態です。蝉時雨はサンピアンの方から聞こえ、ケヤキにはあまりセミが留まっていません。

なぜそうなったのか。セミの一生を考えた上で、推理してみました。

セミは交尾を終えると樹木の幹に産卵、その卵は翌年の初夏に孵化し、幼虫は木を下って土中に潜ります。

クマゼミは約5年間かけて生育し、やがて土から顔を出して木に登り、羽化します。

その、産卵から孵化までの間に、ケヤキに行った剪定が強すぎたために、卵が失われたのではなかろうかと。

今後はケヤキの剪定だけは軽めに、太い幹は落とさず、樹皮も傷つけないようにお願いすることにしましょう。

来年の夏、一つ年下のセミたちが土から出てきて羽化し、大いに時雨てくれるのを、期待します。

クマゼミシャワー始まる

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3589.html" target="_blank" title="クマゼミの鳴き声">クマゼミの鳴き声</a>を聞いたのは、今シーズンは昨日が最初でした。

昨日の朝、クリニック周辺の掃除をしていたとき、建物の壁にしがみついている抜け殻を2つ見つけました。

土から出てきてとりあえず登ったら壁面だったのはガッカリでしょうけど、無事羽化して飛び去ったようです。

と思いを馳せながら抜け殻を手に取った、まさにその瞬間、近隣のどこかでセミが鳴き始めました。

よく聞くと2匹の重唱のようです。間違いなく、その2つの殻から出たヤツらでしょう。

1日経って今朝の掃除中には、すでに多数のクマゼミがジュワジュワ鳴いてます。急激に増えましたね。

今日もまた、壁面やブロック塀に絡んだ抜け殻を、数個見つけました。

ケヤキの幹の下のアスファルトの上に1匹、木から落ちたのか、羽化できずに力尽きた青白い幼虫がいました。

まだ脚がモゾモゾ動いていましたが、翅は広がりきれず、すでにアリがたくさん群がってきています。

そっと植込の根元の土の上に移してやりました。セミもアリも、それぞれ自然の摂理の中で生きています。

イモムシ vs. 花ちゃん

毎朝ほぼ同じ時間帯(7時台前半)に、クリニックの外回りを掃除しています。

空は晴れ渡り、空気は涼しく冴え、屋外では何をするにも心地よい季節です。だから掃除も心地よいですね。

ケヤキや桜の落ち葉が、駐車場入口付近のアスファルトに広がっています。毎朝新たに敷き詰められています。

通路の葉はチリ取りに取り、それ以外は低木の根元に掃き込んでおきます。

その低木付近をよく見ると、イモムシが歩いています。クリニックでは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-346.html" target="_blank" title="セスジスズメ">セスジスズメ</a>の幼虫が多いですね。

一方で自宅では、プリペットの生垣には無数の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-381.html" target="_blank" title="シモフリスズメ">シモフリスズメ</a>(の幼虫)がぶら下がっています。

先日その一匹が、枝先から庭の芝生に落下していました。

鮮やかな黄緑と白のツートンではなく、まるで白い襦袢をまとったような、曇った薄い色の太いイモムシです。

サナギになる直前の姿なんですね。土に潜りたいのでしょうけど、なにしろ落ちた所が人工芝なのです。

必死にモゾモゾしているところへ現れたのが、庭の番人たる、わが家の愛犬花ちゃんです。

イモムシに対して果敢にハッ!と飛びかかり、前足でタシッ!と厳しい攻撃を加えます。

するとイモムシがビクンッ!と反り返るものだから、花ちゃんは驚いて飛び退きます。

そしてかなり離れた所からウウ〜ゥと唸って威嚇を続けるのですが、どう見てもヘタレの遠吠えです。

クマゼミの声

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3209.html" target="_blank" title="クマゼミの喧噪">クマゼミの喧噪</a>の中、すぐ近くにいた一匹の鳴きっぷりに耳を傾けてみました。

撮影した動画で聴きなおすと、ひと鳴き(鳴き始めから鳴き終わりまで)が2分23秒もありました。

その構成は、前奏・主旋律1・間奏・主旋律2・後奏、でした。

(1)前奏:ヂィーーーーーーーーーー

鳴き始めは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-339.html" target="_blank" title="ツクツクボウシ">ツクツクボウシ</a>とよく似ていますね。ただしこれが、思いのほか長く、1分間も続きました。

途中で何度か「ヂョヂョ」が顔を出し、最後の数秒は「ヂョヂョーーー」に変わって主旋律へつながります。

(2)主旋律1:セイセイセイセイーーーーー

「セイ」の繰り返しが67回。時間にして20秒。繰り返すうちにだんだんとテンポが速くなっていきます。

(3)間奏:ヂョヂョヂョヂョーーーー

前奏の最後の方と同じ鳴き方です。これがまたかなり長く、約40秒。

(4)主旋律2:ヂェイヂェイヂェイヂェイーーーー

たぶん主旋律1の「セイセイ」と同じ声なんでしょうけど、もう「ヂェイヂェイ」にしか聞こえません。20秒。

(5)後奏:ヂョヂョヂョヂョ

ごく短時間、3秒ほど奏でたと思ったら唐突に終了。セミはパッと飛んでいきました。

主旋律のとき、セミはおなかを大きく震わせて大音量で鳴きます。それは体力的に20秒が限界なのでしょう。

何者かに刺されたか噛まれたかで、寝不足

「ジカッ!」と左大腿部に激痛が走り、目覚めました。フトコロではなく、太ももが、痛んだのです。

針で突き刺したような鋭い痛みでしたが、一瞬のことだったので、そのまま眠ってしまいました。

ところがおそらく、その2,3分後に、また「ジカァ〜ッ」と来たので今度は飛び起きました。

パジャマをたくし上げて見ても、皮膚に何かが刺さっている様子はなく、付近に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3203.html" target="_blank" title="イラガ">イラガ</a>もいません。また寝る。

すると数分後にまた激痛。時計を見ると午前2時過ぎ。もう眠ってはおれません。

リビングで大腿部をよく観察すると、1ミリにも満たない白いトゲが刺さっています。

周囲の皮膚が赤くないので、毒虫の針ではないかも。毛抜きでそっと抜きましたが、うまく抜けたかは見えず。

やっと眠れたと思ったら、また「ジカァ〜ッ」で目覚める。時計を見ると3時過ぎ。厳しい夜になりそうです。

またリビングに降りて、万能薬「リンデロンVG軟膏」を塗布。

5時頃まで間歇的な激痛を繰り返しましたが、体が慣れたのか、眠気に負けたのか、その後は爆睡しました。

今日の日中は無症状でしたが、夕方からまた、患部がジラジラ痛みだしました。

帰宅後よく見ると、赤い発赤が3つ、鋭角二等辺三角形の配列に並んでいます。何かの噛み跡か?

家人に見せたら、齧歯(げっし)類の仕業だと言います。聞かなきゃ良かった。

そこで登場するのが、私の「座右の書」でもある、夏秋優先生の『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』です。

この本は、元昆虫好きの元少年にとっては、枕元に置いときたいぐらいの良書。毎日眺めても飽きません。

ただし、いくら探しても私の皮膚症状に一致する虫はいなさそうでした。虫じゃなけりゃ、やっぱり齧歯類か?

蝉時雨 しばしコロナを忘れたい(でも無理)

朝から晴れて気温の上がりが早い日は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-660.html" target="_blank" title="クマゼミの合唱">クマゼミの合唱</a>も早朝から盛況です。

7時すぎに出勤して外回りの掃除をしていると、周囲から激しいクマゼミシャワーを浴びることになります。

樹木を見上げるとあちこちの幹で、深いメタリックグリーンのクマゼミがおなかを震わせています。

私が「ワシワシ」と形容するその<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-301.html" target="_blank" title="鳴き声">鳴き声</a>ですが、よく聞けば「ジュヮィジュヮィ」というのが正しいですかね。

そんな中で昨日は、久しぶりに<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1682.html" target="_blank" title="タマムシ">タマムシ</a>も見つけました。

クマゼミの喧噪にやられたのか、樹木から少し離れた日陰のベンチの上で、大人しくたたずんでいました。

タマムシと聞いて「玉虫厨子(たまむしのずし)」しか思い出せない方は、もっと野外に出ましょう。

昼に、タマムシの餌用のケヤキの木を見ようと屋外に出たら、違和感があるほどに静まりかえっていました。

前にも書いたように、クマゼミは午前中しか鳴かないからです。そして、その静寂がかえって暑苦しい。

さっきまで降り注いでいた、あのクマゼミシャワーが、すべて地中に染みこんでしまったような気がしました。

と、そのとき気づいたのです。松尾芭蕉は、セミの声が消え失せた白昼の静寂を、詠んだのではなかろうかと。

「閑さや岩にしみ入る蝉の声」

やかましい蝉時雨の中に、芭蕉は心や寺や宇宙の「閑かさ」を感じとったのだと、人々は解釈してきました。

でも、もしかすると芭蕉は、セミがまったく鳴いていない異様なほどの静寂に、驚嘆したのかもしれません。

あれほど鳴いていた蝉の声が、すっかり岩にしみ入ってしまったのか、なんと閑かであることよ、みたいな。

なお、東北地方にはクマゼミはいませんが、ミンミンゼミがいます。やはり午前中だけ鳴くようです。

主水、イラガでイライラする

「ジカッ!」と電撃的な痛みを感じたという家人の腕を見ると、真っ赤に腫れあがっていました。

生垣の脇を通った時にやられたようなので、たぶん犯人は毛虫、「イラガ」の幼虫でしょう。別名「電気虫」。

庭を探すまでもなく、玄関脇にたたずむイラガ(幼虫)を見つけました。正確には「ヒロヘリアオイラガ」です。

緑色のからだの中心に青い縦線があり、体の両側からは多数のトゲが何本かずつまとまって突き出しています。

そのトゲから毒が注入されるので、必ず接触によって皮膚炎を起こし、病変はひとかたまりです。

玄関まわりをよく探してみると、イラガは何匹も何匹も、木の葉の裏やブロック塀にもいるじゃないですか。

「毛虫皮膚炎」のお子さんが時々当院にも来ますが、たいていは多数の丘疹がおもに半身に集中しています。

例えば首の右側から右腕にかけて分布していたりするので、いかにも毒の粉をかぶったような印象です。

こういうのは「チャドクガ」の仕業です。毒針毛がふりかかって皮膚炎を引き起こすので、そうなります。

一方でイラガなら、毒がふりかかる危険はないので割り箸でつまんで駆除できますが、それもイヤなものです。

もしも、つまんだ拍子にイラガが暴れてビヨーンとこっちに飛んできたら地獄。飛ぶゴキブリより恐怖です。

なので可能なら、フェイスシールドや手袋や、なんならキャップやガウンを装着して駆除するべきでしょう。

少なくとも、高い場所にいるイラガをそのまま捕獲しようとせず、いったん地面に落としてから拾うべきです。

そのトゲを植物の刺(イラ)に見立てて刺蛾(イラガ)だそうですが、語感的にもドンピシャリ。

イライラ(苛々)すると、人はトゲトゲ(刺々)しくなります。「苛」は「刺」と同じ意味なので納得です。

なお今日は、思いついたフレーズをそのままタイトルにしました。意味不明だとイラつかないでくださいね。

巣立つ子どものご両親はピリピリしてますのでご注意を

クリニックの外回りの清掃をしていた今朝7時すぎ、妙にカラスが騒々しいので見上げると電線に2羽います。

私に向かってすごい剣幕でワァワァ(カァカァ)言ってます。朝っぱらからそんな大声で鳴かれてもねぇ。

早くどっか行って〜と思いつつ掃除を続けていると、ツツジの向こうの地面を1羽のカラスが歩いていました。

少し歩いてピョンと跳び、また歩いてはピョンと跳ねる。私が近寄っても、一向に警戒する様子がありません。

珍しい光景なのでとりあえずiPhoneで激写。さらに接近して動画を撮っていたら、上空が騒がしくなりました。

電線の2羽が激しく鳴いて私を威嚇、そうかと思えば互いに向かい合って大喧嘩しているようにも見えます。

地上のカラスは、素知らぬ顔でヒョコヒョコ歩いていたと思ったら、ついに、エイッと飛び立ちました。

がしかし、翼が貧弱で十分開かず、ほとんど羽ばたけないまま着地。またピョンピョン歩き出します。

一方で、電線にいた2羽のカラスは、一層激しく叫びながら私の上空を旋回、ついにフン攻撃を開始しました。

私は逃げるようにその場を去り、掃除を終わらせた頃には、カラスたちの姿はどこにもありませんでした。

ネットで調べてみるとどうやら、地上にいたカラスは巣立ちの時期の子ガラスだったと思われます。

まだ上手に飛べないうちから巣立ちすることもあるようです。あるいは巣から落ちたのかもしれません。

撮影した画像をよく見ると目玉は青く、ネット情報によるハシブトガラスの子どもの特徴にも一致します。

とすると、私を威嚇していた2羽は親ガラスなのでしょうか。子を守ろうとして必死だったのでしょう。

あるいは、子ガラスが巣から落ちてしまったことに関して、夫婦げんかをしていた可能性もあります。

この時期のカラスはとても攻撃的で、人間を襲うこともあるとか。子ガラスには近寄らない方が賢明です。

吠える犬

犬嫌いの方って、かつて犬に吠え立てられたり噛まれたり、そんな恐怖体験が大元にあるのかと推測します。

犬好きの私でも、道を歩いているだけで脇の家の庭から激しく吠えられたら、けっして良い気はしません。

そういう犬に敢えて近寄って、生垣越しに「よーしよし」などとなだめても、火に油を注ぐ結果になります。

わが家の花ちゃんも、極めて強力な<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2796.html" target="_blank" title="番犬">番犬</a>本能を有しているためか、外敵に対しては激しく吠えます。

庭の外の犬の散歩やスクーターや軽トラックに対してはほぼ例外なく吠え、庭を走り回って威嚇し続けます。

近所迷惑にならないように、朝晩にはなるべく花ちゃんを庭に出さないように気をつけています。

そのかわり昼間には本領を発揮します。なので近隣から見れば、うちの花ちゃんは「昼ほゆる犬」です。

庭に出てなくても、他の犬に対しては屋内からでも窓越しに吠えるので、その実態は「朝晩もほゆる犬」です。

それでは、一日中吠えている犬なのかというと、そうではなく、概ね穏やかに過ごしています。

オモチャをかじっているか、外をのんびり眺めているか、そうでなければグースカいびきをかいて寝ています。

寝ていても眠りは浅く、かすかな物音で覚醒し、ミーアキャットのようにスクッと顔を上げて遠くを見ます。

でも本気で眠いときには、耳だけ動かします。次いでゆっくり薄目を開けますが、とても充血しています。

犬好きの方なら、お近くにおいでの節はぜひわが家にお立ち寄りください。犬嫌いの方はやめときましょう。

犬好きの方を絶対に吠えないという保証はありませんが、犬嫌いの方には確実に、激しく吠え続けますので。