炎天下の「飾り馬」

「藤崎八幡宮の秋季例大祭」が近づいてきました。

と書きましたが、私はもともと熊本の人間ではないし、この祭のことを実はよく知りません。

その「随兵行列」が今月17日に行われるそうで、ある参加団体の「飾り馬」が、近所で披露されていました。

近所というのが、当院のお隣の「ゆめタウンサンピアン」の駐車場なんですけどね。もう大盛り上がりです。

一方でこちらはと言うと、今日もこの暑い中、発熱外来の真っ最中でした。

マスク+ガウン+手袋+フェイスシールド+キャップのフル装備で、炎天下の駐車場に行ったり来たり。

そこへお隣から、ラッパや鉦の音が大音響が響き渡ってきます。それが熱くて暑い。

よく見ると、馬が駐車場内を練り歩いて(練り歩かされて)います。何往復も、何往復も。

黒っぽい体に直射日光を受けて、なんとも暑苦しそう。熱中症が心配になります。

この祭に限りませんが、動物を登場させる行事って、しばしば動物虐待の議論が出ますよね。

少なくともこの猛暑の炎天下でのデモンストレーションは、もっと短時間でもよかったと思います。

なお、本日の発熱外来では、コロナ検査20人中の陽性12人( 陽性率60% )でした。インフルエンザ陽性は2人。

ある学校では、コロナだけでなくインフルも同時流行していると聞きました。驚くほかありません。

泰然自若たれ

旧友たち数人と、久しぶりに会食しました。

雰囲気の良いレストランなのですが、案内された席がいけません。出入り口に近いので落ち着かないのです。

こういうとき、すぐ別の席に替えてもらおうという意見と、別にこのままでいいよという意見が出ます。

前者の場合、うまくいけば快適な席に案内され、その後の会食も一層楽しいものになることでしょう。

しかし下手をすると、クレーマーと思われ、席は変わってもサービスが低下するなどのリスクがあります。

あるいは、席を替えてもらえず、しかも気まずい雰囲気だけが残るという最悪な結果になる可能性もあります。

それらのリスクをすべて回避できるのが後者です。余計な軋轢を望まない、平和で穏便な考え方です。

そして私は、以前は後者のタイプだったのですが、年齢と共に面の皮が厚くなってきたのか、いまは前者です。

で、店員に苦情を言って店の奥のエリアに移ることが出来たのですが、これが壁際のカウンター席なんですね。

クレームつけたことへの店からの嫌がらせでしょうか。皆が横に並んで座ったのでは盛り上がりませんよ。

ここでピンときました。これはアレだな、この妙ちきりんな展開は夢でしょう。するとほどなく覚醒。ほらね。

他人の夢の話ほどつまらないものはないでしょうけど、私はこの夢から教訓を得ました。

つまり、些細なことでクレームをつけたら、結局自分が損をするということ。常にどっしり構えましょう。

マイナポイント申込期限は来月末

「マイナ保険証は窓口2割に」

初再診料の窓口負担に大幅な差をつければいいと、日経の編集委員がオカシな「方策」をぶち上げてますね。

「マイナ保険証では3割から2割に下げ、現行保険証で受診した患者は4割に上げるアイデアはどうだろう」と。

どうだろうもこうだろうも、2割と4割じゃ2倍の差ですよ。そんな事したら窓口が混乱するばかり。愚策です。

よくある紐付けミスや紐付け遅れが原因でマイナ保険証が無効の場合、4割負担なんて請求できますか?

そもそも、義務ではないマイナカードの取得の有無で、医療費の負担に2倍の大差を付けること自体問題です。

そういう風に、金銭的な損得でカード普及を誘導しようという発想が、メディアにも蔓延してるんですかね。

まず、マイナポイントという餌でマイナカードを一気に普及させようとした政策が、混乱の根本的な原因です。

そういう政府のやり方が気に入らないので、私は2年前にカードを作りましたが、ポイントは申請してません。

金品ほしさにカードを作ったと思われるのは不本意なのです。ここは清貧を貫きますよ。私は強情なのです。

でも結局は自分が損をするんですけどね。バカですかね。

・・・という私でしたが、少々考えを改めて、本日こっそり、マイナポイント取得の手続きをしました。

だって、2万円でしょ。もらえるんなら、もらっておきましょうよ。申込期限は来月末ですよ。

台風への備え

台風の接近に備えて、今日は自宅の庭の片付けなどをしました。

芝生(人工芝)の上の落ち葉を掃き集めていると、セミ(成虫)が何匹か転がっているのを見つけました。

何年も地中で過ごし、6月から7月ごろ羽化してパートナーを見つけ、ついに子孫を残したセミなのでしょう。

すでに樹木には卵がたくさん産み付けられているはずですが、それが孵化するのは来年の初夏なんですよね。

驚かないでください。クリスマスの時に飾ったイルミネーションツリーも、今日やっと片付けましたので。

昨年12月に庭に設置した、無数のLEDライトがついたブランチツリーです。

2月ごろまでは、庭で毎晩チカチカ点滅していましたが、さすがにその後は「消灯」していました。

その消灯したツリーが、夏になってもまだ庭のテラス脇に立っていたのですが、ついに撤去したのです。

炎天下での作業で汗だくになり、また腰痛も少々ぶり返したので、午後には整骨院のお世話になりました。

台風6号はそのコースがどんどん西にそれてきて、熊本への影響は当初の予想より少ないかもしれません。

ですが逆に、台風が一層接近する地域もあるわけで、喜んでばかりいるような文章は控えるべきでしょう。

とくに今回は沖縄の被害が深刻でした。停電ひとつとっても、こんな暑い時期には地獄ですね。

そんな報道を見ながら、水と非常食の準備が、わが家にまったくできていないことにも気付かされました。

こういうときオール電化はリスキーですね。カセットコンロのガスボンベの準備だけは確認しておきました。

そういえば、車の充電ができていません。もしもの時にいちばん後悔しそうです。さっそく今から充電します。

「ノーマスク」が格好いいわけじゃない

休診日の今日、近所のショッピングセンターに出かけました。

店内をざっと見て、マスク装着率は5〜6割といったところでした。

日本人は、和を以て貴しとなす国民性なので、出しゃばらず協調性のある穏便な態度を重んじます。

同調圧力が強く、例えばコロナ禍でのマスク装着率は高く、しかしマスク不要となれば一斉に外したがります。

個人の突出した考えはしばしば身勝手とか自己中だと嫌われ、出る杭は打たれます。

ただマスクについては、このところ少し装着率が増えているような印象です。

世の流れに乗ってマスク外してみたけど、やっぱりまだ着けておこう、という「揺れ戻し」なのでしょうか。

5類化後の定点あたり新型コロナ報告数の増加ぶりは、先日も書いたように西日本、とくに九州で目立ちます。

熊本県では、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58→11.99→15.93、急に増えています。

当院で診断した毎週の感染者数も、5→7→9→13→15→27→29→31→30→36→46という推移でした。

この2週間の増え方は、かなりヤバいです。

学級閉鎖や休校から明けたと思ったら、また流行している学校もあります。

学校内での流行が各家庭に広がって兄弟が感染し、学級閉鎖明けにまた学校で拡散するのかもしれません。

人が集まる場所では、他人がどうであれ、マスクを着けたい方は躊躇せず着けておきましょう。

無数の不要メールを削除する日々

「ホームページを作り替えませんか」みたいな事を言ってくるスパムメールがよく届きます。

見ず知らずの業者から指摘を受けるまでもなく、つまらないホームページですみませんね。

そのようなメールの冒頭はたいてい、「貴社のホームページを拝見しましたが、」等の記載で始まります。

申し訳ないですが、当院は会社ではありません。結社でも神社でもありません。医療機関、診療所です。

「貴社」とか「御社」と書いてあったら、残念ながらそれは当院のページを「拝見」してない証拠です。

冒頭からそんなウソをつくメールなど読む気もしないところですが、後学のため(?)読み進んだりします。

医療機関宛は「貴社」が「貴院」に置換されるようなシステムに改修しなきゃダメですよ、スパム業者の方。

日本語そのものは、フィッシング業者よりはマシなので、もうひと頑張りですね。

「フィッシング詐欺にご注意ください」というメールが、銀行やカード会社(とおぼしき業者)から届きます。

そのメール自体がフィッシングじゃない保証はあるんかい、というツッコミを入れることになります。

Amazonで何か発注中にもかかわらず、Amazonアカウントが停止された旨の連絡メールが来たりします。

ヤマト運輸からの謎の緊急連絡が入ったり、利用したこともない海外の運送業者からの不在通知も来ます。

大量のスパムとフィッシングと商業メールの中に、役所などからの大事なメールが紛れ込んで届きます。

かと思うと、迷惑メールフォルダの中にも重要なメールが潜んでいたりするので、油断なりません。

毎日時間を費やして削除しなければならない不要メールが、どんどん増えています。なんとかなりませんかね。

画期的な書斎片付け法

書斎の片付けをしました。これについては私はもう、書斎片付け歴10年を超えるベテランですからね。

ま、いつまでたっても片付かないという言い方もできます。「禁煙歴10回」などとうそぶく人と同様です。

これまでの私の片付けパターンは、

1.完成図をイメージする(ワクワクする)

2.新たに必要な収納家具・小物・工具等を買う(すぐに欲しいので、通販ではなく実店舗で購入する)

3.それらを組み立て等して、書斎内に配置する

4.とりあえず満足

だいたいこの段階で止まります。なので毎度、片付け=モノが増える、ということになります。

何も断捨離せずに部屋を整頓しようという難事業ですから、物品を増やせばますます困難になることは自明。

ところがこのたび、書斎のモノを別の部屋に移動させてしまえば良いことに気付きました。

他の部屋を犠牲にして書斎を片付けるとは、これまた画期的なアイデアを着想したものです。

今回は、寝室に収納家具を設置して、書斎の不要物じゃなくて使用頻度の低いモノを、移すことにしました。

イメージが湧いてきたので、さっそく近所の家具店に向かいました。この店に来るのは10年ぶりぐらいです。

他の客にならって、入口のアルコールで手指消毒。速乾性に乏しい液体でしたが、気にしないでおきます。

店内をグルグルまわって、サイズが適合する組み立て式の棚を見つけて購入しました。

驚いたのはレジです。セルフレジ。進歩してますね。これもコロナ禍の良い意味での副産物でしょうか。

店員さんがつきっきりで操作法を教えてくれます。その店員さんがレジ打った方が、数倍早いとは思いますが。

最後の友達

高校1年の時、同級生でもないのに親友になったT君のことを、昨日のブログを書きながら思い出しました。

私の家の近所に引っ越して来たのか、ある時から急に、下校時によく出会うようになったのです。

近所といっても、それほど近いわけではなく、どこかの交差点でいつも別れていました。

シャイで無口な彼は、いつも私の話の聞き役でした。どんな話題にも、目を輝かせて食い付いてくれました。

そしていつも名残惜しそうに、その交差点で別れていたのでした。

そんな彼に、ある日から突然、会えなくなりました。1カ月も2カ月も、彼の姿を見かけなくなりました。

と思っていたら、ある日また、何事も無かったように彼が現れ、一緒に下校する日々が再開したのでした。

それ以来、不思議なことに、彼は1,2カ月姿を消したり、また現れたりと、出没を繰り返すようになりました。

そして、再会するたびに彼の顔がまん丸になっていくことに、鈍感な私もようやく気付きました。

でも彼はいつもにこやかで言葉遣いが優しくて、いつまでも聞き役で自分の話をしませんでした。

ある時彼は、私の家を見たいと変なコトを言いだしました。もう、暗くなった時間帯のことです。

見るだけでいいというので、まっすぐな農道を一緒に自転車で走って、私の家に向かいました。

例の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4304.html" target="_blank" title="数秒間目をつぶって走るチャレンジ">数秒間目をつぶって走るチャレンジ</a>も、ワアワア言いながら一緒に楽しみました。

彼の人生で、そんな無謀で危険で無意味なことをしたことが無かったのか、すごく興奮しているようでした。

私が畑に落ちた話をすると、彼はいきなり自転車を止め、畑に入り、その土の上に寝そべりました。

私も付き合って、彼の横に転がり込みました。バカですね。家に帰ったら親に大目玉を食らうというのに。

その日以来、彼は姿を見せなくなりました。

そして少しして、彼が病気で亡くなったと知りました。もう何年も闘病していことを、あとで聞きました。

死期が迫っていた彼が、最後の友達に私を選んでくれたのかと思うと、もう涙が止まりませんでした。

彼がいつ亡くなったのか、正確には知りません。もしかすると、畑で寝転んだ晩よりも前かもしれません。

用水路転落は避けたい

子どもって、妙なチャレンジしたりしますよね。

NHKの『クローズアップ現代』で「用水路転落」を取り上げていたのを見て、高校時代を思い出しました。

駅から自宅まで自転車で帰るルートの最後の1キロは、まっすぐで暗く寂しい農道でした。

外灯はなく、夜は車もめったに通らないので、私はいつも道の真ん中を走っていました。

あるとき、ほんの2,3秒間だけ、自転車をこぎながら目を閉じてみました。スリリングでした。

次にもう少し、あと1秒ほど長い間、目を閉じたまま走ってみました。超スリリングでした。

それ以来、夜にその農道を走って帰宅する際の、新たな楽しみができました。

当然、だんだんと目を閉じる時間が長くなります。これはチャレンジです。チキンレースです。

農道の左側は用水路、右側は畑でした。用水路はコンクリート製で深く、柵も蓋もありません。

ある晩のこと。5秒か8秒か、目を閉じて走っていたたら突然、前輪がガクッと路肩から落ちるのを感じました。

しまった!と思う間もなく、次の瞬間、私は真っ逆さまに、漆黒の奈落の底に落ちていきました。

落ちたのは、畑でした。閉眼運転中は無意識に、用水路を避けて右に向かっていたんですね。

よく耕されて柔らかい畑のうねに受け止められて、制服は泥だらけになりましたがケガはありませんでした。

エアコンをつけましょう

朝からキツいが熱中症やろか?、という80代の方が来院されました。

聞けば部屋にエアコンが無いから、窓全開で扇風機つけて寝てるといいます。まるで昭和の風景です。

エアコンをつけましょうよ。ただしこの方の場合、スイッチではなく、設置するという意味ですけど。

家庭環境や間取りや経済的理由や主義のために、寝る部屋にエアコンが無い方は少なくありません。

なのにテレビでは、エアコンは寝入りばなだけじゃなく朝までつけましょう、などと軽々しく啓蒙しています。

諸事情のために扇風機で寝ている人をどうするのか、その対策に行政は力を入れているのでしょうか。

私が子どもの頃(昭和40年代)は、先ほどの80代の方のような夜の過ごし方(寝方)が普通でした。

窓全開(網戸)、扇風機(タイマー)、蚊取り線香(またはベープ)、手元にうちわ、それが昭和の夜でした。

日本気象協会によると、昭和元年から令和元年までの94年間で、日本の平均気温は1.4度上昇したといいます。

科学的には大きな上昇幅なのかもしれませんけど、え、たった1.4度ですか、と思ってしまいます。

熱帯夜の日数も増えているそうですが、昔もそれなりに熱帯夜はあったでしょうし、寝苦しい夜でした。

エアコンの無かった時代と、エアコン必須の現在。いったい何が違うのでしょう。温度だけでしょうか。