「義時=マイケル」的な展開

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」はホントに、恐ろしいドラマです。

先週はひと休みして、共演者が裏話や見所を紹介していましたが、あんな特番はやめてほしい。

視聴者は、少なくとも私は、もうドラマの世界にどっぷりと入り込んでいるのですから。

劇中では敵同士なのに、プライベートでは仲良しなんですと談笑するのを見て、面白いはずがないでしょう。

北条義時が次々に敵を排除してくさまからは、『ゴッドファーザー』のマイケルの冷酷さを連想していました。

と思ってたら、三谷幸喜氏も義時をマイケル・コルレオーネとかぶらせたとNHKの番組サイトにありました。

私が三谷氏の記事をパクったんじゃないですからね。自分で思いついたんですよ、マイケルって。

それにしても今日の放送の、義時が実朝を屈服させたシーンには、ゾッとしましたね。

中国古代の秦の宦官・趙高が、二世皇帝の前に鹿を連れてきて馬だとして献じた場面を、思い出しました。

「いや鹿でしょう」と反論した廷臣らはみな、あとで粛正されます。

この先、義時が何をしていくのか、ある程度の予想はつくはずなのに、それでも想像を絶する恐怖を感じます。

まるで韓国王朝ドラマのように、きな臭くドロドロになっていくのか。大河にしては珍しい展開になるかも。

生涯現役のすさまじさ

三遊亭圓楽(円楽)さんが、肺がんのため亡くなりました。先月復帰されたばかりだったんですけどね。

もう長い間「笑点」を見てないので、この方が「6代目三遊亭圓楽」になってからのことをあまり知りません。

ですが「楽太郎」の頃なら、よく見ていました。だからよけいに「圓楽」という名がまだ馴染めていません。

「圓楽」というと私には、先代(5代目)のイメージがあまりにも強いですね。

子供の頃には笑点は毎週欠かさず見てましたから。

20年ぐらい前に、その公開録画がが熊本に来たときには、県劇に観に行きました。

2回分(2週分)を一度に収録するので、2回目のオープニングは「今週もまた熊本から・・・」となります。

そのような内実はわかってはいるけれど、テレビ番組のインチキ臭い面に、観客として加担してしまいました。

6代目圓楽さんは、楽太郎の頃から、桂歌丸さんとの掛け合いが名物だったといいます。

ですが歌丸さんとの掛け合い(けなし合い)といえば、私にはやはり三遊亭小圓遊さんの印象が強烈です。

子供の頃は、この2人はホントに仲が悪いんだろうと思ってました。もちろん、違うんですよね。

ついでに思い起こすと、笑点の司会では私は、5代目圓楽さんの前の、三波伸介さんが好きでした。

これらの方々はみな、闘病後に亡くなったり急死したりしています。引退してのんびりしてた人がいません。

「みっともなくてもいいから死ぬまでやらしてもらう」という、先月の復帰後公演での圓楽さんの言葉通り。

生涯現役をやり遂げる姿が、皆さんすごいです。

ホームシアター再構築中

わが家のリビングと書斎にはそれぞれ、「5.1chサラウンド」などに対応したAVシステムを完備しています。

大人になって家を建てるときは凝ったリスニングルームを作るのが、中学時代からの夢だったのです。

ところがその夢叶ったはずのリスニングルームが、実はつい先日までは両方とも完動はしていませんでした。

リビングには、天井埋め込みのサラウンドスピーカーを配置していますが、何年も前から使えない状態でした。

書斎にも、リビング以上に凝ったAVシステムを揃えましたが、地震でサラウンドスピーカーが故障しました。

それに、昨年のオリンピック前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3573.html" target="_blank" title="リビングのテレビ">リビングのテレビ</a>を買い換えたら音も良いので、それで満足していました。

家を建ててからまだ12年ですが、この間に世の中は大きく変わりました。

映画は、地デジやBS放送よりも、ネット配信で見ることの方が多くなりました。

そこで去年、まずテレビを大型化し、最終的にはリビングのAVシステムを再構築することにしたのでした。

となると次は、AVアンプの選定作業です。こういうのを色々調べて思い悩むのって、楽しいですよね。

学生時代にシステムコンポを構築したときと同じ楽しさです。今回はマランツを選びました。

私のアンプ遍歴は、トリオ→山水→オンキヨー→マランツとなります。なお、マランツは10回言わないこと。

「受診相談」と「受信相談」

「受診相談」の電話が、最近多いですね。

熱が出たり、便がゆるいお子さんの親御さんからの、「受診した方が良いでしょうか」という問い合わせです。

本来なら受診したいけど、必要ないなら受診せずに様子を見たいという、コロナ禍で増えてきた相談です。

病院でコロナをもらったら大変、という発想による「受診控え」が、この2年間ずっと続いています。

受診控えは診断や治療の遅れにつながるだけでなく、じつは医療機関の経営にも直結する大きな問題なのです。

たいていの電話相談は、私の「様子を見ましょうか」という提案で終わるケースがほとんどです。

患者さんは、医師との相談によって安心することになるわけで、そもそもそれが、受診相談の目的ですから。

「受信相談」というNHKのテレビ番組が、昔ありました。

私の記憶に残る、しかしかすかな記憶なので、おそらく5歳前後、昭和40年ごろの番組でしょうか。

テレビの映り具合がどうだ、アンテナの向きがどうだと、当時はテレビ番組を見るのも一苦労だったのです。

内容はほぼ覚えていませんが、放送の時間帯だけは間違いなく覚えています。「午後4時5分」です。

なぜ覚えているかと言えば、番組のテーマ曲で「4時5分」を連呼していたからです。その歌詞はこうです。

4時5分 4時5分 

楽しくテレビを見るために 楽しくラジオを聞くために 覚えておくと 便利です

ラジオもテレビも なんでもオッケー 受信相談 4時5分

何を覚えておけば便利だったのか、今となってはわかりませんが、歌詞だけはしっかり覚えてしまいました。

あれから50年以上経ったのに、いまだにこのテーマ曲が頭の中をグルグル回ることが時々あります。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』

映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』を観ました。今年のアカデミー作品賞の最有力候補などと言われてますね。

話題まっただ中の映画なのに、観たければ家庭ですぐ観られるのが「Netflix作品」の良いところです。

(この映画、たぶんネタバレ厳禁だと思いますので、これから鑑賞予定の方は、以下は読まないでください)

この映画のジャンル、「ウエスタン・サスペンス」で、合ってますかね。

タイトルが「犬の力」なので、動物映画かと思ってましたうそ。でもたしかに、動物が重要な意味を持ちます。

しかし犬にそれほどの直接的な力はなく、兎でも馬でもなく、しいて言えば「牛の力」でしょうか。

ただし時々犬が吠えるので、そのたびに我が家の愛犬・花ちゃんが、画面に吠えかかります。

重要な登場人物は4人。みなそれぞれに被害者でありながら加害者で、今風に言えば全員が「クセツヨ」です。

雄大な西部の山々の描写のもと、最終的な「犯行」に至るまでジワジワと控え目な伏線が張られていきます。

私が感じとった解釈が本当に正しいのかどうか、自信はありません。実はもっと別の物語かもしれません。

見落とした伏線、描かれてすらいない真実、どこまで想像で補えば良いのか、考え出したらキリがありません。

例によって偶然が重なってこそ成り立つ展開ですが、そこは映画ですから、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2404.html" target="_blank" title="そういう事例を描いたまで">そういう事例を描いたまで</a>の話。

いずれにしても2度観が必要ですね。アカデミー賞の審査員が好きそうな映画だと思います。

『鎌倉殿』始まりました

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まりました。

連続ドラマではみな同じでしょうけど、とくに大河の場合、初回放送には力が入ってますね。

しかも、かなり「ふざけた」脚本家として知られる三谷幸喜氏ですから、ツカミが面白くないはずがない。

一刻も早く見なければなるまいと、午後6時のBS4Kを予約録画してました。8時まで待てなかったからです。

ところが今日はとても発熱外来受診者が多く、あれこれ手こずっているうちに、帰宅が7時半になりました。

入浴後、テレビの前に陣取ったのは8時です。なんだ、結局総合テレビと同じじゃん、と言うことなかれ。

大画面の有機ELテレビなんだから、4K画質の5.1chサラウンドで視聴した方が良いに決まってます。

さてドラマは、三谷節が炸裂していますね。平安末期というのに、登場人物は普通に現代言葉をしゃべります。

主要人物の初登場時には役名の字幕が出るだけでなく、ストップモーションが入るのが親切ですね。

まあそれだけ、あと一歩なじみのない時代だということでしょう。そこが戦国時代や幕末とは違います。

古い時代であればあるほど人の命は軽く、今後どれほど残酷な物語が展開するのかと思うと恐怖すら感じます。

適度に笑いを織り交ぜなければ、1年間見続けるのは無理。ていうわけで三谷幸喜なんでしょうかね。

新1万円札の人のことが、多少わかりました

NHK大河ドラマ『青天を衝け』が終わりました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3519.html" target="_blank" title="そこそこの面白さ">そこそこの面白さ</a>から始まったと思ったら、途中から目が離せない展開となりました。よいドラマでした。

主人公・渋沢栄一の末裔である尾高忠明氏の指揮によるテーマ曲も、私はわりと気に入ってました。

そして尾高氏といえば、かつて<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1734.html" target="_blank" title="「N響アワー」">「N響アワー」</a>で放送事故を起こすほどの名演奏を見せたことを思い出します。

大河ドラマの面白さは、史実とは矛盾しない範囲で、どれほど独自の物語を構築できるかで決まります。

と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1651.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、描く時代が現代に近ければ近いほど、脚色の自由度が下がります。

なので、一気に時代がさかのぼる、次の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、驚くような展開になる予感がします。

おまけに<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1559.html" target="_blank" title="三谷幸喜">三谷幸喜</a>ですからね。大真面目にふざけたことをやりそうで、楽しみです。

「鎌倉時代は知名度があまりないので、先がどうなるかわからないというおもしろさは確実にある」

三谷氏自身がそのように言うほどですから、視聴者を驚かせる気まんまんなのは間違いないでしょう。

コロナ禍や東京五輪などのために、この2年間の大河ドラマは、放送回数がずいぶん制限されてしまいました。

前回の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3414.html" target="_blank" title="『麒麟がくる』">『麒麟がくる』</a>は44回だったし、2月に放送が始まった今回の『青天を衝け』はたったの41回でした。

来年の「鎌倉殿」も、コロナ禍の先行きが不透明なため回数は未定とのこと。脚本家も困るでしょうね。

以前のように、毎週日曜日には必ず楽しませてくれる、全50回の本格的大河になることを期待しています。

「日本ほぼ沈没」の続編に期待します

TBSのTVドラマ『日本沈没 –希望のひと– 』(全9話)は、昨夜が最終回でした。(以下、ネタバレあります)

日本全土が沈没するかと思っていたら、北海道と九州だけは残るという予想外の結末。

正確に言えば、陸地が残ったのは、青森の一部と北海道全部と九州の西側の大半です。

福岡県はかなりの部分が沈みましたが、熊本は丸ごと生き残りました。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3664.html" target="_blank" title="TSMC">TSMC</a>も良い場所に目を付けましたね。

ドラマの原作は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2028.html" target="_blank" title="小松左京のSF小説『日本沈没』">小松左京のSF小説『日本沈没』</a>(1973年) ですが、もちろん現代風にアレンジしてありました。

なにしろ最終回では、パンデミックや「変異株」が出てきましたからね、若干の取って付けた感はあったけど。

主人公に敵対する悪人らがみな、いつの間にか善良な味方になっていきます。こういう展開は意外と好きです。

一方で主人公を悲しくさせた人物が、悪人じゃないのに非業の死を遂げるのは、ちょっと『24』に似ています。

日本が沈没する際に日本人や日本政府ができることは、原作と比べてもほとんど進歩していませんでした。

それはすなわち、小松左京の描いた世界が、いまだにまったく古びていないということなんでしょうね。

さて、今回のドラマでは北海道と九州が残りました。これで続編への期待が、いやが上にも膨らみます。

海外に逃れていた日本人は、北海道か九州のいずれかに戻るか、そのまま海外に定住することになります。

福岡空港が沈んだとすれば、北海道と九州を結ぶ空路は、新千歳と熊本空港が重要な玄関口となるはずです。

当然ですが、熊本空港は日本を代表する国際空港となりますね。滑走路は早めに2つ3つ増やしておきましょう。

コロナ禍も「一段落」か?

第5波の山を乗り超え、ワクチン接種率も50%を超え、新型コロナは「一段落」しつつあるように見えます。

昨日当院でPCR検査をした17名は、全員陰性でした。かなり珍しいことですが、そういうことなのでしょう。

コロナ禍はまだ「道半ば」、誰も油断などしてませんが、今後はもう大きな波が来ないことを願います。

という前置きから無理くり繋げますけど、今日は映画『ミッドウェイ』を鑑賞しました。すみません。

真珠湾攻撃から勢いに乗る日本軍の流れが一転、米軍優位に変わる転機となった海戦を描いたものです。

日本ではちょうど1年前に公開された映画ですが、映画館に行く勇気がなくて、ようやくテレビで観た次第。

内容はもちろん、俳優も良かったですが、CG映像が多すぎて逆に迫力を感じにくい戦闘シーンでした。

「ミッドウェー海戦」で暗号を解読されて日本は負けたと、幼い頃に何度も、父から聞かされたものです。

実は1976年にも同名・同題材の映画が封切られました。その時は叔父と一緒に観に行った思い出があります。

海兵上がりの叔父と当時高1の私とでは、同じ映画を観ながらも、思いがまったく異なっていたでしょう。

しかも私は内容よりも、「センサラウンド方式」という音響(低周波?)の振動の迫力に気を取られてたし。

というわけで、コロナ禍もミッドウェイだけどそろそろ転機かも、というこじつけでしたが容赦願います。

ドラマは脚本と配役で決まりますね

NHK大河ドラマ『青天を衝け』が、結構面白い。

見てない人のためにネタバレしませんが、今夜の「包帯シーン」なんて、まるで三谷幸喜じゃないですか。

それで思い出すのが、1995年の『八代将軍吉宗』の包帯シーン。あれはジェームス三木でした。大爆笑です。

そういう、細かい「おふざけ」が私にはツボです。

ハリウッド映画を観ていても、ハードな場面展開の端々に、笑わせるシーンが必ず入っています。

シリアス100%では疲れます。ときどき力が抜けるからこそ、次のシーンが思いっきり緊迫するんです。

なんにでも、緩急、メリハリが必要です。適度な休憩があるから、その次に力を発揮できる。

ところが昨年来の新型コロナ政策は、無計画にダラダラ続く、そのばしのぎの連続。先行きも見通せない。

史実に基づく大河ドラマは、結末が分かっているだけに、最後はどうなるんだろうという面白さがありません。

その分、いかに視聴者を引きつけるかという脚本と配役の妙が、ドラマの面白さのの鍵を握ってますよね。

田村正和が好演したドラマ『古畑任三郎』も、犯人が分かっている状態で進行する駆け引きが醍醐味でした。

状況設定も主人公のクセも『刑事コロンボ』によく似ています。たぶんある種オマージュなのでしょう。

両者とも、計算し尽くされた脚本と主演俳優のアクが、その面白さを決定する見本のようなドラマでした。

いま「アク人(アクト)」という言葉を思いつきましたが、蛇足でした。すみません。

でも、ドラマは「本(脚本)」と「人(俳優)」で決まるって事です。コレホント(本人)。また蛇足。