ドラマ一挙見

海外ドラマ「24 -TWENTY FOUR-」というのがありますよね。実はまだ、見たことがなかったのです。

1シーズン24話。ドラマの進行がリアルタイムで、24話24時間のストーリーであることは知ってました。

見るとなれば、24話ぶっ通しで見るべきだと思っていました。だからこれまで、見る機会がなかったのです。

そこで、この年末年始の休暇を利用して、録画してあった「シーズンIV」の連続視聴にチャレンジしました。

某日夕刻、第1話からスタート。主人公のジャック・バウアーと共に闘う24時間が始まりました。

ジャックは「眠らない男」と言われてますが、眠るどころか食事シーンすらなく、いつも緊迫しています。

一方で私は、食事をとったり、ビールを飲んだり、寝転がったりと、いささか緊迫感に欠ける視聴態度です。

12話まで連続して見たところで、ジャックにはまことに申し訳ないですが、私は少し仮眠を取りました。

翌朝戦線に復帰。眠いです。むしろジャックの方が元気。夜までかかって、ついに24話が完結しました。

1話当たり正味45分なので、24話で18時間。途中で仮眠を取っても、私にはなかなか厳しい挑戦でした。

シーズンVIIIまであるんですが、どうしたものですかね。

実は偉い人

NHKの大河ドラマ「平清盛」は、あいかわらず人気がない(低視聴率)らしいですね。

たしかに今夜も、清盛はもはや極悪老人にしか見えず、敵役の頼朝の清々しさが際立つばかりでした。

大河ドラマとは対照的に、韓国歴史ドラマには、ここのところハズレがありません。

韓流歴史物は、たいてい王室を中心とした話なので、主人公は王様かその周辺の人物です。

彼らはときどき、身分を隠して町内をうろついたりします。

するとたいてい、彼らに無礼な振る舞いをする、何も知らない小役人などが登場します。

あとで王族とわかったとき、小役人は恐れ入ってひれ伏すことになります。

視聴者は王様側に感情移入しているので、「それ見たことか」と一種のカタルシスを得るわけです。

このように「なんでもなさそうな人が、実は偉い人」という設定のドラマは、日本でもおなじみです。

(1)遊び人と思ってたら実は御奉行様

(2)問屋のご隠居ではなく先の副将軍

(3)旗本の三男坊のはずが実は将軍様

ワンパターンの結末なのに、毎回きっちりカタルシスを得ることができるのはさすがです。

比較広告

JALのCM、嵐のメンバーが宇宙船(空飛ぶ円盤)に乗るやつ、ちょっとイヤな感じです。

タダなので乗ってみたけど、「臭い」「うるさい」という不評が続出。結局JALの方が良いというオチ。

「安かろう悪かろう」の宇宙船の設定で、スカイマークを連想したのは私だけでしょうか。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-251.html" target="_blank" title="接客指針">接客指針</a>で「幼児の泣き声等に関する苦情は一切受け付けません」とまで言い切ったスカイマーク。

なんとなく、スカイマークの機内では泣く子を黙らせるすべが無いので、うるさいような気もします。

しかしこのポリシーを知っている乗客ならむしろ、幼児はスカイマークには乗せないでしょう。

となると、飛行機内で幼児が泣く確率は、JALの方が高い可能性があります(ANAも)。

その理論でいけば、JALの方が「うるさい」かもしれません(ANAも)。

少なくとも、スカイマークの方が「うるさい」という根拠はありません。

しかしCMの作り手は、「うるさい」という言葉がスカイマークを連想させる可能性を考えているはずです。

そのように誤った連想を誘導するという意味で、このCMは確信犯です。

ついでにもうひとつ。引っ越しのサカイのCM。

「引っ越し件数No.1なのに、売り上げはNo.1じゃない・・・ってことは?」というやつです。

婉曲な表現ですが、引っ越し単価が他社よりも安いと言いたいのでしょう。

しかしそれは、近距離や小口の引っ越しが、他社よりも多いからかもしれません。

それなのに、引っ越し単価が一律で安いように思わせているところが問題。

悪質なのは、「単価が安い」とは決して直接言ってないところ。

視聴者が勝手に「サカイは安いんだな」と想像するのを誘導しているのです。これも確信犯。

カタルシス

小説でも映画でもドラマでも、カタルシスが大事です。

抑圧された状態から一転して、快適で満足できる場面へ展開する、その仕掛けが好きです。

典型的な事例は、ご存じ「水戸黄門」でしょう。

葵のご紋の印籠が登場すると、藩主が平身低頭し、悪役の家老たちは観念する。

わかっているのにカタルシス。

連続ドラマでは、次週へと興味をつなぐために意図的に、ラストで急展開を見せることが多いですが、その内容は両極端です。

(1)悪い方向へ急展開。これからどうなる? ドキドキして次週を待つ。

(2)良い方向へ急展開。早く続きを見たい。 ワクワクして次週を待つ。

日本のドラマには(1)が多いのですが、韓国歴史物では(2)が目立ちます。

個人的には、次週を待ち遠しく感じるのは、明らかに(2)です。

ラストでカタルシスを得て、その幸せなシーンの続きを早く見たいからです。

快適な気分のまま、1週間を過ごすことができます。

韓国ドラマが(1)のパターンで終わった場合、たいていは陰謀がらみの急展開です。

ムカムカして気分の悪い1週間を過ごすはめになります。

はやくその気分を晴らしたいので、結局、次週が待ち遠しい。

秘密諜報機関

在日中国大使館書記官のスパイ疑惑問題が、波紋を呼んでいます。

私はどうも、「スパイ」と聞くと反応してしまいます。

こどもの頃から、諜報機関とか秘密情報部員とかが出てくる映画が大好きです。

できれば、架空のものよりは実在の組織が登場した方が、リアリティーがあっていいですね。

この10年ぐらい、映画によく登場する組織は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-160.html" target="_blank" title="NSA">NSA</a>でしょうか。

ハイテクで世界中の秘密を握っている感じがして、ドキドキします。

ひと昔前までは、CIAやMI6がその地位にありましたが、ソ連が崩壊してからは、その存在意義がうすれました。

なにしろKGBがなくなったのが痛い。

今回の件で、秘密保全法についての議論が高まっています。

さらに、日本にも諜報機関をつくるべきだという意見も、以前からあります。

中国だけでなく、隣国がみなそのような組織活動を行っているのなら、日本にも必要かもしれません。

日本版CIAです。

警察、外務省、自衛隊などから選りすぐりのメンバーを、秘密裏に集めます。

初代長官は、とりあえず関係閣僚から、松原国家公安委員長が兼務ということでどうでしょう。

田中防衛大臣は絶対だめ。

ニュース原稿

「政治生命を懸けるといった言葉に掛け値はない」という野田首相の発言をTVで聞いていた途中、

「政治生命を懸けるといった・・・つもりはない」と続くような気がして、一瞬、驚きました。

何かを聞くときは、それを原則として聞いた順に理解していきます。

内容の理解を助けるために、想像力をたくましくして、展開を先読みしながら聞くこともしばしばあります。

だいぶ前に、通勤中に聞いていたNHKニュースの冒頭で「肝生検」と言い始めたので、なぬっ?と思わず聞き耳を立てたら「菅政権」の話でした。

この早トチリで動揺した私は、そのニュースの流れに乗り遅れてしまいました。

しかし、私に言わせれば、これは「原稿が悪い」のです。

ラジオならなおさらですが、たとえTVニュースであっても、原稿は独立したもの。聞いただけで容易に理解できる文章でなければなりません。

とくにその冒頭部は、ニュースのカテゴリーや概略を把握しやすいような文であるべきです。

同音異義語のある言葉を文頭に持ってくるなど、論外です。

「カンセイケン」と聞いた瞬間、

「菅政権」と認識した人なら、政治のニュースを聞く耳で臨むことができます。ところが

「肝生検」を連想した私は、医学・医療系の話題と思い、身構えてしまったのです。さらに

「管制圏」に聞こえて、なぬっ、と身を乗り出した人もいるかもしれません。管制官とか。

ネタばらし

暇なときに、テレビのチャンネルひねっていると(切り替えていると)、いつか見たことのある、映画のワンシーンが飛び込んでくることがあります。

便利なもので、リモコン操作によって、その映画名はすぐ特定できます。

「ネタばれ」しない程度のあらすじも、表示されます。

やはり前に観た映画でした。

ただ、詳しい内容が思い出せません。

結末はどうだったか? 今画面に出ている俳優の名前は?

そもそも、この映画面白かったのか? このまま見続ける価値はあるか?

そこでネット検索です。

画面の俳優が「スティーブ・ブシェミ」であることは、すぐ判明しました。

「ネタばれ注意」とかの警告に続いて、ストーリーも結末まで詳細に「ばらして」あります。

私が小学生の頃「ばらす」と言えば、「ある男子が好きな、特定の女子の名前を、他人に公表すること」でした。

「お前の好きな子、ばらずぞ」とか言い合ってました。

ところがあるとき、日頃温厚だった担任の大井先生が、烈火のごとく怒り出したのです。

「ばらすとは何事かっ!」

どうやら先生は、「ばらす」=「殺す」と勘違いされたようです。

いまでは考えられないほど、まっすぐな先生でした。

私たちを担任した次の年、その先生は教員を辞め、陶芸家になられました。

その名前を思い出したのは、40年ぶりです。

ためしにネット検索してみたら、なんとヒットしました。84歳でご健在のようです。

玉祖焼(たまそやき)の窯元、大井可笑(おおいかしょう)さんです。

こんど休みがとれた時に行くところが決まりました。

韓流ドラマ

NHK-BSのドラマ「トンイ」が佳境に入ってきました。

今日のブログは、韓流ドラマ(しかも歴史物)に興味のある方だけ、お読み下さい。

とくに私が好きなのは「宮廷女官チャングムの誓い」「イ・サン」「トンイ」(放送順)の3つ。

これらのドラマが安心して楽しめる理由は、以下の2つだと思います。

(1)登場人物の「善悪」がはっきりしている(たまに寝返りや改心あり)

(2)それを演じる俳優の顔ぶれが、良い意味でワンパターン

では、おもな「チャングム」登場人物たちについて、考察していきましょう。

まず「チャングム」の3大極悪人、オ・ギョモ、チェ・パンスル、チェ尚宮(サングン)。

オ・ギョモ(役の俳優)は、極悪政府高官役に徹しており、ドラマに安定感を与えています。

「イ・サン」でついに処分されたときは、「チャングム」の時からの恨みを晴らした気分でした。

チェ・パンスル(役)は、「チャングム」での悪行を棚に上げて、「イ・サン」「トンイ」では改心して善人になっていました。いずれも間抜け役なので、恨みは消えました。

チェ尚宮(役)も、「イ・サン」ではそこそこの善人になっていましたが、これには観ていて少し違和感を覚えました。案の定「トンイ」では悪役に逆戻り。本気で改心してはいなかったのです。

「チャングム」の友人ヨンセンと同僚医女シンビは、いずれも好感の持てる女性でした。

この二人は、「イ・サン」では王の正室と側室に、それぞれ昇進していました。善人はいつかむくわれる、ということでしょう。

「チャングム」を巡って王様の恋敵でもあったミン・ジョンホは、「トンイ」では王様に登りつめていました。

もう誰にも遠慮はいりません。よかったです。

刑事ドラマ

テレビをみていたら、「警視庁検証捜査官」という聞き慣れない名称に遭遇しました。

証拠を調べ直して、捜査で見逃した真実を究明する、そんなストーリーでした。

私が子供のころみた刑事ドラマといえば、「太陽に吠えろ」と「Gメン'75」。

厳密には刑事ではありませんが「キイハンター」も好きでした。

「西部警察」あたりを最後に、その後の刑事ドラマは、昔のようなチームプレーよりも、むしろ個人プレーを描くものが多くなったように感じます。

おまけに、主人公が第一線の刑事ではないことさえある。鑑識とか「検証捜査官」もそう。

なぜこうなったのか。ネタが尽きたのか、それとも視聴者が飽きたのか。

そこで気づきました。チームプレーを描きにくくなったのには、理由があります。

それは「ボス」がいなくなったから。

「太陽」と「西部」には石原裕次郎、「キイ」と「Gメン」には丹波哲郎がいました。

あまり動きがなく、言葉数さえも少ない。だけどチームの全責任を負う迫力があり、やたらに存在感がある「ボス」。

それに比べたら、田村正和も藤田まことも水谷豊も渡瀬恒彦もみんな小粒。だから個人プレーしかできない。

いま「ボス」格になり得るのは渡哲也ぐらいでしょうか。

池上彰

池上彰氏の番組を、昨日久しぶりに見ました。

ニュースをわかりやすく解説することにおいて、彼をしのぐ人物がまだ現れません。

かつて池上氏が出演していたNHKの「週間こどもニュース」は、私の好きな番組でした。

我が子たちにも見せようと、その時間帯にはいつもNHKをつけていたのですが、実際見ていたのは私だけでした。

2005年に解説役が別のキャスターに交代して、この番組はとたんにつまらなくなりました。

大人の鑑賞に堪えられなくなったのです。

ホントの「こどもニュース」になってしまいました。

池上氏の「解説のレベル」が絶妙だったのでしょう。

彼のわかりやすさのカギは、言葉を徹底的に選んで使っているところだと思います。

世の多くの解説者は、専門用語を説明するために、それよりも一段階だけ易しい言葉、言ってみれば「準・専門用語」を使ってしまいます。

池上氏は、二段階ほど平易な言葉で、専門用語を解説します。

当たり前みたいですが、なかなかできないことです。

ただ、とくに生放送の番組では、彼の弱点も垣間見えてきます。

それをしばしば感じるのが、医学を含めた自然科学系分野。

番組出演者からの「想定外」の質問にきちんと答えられないシーンを、時々目にします。

ヘタをすると、しどろもどろ一歩手前です。

なんとかうまいこと言いくるめていますが、ごまかしが見え見えで見苦しい。

結局彼は、スーパーマンではなかったのです。

自分が想定した範囲内において、完璧な準備で番組に臨んでいるだけです。

それもすごいけど。