ロケットの次は人工心臓

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1102.html" target="_blank" title="H2Aロケット">H2Aロケット</a>が、打ち上げに成功しました。カナダの通信放送衛星は、予定の軌道に投入されたようです。

打ち上げ直前に、警戒区域内で船舶が確認されたために、打ち上げが27分ほど遅れたのには驚きました。

だって、2年前の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-711.html" target="_blank" title="イプシロン">イプシロン</a>打ち上げのときと同じじゃないですか。あの時も、船舶侵入で15分遅れました。

警戒の告知や管理が不十分なのか、それとも警戒を無視して故意に妨害する勢力(他国?)があるのか。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-131.html" target="_blank" title="下町ロケット">下町ロケット</a>」というTBSのドラマが、今週から、新たなステージ「ガウディ計画編」に入りました。

それまでは、ロケット産業という、私の知らない分野だったのに、次は医療機器の話になるようです。

しかも「人工心臓」の主要部品である「人工弁」がテーマです。いきなり、よく知っている分野になりました。

医療分野がテーマになると、どうしても、あちこち気になる点が見えてきます。ガッカリするばかりです。

たとえば、人工弁の開閉する部分(弁葉)が、一枚(一葉)より優れた、二枚(二葉)を思いつくシーン。

画期的なアイデアのように描かれていますが、二葉弁なんて、私が研修医の頃から使われている、普及品です。

ドラマでチラッと登場した試作品も、おそらくその、ごく一般的な二葉弁に見えます。

あるいは、伸展しやすい特殊素材を使うことで、成長に応じてサイズが大きくなる人工弁のアイデアもダメ。

弁の外周がいくら拡大したところで、内部の弁口(血液が通る部分)のサイズが変わらなければ無意味です。

どうしてそのような、あまりに基本的な間違い(勘違い)を、堂々と描くのでしょう。

原作がそうなら仕方ありませんが、ドラマ化する時点で、専門家(心臓外科医等)による監修が必要でした。

どのような業界を描く場合でも、それが専門的であればあるほど、リアリティが重要です。

せっかく面白い人間ドラマなのに、あちこちアラが目立って、感情移入できそうにありません。

科学の進歩30年

1985年(昭和60年)に医学部を卒業して医師免許を取得したので、私が医者になってちょうど30年です。

この30年の間に医学は進歩し、病気の原因が次々に解明され、さまざまな検査法や治療法が開発されました。

研修医のとき、最初に受け持った患者さんは、肝内胆管がんの50代の女性でしたが、亡くなられました。

女優の川島なお美さんが患っていたのと同じ病気です。30年を経てもなお、治療の難しい疾患です。

映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」が封切られたのも、1985年。評判だったので、観に行きました。

第1作は、30年前にタイムスリップする話でしたが、Part 2では、30年後の未来の世界が舞台でした。

その未来の日がちょうど、2015年10月21日、つまり今日だというので、ネットなどで盛り上がっています。

この際、時差のことは言いますまい。ともかく、あの映画で描かれた未来に、我々はついに到達したわけです。

WOWOWが昨日から、3夜連続で「バック・トゥー・ザ・フューチャー」シリーズを放送しています。

この映画が、2015年という未来をどのように予測したのか、今夜放送されたPart 2で確認してみると・・・

映画の中では、車が自由に空を飛んでいます。これはさすがに、まだ無理でしたね。

ひどく違和感があったのは、街ゆく人々が誰一人として、携帯端末を手にしていないことです。

歩きスマホはおろか、立ち止まって電話したり、イヤホンで何か聴きながら歩く者もいません。

事故現場に人垣ができたシーンでも、誰も写メしたりしません。皆はただ、現場を眺めているだけ。

誰もが一日中、多機能携帯端末を持ち歩く未来など、80年代には予測もできなかったようです。

ビールごくごくCM禁止

ビール業界は、テレビCMにおける「ごくごく」飲む効果音やのど元のアップを、やめることにするとのこと。

「アルコールを我慢している依存症の患者には苦痛」という声に配慮したといいます。そうかなあ。

ごくごく飲む音が苦痛なら、タンブラーに注がれた冷たいビールの映像だけでも、じゅうぶん苦痛でしょうに。

それに、ドラマや映画は飲酒シーンだらけなのに、CMだけ規制して、意味ありますか。

このような自主規制は、業界のアリバイ作りのようなものです。「言葉狩り」にも似た違和感も感じます。

「ビールごくごく」がダメなら、糖尿病で糖質制限をしている人に配慮して「ご飯パクパク」も規制しますか。

業界の今回の取組みは、先月行われた「第7回アルコール健康障害対策関係者会議」の意見に従うものです。

その会議が指摘した問題点のうち、酒類業界に関連するものは次の5つ。

(1)CMでの飲酒シーンの描写が飲酒欲求を煽(あお)る

(2)アルコール代謝に関する日本人の体質的な特徴を踏まえた、広告や注意表示等が今後必要ではないか

(3)女性がターゲットにされている

(4)ジュースと見間違えるような外観でアルコールが売られている

(5)日本でもラベルにアルコールの単位表示があると、飲酒量が把握できていい

このうち(4)(5)はともかく、(1)(3)は言いがかりのようなものです。(2)も疑問だし。

どのような食料品であれ、その飲食を煽るのがテレビCMだと思っていましたが、酒類は例外になりそうです。

ただ淡々と、そのビールの存在だけを告知せよというわけです。それが美味いと言ってはいけないのです。

チビチビと、無表情で、ノドが見えないようにタートルネックを着て飲むのなら、OKなのでしょうか。

タバコのCMと同じ道をたどるとすれば、酒類メーカーはそのうち、マナー広告しか打てなくなるでしょう。

日本のいちばん長い日

天皇陛下は、全国戦没者追悼式において、「さきの大戦に対する深い反省」という言葉を述べられました。

昨日の首相談話よりも、ずっと直接的な表現です。

映画「日本のいちばん長い日」では、戦争終結を決意した昭和天皇とその周囲の葛藤が、描かれています。

70年前の日本で起きたことを再認識するため、終戦の日の今日、この映画を観ることにしました。

同名の映画(67年)を、子どもの頃にも観ました。戦争終結前夜の緊迫したドラマに、驚いた記憶があります。

前作は、玉音放送を巡る攻防が中心の内容でしたが、本作は、終戦までの状況をもう少し長く描いた物語です。

さて、近所の映画館の座席を予約しようとサイトを見ると、あろうことか、この映画を上映していないのです。

ジュラシックやライダーやミニオンズやポケモンやバケモノは、やってるのに。ていうか、カタカナ多いです。

熊本で「日本のいちばん長い日」を観ることは、インポッシブルなのでしょうか。

いや大丈夫。上映している映画館を見つけました。遠いし暑いので、自転車ではなく車で行くことにしました。

もしも、自転車で行って汗だくで館内に入ったら、「日本のいちばん臭い映画館」になるからです。

映画館は久しぶりでした。あの、暗い雰囲気。本編上映前の予告編を見るうちから、ドキドキしてきます。

その緊張感を、「鷹の爪」とか「ロペ」とか「貝社員」とかのアニメが、微妙にほぐしてくれます。

昼ごろ映画が終わりましたが、勢い付いてしまい、次は「ジュラシック・ワールド」を観ることにしました。

豪華2本立てです。おかげで「お尻のいちばん疲れた日」になりました。

容疑者と真犯人

刑事ドラマなどを見ていると、容疑者と真犯人はどのように描かれるべきかを、考えてしまいます。

ある事件の捜査を進めた結果、動機のある2人の容疑者、AとBが浮上したとします。しかも、

(1)Aが真犯人であることを示す状況証拠が、揃いすぎている

(2)Bのアリバイが、完璧すぎる

という展開にでもなれば、視聴者は、もしかすると本当はBが真犯人ではなかろうかと、疑い始めます。

推理モノでは、誰もがどんでん返しを期待するものです。

なので思った通り「結局、アリバイが崩れて、Bが真犯人でした」となると、ガッカリしてしまいます。

それほどなら「誰もが最初から予想した通り、真犯人はAでした」という結末の方が、よっぽど新鮮です。

「AでもBでもなく、途中から登場したC(しかも著名俳優が演じる)が真犯人」というケースもあります。

これは、あまりに安易な展開でしょう。それこそ視聴者は、そのCが怪しいと気づくからです。

ところが「思わせぶりに登場したCは無関係で、結局真犯人はAでした」という結末になると、斬新です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-677.html" target="_blank" title="池井戸潤氏">池井戸潤氏</a>が「伏線を張りすぎて、それが生かされないまま(小説が)終わることがある」と言ってました。

これって意図的に、読者の予想を裏切るための「ガセ伏線」として使ったら、面白いでしょうね。

7月の民放ドラマ

番組改編の時期です。この7月から、民放各局では新たなテレビドラマがいくつか始まったようです。

日頃、NHKの「花燃ゆ」と「奇皇后」は毎週見ていますが、それ以外のドラマまで見る時間はありません。

がしかし、このたび後学のため、各ドラマの初回放送を録画して、1.5倍速でまとめ視聴してみました。

【デスノート】(日本テレビ、日曜22時半)(関東地区視聴率16.9%)

犯罪者に感情移入できる、ダークなドラマ。若者向け。展開に工夫がなければ、すぐ飽きそうです。

【ホテルコンシェルジュ】(TBS、火曜22時)(9.4%)

昔のドラマ「ホテル」の二番煎じ。ホンワカして、ちょっと泣かせますが、毒にも薬にもなりません。

【花咲舞が黙ってない】(日本テレビ、水曜22時)(14.7%)

池井戸潤原作の銀行モノ。「半沢」の女版。キャストもいいし面白い。マンネリにならなければいいですが。

【リスクの神様】(フジテレビ、水曜22時)(7.0%)

硬派な社会派ドラマ。クセのあるキャスト。視聴率は低かったようですが、私は好きです。期待してます。

【37.5℃の涙】(TBS、木曜21時)(7.2%)

タイトルが気になって見ました。「病児保育士」が主人公というのは珍しい。まあ、それだけ。

【エイジハラスメント】(テレビ朝日、木曜21時)(9.7%)

単なるオフィスドラマと、見くびってましたが、脚本はうまい。内館牧子は、あなどれません。

【探偵の探偵】(フジテレビ、木曜22時)(11.9%)

題材には興味が湧きました。サスペンス? 今後の展開しだいでは、そこそこ面白くなるかも。

2回目も見ようと思ったのは「リスク」と「花咲」。大企業の裏側を描いた、硬派ドラマが好きなのです。

なお、「ど根性ガエル」は見ませんでした。

医者モノのドラマ

医者モノのTVドラマは、昔と違って、手術シーンなどにそこそこリアリティーがあります。

おそらくそれは、専門用語をあえてそのまま飛び交わせ、ドラマがテンポ良く展開するからでしょう。

その意味でのリアリティーを私が感じたのは、「ER緊急救命室」が最初だったかもしれません。

専門用語の意味は解説しませんので、想像で補いながら見てください、ということなのです。

だからたまに、専門用語を説明するような口調のセリフが出てくると、リアリティーぶち壊しです。

実際の医療現場で、そのようなわざとらしい会話などありません。用語はテロップで解説すればいいのです。

「DOCTORS2」も「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1127.html" target="_blank" title="Doctor-X">Doctor-X</a>」も「医龍」も、主人公はスーパー外科医です。

そんなヤツはおらん、という人物ばかりですが、まあそれがドラマだからしょうがない。

ツッコミどころ満載でも、面白ければヨシとしましょう。

「Dr.倫太郎」は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-788.html" target="_blank" title="堺雅人">堺雅人</a>主演なので期待して見ましたが、どうも私の趣味ではありませんでした。

「医師たちの恋愛事情」は、外科医が主人公らしいですが、タイトルがもうダメです。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-978.html" target="_blank" title="総合診療医ドクターG">総合診療医ドクターG</a>」は、ドラマじゃないのに、ドラマのように展開するところが面白いですね。

手術という見せ場のある外科医とは異なり、内科医の診察過程は地道ですが、興味深く見せてくれます。

メスを手にした真剣勝負が手術なら、病因を追い求める診察は頭脳戦。

外科医がアクションドラマの主人公なら、内科医は推理ドラマの名探偵というわけです。

テレビ番組全録生活

テレビ番組の、全チャンネル全時間帯録画、いわゆる「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1118.html" target="_blank" title="全録">全録</a>」のレコーダーが、次々と発売されています。

私は新しもの好きなので数年前に導入しましたが、視聴スタイルが一変しました。そのメリットは、

(1)見たい番組を必ず見ることができる

見たい番組を見逃しません。夜遅く帰宅しても平気です。録画予約も不要。

(2)見たかった番組を見ることができる

放送後に話題になった番組は、あとで見ることができます。「見とけばよかった」が無くなりました。

(3)見たい時に見ることができる

放送時間帯に縛られず、入浴などを優先して、生活リズムを保つことができます。

(4)見ていた番組を二度見できる

3日前に報道ステーションで繰り広げられたバトル (古舘 vs 古賀) も、じっくりと見直すことができました。

(5)視聴時間を短縮することができる

番組は基本的に録画したものを見るので、CMや不要な部分はスキップ。内容によっては<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-156.html" target="_blank" title="早送り">早送り</a>で見ます。

(6)保存しておきたい番組を保存できる

見終わったあとで保存しておきたいと思ったら、その番組を保存できます。

では、全録生活で毎日テレビ三昧かといえば、違います。テレビを見る時間など、限られているからです。

もはや放送をそのまま、だらだらと見てはおれません。だから私にとって、いちばん助かるのは(5)です。

全録が普及すると、CMの視聴率が減るでしょうね。そのことが将来は、問題になるかもしれません。

大河ドラマと防府

NHK大河ドラマ「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-791.html" target="_blank" title="花燃ゆ">花燃ゆ</a>」は、今夜が第5回。ドラマの大半が、野山獄の話。暗かったですね。

初回視聴率が16.7%で、1963年以降で3番目の低さだったそうですが、初回視聴率などあてにはなりません。

「軍師官兵衛」だって調べてみると、初回視聴率は18.9%、平均で15.8%でしたが、けっこう面白かった。

「花燃ゆ」よりも初回視聴率が低かったのが「春日局」と「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-31.html" target="_blank" title="花神">花神</a>」だそうですが、「花神」は大好きでした。

その「花神」と「花燃ゆ」はともに、幕末の長州藩を描いたドラマです。だから登場人物はほとんど同じ。

誰を中心に、どのような切り口で描くのかは異なりますが、物語の結末は同じ。それが歴史ドラマです。

今日はちらっと、桂小五郎と西郷吉之助が登場しました。きっとドラマの後半で活躍するでしょう。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-573.html" target="_blank" title="幕末長州モノ">幕末長州モノ</a>に思い入れがあるのは、もちろん、私が長州出身だからです。

山口市に生まれ、岩国市で幼児期を、学童期から高校時代までは防府市で暮らしました。

その防府の実家から防府駅まで行く途中に、桑山(くわのやま)という小さな山があります。

中学時代と高校時代の6年間、毎朝毎晩、自転車で乗り越えていた山です。その山麓に、大楽寺があります。

「花燃ゆ」の主人公、杉文は、晩年を防府市で過ごし、いまは大楽寺で眠っています。

実は同じ大楽寺に、夏目雅子の墓もあるんですよね(大楽寺プチ情報)。

それにしても、「花燃ゆ」もそろそろ、もう少し動きのあるドラマにして、盛り上げてほしいです。

ネット配信で先手

金正恩暗殺計画を題材にした、米のコメディー映画「The Interview」は結局、劇場公開が始まりました。

北朝鮮からのサイバー攻撃に屈しかけた、制作会社のSPEや劇場側が、勇気を出して立ち上がった形です。

一転して公開を決めた後のSPEの動きが速かったのは、北朝鮮に、報復する時間を与えないためでしょうか。

ネット配信を先行開始したことで、もはや上映館へのテロ攻撃も無意味になってしまいました。

情報というのは、ひとたび世に出てしまうと回収ができません。普通このことは、悪い意味で用います。

なので企業でも一般人でも、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-258.html" target="_blank" title="情報発信には責任">情報発信には責任</a>を伴います。メディアや情報産業であれば、なおさらです。

Googleに対してEUが「忘れられる権利」を根拠に、情報削除を命じたようなことも、今後増えるでしょう。

しかしGoogleのリンクが削除される前に、世界中あちこちでコピペされた情報は、消しようもありません。

一方で、今回SPEがとったような、ネット配信によって先手を打つ手法は、情報拡散を有効利用したもの。

これではもう、北朝鮮は報復するタイミングを失ってしまいました。良い意味で「あとの祭り」です。

動画配信で先手を打つと言えば、最近別の話題もありました。「ちびまる子ちゃん」です。

日本での放送の1時間後から、中国で字幕版を無料配信するとのこと。あさっての放送から始まります。

正規版の迅速なネット配信によって、中国ではびこる海賊版を封じようという作戦。正攻法です。