『ショウタイムセブン』vs『キャスター』

映画『ショウタイムセブン』を、遅ればせながら昨日観ました。

キャッチフレーズは、「生放送と事件が同時進行する、リアルタイム型サスペンス・テンタテインメント」。

この映画は以前、試写会に応募したことがありました。

その少し前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4884.html" target="_blank" title="『出張!なんでも鑑定団』">『出張!なんでも鑑定団』</a>に応募したら当たったものだから、2匹目のドジョウを狙ったのです。

いや正確に言うなら、2匹目狙いはNHKのど自慢の公開録画への応募なので、映画の方は3匹目でした。

ともかく、試写会に外れたので配信されるまで待ってたら、このたび配信開始となったので観たわけです。

ですけど内容が、4月から放送が続いているTBSのドラマ、日曜劇場『キャスター』とかなり被ってませんか。

いずれも主演は阿部寛、テレビ番組のキャスター、放送中に大胆な行動に出て、不正を暴く。同じじゃん!

まるでドラマが映画のスピンオフか、シリーズ化されたのかと思ってしまうほどの「完全に一致」ですよ。

映画の方は、生放送中に進行するというリアルタイム構成なので、その分緊迫感が持続します。

しかしいかんせん、毎週ドラマでキャスターの阿部ちゃんを観ているので、どうしても既視感だらけなのです。

もちろん、映画とドラマでは描こうとするテーマや掘り下げている部分がだいぶ異なります。

なので主演が同じじゃなかったら、こんな思いはしなかったのに、なぜ同じ俳優にした。そこが残念なところ。

オボちゃんも冤罪か

TBSの日曜劇場『キャスター』を、時短のためCMの無いNetflixで観ています。(以下、ネタバレあります)

「iL細胞は存在します!美しき科学者の秘密を暴け!」というタイトルの第3話。

「STAP細胞騒動」を題材にしたストーリーでしょうから、視聴者も同様の展開を想像します。

科学雑誌の表紙が「Nature」ソックリ。こういうパロディは、徹底すればするほど面白いんですよね。

ただ、研究指導者が自殺を図った点までは、真似しなくてもよかったんじゃなかろうか。救命できたとしても。

研究論文を捏造する目的には、2種類あると思います。

(1)意図的に架空のデータを作り、虚偽の研究成果を発表する

(2)いちどは確認した実験結果をなかなか再現できず、ついに作ってしまう

STAP細胞では(1)でしたが(たぶん)、ドラマでは(2)。しかも捏造のままでは終わりませんでした。

こういう予想を裏切る結末が、このドラマの面白さかもしれません。第4話以降にも期待します。

「理論的にはIL細胞はあり得る」という、ノーベル賞受賞教授の柔軟なコメントが、私には刺さりました。

可能性があるなら、捏造説すらも疑ってみる、それが科学者のあるべきスタンスなのかもしれません。

もしかするとこのドラマ、「オボちゃん冤罪説」の議論を巻き起こす狙いがあったのかも(まさかね)。

「新幹線大爆破」

映画『新幹線大爆破』がNetflixで配信されたので、鑑賞しました。(以下、ネタバレ少しあります)

1975年に公開された同名の映画の、リメイクというか、リブートというか、じつは○○でしたね。

子どもの頃にテレビで観た前作(昭和版)については、ちょうど10年前に書いたことがあります。

犯人が高倉健、運転士が千葉真一、指令は宇津井健、刑事は丹波哲郎に北大路欣也と、超豪華なキャストです。

その昭和版では、新幹線は博多行きの山陽新幹線でした。

北九州に入る前に山口県内で爆破させようという、山口県人(当時の私)としては納得できかねる展開でした。

それに対して令和版は東京行き。まあね、想定される被害が大きい方が、映画も盛り上がるのです。

さすがに現代風の機器も登場しますが、指令所のパネルのアナログなところがじつにいいですね。

新幹線のある車輌が、一定の速度以下になると爆発するような爆弾がセットされた、という設定は共通です。

遠隔操作で起爆する方が簡単なのに、なぜそんな面倒な爆弾にしたのかといえば、それが映画だからでしょう。

おかげで独特の緊迫した場面が約束されます。よくぞその設定を思いついたと思います。

意外なことに令和版って、昭和版のリメイクでもなければリブートでもない、「続編」だったんですね。

『プライムニュース』推し

平日の夜は、食事を摂りながら、あるいはコーヒーなど飲みながら、テレビの報道番組をハシゴしています。

診療日は7時過ぎに帰宅して、風呂に入った後、全録してあるNHKの「ニュース7」を見ながら夕食開始です。

食べ終わるとだいたい8時。この時間帯だと、民放BSの報道番組が、なかなか見応えがありますね。

以前はBS-TBSの『報道1930』を好んで見ていましたが、軍事関連の話題が多すぎて深すぎて、少々辟易。

そこでBSフジの『プライムニュース』に乗り換えて現在に至ります。

両方の番組に共通して言えるのは、素人コメンテーターがいないことですね。これ大事。

ゲストは、その日のテーマの当事者(政治家等)と専門家(元外交官や学者等)。

報道1930のMCの松原耕二氏は、私と同い年。しかも同郷(山口県)。定年退職後はフリーランスで活動中。

一方でプライムニュースの反町理氏は、4つ年下(60歳)。いまはフジテレビの報道局解説委員長。

しかも反町氏はフジテレビの役員(取締役)という立場にありながら、報道番組のMCを毎日やってるのです。

錚々たる「食わせ物」ゲストを操る反町氏はさすがですが、この人、難を言うなら「カメラ写り」が悪いです。

あるいは、カメラを気にしてないというか。この番組をご覧になったことがある方なら、わかると思いますが。

今日はフジテレビの役員刷新人事が発表され、日枝久氏がついに取締役相談役を退任することになりました。

取締役の人数が大幅に減り、平均年齢も若返り、日枝氏の影響力が残らないような人事にしたとのことです。

反町氏も取締役退任となりました。もしや日枝氏と近かったのか、あるいは60歳なので単なる世代交代か。

今日のプライムニュースの反町氏はしかし、まったくいつも通りで元気でした。良かった。

(追記)

と書いたけど、この人、典型的なフジテレビ体質のハラスメントオヤジだったんですね。残念です。

「御上先生」

TBSのドラマ『日曜劇場 御上先生』(全10回)が最終回でした。面白かった。

初めは社会派ドラマかと思って見ていたら、実は少し説教臭い学園ミステリー兼人間ドラマって感じでしたね。

最終回のどんでん返しはこのドラマのキモなのだから、もう少し時間をかけて劇的に描いて欲しかったです。

キーワードは「バタフライエフェクト」ですか。いま流行りなんですかね、そのワード。

メーカーなど一般企業に比べて、学校とか病院や官僚や銀行などは、ドラマで叩かれやすい業界のようです。

これもスポンサーを気にする地上波ゆえでしょうか。WOWOWなんかだと、その辺の忖度がない。

NHKは、大河ドラマは良いのですが、他には真面目で陰気なドラマが多くて、私はちょっと好きになれません。

でもドキュメンタリーはさすが。民放がなかなか太刀打ち出来ない分野ですね。

『放送100年 時代を超えて 3世代が選ぶあの番組』という特番を、昨日NHKが放送していました。

その中で、「もう一度見たい番組 1万人アンケート」の上位25の結果が、各世代ごとに紹介されていました。

残念ながら、私が見たいと思う『四つの目』とか『五人と一ぴき』はランキング外でした。

この特番は生放送のせいか、まとまりがなくて時間がもったいなかった。もっと映像を見せてほしかったのに。

おまけにMCの加藤浩次の髪型が気になって、内容があまり入って来ませんでした。

『出張!なんでも鑑定団 in 菊陽』観覧

『出張!なんでも鑑定団 in 菊陽』の収録が行われたので、観覧してきました。

家人が応募したら当たったのです。競争率は7倍だったと、菊陽町長が言っていました。

「出張!・・・」はテレビ東京の番組『開運!なんでも鑑定団』の中の、15分位のコーナーの部分ですね。

実は私はこの番組を20年以上見ていなくて、最後に見たのはまだMCが島田紳助氏の頃でした。

でもどうやら、基本的なコンセプトやノリは、まったく変わっていないようですね。

「菊陽町図書館ホール」で開催されると聞いて、なんでそんな狭そうな所でやるの、と最初は思いました。

書棚に囲まれたスペースに、ステージを作って折りたたみイスを並べたようなモノを想像していたからです。

ところが行ってみたら、スロープのある客席が500席の、ちゃんとしたホールでした。ステージも広い。

どうして図書館内にこんな立派なホールがあるのか、逆に不思議です。

町長のほどよい挨拶の後、若い元気の良い女性スタッフによる「前説」が行われました。

拍手の練習を繰り返し、笑いやどよめきや落胆の練習もさせられるうちに、皆だんだんと「乗って」きます。

そのようにして客席が温まった挙げ句に、MCの原口あきまさ氏が登場して、客が一層盛り上がります。

彼が客を乗せるのが仕事なら、こちらはまんまと乗せられるのが正しい対応でしょう。

観客は、スマホをマナーモードにするのではなく、電源を切るように指示されました。

放送用機材への影響があるので、という説明に納得はしていませんが、でも電源は切りました。大人なので。

鑑定の依頼人は5人登場。意外にもどの方も、全国放送に耐え得るほどの「クセ強」キャラでした。

依頼人の予選段階ではたぶん、人物の面白さを重視して審査が行われているのでしょうね、お宝の価値よりも。

収録は正味2時間弱もありました。これを放送用の15分に圧縮するわけですか。なかなかプロの仕事ですね。

『べらぼう』

NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、なかなか面白いじゃないですか。

実は最初は心配していました。こういった文化人を描いた大河は、ヘタをするとコケるんじゃないかと。

なにしろまず、主人公の「蔦屋重三郎(蔦重)」の存在を、私は聞いたこともありませんでしたからね。

ところが戦国とか幕末モノとは異なり、初めて知るような江戸の風俗がとても興味深くてためになります。

枕営業的な話も出てきて、これはまさに現代のメディア界にも通じる、タイムリーなドラマじゃないですか。

「江戸のメディア王」ですか、蔦重。だれもが「蔦屋書店・TSUTAYA」のルーツかと推測しますよね。

残念ながら、TSUTAYAの創業者が「全く血族ではないと思います」と否定しています。

ただし、「蔦屋重三郎」にちなんで屋号を付けた可能性までは否定していません。うん、多分ちなんでますよ。

文化を描きながらも同時に、将軍家や幕閣が絡んでくるところが「大河」らしくて安心できます。

今回は敢えて、ネットやガイド本などで予習したりせず、新鮮な気持ちで毎週視聴していきたいですね。

分かっているのは、蔦重がこれから、さまざまな創意工夫でメディア王にのし上がっていくということです。

そのサクセスストーリーが、今からとても楽しみです。以下、今後の物語を勝手に想像してみましょう。

おそらく、商売を拡大して「文化便利倶楽部」みたいな組織を作り、一世を風靡することになるのでしょう。

でもいつか、「尼崎存兵衛」みたいな新参者が現れ、世代交代する日が来るのです。

『光る君へ』ロス、ってほどでもないです

『光る君へ』が終わりました。(以下、ネタバレあります)

この時代の何をどう描くのかと思って観てきましたが、最終的には「源氏物語」ですか、やっぱり。

「完」も「終」も出ないので、最後のシーンはストップモーションとは思いませんでした。

ありゃ、大事なところでテレビのトラブルかぁと、思わずリモコンに手を伸ばしてしまいましたよ。

そしたらいきなり「紀行」が始るというね。おかげで、最終回の最後の余韻に浸る時間がありませんでした。

ところがこの終わり方を絶賛している人が多いようですね。まあ、とらえ方は人それぞれ。

最後のセリフ「嵐が来るわ」はもちろん、武家の世が始まることを暗示しているのでしょうね。

できたら来年の大河は鎌倉モノにしてほしかった。今日のラストに続いて戦乱シーンの予告編を流せたのに。

「江戸のメディア王・蔦屋重三郎」を描く『べらぼう』が、来年の大河です。。

「現代のメディア王(?)・蔦屋書店」は、直接の関係はないけれど、屋号は重三郎にあやかって付けたとか。

それで思い出すのは、「孔子公園」のある菊池市泗水町の命名の由来ですね。

初代村長が孔子を敬慕していたため、孔子の出身地の「泗水県」にちなんで付けたのだと。直接関係一切ナシ。

さらに、孔子にちなんだ町名なのだから、孔子にちなんだ公園を作ってしまおうという、逆転の発想。

ていうか、光る君へとは関係ない話でおしまい。(「起承転結」の最後の「結」を考えるのが面倒なので)

大河ドラマの最終回

大河ドラマ『光る君へ』は、明日が最終回ですね。感想はたぶん明日書きます。

この時代を描くのはチャレンジだったでしょうけど、脚本と音楽と俳優が良かったので、成功したと思います。

でもその前に、放送回数48回、12月15日で最終回というのは、あまりにも短くないですか。

私が子どもの頃の大河ドラマの放送回数は必ず、堂々の52回でした。だって1年は52週ですからね。

何が何でも52回放送する覚悟が、NHKにはありました。おそらく、当時の日本人がそれを求めたのでしょう。

調べてみると、きっちり52回放送されたのは、1977年の『花神』までなんですね(一部例外あり)。

中村梅之助が大村益次郎を演じたこの幕末劇は、郷土山口が舞台の、実は私がいちばん好きな大河です。

その第1回は1月2日、最終回は12月25日でした。1月2日開始というのは、今では考えにくい日程ですね。

でもその翌年は曜日の巡り合わせが悪く、第1日曜が元日、最終日曜が大晦日という、極端な年でした。

『黄金の日々』(これも好きだった)は、1月8日スタート1月24日最終回の、全51回となってしまいました。

この前例でNHKは呪縛から逃れられたのか、以後の大河では日程がどうであれ、52回放送はなくなりました。

それどころか、事ある毎に放送が休止され、それを見越してか放送回数は短めに設定されるようになりました。

新1万円札でおなじみの『青天を衝け』(2021年)は、2月開始で全41回という極めて異例の放送でした。

前年の『麒麟がくる』が越年した上に、コロナ禍+東京五輪の「ダブルパンチ」だったからです。

ああ、そういう年もありましたね。東京五輪が、なぜかもうだいぶ前の事のように思えてしまいます。

「ふてほど」がピンとこない

「ふてほど」ですか。

「新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれたのは、ドラマ『不適切にもほどがある!』の略称でした。

このドラマ自体は、たしかに面白かった。ですが、この略し方は私にはピンときませんね。まあ、いいけど。

「もうええでしょう」にも違和感あり。ノミネートされた中から、トップテンに選ばれた言葉のひとつです。

ドラマ『地面師たち』の中で、ピエール瀧が演じる地面師がしばしば口にしたフレーズですね。

これも好きなドラマだったので、そのセリフはよく覚えてますが、でもこんな言葉が流行語になるんですか。

私が世間からズレているのか、流行語大賞の年間大賞って、いつも私にはしっくりこないものが多いです。

今年を象徴するような言葉が、大人の事情で選考やノミネートから除外されているのも一因でしょうか。

「もういいでしょう」ならば、助さん格さんの大立ち回りを終わらせるときの、水戸黄門のセリフですね。

そこで格さんが「え~い、静まれ、静まれ!」と声を出すと、悪人たちもなぜか皆、大人しく静まるのです。

続いて決まり文句「この紋所が目に入らぬか!」ですね。このフレーズこそ「永世流行語大賞」でしょう。

さらに「こちらにおわすお方をどなたと心得る。恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ」と。

そして「え~い頭が高い。控えおろう!」とたたみかける。すると皆がひれ伏すわけです(たまに反抗する)。

いやいや水戸黄門って、大賞級フレーズの宝庫じゃないですか。ていうか番組自体が国宝級ですね。