ガジェットで体調を監視する

毎晩私は、Apple Watchを装着して寝ています。

それは睡眠中の不整脈、とくに心房細動を監視するためです。さいわい、いまのところ警告は出ていません。

そのまま一日中装着しているとバッテリーが切れるので、診療中には外して充電器に乗せています。

そのかわり日中の歩数等は、ポケットに入れたiPhoneがカウントしてくれています。

旅行中には、昼も夜も一日中Watchを装着しているので、ときどき外して充電しなければなりません。

腕時計の自動巻きみたいに、Apple Watchにも、腕を動かせば充電できる仕組みがあるといいんですけどね。

充電不要の生体監視デバイスもありますが、興味はありません。Apple Watchの他の機能も私には必要なので。

最近のApple Watchには呼吸状態を監視する機能が備わり、「睡眠時無呼吸」の兆候を検出してくれるとか。

ふ〜んと思ってたら、「Apple Watchで睡眠時無呼吸が検出された」と当院を受診した方が最近現れました。

さっそく、正式なポリグラフ検査を行ってみたところ、まさしく睡眠時無呼吸症候群(SAA)じゃないですか。

この事例を目の当たりにした私が、Apple Watchの検証を行う必要性を感じるのは、医師として当然のこと。

というわけでこのたび、長年使ってきたApple Watch Series5を、Series 10に買い替えることにしました。

まず自分が試さなければ、患者さんにWatchを勧められませんからね。(じつは自分の呼吸状態を知りたい)

がん検診と放射線被曝

今年もまた、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4546.html" target="_blank" title="「がんドック」">「がんドック」</a>を受けてきました。カン・ドックじゃありませんよ。それはチャングムの養父。

と書いて、まてよ、と。検索してみたら、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2502.html" target="_blank" title="6年半前">6年半前</a>にも、ほとんど同じ書き出しで書いてました(爆笑)。

2日間のドックは、昨日はPET-CTと血液検査、今日は超音波と胃カメラと胸部CTと<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4548.html" target="_blank" title="大腸CT検査">大腸CT検査</a>でした。

結論から言いますと、異常なし。ドックのたびに縮んでいた身長は下げ止まり、体重と腹囲は減っていました。

放射線検査で気になるのは被曝です。今回は2日間で8mSv (ミリシーベルト) 程度の被曝線量と考えられます。

これが多いか少ないか適切か、考え方次第ですが、許容範囲ではあるでしょう。

地球や宇宙や食物から受ける1年間の自然放射線量は、日本で1.5mSv、世界平均は2.4mSvとされています。

せっかく自然放射線量が少ない日本ですが、医療被曝線量は世界平均よりもかなり多いようです。

放射線被曝による発がんのリスクは、100mSvの被曝で0.5%ほど高まるといわれています。

私が受けた検査の線量程度であれば、検査のメリットの方がデメリットを上回ると考えてもよいのでしょう。

まあそれもチリツモですから、毎年PETその他を数十年間受け続ける、なんてのは考えものかもしれません。

天秤に掛けるのは、「いま癌を早期発見するメリット」と「被曝による将来の発がんのデメリット」です。

さいわい、放射線被曝による固形がんの発がんには、10年〜20年以上の「潜伏期間」があるとされています。

なので私ぐらいの年齢なら、癌発見のメリットの方が被曝のリスクを上回ると、私はそう考えているのです。

ポジティブなダイエット

ある出版社から送られてきた、開業医が書いた本を読んで、思わず膝を打ちました。

『肉体革命! 超ポジティブ糖尿病ライフ』(竹内雄一郎著)がその本。竹内氏は糖尿病専門医です。

ちなみに竹内氏は、半年で10kg、トータル20kgの減量に成功したことを、この本で詳しく紹介しています。

ならば私だって、勤務医時代に4カ月で16kgの減量に成功したことを、ここで強調しておくべきでしょう。

食事と運動療法で減量した竹内氏とは異なり、私は自慢じゃないですが食事療法だけで減らしました。

竹内氏は1日3食を強く推奨していますが、私は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1719.html" target="_blank" title="1日1食">1日1食</a>を厳しく徹底することで減量に成功しました。

このように2人の減量法はまったく異なるのに、じつは結果的に得られた達成感は同じなんですね。

体が軽くなりさまざまな数字が改善し、いまの体重を維持したいという思いがとても強くなります。

竹内氏のいう「ポジティブ」とは、つまり糖尿病治療における意識改革のことですね。

たとえば「甘い物を週に1回しか食べられない苦行」を、「甘い物を週に1回食べられるご褒美」と思うこと。

とは言え、1日3食が必須で食事内容がとても重要、もちろん運動もしましょうという、まあ標準的な考え方。

一方で私は1日1食。これは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-413.html" target="_blank" title="「BOOCSダイエット」">「BOOCSダイエット」</a>に則ったもので、その1食こそがご褒美なんですね。

糖尿病「治療」には竹内氏の方が正しいでしょうけど、糖尿病「予防」には私の手法も有効だと思うのです。

毎朝毎晩快便

食事中の方は、あとでお読みください。便通の話です。

高血圧症の方などでは、固い便になって力むようなことのないように、軟らかい便が出る薬を使います。

便に水分を多く含ませるようにする「緩下剤」で、酸化マグネシウムをよく処方します。

一方で、腸のぜん動運動を強めて便を排出させるための「刺激性下剤」を服用している方も多いですね。

このような下剤の話は奥が深く、しかし私の専門領域ではないので、今日はこれ以上掘り下げません。

さて私の場合、毎朝、毎晩、つまり1日2回平均の排便があり、性状も良好(ブリストルスケール4)です。

夜遅くになると、必ず便意を催します。これはおそらく、私が1日1食の生活をしているからだと思います。

1日に1回、夜にドカッと食べたタイミングでぜん動運動が亢進し、前の晩に食べたものが出るのでしょう。

都合の良いことに、夜はずっと時間が自由なので、いつでもトイレに行けて、排便のチャンスを失いません。

朝起きると同時に、必ず便意を催します。これはおそらく、夜間に水分を多く摂るからだろうと思います。

夜中の脱水を防ぐための飲水ですが、これが多量の尿となり、拡張した膀胱が直腸を刺激するのでしょう。

起床後最初のトイレで、排尿と排便を済ませることができ、時短にもなって好都合です。

運動不足だし、他の人にお勧めできるライフスタイルではないですが、私が快便なのはそういう理由です。

便の性状等については、健康上の重要事項なのでいつも家人に報告するのですが、なぜか家人は不機嫌です。

タバコ1本で寿命が22分短縮

「タバコ1本吸うと、寿命が1分縮む」

昭和の時代はたしか、そのようなレートでした。1日20本を1年間吸えば、寿命が5日短縮する計算です。

この「1分」が後に「5分30秒」となり、20年ぐらい前からは「11分」ということになっていました。

ところが最近の研究では、「22分」にまで急増したようですね。毎日20本を1年吸えば、寿命100日短縮です。

こういう数値は、それ自体は根拠のある統計値でも、あくまで平均値。個々の喫煙者にとっては別問題です。

しかし寿命がこれほど短くなるなら、禁煙しようか(節煙しようか)、という動機付けにはなるでしょう。

というのも、かつての「1本で1分短縮」では、当時はあまり恐怖感や切迫感がなかったように思います。

「また寿命が1分縮んだ」と冗談のように言いながらたばこを吸う人が、私の周囲に昔は何人もいました。

喫煙者本人の健康被害は自己責任としても、周囲への影響についても、昔は甘かったですね。

「飛行機内では禁煙」と今なお言うのは、かつては機内で喫煙できていたからです。鉄道も同じです。

当時は、隣でタバコを吸われたら煙たくて迷惑でしたが、そんなものだと諦めて副流煙を吸っていました。

研修医の頃、某公立病院では、回診の合間にナースステーションで、医者が集まってタバコを吸っていました。

いや、私は吸いませんよ。私には喫煙歴はありません。プカプカ吸っていたのは部長など偉い先生方でした。

生活習慣病で通院中の方の中にも、喫煙者は一定数いますが、禁煙の希望について尋ねると両極端です。

「やめようと思ってるんですけどね」と苦笑いする方と、「やめるつもりは無いです」と真顔で言う方。

後者の方に2度3度と禁煙を勧めると、だんだんと不機嫌になることが多いので、3度を限度としています。

でも、せっかく血圧・脂質・糖質の治療をしてるのに、タバコ吸われちゃあねぇ、と心の中では思います。

修学旅行と急病

インフルエンザが増えています。当院の発熱外来では過去1週間で17人陽性だったので、注意報レベルです。

同時期に、コロナもマイコプラズマも溶連菌も手足口病も胃腸炎も出ていますが、インフルには及びません。

成人にも子どもにも多く、いちばん感染が拡大しつつあるのは学校です。

インフルを発症して修学旅行に行けなくなるお子さんが、何人も出始めています。ガッカリですね。

「でも現地で発熱したらもっと大変でしたよ」と親御さんを慰めると、「ですよねぇ」ということになります。

旅行中に発病したら、保護者が迎えに行かなければなりません。それが長崎でも京都でも東京でも、です。

近年の修学旅行では親のお迎えが当たり前のようですが、私が子どもの頃には無かったルールですね。

旅行先で集団行動を離れた子を看病するための人員(教員)が割けないのでしょうけど、親も大変です。

海外に行く学校も増えていて、そんなときのお迎えはどうするんだろうと、以前から心配していました。

台湾への修学旅行を控えた子の親御さんに尋ねてみると、学校からお迎えの話は出ていないとのこと。

さすがにそうですか。費用や時間はもちろん、そもそも親がパスポートを持っていない場合もあるでしょう。

でも万一の事を考えると、子どもが海外に行くときは、親もパスポートを作っておくべきかもしれませんね。

なお、学校は「学校旅行総合保険」に入っているので、保護者の救援旅費や宿泊費等は保険で補償されます。

保護者2名の往復交通費とホテル代(14日限度)や、生徒の帰宅のための交通費などが補償対象だそうです。

逆に言えば、旅先での医療費は補償外。海外旅行(とくに米国)では、むしろこの点が大問題でしょうね。

危険な「ヒートショック」

中山美穂さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。

さてその急死の原因は「ヒートショック」ではないかといわれています。

ヒートショックは、環境温度の急激な変化によって血圧などが大きく変動し、体調に異変をもたらす現象です。

脳や心臓などの循環障害(梗塞を含む)や、そうでなくても意識障害(失神)を起こす場合があります。

いちばん多いのが冬場の入浴時です。寒い脱衣室や浴室と温かい浴槽との温度差が問題となります。

このことは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2768.html" target="_blank" title="以前も書きました">以前も書きました</a>が、日本での溺水は、海や川の事故よりも、多くが入浴時に起きています。

ヒートショックによる一瞬の意識消失が、浴槽においては溺死の原因となり得ます。

その対策としては、

(1)温度差を減らす

風呂のフタ開けっ放し&シャワー出しっ放しも有効ですが、節約の観点からはなかなか徹底しにくいですね。

電気代が気になり今年はまだ浴室暖房を使っていませんでしたが、今夜帰宅したらスイッチが入っていました。

今回の事故を受けて、ヒートショックの怖さを思い知った家人にもスイッチが入ったようです。

(2)血圧が下がり過ぎないようにする

熱い湯に長くつからないことが推奨されていますが、熱い湯が好きな私には、ちょっと無理な対策ですね。

湯船から出るときは慎重第一。私は必ず浴槽内でいったんしゃがみ、ゆっくり立ち上がるようにしています。

飲食後には血圧が下がります。とくに飲酒後の入浴は危険なので、私はできる限り避けています。

(3)救助されやすいような配慮も?

異変に気付いてもらうために、家族に一声掛けてから入浴しましょう、などとよく言われます。

でも、なかなか風呂からあがってこないからと様子を見に来てくれた時点で、心肺蘇生が間に合うのかどうか。

そもそも、私が入浴している時間帯に家人はいつも、花ちゃんと散歩に出かけています。

「アルツハイマー病」を早期発見するための簡単な質問

「3つの質問で認知症がわかる」と報じられて話題になっています。慶応大学の研究成果です。

「簡単な認知症サインと質問セット」によってアルツハイマー病の早期発見ができる、というものです。

「簡単な認知症サイン」とは、「振り返り動作(head-turning sign (HTS)」のことだそうです。

これは、「医師の質問に直接答えようとせず、隣にいる家族などの方を振り返って手助けを求めること」だと。

なるほど。当院でも時々目にしますね。付き添いの娘さんに自分の症状を尋ねる、みたいな態度です。

何を尋ねても奥さんに問い合わせる主体性のないダンナもいますが、それも認知症の始まりなんですかね。

「質問セット」とは、次の3つ。

(1)現在、困っていることはありますか?

(2)現在、楽しみはありますか?

(3)最近(3か月以内)気になるニュースを挙げて下さい。

この質問の(1)(3)には「ない」と答え(2)には具体的に回答した人が、いちばんヤバいそうですね。

何も困ってない、何も気にならない、でも楽しみはたくさんある、という楽天的な方がダメなんですか。

幸い今のところ私は、楽しみもありますが、それ以上に困ってることも気になることもあるので大丈夫そう。

当ブログに、楽しいことしか書かなくなったら・・・そうなったんだと思ってください。

健康的な健康診断

託麻北小学校の「6年生宿泊前健康診断」に、今朝行って来ました。恒例の、修学旅行前の健診です。

先週の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4782.html" target="_blank" title="「就学時の健康診断」">「就学時の健康診断」</a>の時にウォーキングの楽しさを知ったので、今日も歩いて「登下校」しました。

天気は曇り。暑くも寒くもない。リュックを背負って両手が空くと、とても爽快に歩けますね。

今日はApple Watchを着けていたので、歩き始めたら「ワークアウトアプリ」が勝手に起動しました。

最初は、何のアラートがブルブルしてるのか知らずに無視していましたが、どうやら運動を検知したようです。

「ワークアウト中のようですね」という表示の下に、「屋外ウォーキングを記録」というボタンがあります。

それをタップすると、記録が開始されました。驚いたことに、数分前の歩き始めの時点からの記録のようです。

このアプリは、加速度センサーと心拍センサーとGPSを使うので、歩行速度やルートや心拍数を記録できます。

往路の所要時間は22分でした。前回の復路の23分(尿意参考記録)よりもさらに短縮しています。

歩行中の最大心拍数は131。この程度の運動でこの心拍になるとは、きっと日頃の運動不足のせいでしょう。

修学旅行は再来週、11/17(日)〜18(月)。行き先は、長崎・ハウステンボスだそうです。

「ハウステンボス」には、実は私は一度も行ったことがありません。「長崎オランダ村」なら3回行きました。

調べてみたら、ハウステンボス開園は1992年、オランダ村の閉園は2001年。10年近く共存してたんですね。

そんなことも知らずに、ボーっと生きてきた私です。

さて今日の復路は、往路と同じ22分。でも、どういう関係なんですかね、今回も帰る途中で尿意を催しました。

遅発性筋肉痛はどんどん遅くなる

書斎を片付けています。構想十余年ですが、いまだに途上です。

片付けるためにはモノを減らさなければなりませんが、断捨離が苦手な私には容易ではありません。

そこで思いついたのが、書斎のモノを別の部屋に移動させてしまえという「画期的な書斎片付け法」でした。

ただし私の場合、それを思いついた時点で十分満足してしまい、以後1年以上、何も進展していませんでした。

しかしこれではイカンと、このたび大型で頑丈な収納棚を購入し、背水の陣で臨むことにしたのです。

寝室の、採光用の小窓が並ぶ壁側に、高さ2メートル、幅1.2メートルのオープンシェルフを2つ並べます。

さて先日、長く巨大な段ボール箱に入った商品が2箱、玄関先の自転車置き場に配送されました。

本体重量は1個当たり40キロ。たぶん段ボールは1箱45キロぐらいありそう。1人ではびくとも動きません。

家人と2人がかりで屋内に運び込もうとしましたが、無理。微動だにしません。家人は早々に退却。

やむを得ず、玄関先で段ボールを開き、中身だけを取り出すことにしました。これは正解でした。

棚板などの部品をすべて屋内に運び入れ、それを2階の寝室まで運び上げました。もちろん1人でやりました。

さらに、やる気のあるうちに組み立てました。本来は2人でやるべき作業を、1人で2時間半かけてやりました。

ついに棚は、1個だけですが見事に完成しました。そして予想した通り、足腰をひどく痛めてしまいました。

翌朝、痛む足腰を引きずって職場に向かいましたが、さいわい診療中に痛みは徐々に改善していきました。

でも油断なりません。案の定、その翌日の方が、むしろ腰痛や大腿部痛はひどくなりました。

さらに作業の3日後である昨日の方が、むしろ痛みが強まりました。人間、60代にもなると、こうなるんです。

今日になって、筋肉痛はどうやら峠を越えたようです。ピークは昨日でしたね。念のため湿布は貼っています。

さて、棚はもう1個あるんですけどね。組み立て作業は無期延期中です。