「ゴービック」でGO!

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4193.html" target="_blank" title="4種混合ワクチン">4種混合ワクチン</a>」の定期接種の開始時期が、今月から「生後2カ月」に早まりました。

この混合ワクチンは、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ、の4種の成分を含有しています。

国内製品には、「クアトロバック」( KMB / Meiji )と「テトラビック」(ビケン/田辺三菱)があります。

クアトロバックは、「4」を表すイタリア語「クアトロ」と、ワクチンを表す英語「Vaccine」が命名の由来。

テトラビックは、4を表すギリシア語「テトラ」と、ビケン( BIKEN )の語頭を合わせたものだといいます。

当院でも、昨日は2カ月の赤ちゃんが、4種混合を含む5つのワクチンで「ワクチンデビュー」しました。

4種混合のほかには、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎ワクチンの皮下注射と、内服のロタウイルスワクチンです。

大泣きさせながらチクチクと注射を4本接種し、最後にロタウイルスワクチンを飲ませる手順となります。

その注射本数を1本でも減らすべく、このたび「5種混合ワクチン」の製造販売が承認されました。

「4種」混合ワクチンにヒブワクチンも混合して「5種」混合。その名も「ゴービック( GOBIK )」!

「5」を表す「ペンタ」を使って「ペンタビック」かと思いきや「ゴー」ですか。「ゴーです」(郷ひろみ)。

まあなんにせよ、注射が1本減らせるので、赤ちゃんが泣く時間(痛みと恐怖の時間)を短縮できるのは朗報。

医療従事者側からしても、接種時間とワクチンを準備する手間も減り、理論的には過誤接種の確率も減ります。

なので解せないのは、名称だけです。ゴービック。その和洋折衷な<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-66.html" target="_blank" title="重箱読み">重箱読み</a>には、ビックりしたなぁ、もう。

「令和5年春開始接種」ワクチンの希望量調査

従来の規定による新型コロナワクチンの接種は5月7日をもって終了となり、翌日から新制度に移行します。

5月8日から始まるのは、その名も「令和5年春開始接種」。お役所がそう名付けたので、そう呼びましょう。

その対象は、

・重症化リスクの高い者(65歳以上の高齢者、基礎疾患を有している者)

・そのような人が集まる場所においてサービスを提供する医療機関、高齢者施設・障害者施設等の従事者

熊本市では、5〜6月の接種について、各医療機関にワクチンの希望量調査を行っています。締切は明日です。

それぞれの日に、ファイザーとモデルナをそれぞれ何人接種するつもりがあるのか、それを問うものです。

ただし、ファイザーのワクチンは国からの新規供給予定が無いため、市の在庫限りでの接種となるようです。

したがって、ファイザーは医療機関の希望がほとんど叶わず、モデルナなら希望通りに供給される見込みです。

診療の合間に専用の時間帯を設けて接種するのですから、接種計画が立てやすいのはモデルナの方でしょうか。

当院では、上の条件を満たし、なおかつ当院で4回目以降の接種を受けた方を対象に、接種を行う予定です。

ざっと300人の対象者がいますが、実際に接種を希望する方が何人いることやら見当がつきません。

とりあえず、ワクチン確保のために、接種率70%あたりを目安に希望量を申請しておこうと思っています。

ファイザー希望者には申し訳ありませんが、当院のこの春の接種は、実質的にモデルナ単独になりそうです。

定期接種ワクチンに変更あり

4月から、子どもの定期接種ワクチンが変わります。その中でもとくに重要な事項をお知らせします。

(1)「4種混合ワクチン」の開始月齢が、「生後2カ月から」になります。

これまでは「生後3カ月から」だったので、ヒブワクチンなどの開始時期とのずれがあって面倒でした。

今後のワクチンデビューは、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタ・4種混合の、5ワクチン同時接種となります。

2回目の接種はその4週間後で、まったく同じ組み合わせの5ワクチン接種です。わかりやすいですね。

3回目の接種はそのまた4週間後で、B型肝炎を除く4ワクチンの接種を行うことになります。

なお、予診票はいまだに各ワクチン毎なので、保護者の方には毎回4,5枚書いていただかなければなりません。

一部の自治体では、同時接種ワクチン一括の予診票を採用しています。熊本市もそうしてほしいものです。

(2)「HPVワクチン」に、新たに「9価ワクチン(商品名:シルガード)」が加わります。

これまでの「2価(サーバリックス)」や「4価(ガーダシル)」よりも、有効性は高くなります。

当院では、原則として9価に切り替えますので、2価や4価の接種をご希望の方は、早めにご相談ください。

現在行われている「キャッチアップ接種」は、従来の規定のまま、令和6年度まで継続されます。

キャッチアップ制度実施前に自費で接種した方への救済措置(費用助成)も続きますが、9価は対象外です。

3月までに2価・4価を途中まで接種してきた方は、残りの回数を9価に切り替える「交互接種」も可能です。

さらに、15歳未満で接種を開始した方は、2回の9価ワクチン接種で完了する「2回接種」も選択できます。

これらの交互接種や2回接種をご希望の場合は、詳しい説明が必要になるので、あらかじめご相談ください。

令和5年度は、定期接種が動きます

「インフルエンザワクチン」は、接種人数が週に数名程度にまで減りましたが、今後も予約が入れば打ちます。

ただし、薬品卸から新たに入荷してまで接種を続ける予定はないので、院内在庫限りとさせていただきます。

「コロナワクチン」も希望者が減り、12歳以上も、5〜11歳も、4歳以下も、今後の予約はごくわずかです。

当院では、かかりつけの方だけを接種対象にしているので、まとまった人数が集まらなければ接種できません。

「帯状疱疹予防ワクチン・シングリックス」は、料金が高いのがネックですが、接種希望者はときどきいます。

「水痘ワクチン(生ワクチン)」を、その代わりに接種することも可能です。

「9価HPVワクチン」を用いた定期接種が、4月から始まる予定です。

そうでなくても遅れている日本の「HPVワクチン」事情ですが、世界標準はとっくに「9価」なのです。

年度をまたいで接種する方は、新年度の接種を9価に乗り換えるかどうかを選択できそうで、これは朗報です。

「4種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ)」は、接種開始時期が早まる見込みです。

生後2カ月という、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎・ロタのワクチンと同じタイミングで開始できれば便利です。

近い将来、ヒブワクチンと混合した「5種混合ワクチン」になる方向なので、その準備段階ともいえます。

乳幼児の定期接種は数が多く、風邪を引いたりして接種を見合わせると、予定がどんどん遅れてしまいます。

なのでスケジュールはなるべくシンプルに、できるだけ混合ワクチンを採用する方向への進化を期待します。

「全種混合ワクチン(2カ月用・3カ月用・4カ月用)」なんてのが、できませんかね。

「接種間隔」をどんどん縮めてきたけども

米国FDAが、新型コロナワクチンの接種を「原則年1回」にする方向で検討中だと報じられました。

いや、まあそうなるだろうとは思ってましたよ、長期的には。でも過渡期はどうしますかね。

予防接種「用語」に則れば、最初の2回の接種を「初回接種」、3回目以降の接種を「追加接種」と言います。

ワクチン接種によって獲得した免疫が落ち始める頃合いに、「ブースター効果」を狙うのが追加接種です。

当初(2021年11月)は、3回目接種までの間隔は、米国にならって<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3697.html" target="_blank" title="「原則8カ月間隔」">「原則8カ月間隔」</a>と決められました。

ただし、「クラスターの発生などの場合には自治体の判断で6か月以上の間隔」での接種も可能とされました。

さらにその翌月、「医療従事者等は6カ月、一般の高齢者は7カ月」と<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3727.html" target="_blank" title="修正する方針">修正する方針</a>が決まりました。

不足していたワクチンの供給量をにらんだ上での、対象を限定した前倒しです。

昨年2月、岸田首相が突然、「1日100万回接種する」と表明。接種間隔は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3779.html" target="_blank" title="「全対象者で6カ月」">「全対象者で6カ月」</a>となりました。

待ち望まれていたこととは言え、急にぶち上げられたのでは、接種の実務を担う自治体がついていけませんよ。

5月に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3874.html" target="_blank" title="4回目接種">4回目接種</a>も始まりました。対象は「3回目から5カ月以上経過した60歳以上または基礎疾患のある方」。

10月には<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3874.html" target="_blank" title="「オミクロン株」対応ワクチン">「オミクロン株」対応ワクチン</a>による追加接種が始まりました。12歳以上全員が対象です。

さらに接種間隔も<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4034.html" target="_blank" title="「3カ月以上」">「3カ月以上」</a>に短縮されることになりました。欧米での規定にならったものだといいます。

このように、たびたび接種間隔を前倒ししてきたのはもちろん、その方が有益だと考えられたからです。

なのでここにきて接種方針を「原則1年間隔」とするからには、その有効性についての十分な説明が必要です。

さらに過渡期はどうするのでしょう。前回は3カ月間隔で接種した、という方がかなりいらっしゃいます。

まずは、10〜12月に接種を受けた方の次の接種時期について、国は目安を早めに示してほしいですね。

コロナワクチンの接種に関する留意事項

「新型コロナワクチン接種に関する留意事項について(その2)」という通知が、先日保健所から届きました。

ワクチン接種率がまだ低迷する一方で、間違い接種も起きやすいことを踏まえて、改めての注意喚起です。

(1)接種間隔の誤り

当院でも、予約段階では接種間隔を誤っていた事例がありましたが、実際の過誤接種には至りませんでした。

接種券(済証)の現物を確認すればこの過誤は回避できます。接種直前の最終確認を省略してはなりません。

(2)初回接種(1,2回目の接種)にオミクロン株対応ワクチンを使⽤する誤り

「オミクロン株対応ワクチン」は追加接種専用。初回接種には「武漢株対応ワクチン」しか接種できません。

この、いまから接種を始める人の意欲をそぐような杓子定規なルール、なんとかなりませんかね。

(3)オミクロン株対応ワクチンを2回接種する誤り

私自身、10月に4回目の接種した方に、今月5回目の接種をお勧めしそうになりました。危ない危ない。

このような方には5回目の接種券が届かないはず。その点からも、やはり接種券の確認が大事ですね。

特別な経緯で承認された新ワクチンですから、何かあったときのためにも、規則通りの接種が重要です。

でも、(2)や(3)の過誤接種って、医学的に重大な被害が起きるとは思えないんですけどね。

インフルワクチンの接種枠がなかなか作れないシーズンでした

当院で使っているインフルエンザワクチンの予約サイトが、今年も利用者アンケートを実施しました。

毎年、皆さんの「ご意見」欄を読むのが楽しみです。そしていつも、反省したり元気が出たりしています。

例年とは異なる「良い点」を挙げるなら、「注射が痛くなかった」という意見が多かったことでしょうか。

今年は、消毒してから注射するまでの時間を「早く」、ワクチンを注入するスピードも「速く」しています。

「来るぞ!」「うっ!」「痛たた!」という一連の「恐怖の時間」を短縮したことが奏功したかもしれません。

一方で、予約時間通りに来たのに待たされたという意見も多く、これは申し訳なかったと反省しています。

また、せっかく早めに来てくれた方に、「3密」を避けるために駐車場に戻っていただいたこともありました。

そういった、全体の時間配分のまずさや、不都合が生じたときの説明が足りなかったと思っています。

今シーズン最大の問題は、ネット予約が取りにくかったことでしょう。苦情・苦言の大半がそのことです。

お子さんの2回目の予約がとれず、他院で接種した方も多数いらっしゃったようです。申し訳ありません。

接種予約枠が1回目の接種分ですぐ埋まってしまい、2回目を希望する多くの方にご迷惑をおかけしました。

コロナワクチンの接種も別の時間帯に行っており、インフルエンザ接種枠が多く作れなかったのが一因です。

またとくに日曜日には発熱外来の受診者が多く、ワクチンの接種を行うことがほぼ不可能でした。

年末の最終診療日である明日は、午後をすべてインフルワクチン接種に充てる予定ですが、焼け石に水ですね。

乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、まだわずかです

オミクロン株対応ワクチンの発症予防効果は71%だったことが、国立感染症研究所の分析で判明しました。

思いのほか良い数字だと思います。

面と向かって咳込まれたり、どうしても密着して診察する必要に迫られたとき、ワクチンの効果が頼りです。

毎日のように何人もの感染者と対峙している私は、防護具だけで感染が完璧に予防出来るとは思っていません。

ワクチンで獲得した免疫が、ウイルスを毎日適度に吸い込むことによって強く維持されていると考えています。

昨日行ったPCR検査43件のうち、陽性は32件でした。この陽性率74%は、第7波のピーク時に匹敵します。

ワクチンの接種が進んだ上での、この陽性率ですから、これまでよりも大きな波の到来になるかもしれません。

そんな中で、子どもへのワクチン接種が低迷しています。乳幼児に至っては、ほとんどゼロに近い接種率です。

定期接種時に親御さんに尋ねると、接種を前向きに検討している人がほとんどいません。

「悩み中」だと答える人もいますが、大半は「接種するつもりはない」という回答です。

遅ればせながら今週、当院では初めて乳幼児への接種を行う予定です。今日はそのワクチンが届きました。

配送してくれた方に尋ねると、乳幼児用ワクチンの配送はほとんどない、とのこと。

小児へのワクチン接種後の死亡事例が報じられ、そうでなくても低迷している接種が、ますます進みません。

オミクロン株対応でもないし、現時点で私は、乳幼児への接種を強く推奨する気にはなれないのです。

乳幼児の新型コロナワクチン、もしも接種を希望するならお早めに

乳幼児への新型コロナワクチンの接種は、希望者が少ないため、当院ではまだ始めていません。

また、いざ接種するとなると、他の年齢層の新型コロナワクチンとの取り違えを防ぐ注意が必要です。

専用の時間帯を作らなければならないので、とりあえず今月中に1枠だけ、接種日(接種枠)を作りました。

しかし1枠作ると、2・3回目用の接種枠を、1回目のそれぞれ3・11週間後に設定する必要があります。

熊本市から今日、「特例臨時接種期間満了に伴う留意事項について」という連絡メールが届きました。

新型コロナワクチンの予防接種法の特例臨時接種の実施期間は来年3月末までなのでよろしく、との内容です。

ということは、乳幼児の3回目を期限内に終わらせるには、1回目を1月13日までに開始しなければなりません。

いま接種を決めかねている方や考え中の方には、もし接種するなら、年明け早々がリミットだということです。

定期接種を受けに来る方にいつも尋ねているのですが、新型コロナワクチン接種の希望者はわずかです。

しかも具体的な希望ではなく、多分打つ、世の中の様子を見てから時期を決める、みたいな方がほとんど。

ワクチンは希望する数だけ配給されるはずなので、ワクチン不足で接種できないことはありません。

ただ、早く接種計画を立てないと、規定上、接種ができなくなってしまうかもしれません。

慎重に構え過ぎてていたら打ち損ねる可能性があります。悩んでいる方は、とりあえず早めにご相談ください。

「1バイアルで1人」の贅沢接種もやむなし

乳幼児(6カ月から4歳)に対する新型コロナワクチンの接種が、ひどく低迷しているようです。

対象者には先週までに接種券が届いたはずです。集団接種はなく、医療機関で接種を受ける必要があります。

しかし、接種実施医療機関として熊本市のサイトに掲載されている医療機関は、たった24カ所。

当院もそれに含まれますが、必ずしも、接種実施医療機関が少ないから接種が進んでいないとも思えません。

当院での接種を希望したり接種の可否を打診してくる方自体が、皆無ではありませんが少ないのです。

それに加え、ワクチン1バイアルが10人分なので、まとまった人数を集めなければ接種できません。

と思っていたら、ついに今日、市から次のような連絡メールが届きました。

「お一人以上の接種希望者がいる場合、ワクチンは必要なバイアル数を柔軟に配送いたします」

つまり、残り9人分は廃棄してもかまわないから、たった1人のために1バイアル使ってでも接種して欲しいと。

ワクチンの廃棄を気にしなくても良いなら、人数が集まらないので接種が進めにくかった問題は解決です。

これで、希望者1人単位で接種を計画できます。人数分のバイアルを消費するぐらいのつもりで臨めます。

ただし、小児用ワクチンは希釈が必要なので、オミクロン対応ワクチンよりも準備に時間がかかります。

できれば、成人〜高齢者のワクチン接種が一段落してからの開始に、させていただきたい。

ていうか、そちらの希望者がまだ多くて、しかもインフルもあるし、接種するための時間が足りないのです。

当院のような発熱外来に注力している医療機関には、ワクチン接種に割く時間がもうこれ以上作れません。