風疹1万人

「風疹はまだ1万人」と、田村厚労相は昨日、言い放ちました。

今年の風疹の累積報告数が、ついに1万人を突破したことを受けての発言です。

政府としては「特別の対応を取るところまではきていない」と、驚くばかりの消極的態度を示しています。

最も怖れていた、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-554.html" target="_blank" title="先天性風しん症候群">先天性風しん症候群</a>(CRS)は、今年すでに11人の新生児に発症してしまいました。

単純に計算すれば、1000人の風疹患者に1人の割合で、CRSが発症していることになります。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-619.html" target="_blank" title="何度も言います">何度も言います</a>が、風疹は、米国では年間に数人程度しか報告されないような、とてもまれな病気です。

先進国であるはずの日本で、1万人単位の流行となったのは、過去のワクチン行政の不備が原因です。

ワクチンを接種すれば確実に予防できる病気が、ワクチンを接種しなかったから流行しただけの話なのです。

今からでも、国を挙げて一斉に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-606.html" target="_blank" title="ワクチン接種">ワクチン接種</a>(無料)を行えば、今年の秋には患者数は激減するはずです。

そうすれば、新たなCRSの新生児も減らせます。

でも、それをやらない。まだその段階ではないというのです。つくづく「ワクチン後進国」だと思う。

「風疹はまだ1万人」なとど言ってる日本人のことを、「先進国」の人たちはどう思っているのでしょう。

勧奨接種差し控え

厚労省は昨日、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-604.html" target="_blank" title="積極的勧奨を差し控え">積極的勧奨を差し控え</a>ることを決めました。

接種中止に至らなかったことでホッとしましたが、問題は単純ではないようです。

報じられている副反応は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-592.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように「CRPS(複合性局所疼痛症候群)」というものです。

その報告数が、当初よりもかなり多いようなので、厚労省も動いたようです。いまのところ

「因果関係は不明ながら、持続的な痛みを訴える重篤な副反応が報告されており、発生頻度は調査中」

とのことで、その調査結果によっては、勧奨接種が再開するか、逆に接種中止の可能性もあり得ます。

因果関係は、おそらくあるでしょう。ただし原因は「ワクチン」ではなく「ワクチン接種」だと思います。

なぜなら、CRPSというのは「注射(針)の痛み」によって引き起こされると考えられているからです。

しかしそのような痛みを伴う接種法しかないのなら、それはそれでこのワクチンの問題点かもしれません。

だから定期予防接種ではあっても、接種を受けるかどうかは「任意」とすべきでしょう。

それが「積極的勧奨接種の差し控え」の意図するところなら、その通りだと私も思います。

医師は被接種者に対して、接種前に、CRPSを含む副反応について十分説明しなければなりません。

注射が痛いので、重大な副反応が引き起こされる可能性がありますよ、と教えてあげる必要があるのです。

でも、どうなんでしょう。接種の直前にことさら痛みを強調することが、逆効果にならないか心配です。

MRワクチン不足

毎日のように、成人の方が麻疹/風疹混合(MR)ワクチン接種のために来院されます。多くが<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-564.html" target="_blank" title="若夫婦">若夫婦</a>です。

風疹単独ワクチンが<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-554.html" target="_blank" title="品薄">品薄</a>のため、かわりにMRワクチンを接種していることは前にも書きました。

そのMRワクチンですが、厚労省はつい先日まで、ワクチンの供給量は十分だと言っていました。

ところがここにきて、MRワクチンも一時的に品薄になる恐れがあると言い始めたのです。情けない話です。

厚労省によると、今年4月と5月のMRワクチン(風疹単独含む)接種数は、それぞれ54万回と49万回でした。

年度初めには年長児の定期接種が集中するので、4月は45万回が定期接種で、任意接種は9万回だけでした。

ところが5月は、定期接種17万回に対し、任意接種が32万回と大幅に増加しました。

厚労省の試算では、6月以降の任意接種が月35万回の場合、8月中にMRワクチンは供給不足になるそうです。

甘いですねぇ。ヘタするとそれよりも早く品切れでしょう。

まず、風疹の患者数はうなぎ登りに増えています。接種希望者も、今後さらに増えると考えるべきです。

また、多くの自治体が接種費用の助成に踏み切ったり、助成の検討を始めています。

そのような地域では、接種者はますます増え、ワクチンの供給も集中するでしょう。

その一方で、熊本のような、助成を行っていない地域では、ますます供給不足になるような気がします。

MRワクチンは、こどもの定期接種ワクチンでもあるので、絶対に品切れにしてはなりません。

今回の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-292.html" target="_blank" title="風疹流行">風疹流行</a>は、昨年の夏ごろ始まり、大流行の兆しも見えていました。

その時点で、ワクチンの大幅な増産を始めたのでしょうか。

製造には時間がかかるというのなら、大流行に備えて日頃から十分な備蓄をしておくべきでしょう。

情けないことに、日本はまだ「ワクチン後進国」つまり「ワクチンで防げるはずの病気の流行国」なのです。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-23.html" target="_blank" title="麻疹">麻疹</a>がやっと減ってきたと思ったら、今度は風疹。昨年は2392人、一昨年も378人発生しています。

ちなみにWHOによると、この2年の米国における風疹発生数は、0人と4人、韓国でも27人と53人です。

ワクチンとADEM

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-592.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>(子宮頸がん予防ワクチン)接種後にADEMが3件起きたと、厚労省が先週公表しました。

「ADEM(急性散在性脳脊髄炎)」は、アレルギー性の急性脳脊髄炎です。

ワクチン接種後に発症することもありますが、ADEMの多くは、ウイルス感染の後などに起きます。

毎年、人口100万人あたり3人前後が発症しているとされてます。

平成17年、日本脳炎ワクチンの接種後に、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-604.html" target="_blank" title="重症ADEM">重症ADEM</a>が発生しました。

当時の日本脳炎ワクチン(旧ワクチン)は、マウスの脳を使って製造されていました。

ワクチンにはマウス脳由来の物質の混入が不可避のため、ADEMとの因果関係が疑われました。

同年5月30日、厚労省は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-23.html" target="_blank" title="積極的勧奨の差し控え">積極的勧奨の差し控え</a>」を通知。「接種はお勧めしませんよ」という意味です。

旧ワクチン接種後のADEMを集計すると、その発生率は100~200万回の接種に1回程度と計算されました。

平成21年6月に、乾燥<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-570.html" target="_blank" title="細胞培養">細胞培養</a>日本脳炎ワクチン(新ワクチン)が導入され、われわれも一安心しました。

原理上、脳組織の混入は無く、ADEMが発生しない(きわめて発生しにくい)と考えられたからです。

ところがフタを開けてみると、昨年9月までの3年余りの間に、接種後のADEMが11例報告されています。

これはなんと、131万回の接種に1回の割合です。新ワクチンになっても、ADEMは減っていないのです。

しかし考えてみれば、ワクチンを接種しなくても、毎年100万人に3人のADEMが発生しているのです。

ワクチン接種後に起きたADEMが、はたしてワクチンによるものかどうか、根拠には乏しいかもしれません。

さて今回のHPVワクチンですが、ADEM発生は276万回の接種に1回の割合でした。

諸外国と同程度の、十分に低い数値です。これもワクチンが原因かどうかさえ、ほとんど確証はありません。

それをわざわざ公表した厚労省って、いまだにADEM恐怖症に陥っているのかと思えてしまいます。

かつての日本脳炎ワクチンの時と同じ轍を踏まないように、祈るばかりです。

風疹ワクチン

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-554.html" target="_blank" title="風疹の流行">風疹の流行</a>を受けて、ワクチンを接種する成人の方が急増中です。

風疹ワクチンが全国で品薄のため、かわりに麻疹/風疹混合ワクチン(MRワクチン)を接種しています。

MRワクチンの供給は安定していますが、風疹単独ワクチンに比べて割高なのが問題。

関東地方などの多くの自治体ではすでに、成人へのMRワクチン接種費用の助成が行われています。

全額補助(=無料接種)のところも多く、うらやましい限りです。

熊本県では、今年に入って54人(5/26現在)の風疹の発生が報告されており、そのうち13人が熊本市です。

しかし現時点ではまだ、熊本市民への接種費用助成の話は出ていません。

一方で天草市では、まだ風疹は流行していませんが、一人5,000円の助成が早くも決まりました。

こういった対応の違いというのは、自治体や首長の理解と、医療関係者の努力の違いなのでしょう。

ちなみに熊本県の風疹発症患者54人のうち、男性が41名(76%)。全国的にも「男性優位」の状況です。

これは、過去のワクチン施策が、女性への接種を優先、というより男性への接種を軽視していたからです。

「風疹でこわいのは妊婦の感染による先天性風疹症候群(CRS)である」というのがその根拠です。

このこと自体に間違いはないのですが、行政の「想像力」が足りませんでした。

軽視された男性はいま、風疹の「感染源」となってしまったのです。

それで思うのが、子宮頸がん予防ワクチン(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-592.html" target="_blank" title="HPVワクチン">HPVワクチン</a>)です。

現在、中1から高1の女子だけを対象に、定期接種を行っています。

将来の「感染源」のことは考えていないようです。

疑わしきは接種?

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種後の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="副反応">副反応</a>(副作用)に関連した<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-592.html" target="_blank" title="報道">報道</a>が続きます。

このワクチンには批判的な意見を言う人も多い中で、厚労省は接種継続を決めています。

「予防接種副反応」というのは、ワクチン接種後に起きた有害事象をひっくるめたものです。

そこに「因果関係」の存在は必要なく、接種と事象の「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-397.html" target="_blank" title="前後関係">前後関係</a>」さえあれば、副反応として報告されます。

因果関係が、科学的に否定も肯定もできない場合には、「因果関係は否定できない」という言い方をします。

するとたいていは「疑いがある」とか「疑わしい」というニュアンスで報じられます。

問題はここから。では、疑わしい場合に、国はワクチン接種をどうすべきなのか。

「疑わしきは国民(被接種者)の利益に」とするなら、その「利益」とは何を意味するのでしょうか。

(1)短期的利益:副反応の疑いが晴れるまで、一時的に接種を中止し、国民を副反応から守る。

(2)長期的利益:副反応の疑いが明確でないのなら、予防接種は続行し、国民を感染症から守る。

8年前、日本脳炎ワクチン接種後の重大な副反応を契機に、厚労省は(1)を選択しました。

2年前、ヒブワクチンなどの接種後に死亡例が相次いだときにも、厚労省は(1)を選択しました。

日本脳炎ワクチンの中断は、当時WHOから非難され、さらに3歳の日本脳炎患者が出て問題となりました。

ヒブワクチンの中断も1カ月で撤回。その間にヒブ髄膜炎を発症するこどもが出ました。

今回厚労省は、HPVワクチンについては(2)の対応をとっています。

日本脳炎ワクチンやヒブワクチンのときのミスジャッジに、懲りたのでしょうか。

HPVワクチン問題

「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」接種後の副作用が、問題になっています。

以前は「子宮頸がん予防ワクチン」とよばれ、先月から<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-545.html" target="_blank" title="定期予防接種">定期予防接種</a>に加わったばかりのワクチンです。

連日報道されているのは、体の広範囲に痛みや腫れやしびれが生じて、歩行困難になった女子中学生の事例。

「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」という疾患が疑われています。

HPVワクチン接種後のCRPSは、日本ではこれまでに3人に起きており、その確率は828万分の3です。

CRPSというのは、何らかの痛みがきっかけで交感神経が過剰に緊張し、疼痛の悪循環が広がる病気です。

ワクチン接種後に起きるCRPSは、ワクチンの成分ではなく、注射の針の痛みが原因と考えられています。

HPVワクチン接種とCRPSとの因果関係は、やや濃厚かもしれません。

しかし厚労省は、このワクチンの接種を継続する方針です。その理由は、

(1)828万分の3が多いとは言えない

ワクチンによるHPV感染症の予防の方が、相対的に意義深いということです。

(2)ワクチンの成分による副作用ではない

他の注射でも起こり得ることなのです。現に、インフルエンザワクチン接種によるCRPSの報告もあります。

HPVワクチンは、日本の一般的な他のワクチンとは異なり、筋肉注射をします。皮下注射より痛いです。

しかもこれを3回行います。1回目で痛みを経験した後の2回目は、さらなる恐怖を伴うかもしれません。

接種後に失神するケースが相次ぎ、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-75.html" target="_blank" title="かつて問題になった">かつて問題になった</a>こともありましたが、これも痛みが原因でした。

HPVワクチンの定期接種対象は、中1から高1の女の子。針の痛みにもひどく敏感な年頃なのでしょう。

もっと痛みの少ない、または痛みの無い接種法は開発されないものでしょうか。

妊娠の可能性

日頃の診療において、患者さんが女性の場合には、妊娠の有無や授乳の有無を確認しています。

内服薬や注射薬を処方する上で、注意が必要だからです。

最近の風疹の流行を受けて、妊娠を希望する女性のワクチン接種が増えました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-554.html" target="_blank" title="前にも書いた">前にも書いた</a>ように、妊婦の風疹感染は絶対に防がなければならないので、ワクチン接種はとても重要です。

第一に妊婦を希望する女性、さらにその周囲の家族も同様に接種を受けて、全員で風疹を予防すべきです。

問題は、もう何度も繰り返して言いますが、妊娠中には接種ができないということです。

なぜなら、風疹ワクチンの接種によって、風疹感染と同様の合併症を引き起こす可能性があるからです。

ただしこれは、理論上の話。

実際にワクチン接種によって先天性風疹症候群を発症した事例は、いまだかつて報告されていません。

もちろん、理論上危険性があれば、避けられるものは避けるべきでしょう。

しかしまた、接種の延期は風疹予防を先延ばしにすることになり、感染のリスクが犠牲となります。

妊娠がはっきりしていれば、当然ワクチン接種はしません。

難しいのは、「妊娠している可能性は完全には否定できない」といった、あくまで可能性レベルの場合。

大事をとって、接種を延期するのが通常ですが、接種の延期にもリスクがあることを忘れてはなりません。

関東や関西を中心に大流行している風疹は、人の移動とともに全国に広がっています。

とくに、お隣の鹿児島県での報告数は、関西をしのぐ勢いなので、熊本も安穏としてはおれません。

「妊娠の可能性」と「感染の危険性」をどう天秤にかけたらよいのか、ケースバイケースの難しい問題です。

月齢と接種回数

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-542.html" target="_blank" title="ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン">ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン</a>には、接種回数に起因する問題点があると、私は常々思っています。

いずれも生後2カ月から接種を開始するのが標準で、乳児期に3回と1歳で1回の、計4回接種します。

しかし、生後7カ月を過ぎて接種を始めた場合、接種回数が1回減り、計3回となります。これが問題。

ヒブも肺炎球菌(病原性の強いタイプ)も、細菌性髄膜炎など小児の重症感染症を引き起こす細菌です。

髄膜炎などの発症は、母親からの移行免疫が消える生後4カ月以降から、どんどん増えてきます。

生後7カ月から接種回数を減らす理由は、それまでにある程度「自然免疫」が付くだろうと考えるからです。

自然免疫というと聞こえはいいですが、つまり、ヒブや肺炎球菌に「自然感染」してしまうということです。

この自然感染で、髄膜炎を発症しなかったとすれば、それは単にラッキーだったと思わなければなりません。

自然感染をする前までに、免疫をつけておくことこそ、乳児期の予防接種の本来の目的です。

それなのに「生後7カ月まで待ったら、接種回数を減らせる」という考えの方に遭遇することがあります。

同様に、1歳になるとさらに接種回数が減るので、誕生日まで待って接種する方もいらっしゃいます。

どうやらワクチンというものは、少し待ってでも、接種回数をなるべく減らしたいようです。

有料接種なら「規定の接種回数が減るまで待つ」という考えも理解はできますが、無料なのになぜ待つのか。

そこには、予防接種のマイナス面(<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-264.html" target="_blank" title="副反応">副反応</a>)への不安や懸念があるからでしょう。

どの月齢で接種を始めても回数が変わらないのなら、開始を遅らせるという発想は起きなかったでしょう。

つまり、接種開始月齢によって回数が変えてあることが、接種を遅らせている大きな要因だと思うのです。

予防接種法改正

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-542.html" target="_blank" title="予防接種法の一部を改正する法律">予防接種法の一部を改正する法律</a>」が一昨日公布され、本日から施行されました。

予防接種法の第二条第二項で、新たに「A類疾病」と規定された疾病を確認してみます。各号は原文のママ。

 一 ジフテリア

 二 百日せき

 三 急性灰白髄炎

 四 麻しん

 五 風しん

 六 日本脳炎

 七 破傷風

 八 結核

 九 H i b 感染症

 十 肺炎球菌感染症(小児がかかるものに限る。)

 十一 ヒトパピローマウイルス感染症

今回の改正で最後の3つが追加され、これらに対する予防接種が、新たに「定期の予防接種」となりました。

それにしても、法律の文章って、めんどくさい。

九号は、アルファベットの「H i b」です。「ヒブ」としなかったのには、お役所の論理があるのでしょう。

十号の(  )の中の句点は、一般の日本語文章では間違った用法ですが、法律文では基本的用法です。

十一号は、子宮頸がんの原因となる感染症です。なぜ「H P V感染症」としなかったのかは不明です。

それよりも何よりも、この法律の中で、やたらに目に付くのは、仮名遣いの「改正」です。

第何条の「当たつて」を「当たって」に改めるとか、第何条の「行つて」を「行って」に改めるとか。

促音の「つ」を「っ」に改めることぐらい、いちいち条文に書かずに、黙ってやってほしい。