暑さよりも寒さよりも、雨の発熱外来がイヤ

この連休は発熱外来です。しかも雨です。明日も雨らしいです。嫌いですね、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4319.html" target="_blank" title="雨の発熱外来">雨の発熱外来</a>は。

院内の隔離診察室(陰圧室)が一部屋しかないので、院内だけでは発熱者の診療がさばけません。

なので多くの発熱者は駐車場での診療となり、コロナやインフルや溶連菌等の検査も自家用車内で行います。

となると、院内と駐車場を早足で何十往復もすることになります。今日は滑って<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3372.html" target="_blank" title="転ばないように">転ばないように</a>注意しました。

猛暑で熱中症気味なった日もありました。極寒で雪が舞う中でも駐車場に行ったり来たりしました。

しかしとくに困るのは雨ですね。この夏はまるで熱帯地方のように、スコール(ゲリラ豪雨)が降りました。

それと比べれば、今日のようにシトシト降る雨など、可愛いものです。ただ、傘を差すのが面倒なのです。

傘を差し、カルテ(病歴ファイル)を持ちながら、しかも綿棒で鼻咽腔を拭うには、高度な技術が必要です。

その綿棒が1本だけ(=検査が1種類で1人だけ)なら、自分1人でなんとかこなせます。

しかし複数の検査や複数の患者さんの検査を一度に行うとなると、かなり厳しい。

そんな場合は、看護スタッフを付き添わせて、検査を介助してもらうこともあります。

でも今日の私は、綿棒2本を角度を付けて片手で持つという、ほぼD難度の技を繰り出し続けたのでした。

もしクリニックを建て直すなら、複数の陰圧診察室と、ドライブスルー検査ができる駐車場を作りたいですね。

ていうか、また新たな病原体によるパンデミックなど、もう想定したくないのが本音ですけど。

開院16周年

つるはらクリニックは、開院16周年を迎えました。

これもひとえに、皆様方の温かいご支援のおかげです。厚く御礼申し上げます。

勤務医から開業医に転身した16年前、私の使命は近隣地域の方々への丁寧な医療の提供だと考えていました。

小児心臓外科という、かなり専門的で特殊な分野に身を置いていた私からすれば、大きな転機でした。

当初は、夜9時10時頃まで平気で診療していましたが、いまでは、ほぼ定時頃には終わるようになりました。

働き方改革など時代の流れもあり、また私が長く診療を続けられるためでもあります。どうぞご理解ください。

熊本地震では、とにかく近隣の患者さんの診療を続ける事だけに集中し、断水中でも休診はしませんでした。

いま思えばあの地震がきっかけで体の力が抜け、変な欲がなくなり、自然体で診療できるようになりました。

もうこれ以上の災難には一生遭遇することもなかろうと思っていたら、コロナです。

コロナ禍によって、医療だけでなく社会のすべてが打撃を受け、子どもたちのだいじな時間を奪いました。

土日診療が当院のウリなので、いまは医療提供体制の手薄な土日祝日の発熱外来に、力を入れています。

もうそろそろ通常診療に戻るかと思いきや、昨日も今日も受診者が多く、コロナはまだまだ先が見通せません。

世の中はすでにウィズコロナに向かっていますが、医療分野のウィズコロナって、実は危ういものなのです。

コロナを恐れない開放的な方と、基礎疾患のある方や高齢の方とのニアミスが、むしろ起きやすくなりました。

そんななかで当院は今日、開業16年の日を迎えました。そしていつのまにか、私は63歳になっています。

まだまだ体力も気力も十分あると思っていますが、少し力を抜いて、自然体の医療を続けたいと願っています。

17年目のつるはらクリニックも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

とりあえず、1月〜9月のコロナを振り返ってみる

明日から、発熱外来における発熱者や感染者の診療に関わる診療報酬が、大幅に減額されます。

コロナが「5類化」されて数カ月経ちました。発熱外来で認められていた特例加算も終了へと向かっています。

感染防御のための防護具や診療上の工夫や配慮は、今後は普通の風邪程度でいいよ、ということでしょうか。

というわけでこの節目に、今年これまでの発熱外来を振り返ってみました。

当院では1月12日から、外部委託のPCR検査をやめて、自院での遺伝子検出検査(NEAR法)を始めています。

そこで、5類化前の1/12〜5/7を「前期」、5類化後の5/8以降を「後期」として、データを比較してみました。

NEAR法検査総数は2,035人。前期が953人(1日平均8.22人)、後期が1,082人(同7.41人)でした。

陽性者は、前期209人(陽性率21.9%)に比べると後期は465人(43.0%)と、陽性率が倍増しています。

5類化後に検査費用に窓口負担が生じるようになり、より疑わしい人が検査を受けたためかもしれません。

逆に言うなら、検査が無料だった頃には、今よりも安易に検査を行うことが多かったということでしょう。

陽性者のうちの65歳以上は、前期18人(8.6%)、後期34人(7.3%)と、大差はありませんでした。

18歳以下では、前期85人(40.7%)、後期128人(27.5%)と、前期は小児が多かったことを思い出します。

コロナとインフルエンザを同時検査して両方とも陽性だった人は、前期8人、後期2人。

いまインフルエンザの流行が話題ですが、2月〜4月頃にもインフルは流行していたんですよね、そう言えば。

明日からはコロナ治療薬の自己負担が必要になるので、検査を受ける人が減る可能性はあります。

そのために、受診者自体もおそらく減るでしょう。これもまた、ウィズコロナへ向けての世の流れなのか。

ちなみに私は今日、7回目のコロナワクチン接種を受けました。いまズキズキ痛んで、効いてる気がしてます。

すでにインフルエンザの流行へとシフトしています

最近の日曜日と祝日は、当院は朝から夕方までノンストップで診療をしています。

職員はなんとか交代で休憩を取りますが、私の休憩はトイレぐらいで、水分補給の頻度も減らし気味です。

そのかわり18時過ぎには診療を終了します。かつてのように深夜まで診療するなど、今ではあり得ません。

毎週日曜と祝日のことですから、無理をするとカラダがもたないのです。

ところが、「休日当番医に断られた」と当院に電話して受診を求める方が、いつも日曜日には何人もいます。

当番医も忙しいでしょうけど、年に2回程度のことですから、1人も断らずにとことんやっていただきたい。

というのは冗談ですよ。当番医の応招義務よりも、医師や職員の健康上の理由の方が優先すると思います。

昨日と今日の2日間は、生活習慣病等の一般外来受診者も多かったので、発熱外来受診者は91人でした。

そのうちコロナ検査(NEAR法)は48人に行い、陽性者は14人。陽性率は29.2%と、かなり減っています。

一方でインフルエンザの抗原検査は53人に行い、陽性者は24人。陽性率は45.3%と、激増中です。

コロナの検査数だけでなく陽性率も減っていることは、コロナ感染者自体が減っていることの証でしょう。

その反対に、インフルエンザが増えていることは間違いありません。あちこちの学校で学級閉鎖も出ています。

ずっとインフルが流行せず、免疫力が低下したため感染が拡大しやすいと言われますが、その通りでしょう。

インフルエンザワクチンの接種は、その低下した免疫を挽回してくれるので、今回はすごく重要だと思います。

そのような特殊事情を考慮すると、今シーズンに限り、全年齢層に2回接種を認めても良いと思います。

ついにインフルがコロナを抜いた?

「3秒で終わるよ」

そう言って、お子さんの鼻に綿棒を入れてグリグリします。親御さんには、体と腕と頭を固定してもらいます。

コロナもインフルエンザも、当院の検査は全て、鼻咽腔ぬぐい液によって行っています。

「はーい、じゃあ数えるよ、さーん、にーい、いーち、ぜーーーろ、はーい、じゃあ、ぬきまーす」

綿棒挿入時間は結局、10秒程度です。どこが3秒やねん、と苦情が出そうです。大人はズルいですね。

発熱外来受診者が多いことは昨日も書きましたが、日曜よりも多いのが祝日です。

土日診療している医療機関でも祝日は休診することがほとんどなので、祝日はもっとも医療が手薄になります。

インフルの台頭については昨日書いたばかりですが、状況はすでに進展しつつあります。

陽性診断の人数で言うと、昨日はコロナ陽性16人に対しインフルエンザ陽性は5人でした。

ところが今日の陽性者は、コロナ12人に対してインフル13人と、インフル激増です。

このコロナ禍で、インフル陽性者がコロナ陽性者より多かったのは、今日が初めてかもしれません。

決してコロナ感染者が減っているわけではなく、つまり、インフルが大流行し始めたということです。

もしかすると来月には、コロナをかき消すほどの勢いになるかもしれません。ともかく、早めにワクチンです。

猛暑と豪雨と喧噪の中での発熱外来

当院が日曜に発熱外来をしていることが広く周知されているようで、近隣町村からも発熱者が集まってきます。

いまの第9波では比較的高熱の方が多く、そこへインフルエンザの方も加わり、ひどく混沌とした状況です。

やむなく今日は昼休みを返上して夕方までノンストップの、しかも猛暑と豪雨の入り交じる発熱外来でした。

エアコンは入れているとはいえ、炎天下の駐車場の車の中で順番を待っていただくのは忍びないですね。

しかしその駐車場と院内を、防護具フル装備で行ったり来たりしている私も、かなり暑いです。

さらに、お隣に「飾り馬」がやって来て、猛暑のなか、鉦やラッパが鳴り響いてきます。

今日はサンピアンではなく、フェンスを隔てた隣接地の店舗の駐車場なので、とにかく音が近くて大きい。

それがしかも<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4361.html" target="_blank" title="例のBBQの店">例のBBQの店</a>なので、まるで炭火の熱風が押し寄せるごとく、異様に熱く感じます。

ところが14時過ぎから、雷鳴が聞こえたかと思ったら、久々のゲリラ雷雨が始まりました。

雨雲レーダーアプリで見ると、当院の場所の雨雲の表示色は「紫」。最高強度の豪雨じゃないですか。

と、そんな波乱の発熱外来でしたが、受診者は47人。

コロナ遺伝子検査(NEAR法)を行ったのは21人、陽性12人(陽性率57%)と高率でした。

インフルエンザ検査(抗原検査)は22人に行い、陽性5人(23%)。これも最近ではかなり多い方です。

来週からはコロナの新ワクチン(XBB.1.5対応)、来月からはインフルエンザワクチンの接種が始まります。

発熱外来受診者が増えているのに、時間帯分離を徹底してワクチン接種枠を作るのは、なかなか大変そうです。

コロナは下げ止まり、インフルは激減

日曜日は、診療を終えて帰宅して風呂に入り、大河ドラマ『どうする家康』を観ながらビールを飲み始めます。

やがて夕食に移行して、『VIVANT』(TBS)と『事件』(WOWOW)を観終わると、23時になります。

それから始まるのが、ブログネタとなる「コロナ総括」なので、日曜日の夜はけっこう忙しいのです。

当院の発熱外来の、7/30から今日までの毎週日曜日の「陽性者数/コロナ検査数(陽性率)」の推移は、

14/23(60.9%)→13/23(56.5%)→休診→15/27(55.6%)→13/27(48.1%)、でした。

陽性率はジワジワ減っているようですが、激減というわけではありません。

同じ時期の、熊本県の毎週の「定点あたり報告数」の推移は、

24.66→22.41→16.43→16.60→(8/21-27は未集計)と、やや下げ止まった印象があります。

東京都も似たような推移ですが、北日本ではまだ増え続けているようです。

周囲にコロナはいないという陽性者には、そういえば家族が風邪を引いていた、という方がけっこういます。

たぶん、家族もコロナだったのでしょう。たいていは全員が軽症なので、あえて確認検査などはしません。

インフルエンザの検査を希望して来院された高熱の方の中からも、相変わらずコロナ陽性者が出ます。

一方でインフルエンザ陽性者は、昨日は1人いましたが、今日はゼロでした。インフルは激減しています。

コロナ濃厚接触者が発熱したら、成人ならもうコロナと考えてください。インフルの可能性はほぼゼロなので。

お盆明けにコロナは増えているか

カンカン照りの猛暑かと思えばゲリラ雷雨。駐車場を利用した発熱外来では、今日もまたびしょ濡れです。

滑って転んでギックリ腰を誘発した<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4319.html" target="_blank" title="先日の件">先日の件</a>をふまえ、今日は細心の注意を払って歩き回りました。

新型コロナの「定点あたり報告数」は、全国的に7/24〜30の週をピークに、ゆっくりと減少しつつあります。

熊本県の、5類化以降の毎週の報告数の推移は、5/8〜14の週から8/7〜13の週まで順に、

2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75→9.58→11.99→15.93→22.05→24.66→22.41→16.43

と、7/24〜30がピークですが、8/7〜13の週の急減はお盆休みで検査数が少なかったせいもありそうです。

当院での毎週の感染者数の推移は、残念ながらお盆に長く休診したせいで、データがあてになりません。

そこで、日曜日に絞って、遺伝子検出検査(NEAR法)の検査数と陽性者数を比較してみました。

全国的に感染者がピークだった週の日曜日の7/30は、検査数23人のうち陽性14人(陽性率60.9%)でした。

翌週の日曜8/6は、検査数23人中の陽性13人(陽性率56.5%)。その次の8/13は、すみません、お休みです。

そして今日8/20は、検査数が27人と増え、陽性は15人だったので陽性率は55.6%でした。

当院の数字からは、お盆明けにまた感染者が急増してきた風には見えませんが、横ばいに近い印象です。

検査を希望しない発熱者がさらに増えていることを考慮すれば、感染は再拡大中なのかもしれません。

今年も長い盆休み

当院は昨日から、お盆休み中です。地域の皆様や発熱外来受診希望の方々には、ご迷惑をお掛けしています。

今年は、金曜・火曜の定期休診日に3日間の臨時休診日をはさみ、8/11(金)〜15(火)の5連休となりました。

昨年も同様に、8/12(金)〜8/16(火)の5連休でした。その間に、父の一周忌の法要と初盆をしました。

一昨年は、8/13(金)・14(土)の2日間だけの盆休みでしたが、それが父のお通夜と葬儀の2日間となりました。

診療には穴をあけずに済みましたが、なにかとバタバタして、とてもタイトな2日間でした。

その時思ったのは、自分や家族や、そして職員には、時には長めの連休が必要だということでした。

お盆休みは来年以降も5連休にすることになるでしょう。そしてそれは年末年始も同じです。

そのほかに近年は、祝日診療(火曜・金曜以外)を続けるかわりに、平日に休診日を設けることも増えました。

医療機関に限らず、暦通りに仕事をしている職場にとって、祝日というのはご褒美のような存在でしょう。

祝日は、土日診療している医療機関でもたいてい休診するので、地域医療がいちばん手薄になりやすい日です。

そこで当院は、祝日そのものはできるだけ診療し、他の医療機関が診療している平日に休むことにしたのです。

ただし盆休みと年末年始だけは例外。他院並みまたそれ以上休診させていただいております。ご了承ください。

「5類化」によって感染対策を緩和した医院が多いらしい

「5類化」によって開業医はどう変化したか。

医療従事者用のサイトで行われたアンケート調査の回答を見ながら、当院の実情と突き合わせてみます。

「発熱患者の受け入れ制限を緩和した」

そのような回答が多かったようですが、元々受け入れ制限をしていなかった当院からすれば、複雑な心境です。

でも動線分離ができない等の理由で、いまなお発熱患者の受け入れを断っている医療機関もあります。

「受付のパーテーションを止めた」

当院はまだ止めていません。多少のデメリットがあるとしても、まだ感染者が多い現状では止められません。

予約なしで受付まで入り込んでくる発熱者もいます。そのような方は、むしろこれから増えるかもしれません。

「発熱患者の診察時のガウン着用を止めた」

私はまだ、ガウン+マスク+フェイスシールド+キャップ+手袋、という完全装備を続けています。

診察中に、不意にこちらに向かって咳込まれたりすることがあり、飛沫を浴びることだけは避けたいのです。

「コロナ検査をするかどうかは患者の希望次第にした」

当然、ていうか元々そうでしょ。でもたしかに、有料にもなったし、検査を強く推奨することは減りましたね。

コロナ感染の疑いのある方がそれを意識して行動するのなら、診断を確定する必要は必ずしもありませんから。

高齢者や基礎疾患のある患者さんがいつも待合室にいる当院では、まだ感染対策の緩和は難しいですね。