勤務医は、残業も引越も大変

羽田行きの機内で(たまに)CAさんと話していると、「来月はホノルルなんです」などと言う方がいます。

ANAのCAさんは通常、国内線・国際線分け隔てなく、様々な路線に乗務するようですね。うらやましい。

世界各国に行ける、と言えば楽しそうな仕事ですが、家庭の事情等で国際線乗務が厳しい方もいるでしょう。

海外がダメな方は最初から採用されないので、入社したからにはあちこちに「飛ばされる」のは覚悟の上です。

一般のサラリーマンでは、毎日勤務地が変わることはないかもしれませんが、やたらと出張の多い方はいます。

また転勤・異動はよくあることで、引越や単身赴任を余儀なくされます。

これは勤務医も同じ。大学の「医局」に所属している限り、医局命令で定期的に、あるいは突然動かされます。

私の場合、1985年の入局から2001年赴任の熊本市民病院まで、合計12の職場を行ったり来たりしました。

大学→大学→公立→大学→民間→大学→民間→大学→大学→民間→大学→公立、という変遷です。

医局に所属しているとは言え、実際の身分は、文部教官だったり公務員だったり民間人だったりします。

それぞれの勤続期間が短いため、雀の涙程度の退職金を何度もいただくことになりました。

この間の引越回数は8回。そのため長女は3つの小学校を経験しています。

さて、開業してからはすでに16年半近くが経ちました。「転勤」とも「引越」とも無縁になったわけです。

もう、見知らぬ土地に移り住むこともないのかと思うと、どこかちょっと寂しい気もします。

というわけで、せめて、あちこち旅行して回ってやろうって話です。

近隣の小中学校は学級閉鎖だらけ

この日曜・祝日の2日間、発熱外来の受診希望者(からの電話等)はかなり多く、当院のキャパ一杯でした。

診療や検査の順番は、基本的には予約受付順ですが、病状等によって診療順を調整しています。

(1)病状のとくに重い方は、早めの診療順とする(その分、軽症者は遅くなる)

(2)インフルエンザの検査希望の方は、発症(発熱)時刻から一定時間を経た後に来院していただく

重症で手に負えない可能性のある方は、予約電話の時点で、救急病院の受診をお勧めすることになります。

発熱者の点滴は、隔離室のやりくりが困難になるため、申し訳ありませんが最近は原則として行っていません。

緊急性がまったくないけど、休日しか受診できないという方からの予約は、なかなか悩ましいものです。

血圧の薬が切れるから出してくれ、という他院通院中の方には、医学的にどうしても必要なので処方をします。

しかし不眠症等の場合、発熱外来の枠を減らしてでも受け入れるかどうかは、ケースバイケースです。

救急病院の「コンビニ受診」を減らすために、当院は開院当初から土日祝日の「コンビニ」を続けてきました。

しかし今や発熱外来の受診者が多過ぎて、非発熱の軽症患者さんの受け入れはなかなか難しい状況です。

以前は、外傷の縫合処置などもやっていましたが、もう何年もまったくやっていません。

たぶん、私の外科手技も下手くそになっていると思います。なので今後はもう縫合はできないかもしれません。

コロナ禍でバタバタしているうちに、やってる医療の幅が狭まってしまいました。これじゃイカンですね。

と思いながらも、発熱外来の受診者は一向に減る雰囲気がありません。近隣の小中学校は学級閉鎖だらけです。

この先いったい、どうなるんでしょう。いまだに先が見えません。

明日は「主賓」です

明日は、当院スタッフの結婚式・披露宴に参列します。

この数年、新郎または新婦の父としての参列が続きましたが、今回は久しぶりに「主賓」という立場です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-15.html" target="_blank" title="前回">前回</a>主賓として招かれたのは、もう14年近く前のことでした。さて、衣装をどうしようかという話。

父親としての服装は、いつも「正礼装」であるモーニングでした。もちろん、すべてホテルの貸衣装です。

一方で今回は「自前」の衣装です。その分、間違いがあってはならず、かえって緊張します。

主賓は「準礼装」がマナーとされますが、「ディレクターズスーツ」ではなく「ダークスーツ」にしました。

ディレクターズスーツほどやり過ぎず、その代わりダークスーツには「小物」で工夫しようという考えです。

メインの「ダークスーツ」は、さいわい手持ちのものがピッタリサイズでした。良かった。

シャツは、タキシードにも使う「ウイングカラー」の「ダブルカフス」にしました。これも手持ちがあります。

しかし気の利いたネクタイがないので、この際「バロックタイ」を購入しました。幅広の短いヤツです。

となると、「ベスト」が無ければちんちくりんになってしまうので、新規購入。

ついでに、ポケットチーフとハンカチと靴下と靴まで新調しました。

夕方には髪をカットし、髭(くちひげ)・鬚(あごひげ)・髯(ほおひげ)と眉毛の手入れもしました。

ついでに言うなら、耳毛と鼻毛もカットしました。

さて、準備万端です。あ、そうそう。スピーチ考えなくっちゃ。

褒めながら苦言を呈す

「子どもは叱らず、褒めて伸ばそう」なんて言ったりします。

これを受け手の側から言えば、「叱られても気にせず、褒められて伸びよう」という姿勢でよいのでしょうね。

ネットのクチコミを(たまに)見ると、当院への厳しいクレームもあれば、優しい褒め言葉もあります。

私はいつも、「苦情は気にせず、嬉しい投稿だけを真に受ける」スタンスです。勝手な解釈ですみません。

苦情というのはたいてい、何かのキッカケでイヤな目に遭った方が、その怒りの勢いで書いています。

舌鋒鋭いというよりも険悪で、書き間違いや「てにをは」も気にしないぐらいに書き殴っていたりします。

もちろん、当院の「何か」問題点を浮き彫りにする材料にはなり得るので、無視せずありがたく拝聴します。

ただし私は、一方的で感情的な匿名のクレームには、原則として表立っては反応しない方針です。

反対に、褒め言葉をわざわざ投稿してくれる方には、当院への愛情を感じます。なのでとても嬉しいものです。

ですがそういう方が、「でもこの1点はちょっと・・・」と書き加えていたら、それはとても大事な意見です。

基本的に褒めているスタンスの方が最後に添えたひと言は、単なる苦情ではない親身の苦言だと感じます。

これはクチコミに限らず、誰かに何かを口頭で意見する場合でも同じですね。

「発熱」外来なのに寒い

最近の発熱外来の混み具合は、以前の流行期(第8波や第9波)に近いものがあります。

今日も午前中は「非発熱外来」、昼前以降はラストまでビッシリと発熱外来となりました。

日曜祝日は休憩無しのノンストップ診療となることが多いので、今日は忘れずに栄養ドリンクを準備しました。

ていうか、実は買い忘れてたのを今朝思いだし、出勤途中コンビニで買いました。

ていうか、実はコンビニに寄るのを忘れて、クリニック到着後にまた引き返してコンビニに行ったのでした。

発熱外来で院内隔離室を使うのは特別な事情がある時で、たいていは駐車場で検査を行います。なので寒い。

ヒートテック「超極暖」の上にTシャツを着て、その上に白衣を着て、その上にガウンを羽織りますが、寒い。

何度も何度も手をアルコール消毒するので、手が冷えます。ニトリル手袋では温まりません。

毛髪のボリュームも決して多くはないので、頭も冷えます。不織布のキャップには保温効果が全くありません。

フェイスシールドは、冷たい風から顔面を守ってくれますが、強風が吹くと顔に張り付いてひどく冷たいです。

今日の陽性診断数は、新型コロナ9人、インフルエンザA型6人、B型11人でした。

コロナが爆発的に増えている印象はありませんが、減る気配もありません。

B型インフル陽性者のうち4人は、半年以内にA型インフルの罹患歴がありました。

明日は今日よりも冷えそうですね。1年ぶりにヒートテックのタイツ(股引き)も着用する予定です。

以前から「電熱インナー」とかも気になってるんですが、なかなか買う勇気がありません。

最初から笑顔の方は、たいてい体調良好

生活習慣病の方は、いまはたいてい今年最初の受診なので、診察は正月の挨拶から始まります。

その挨拶の口調や表情や歩き方で好調か不調かわかりますが、いちおう体調はいかがでしたかと尋ねてみます。

すると思い出したように、そういえば最近コロナに罹りました、などという話が飛び出すこともあります。

たいていは完治後の来院ですが、その病歴を受付では話していない場合もあって、診察時にヒヤッとします。

年末年始で体重が増えた方も多く、正月明けに血液検査の予定が来た方には、不運です。

今回悪い数字が出たとしても、それを戒めに今後頑張っていきましょう、などとあらかじめ励ましたりします。

転倒して腰を傷めたとか、膝をケガしたとか、顔を打って「お岩さん」になった、と言う方もいます。

比較的軽い打撲や外傷でも、抗凝固薬を服用中の方だと、かなりひどいことになります。

高血圧症で治療中の方だけでなく、生活習慣病の方にはなるべく、毎日の血圧を測って記録してもらいます。

その血圧手帳に毎日の朝晩の血圧が記録され、しかもグラフにしてあれば、血圧の推移が一目瞭然です。

そのグラフの線が定規で引かれ、なんなら収縮期と拡張期を別の色の線で描いている方もいます。すばらしい。

一方で、受診前2,3日の血圧だけが記載されている方もいて、でもわかります。面倒なんですよね。

かく言う私も、健康管理のために時々血圧を測りますが、週にに2,3回程度ですから他人のことは言えません。

持続可能な診療ペースで

発熱外来めっさ増えてます。コロナも多いし、インフルエンザはB型が主流になってきました。

日曜日には、診療開始時刻のだいぶ前から、予約無しの患者さんが駐車場で待ち始めたりします。

でも申し訳ありませんが、当院は完全予約制です。動線分離や時間帯分離を徹底するため、予約厳守なのです。

とくに日曜の午前中の前半は、血液検査のある生活習慣病の方の予約枠なので、割り込みはできません。

とは言え、あまりにも早くから来院されている方は、病状によっては、朝いちばんに診察することになります。

そのような方が1人か2人なら良いのですが、それ以上に増えると、予約制の枠組みが崩れてしまいます。

なのでせっかく来院されたのに申し訳ないですが、予約だけ受け付けて、いったん帰宅していただきます。

熊本市の休日当番医の診療人数データを見ると、どの医療機関も頑張っていて、1日100人超えも目立ちます。

診療内容(検査内容)の詳細はわかりませんが、発熱外来を100人したとすれば、これは大変なことです。

そこで今日は、できるだけ多くの予約を取ろうと試みましたが、結局はキャパオーバーになってしまいました。

診療人数は76人と驚くほど多くはないのですが、患者さんもずいぶんお待たせし、終了は夜になりました。

どうやら当院の発熱外来は、1時間8人ペースが限界のようです。100人やるなら12時間半かかる計算です。

かつて(10年以上前)のように、夜10時頃まで診療すれば達成できるのかもしれませんが、今はやりません。

休日当番医の中には、夜遅くまで診療する先生もいらっしゃるようで、頭が下がります。

ただ、当院の日曜診療は毎週のことなので、持続可能な診療ペースを保つことが大事だと考えています。

新年の発熱外来は混沌としています

インフルエンザもまだ多いですが、コロナも確実に増えています。「潮目が変わった」とさえ感じます。

この日曜・祝日の2日間、当院を受診した方は126人。うち発熱外来としての受診者は106人でした。

コロナは74人検査中の37人が陽性、インフルエンザは69人検査中のA型陽性23人、B型陽性5人でした。

目を引く特徴としては、

(1)B型インフルエンザが出てきた

(2)高熱の出ないインフルエンザや、熱がすぐに下がるインフルエンザが多い

(3)コロナとインフルエンザの両方が陽性の重複感染者が目立つ

(4)家庭内で、コロナ感染者とインフルエンザ感染者が同時に存在する

(5)短い間隔で、A型インフルエンザに2回感染する

コロナとインフルエンザが同時に流行すれば、おのずと(3)や(4)は起きます。

一方の感染症から順次検査する方式では(3)を見逃し、濃厚接触歴に引きずられると(4)を見逃します。

さらに今シーズンは、「AH3亜型」と「AH1pdm09」の2つのA型インフルエンザが同時流行しています。

前者は昔からある「A香港型」、後者は2009年に出現した「新型(ブタ)インフルエンザ」です。

この両者は、4年前までは概ね交互に流行してきましたが、今期は同時に、ほぼ半々検出されているようです。

3年前と2年前にまったく流行しなかったため、両方の型が「我も我もと」競って流行しているような印象です。

そこへB型インフルエンザまでが参戦し、さらにコロナも負けじと第10波に向かっています。

メディアではあまり(ていうかほとんど)報じていませんが、、状況は危機的かつ混沌としているのです。

年末の休みに突入しましたが、残務整理中

帰省ラッシュの様子が報じられていますが、空港は年末年始を海外で過ごす予定の人たちでも混雑しています。

いいと思いますよ。毎年ハワイなんでしょ。年賀状の習慣などとっくに止めてるんでしょうね、きっと。

そういう私も、今日から1月3日まで6日間のお休みです。先日も6連休したばかりで、申し訳ありません。

もっとも今日は、年内に片付けておかなければならないデスクワーク(残務)に、ほぼ1日費やしました。

近年当院は、年末年始は6連休と決めています。いったんそのようにしたら、休みを減らすことができません。

ですが開院当初は、3日間を超えて休むことができませんでした。当時の私はそのような体質だったのです。

勤務医時代にはずっと、日曜祝日や盆暮れや大型連休などに、ほとんど休んだことがなかったからです。

お隣のサンピアンなどの従業員の方は、年末年始にあまり休めなくて大変だという話をつい最近も聞きました。

他のデパートやコンビニも同様でしょう。店員の皆様、お疲れ様です。ありがとうございます。

私が子どもの頃、正月三が日はどの店も閉まっていました。スーパーもデパートもすべて閉店していました。

コンビニなんてありません。Amazonや楽天みたいな通販もありません。ていうかネットもスマホもない。

初売りは全国的に1月4日と決まっていました。なので三が日は、おせちと餅とミカンを食べ続けていました。

ある年からそこにククレカレーも加わり、店舗の開店日が徐々に早まり、ついに元日初売りとなったわけです。

誰かが初売り日を早めて住民から好評となれば、他の店も追随し、ついに皆が休み無しになるのが道理です。

住民は便利でしょうけど、店の従業員もそれぞれ家庭のある地域の住民なんですよね。本当にご苦労様です。

片付けは不得意だけど片付いた状態は好き

年末恒例の、院内大掃除の日でした。

午前中は通常通りの診療(発熱外来も含む)を行い、午後から夕方まで、スタッフ全員で掃除をしました。

それと並行して清掃業者の方に入ってもらって、院内全体のWAXがけも行いました。

開院当初の数年間は、年末の休診日を丸1日使って、スタッフ総出で朝から夕方まで掃除をしていました。

しかし、この時期は自宅の掃除や年末準備で大変だし、働き方改革的にも休診日を潰すことは問題でした。

ということで近年は、診療日を半ドン(半日休診)にして、清掃に充てることにしたわけです。

その分、今日は診療人数を減らすことになり、受診希望の方にはご迷惑をおかけしました。

慢性疾患の方と発熱外来と予防接種を午前中に詰め込みましたが、発熱者はまだまだ多いですね。

今年の大掃除で例年と大違いなのは、院長室に限っては、完璧に片付いているので掃除が不要だったことです。

先日の、壁紙とカーペットの張り替え工事以来、院長室は素晴らしく整頓された状態を保っているのです。

なんなら壁にはオブジェもいくつか設置して、来客の度肝を抜いてやろうかという勢いです。

これまで何度も言ってきたように、私は断捨離や片付けが不得手ですが、良く片付いた状態は大好きです。

こんなにスッキリするのなら、今度こそ自宅の書斎の片付けに着手してみようかと、無謀なことを計画中です。