「残暑」にしても暑すぎる

発熱外来は今日も、やたらに暑かったですね。駐車場に出ると、こっちも発熱しそうになります。

おまけに昼には隣のサンピアン駐車場に「飾り馬」が来て、ラッパや鉦の音が暑さを倍増させてくれました。

熊本はこのところ、ほぼ毎日、全国トップの最高気温じゃないですか。今日は37度。明日は38度予想です。

「残暑」にしても暑すぎるざんしょ。そんなことを言いながらやっております。

発熱外来受診者も検査希望者もコロナ陽性者も、すべて減ってきています。さすがにコロナ禍も終息なのか。

とは言え、コロナ陽性者はゼロでもないし、まだクリニックの感染防御体制を緩めるわけにはいきません。

この土日のコロナ陽性者はわずかに4人ですが、全員が自分がコロナだとは夢にも思っていなかった方でした。

年齢や基礎疾患等を考慮して、あえて検査をしたら陽性。熱は一過性で多くは微熱。全員咽頭発赤あり。

家族にも周囲にも、風邪引きはいてもコロナはいないという方々。その風邪の人がコロナだったのでしょう。

症状は軽く検査率も低いので、もはや新型コロナウイルスは、市中に広く薄く漂う「常在菌」と化しています。

このようなコロナ禍の現状を鑑みると、来月からのコロナワクチンの接種を推進する気力も薄れてきます。

外部には積極的に広報せず、当院かかりつけの希望者にのみ、ひっそり粛々と接種を行う方向でいきますかね。

9月の発熱外来

台風からの熱帯低気圧の影響で、東日本各地ではまだ大雨が降っていますが、熊本は気持ちの良い晴天でした。

久しぶりの日差しが心地よく、暑いけど蒸し暑くない、秋の気配を感じる一日でした。今日から9月です。

などと呑気なことを言ってる場合じゃありませんね。今日も発熱外来の受診者はそこそこいました。

その中には、溶連菌感染や手足口病なども、相変わらずくすぶっています。

コロナの検査を行ったのはわずかに10人。陽性者は4人。陽性率40%。先月よりもだいぶ落ち着いてきました。

陽性者のうち2人は、元々コロナの検査は希望していなかった大人の方でした。

しかし咽頭所見があまりにも「コロナ的」だったため、コロナの可能性を説明して検査を受けて頂きました。

前にも書いたように、軟口蓋・硬口蓋はまったく赤くなく、後壁のみが赤く腫れているのがその所見です。

扁桃はそれほど腫れていないくせに、発赤だけは強いのも特徴的。のどの痛みの程度はさまざまです。

今日のケースではありませんが、検査して陽性だった方の中には、検査したことを後悔する方もいます。

「陰性証明になると思って検査をしたが、陽性なら検査しなけりゃ良かった」ということです。

発症してから検査を受けるまでの2,3日の間、普通に出勤している方もいます。

多くの方が、発症初日ごろに抗原検査をして陰性だったので、風邪だろうと思ってしまうようです。

そのような「後の祭り」みたいな結果を知るための検査をすることに、意味があるのか。悩ましいところです。

10月からはワクチンの接種が始まります。時間的制約もあるので、発熱外来は縮小することになるでしょうね。

待合室と駐車場、次はこうしたい

「歴代最強クラスの台風」から「常識と異なる台風」に変貌した台風10号。まだ四国北部をウロウロしてます。

さいわい(と言ってよいものか)、熊本の風雨はほとんどやみました。

自宅近所に小児科のクリニックが新たにオープンするので、今日はその「完成見学会」に行って来ました。

まず第一印象「かわいい」。明るく柔らかい色調と楽しい壁紙、窓が広くて待合室があちこちにある!

一般患者でも感染症用でもない、第3の、予防接種専用の出入り口と待合室。これもいいなぁ。しかも広い。

コロナ禍、とくに発熱外来を経験して、当院の設計には不備な点がたくさんあることを思い知りました。

こういうのって、最初からは気付かないんですよね。だからより良い「2軒目」を建てたくもなるのです。

もしもいま、私がクリニックを改築または新築するとしたら、次のようなアイデアを実現したいですね。

(1)一般の待合室の他に、感染症患者用の小さな「待合室兼診察室」をたくさん(5〜6部屋)作る。

発熱者がすべて異なる感染症だとすれば、互いに接触させないように全員を個別に隔離するのが理想なので。

(2)駐車場は「ドライブスルー会計」ができる構造にする。なんなら「ドライブスルー検査」も。

さらに「ドライブスルー受付」ができれば、発熱者の「マイナ顔認証」が容易になるんですけどね。

自然災害と医療態勢

自然災害の報道等では最近、「自分と大切な人を守るための行動をとりましょう」のような言い方をしますね。

たぶん以前は、「自分と大切な人」ではなく、「自分と家族」だったような気がします。

「守るべきは家族とは限らんだろう」という意見が出たのか、「家族」が「大切な人」に置き換わりました。

となると今後、「守るべきは大切な人とは限らんだろう」という意見が出たら、どうするのでしょう。

「自分と大切な人と、大切でもない人も守りましょう」という言い方になるのか。

「じゃあ、ペットは守らなくてもいいのか」という意見も、当然出ますね。

「自分と大切な人や大切でもない人、さらにペットも守りましょう」と言えば良いのか。

「自分と大切な人や大切でもない人、さらにペットを含む動物たちも守りましょう」にしておくべきか。

「植物はどうする」「建造物はどうする」考え出すとキリがないので、「万物を守りましょう」で行くか。

くだらないことばかり考えてます。

自宅付近ではまだ雨は降っていませんが、風が強いです。

庭の物品の多くは玄関またはガレージに入れ、残りは隅の方に移動させてテープで固定しました。

明日は朝から暴風雨かもしれませんが、少なくとも午前中の診療は行う予定です。午後は休診するかも。

さすがに駐車場での診療は無理ですね。発熱外来は隔離室だけで行うため、大した人数の診療はできません。

明日・明後日は、他院も臨時休診するところが多いでしょうから、医療態勢がひっ迫するかもしれません。

自然災害時の医療態勢をどのように確保するかは、休日よりもずっと難しい問題ですね。

雨雲レーダーを見ながらの発熱外来

久しぶりに、雷雨に見舞われた発熱外来でした。

昼までは晴天猛暑だったのに、14時ごろ突然雷鳴が聞こえ始め、薄暗くなったかと思ったらいきなりの雷雨。

雨雲レーダーで見ると、当院は緑〜黄のエリア、もうじき赤い豪雨エリアに飲み込まれようとしていました。

陰圧隔離診察室は1室しかなく、感染力が低そうな感染症の方を別室で診察しても、まだ部屋が足りません。

そこで駐車場で検査等を行うことになるわけで、土砂降りの中でずぶ濡れになりながらの診療となりました。

傘を差しても濡れます。左手で傘を差し、右手でペンライトと綿棒を持ち、咽頭を観察後に綿棒を鼻に挿入。

場合によっては綿棒を2本、角度を付けて持ち、順次鼻孔に挿入したりするので、手がつりそうになります。

そしてそんな瞬間に限って、まるで私を妨害するように、激しい雷鳴が轟いて雨脚が極端に強くなるのです。

少しでも風雨を避けるために、雨雲レーダーで雲の動きを見て、頃合いを見計らって駐車場へ「出動」します。

5分10分後の雨雲の動きが予測できるのは良いのですが、そのデータも刻々と更新されて変化します。

幸い豪雨は1時間と続かず、やがて晴れてきました。気温も少し下がり、ツクツクボウシが鳴き始めました。

コロナ陽性者は、このところだんだんと減ってきています。お盆が明けてから増えてきた印象はありません。

一方で今日は、インフルエンザ陽性者が2人(いずれもA型)出たのが予想外でした。

この真夏に、また増え始めるのでしょうか。コロナ禍を経て、インフルがすっかり「季節性」を失ってますね。

発熱外来は「ノド」外来

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」

なかなかその心境にはなれませんね。まだまだ修行がたりません。

というわけで、明日からのお盆休みを前に、この猛暑の連休2日間の発熱外来を振り返ってみます。

発熱外来受診者は2日間で合計91人。そのうちコロナ検査を30人に実施し、陽性19人、陽性率63.3%でした。

陽性者のうち、38度以上の発熱があったのは12人。それ以外の7人は微熱または平熱でした。

咽頭痛のあった方は14人。相変わらず咽頭痛率は高いですが、のどが痛まない陽性者も一定数います。

咽頭所見の特徴は、ノドの手前側(軟口蓋や硬口蓋)は赤くなく、後壁のみが赤くやや腫れています。

扁桃はやや腫大して発赤も強い方が多いですが、白苔の付いた滲出性扁桃炎になることはあまりありません。

これらの所見から、溶連菌感染やアデノウイルス感染との鑑別は比較的容易です。

子どもの発熱では、いまなお手足口病やヘルパンギーナが多いですね。いずれもノドに発疹ができます。

前者の咽頭発赤は軽くて発疹のみが赤く目立ち、後者は赤い軟口蓋の中に白い発疹があることが多いですね。

また、硬口蓋に発疹が散在していたら手足口病ですが、ザラッと集まっていたらたいてい溶連菌感染です。

幸か不幸か、いまはインフルエンザがほとんど出ていません。今月の陽性者は当院ではまだ1人です。

インフルはそのうち流行し始めるんでしょうけど、咽頭所見がコロナと似ているのが面倒ですね。

目安としては、咽頭痛→熱の順ならコロナ、熱→咳の順ならインフルと、そんな感じで当たりを付けています。

いずれにしても典型的なケースばかりではないので、予想外の検査結果に驚かされる毎日です。

「物価高騰対策支援金」申請も3回目

「熊本県医療機関物価高騰対策支援金」の申請期限が迫ってますよ、という親切な連絡が県から届きました。

もちろん申請しますよ。できれば、「医療機関診療報酬暴落対策支援金」なんてのも作って欲しいですね。

物価高騰対策支援金制度は3年連続。2年前は10万円、去年は7万円、そして今年は5万6千円に減りました。

毎年ほとんど同じ申請書を書いています。とても形式的な申請書なので、毎回書かせるのもどうかと思います。

・暴力団密接関係者ではありません

・物価高騰の影響を受けています

のような事項について誓約し、振込口座の通帳のコピーを添付します。

「昨年と同じ場合は、その旨をメールでご連絡くだされば、今年度の申請は不要です」とすればいいのに。

「なお、新たに暴力団と付き合い始めた方はご連絡ください」と付け加えておけば良いだけでしょう。

などと今さら言ってもアレなので、先ほど申請書を仕上げて、pdfにして県の担当部署に送信しておきました。

送ったらすぐに「申請受付事務局」から、自動返信で受信確認のメールが届きました。

こういう返信って、ありがたいですね。申請書が先方に届いたことの記録(証拠)になりますから。

以前、別の補助金申請で、添付ファイルが重くて届いてないことに気付かなかったことがありました。

予備申請したのに本申請がなされてないことから役所から問合せがあって、メールの未着が発覚したのでした。

メールによる申請にはこのようなリスクがあります。さらにMacユーザーには、互換性のトラブルもあります。

このような申請受付は、専用サイトに申請フォームを設けてもらいたい。ご面倒でしょうけど。

熱い外来

まあしかし、暑い。熱いと言ってもいい。熊本市の最高気温は38.8度だったとか。そんな中の発熱外来でした。

駐車場に行って焼け焦げ、院内に戻って涼む、また出て焦げる、また涼む。この繰り返しで汗まみれです。

このままでは私が発熱しそうで、そうかこれこそが発熱外来なのか。空を見上げると太陽がまぶしすぎます。

雨でも降ってくれればいいのにと天に念じれば、安倍晴明でもこうはいくまいと思うほどの、突然の豪雨。

コロナはいま、昨年の流行極期のような様相を呈しています。受診者は殺到し、陽性率も高い。

予約受付用の電話回線は2回線ありますが、朝いちばんからすぐにパンクして、なかなかつながりません。

ネット予約分と、やっと電話がつながった人の予約だけで、夕方までの予約枠がうまっていきます。

電話がつながらないので直接来院する方もいますが、よほど重症でない限り受診をお断りすることになります。

高熱・重症だけど辛抱強く予約順を待っている方が大勢いるのに、軽症の割り込みを許すわけにはいきません。

去年も一昨年も書いたように、当院の診療のキャパと受診希望者の数が、休日はかなり乖離しています。

それは、熊本の休日診療態勢が貧弱すぎるということです。コロナ禍を経ても、改善の兆しが見られません。

労務など経営上の苦労が多い割に利益が少ないので、休日診療を担う医療機関はなかなか増えません。

せめて、休日診療を標榜すると休日加算が取れないという非道なルールは、ぜひ撤廃してほしいものです。

労働時間の比較、勤務医 vs. 開業医

日本医師会の調査によると、50代の開業医は同世代の勤務医よりも労働時間が長いことがわかったとのこと。

「時間外労働が月80時間」の過労死ラインを超える割合も、開業医の方が勤務医よりも高かったといいます。

しかしこれをもって、勤務医よりも開業医の方が長時間働いているから過酷だ、という結論にはなりません。

まず、病院の業務で残業している勤務医と、自らの意志で働く開業医とでは、労働時間の意味が違います。

しかしまた、開業医は労働時間を自分で決めることができるゆえ、長時間働いてしまう側面もあるわけです。

開業医には医事や経営や労務や営繕などの仕事もあり、それらは診療時間外や休日にしなければなりません。

そのかわり、勤務医の過労の一因でもある研究は、少なくとも私においてはだいぶ削減されてしまいました。

ただ、患者の要請に応えるために長時間働いている点では、勤務医も開業医も医師としての根本は同じです。

今回の調査において、いわゆる「自己研鑽」の時間の扱いはどうなのかが気になります。

勤務医ではそれが労働時間には含まれず、開業医はそれを労働時間に含んでいる可能性があります。

どんな職業でも、50代といえば知識と経験と体力とのバランスがもっとも良い年代。いちばんの働き時です。

その意味では、たしかに開業医もいちばん頑張る時期かもしれません。で、私はすでに60代なのですけれど。

常任休日当番医兼発熱外来

3連休が終わりましたので、「発熱外来」(←まだやってる)の総括をしてみます。

連休中の受診者は、生活習慣病等の慢性疾患の方が3分の1、あとは発熱者を含む急性疾患の方です。

発熱外来受診者は122人。うちコロナの遺伝子検出検査は49人に行い、陽性者は34人、陽性率69%でした。

このように高い陽性率は、これまで何度も書いてきたように、検査が追いついていないことの証です。

同様の3連休だった今年の4月27〜29日では、コロナ遺伝子検出検査44人、陽性10人、陽性率23%でした。

現在の約7割の陽性率は、昨年7月の第9波に匹敵、いやもしかすると過去最大級の第7波にも迫る勢いです。

それどころか今回の第11波は、ここまで増えてもまだピークに到達していないように感じます。

ところで、「休日でもやってる発熱外来」として、日曜・祝日には県内一円から当院に受診者が集まります。

開院以来「日曜祝日診療」を続けてきた当院は、すでに「常任休日当番医」のように周知されているようです。

「休日当番医に断られたので診て欲しい」と当院受診を希望する方が、いつもかなりいます。

あろうことか、「発熱者は診られません」と明言した内科系当番医が、今日は複数あったようです。

コロナがまた増えているいま発熱者を診ないって、どういう了見なんですかね。感染対策でしょうか、自分の。