予約システム更新

当院のインターネット診療予約システム「アイチケット」を、新バージョンに更新しました。

開院以来、ずっと使ってきたシステムですが、今日から抜本的に新しくなりました。

予約を入れる側(患者さん)からは、見た目が変わって、戸惑った方がいるかもしれません。

しかし運用する側からは、ずいぶん使い勝手が改善しました。いろんな新機能が、盛り込まれています。

「空番(からばん)」もそのひとつ。内情を明かすことになりますが、空番について説明しましょう。

アイチケットは順番予約方式です。受付順に自動的に、1番から番号が振られていきます。

ところが、たとえば喘息発作、胸痛、痙攣、脱水、熱傷など、すぐに診察の必要な方もいます。

こういった場合には、予約の有無や順番に関係なく、最優先で対応しなければなりません。

そうすると、すでに予約して順番をお待ちの方の、診察の順番や時間が、どんどんずれていきます。

そこで、あらかじめアイチケットの、たとえば5番、10番、15番などに、空きの番号を作っておくわけです。

これを「空番」と呼んでいます。これまでは、当院スタッフが手動で、その枠の確保を行ってきました。

言ってみれば、患者さんと職員の、順番取り競走が、毎日行われていたわけです。

この空番を、予約開始前に、あらかじめ設定しておくことができるのが、新バージョンの嬉しいところ。

空番なんて、当院だけの工夫かと思っていましたが、新バージョンからは正式な仕様となったわけです。

みんな考えることは同じだったのですね。

診察イスを選ぶ

考えてみると、診察室で私が座る診察イス(ドクターチェア)というのは、とても大事なものです。

仕事(診療)中のほとんどの時間を、そのイスの上で過ごしているわけですから。

途中で他の部屋に移動したりはしますが、おそらく毎日12時間ぐらいは、同じイスに座っています。

クリニック開院に際して、診察イスについては、かなり時間をかけて選びました。

自分で座ってみなければ、イスの具合がわからないので、あちこちの家具店を巡りました。

最終的には、いま話題の大塚家具で買いました。その選定基準は、

(1)長く座っても疲れないこと

(2)作りがしっかりしていて、耐久性があること

(3)高そうには見えないこと(たとえ本当は高額であっても)

7年半使ってきましたが、肘掛けがひび割れたり、どこのネジかわからないものが外れたりしてきました。

いま思えばこのイスは、

(1)毎日12時間も座れば、どっちみち疲れる

(2)7年半も使えば、あちこち壊れる

(3)安っぽく見える(たとえ本当は高額であっても)

というわけで、このたびついに、診察イスを買い換えることにしたのです。

家具店を2,3当たりましたが、良いものに出会えず、思い切って通販カタログで選びました。

患者用のイスは変わらないのに、医者用のイスだけ新品にするとは何事か、とか言わないでください。

診察中に、皆様は5,6分座るだけでしょうが、私は毎日12時間座っているのです。

ダブルチェックは有効か

医療現場に限らず、さまざまな業務において、ミスを防ぐために「ダブルチェック」が行われます。

2人の目で確認する方式ですが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-565.html" target="_blank" title="以前から言っている">以前から言っている</a>ように、ダブルチェックを過信してはなりません。

お互いが相手に頼ってしまいがちで、集中力が分散するからです。責任の所在もあいまいです。

この問題を提起するために、当院の恥をさらすことになりますが、最近の出来事をあえて紹介します。

母子手帳に予防接種の記録をする際、スタンプの日付が間違っていたのに、誰も気づかなかった事例です。

(1)接種日を記録するためのスタンプの日付を合わせる者が、日付を合わせ損ねた

(2)そのスタンプをダブルチェックした者が、日付の間違いを見逃した

(3)母子手帳にスタンプを押した者が、日付の誤りに気付かなかった

(4)母子手帳内容の最終確認をした者が、まさか日付部分が違っているとは思わなかった

(5)母子手帳の内容をダブルチェックした者も、接種日付の部分は見逃した

予防接種の際には、規定年齢かどうか、子どもの体温や体調や既往歴など、多くのチェック項目があります。

接種は何回目か、前回との間隔はどうか、ワクチンのロット番号と使用期限も確認しなければなりません。

そんな中で、今日は何月何日かという、あまりに基本過ぎて誰も疑わない部分が、間違っていたわけです。

どこに落とし穴が潜んでいるかわかりません。今回の間違いを防ぐための取り組みは、すぐに始めました。

人は誰でもミスをしますが、確認する人数を増やしただけでは、それを見つけられるとは限らないようです。

薄氷を踏む思い

電子カルテの話ばかり続きますが、無事(おそらく)復旧できたので、ご報告します。

とは言え今日は、いつフリーズするかと、薄氷を踏む思いで診療に臨んでいました。

障害となっていた可能性があると考えて、除去または更新・交換したのは、次のものです。

(1)電子カルテソフト(新規インストール)

(2)サーバー本体(交換:Mac mini→MacPro→iMac)

(3)OS(サーバー交換に伴い、OS X 10.7→10.9→10.8)

(4)スイッチングハブ(交換:エディオンで急遽購入)

(5)LANケーブル(交換:エディオンで急遽購入)

(6)ウイルスチェックソフト(除去)

(7)無線LAN(使用中止:すべて有線化)

(8)インターネット(電子カルテ端末での接続中止)

おそらく、ネットワーク上に問題があったと、私は睨んでいます。ということは、(7)か(4)かな。

電子カルテは、他のシステムとは独立させ、極力シンプルに。これが基本。初心忘るべからず。なので、

(9)油断・惰性・慢心

これが主犯ですかね。

サーバーダウンした一昨日から昨夜の復旧作業後まで、2日間で体重が1キロ減りました。

昨年8月から始めている私のダイエットにとっては、思いがけない追い風となりました。

サーバーがダウン

Facebookが一昨日の15時過ぎ、世界中で接続できなくなりました。サーバーがダウンしたらしいですね。

1時間弱で復旧しましたが、今回のことで、Facebookの危うさを感じました。

いやいや、そんなことよりも、今日クリニックで起きた、サーバーダウンの話ですよ、いま書きたいのは。

夕方頃から、電子カルテの挙動がおかしいと思ったら、突然すべての端末(クライアント)が止まりました。

こうなると原因はサーバーに違いない。診療を中断して確認すると、サーバーがフリーズしています。

フリーズしたら再起動するしかありませんが、その結果、ついにサーバー機が立ち上がらなくなりました。

再起動しても、PRAMクリアしても、SMCリセットしても、セーフブートしても、まったく回復しません。

大丈夫。こういうときのために、予備サーバーがあるじゃないですか。助かった。さっそく立ち上げました。

ところが考えてみると、予備サーバーの電子カルテのデータが古いのです。年末に更新したままでした。

電子カルテのデータは、毎朝、サーバーの外付けハードディスク(HDD)に、バックアップをとっています。

しかしまさか、予備サーバーのデータまで、毎日更新してはいませんでした。

なのでサーバーの外付けHDDのデータを、予備サーバーで読み込めるかどうか、それが頼みの綱です。

さいわい、明日は休診日なので、電子カルテメーカーと相談しながら、朝から復旧作業を行う予定です。

それにしても、電子カルテのデータのような最重要データは、とにかくバックアップが命。今回の反省点は、

(1)毎日2回以上、こまめにバックアップすること。頻度が多いほど、失われるデータが少なくなる。

(2)予備サーバーはつねに、いつ何時でも出動できるように、データを更新して予行演習しておくこと。

さて、明日はどうなることやら。

隔離用の待合室

全国保険医団体連合会が、「新規開業医の手引・改訂版」というのを出版したので、1冊入手しました。

いまさらですか、などと言わないでください。初心を忘れないためにも、あれこれ再確認してみたいのです。

どうやら、不要な確認をして後悔するのが私の悪い癖。確認したいという好奇心には勝てません。

たとえば電器店で何かを買うと、帰宅後にその価格が適正であったかどうか、通販価格を調べてしまいます。

それなら、買いに行く前にネットで確認しとけよ、って話ですけどね。

さて、冒頭で紹介した手引の「待合室」についての記載をみると、通り一遍のことしか書かれていません。

「圧迫感が無く開放的で落ち着いた雰囲気をつくること、十分な採光と広さを確保できるように考慮します」

これではさすがに、手引きとしては不十分でしょう。感染症患者の隔離について、触れていないからです。

それこそ、いま私の頭を悩ませているのが、まさに隔離の問題なのです(毎年この時期の悩みです)。

インフルエンザを疑う症状の患者さんが3人いても、その3人を同室で待たせるわけにはいきません。

2人がインフルエンザで、あとの1人は別の感染症、という可能性もあるからです。

大勢の発熱者が来院すると、隔離するための部屋が足りないので、次のような工夫で切り抜けています。

(1)予約制を徹底し、診療の進捗状況をわかりやすくして、順番ギリギリまで自宅で待てるようにする

(2)クリニックに到着しても、診察の順番が来るまでは、駐車場の自家用車内で待ってもらう

(3)院内では、隔離室として使える4カ所の部屋を、要領よく使い回す

ぜひ手引に記載してほしいのは、小さな隔離用待合室をいくつも準備すること。これは切実な問題です。

診療人数を制限します

いくら夜遅くなっても断らない。受診者が途切れるまで診療する。それが当院の基本姿勢でした。

しかしこの時期、インフルエンザが流行り出すと、朝いちばんからネットや電話による予約が殺到します。

午前中のうちに、夜7時診療分までの予約が埋まってしまうことなど、当たり前。

とくに日曜・祝日は、本来の診療時間は午後5時までなのに、実際にはしばしば、夜の9時10時になります。

勤務医時代のことを考えれば、深夜までの仕事など屁のカッパのはずが、最近はそうもいきません。

私だけならまだしも、他のスタッフのこともあります。どこかで線を引かなければ、キリがありません。

何年もの間、葛藤してきましたが、昨日初めて、予約の受付を途中で打ち切りました。断腸の思いです。

午後3時の時点で、予約者が80人。私の診療ペースだと、11時までかかる計算でした。

結局、途中でキャンセルが出るなどして、診療の終了は10時半でしたが、それでもヘトヘトです。

深夜11時過ぎに帰宅した後に家事が待っているスタッフ(ほとんどが主婦)もまた、たいへんです。

診察を求める患者さんがいるのに、受付を拒否することは、厳密に言えば、医師の応召義務に反します。

しかし世の診療所の多くは、一定の時刻に診療が終わるように、受付の段階で制限をかけています。

私と職員の健康のためにも、当院もそろそろ、エンドレス診療の方針を撤回することにします。

さっそく祝日の今日は、定時よりも2時間半オーバーの、午後7時半までで診療を終了しました。

受付をお断りした患者さんには、申し訳ありませんでした。

しかし今後も、このような方針で参ります。どうかご理解のほど、お願い申し上げます。

当番医は重症者優先です

冬場は当院を受診される患者さんが増えます。風邪やインフルエンザが流行するからです。

とくに他院が休診している日曜・祝日は、かなり遠隔地の方も来院されます。

当院の診療予約は、インターネットと電話によって受け付けています。

ネットでの予約受付は、その患者さんの重症度が把握できないのが問題。急ぐ場合は電話してほしいです。

一方で電話予約の欠点は、タイミングが悪いとなかなかつながらないことです。

毎朝8時ちょうどから、私と事務員の2人で電話番をしますが、受付用の電話は2回線しかありません。

早く受診したいだけの軽症者の電話が先につながり、重症の方の電話がつながらない場合もあり得ます。

電話でお尋ねした病状や、来院後の様子を見て、診療の順番を臨機応変に入れ替える必要があります。

さて明日、当院は休日当番医。当院を初めて受診される方が、いつにも増して多い日です。

予約方法を知らない方が不利にならないように、当番医の日は、ネットや電話の予約受付を行いません。

原則として来院順に診察を行います。なので来院後は、ずっと院内でお待ち頂くのが、この受付方法の欠点。

ですが、受付時点で患者さんの重症度を把握しやすいので、トリアージをしやすいのは利点。

軽症の方は後回しにされかねないので、風邪程度では、休日当番医を受診しないのが賢明でしょう。

開院7周年

本日、つるはらクリニックは、開院7周年を迎えました。

これもひとえに、皆様方の温かいご支援のおかげです。厚く御礼申し上げます。

こういった業種ですから、まさか開院7周年謝恩セールなんて行うことはできません。

しかし実は何年か前に、保険診療ではなく自費診療の部分で、お得意様割引を行ったことがあります。

日頃よく来院される方に暑中見舞いを出しておき、それをインフルエンザ予防接種の割引券としたのです。

そのハガキをお持ちの方は、家族全員、インフルエンザワクチンの接種料金を500円引きとしました。

ところがこれが、大失敗。窓口でトラブル続出です。

「ウチにハガキが来ていないのはどうしてか」「病気にならず受診しなかったのが悪いのか」と。

ごもっとも。日頃受診しているかどうかという基準で料金差を作るのは、いかにも公平を欠きました。

実際の診療では、おなじみの患者さんと初めて来院された方に、待遇の差を付けることはありません。

例外があるとすれば、とくに具合の悪い方を、予約の早い方よりも優先して診察することです。

しかし、病状が軽いがために延々と待たされる方も、やはり気の毒です。

医療行為は、その医学的観点とサービス的側面をいかに両立させるか。いまだに試行錯誤が続きます。

朝の朝礼

挑発的なタイトルです。「朝礼は朝に決まってるでしょう」というツッコミ、お願いします。

開院当初は、毎日始業前に朝礼を行っていました。

並んだ職員たちを前にして、私がなにかネタをひとつ、えらそうにしゃべるという形式です。

クリニックを開業したらこういうことをやりたいと、前からずっと思っていたのです。

前日の診療中に起きた問題、とくにヒヤリ・ハット事例についての報告を、この場で行いました。

予防接種の取り決めなどがめまぐるしく変わるので、新制度について周知させるのも、朝礼の役割でした。

とくにネタがなければ、世の中の出来事とか、思いついたこととか、どうでもいい内容の日もありました。

しかしその5分間のために、朝一番から職員が全員揃うことには、困難を伴うようになりました。

夕方以降の超過勤務に対応するために、職員の出勤に、早出や遅出のシフトをつくったからです。

シフト通りに出勤すれば、職員の大半が朝礼に間に合わない、というジレンマが出てきました。

そもそも、家族持ちのスタッフ(主婦)が、毎朝8時半までに出勤することには、無理があったのです。

その結果、朝礼は早々に廃止となりました。こういうのを「朝礼暮改」と言いますウソ。