新型コロナは「5類」へ

コロナ「5類化」後の今日も、当院の診療スタイルは昨日までとまったく同じでした。

好天のせいでもないでしょうけど、発熱外来受診者はいつにも増して少なく、急に、コロナ陽性はゼロでした。

昨日までと違うのは、コロナの検査料の公費負担がなくなったことです。医療費は次のようになります。

(平日の診療時間内の初診、従来の保険証を提示、コロナ遺伝子検査を受け、陰性で、院外処方ありの場合)

(1)初診料 2,880円

(2)医療情報・システム基盤整備体制充実加算 60円

(3)院内トリアージ実施料 3,000円

(4)SARS-CoV-2核酸検出検査料 7,000円

(5)微生物学的検査判断料 1,500円

(6)処方せん料 680円

(7)一般名処方加算 90円

3割負担の場合、昨日までは(4)と(5)が公費負担なので、窓口負担は2,010円でした。

それが今日からは、(1)〜(7)すべてを足して、4,560円に大幅アップしました。もちろん薬代は別です。

ところがメディアでは、「厚労省の試算」として、窓口負担が「最大で4,170円になる」などと報じています。

私には「4,170円」の算定根拠が正確にはわかりませんが、(3)を低く見積もっているものと推測します。

「受け入れ患者の限定」を行う医療機関では、(3)は147点しか算定できない規定だからです。

そのような、5類化の趣旨に反する診療による医療費を、さも標準値のように公表するのはどうなんでしょう。

そもそも、「最大で」というのであれば、休日加算や夜間・早朝等加算も加えてしかるべきです。

それを「最大で4,170円」だと強調するようなメディアの報じ方は、誤解を招くのでやめていただきたい。

雨の発熱外来

新型コロナの「5類化」を明日に控えて、今日は「2類相当」の最終日。検査が無料なのは今日まででした。

荒天のせいでもないでしょうけど、発熱外来受診者は日曜日にしては少なく、うちコロナ陽性は3人でした。

無熱者も含め、急性疾患の大半はウイルス性胃腸炎と思われる方でした。春先から胃腸炎の流行が続きますね。

もちろん申し添えますが、時間帯と動線を分離して、今日も生活習慣病の方などの一般診療も行いました。

当院には、簡易的に「陰圧化」工事を施して専用機器を完備した「隔離診察室」が1部屋あります。

コロナ確定後もしくはコロナの疑いのある方に、詳しい診察や血液検査や処置等を行う時に使用しています。

しかしそれ以外の診察室や処置室は、換気や動線の観点からは、厳密には「コロナ対応」とは言えません。

なので、処置等を必要としないコロナ疑いの方の検査は、可能であれば駐車場で行うことになります。

ただし、タクシーや徒歩での来院者は、待っていただく場所がないので、隔離診察室に入っていただきます。

駐車場に行ったり来たりするため、私は毎日かなり歩きます。多い日は診療中だけで1万歩を超えます。

歩くだけなら、適度な運動になるので望むところですが、天候や気温によっては苦難の診療となります。

とくに、極寒に晒されて震えたり、猛暑で汗だくになることよりも、今日のような強い雨の日が最悪ですね。

傘を差しても濡れます。風が吹けばびしょ濡れです。<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3372.html" target="_blank" title="すべって転んだこと">すべって転んだこと</a>も一度あります。

もしもクリニックを建て替えることがあれば(ないけど)、多数の隔離診察室と屋根付き駐車場が必須ですね。

日曜日に受診される方々

日曜日に当院を受診される方を大別すると、

(1)急な発熱や下痢、喘息、胸痛、動悸、目まいなどの方

(2)平日の日中に受診が出来ない生活習慣病の方や中高生

(3)登園許可証や各種書類が月曜日までに必要だという方

医学的優先度が高いのはもちろん(1)です。熱や風邪症状の方はすべて、発熱外来の時間枠で受け付けます。

急な高血圧や不整脈の方への対応には、ある程度の時間を要するので、全体の流れに影響することになります。

花粉症は、優先度は低いもののひどくお困りなのでなんとか対応していましたが、最近減りました。

生活習慣病の方の定期的な休日診療にも、開院当初から当院では力を入れています。

朝絶食での血液検査を予定している方は午前中の診療枠を使うことになり、休日の朝はそこそこ混み合います。

緊急性は無いものの、月曜からの登園の可否に関わるので(3)の方も日曜日のうちに対応したいところです。

発熱外来が忙しいころには十分な対応が出来ない日も多く、ご迷惑をおかけいたしました。

ところで、発熱外来は最近ヒマなのかというと、そうでもないのです。昨日も今日もそこそこの受診者あり。

コロナもインフルも、それぞれのご家庭の中では「蔓延」しているようで、まだまだ油断はできません。

処方間違いのあれこれを反省

当院は「院外処方」の医療機関なので、調剤作業はなく、処方箋を発行して患者さんに渡すことになります。

でもその処方の際にときどきミスをしてしまうので、今日はそれを反省して、対策へつなげたいと思います。

(1)薬剤選択の誤り

滅多に無いです。ほとんど皆無です。でも今日、ありました。電子カルテ画面上での「クリックずれ」です。

自分が目で見ている行と、実際にクリックする行が、なぜ違う。自分の脳と反射神経が心配になります。

(2)用法用量の誤り

子どもの薬はしばしば、体重あたりの用量での処方が必要ですが、体重の把握間違いが、時々あります。

あるいは、体重にかかわらず年齢でのみ用量が決まる薬もあり、うっかりミス好発ポイントです。

(3)日数の誤り

複数の処方日数の薬が混在すると間違いが起きる可能性があり、今日まさにそんな事例が発覚しました。

処方日数が患者さんの希望に合わず、追加処方が必要になりました。ご面倒をお掛けしてすみませんでした。

(4)残薬調整の誤り

几帳面な患者さんは、どの薬が何錠余っているかを毎回申告してくれますが、その調整がけっこう面倒です。

残薬分を差し引いて処方したら、引き算間違えて減らしすぎて、今度は別の残薬が発生します。すみません。

何か間違えると薬局からすぐ、「先生、ちゃいまっせ」との連絡が入ります。薬剤師さんは頼りになります。

もちろん、同じ過ちを繰り返さないように、電子カルテの画面表示や処方セットの見直しも大事ですね。

電子カルテの端末は結局、カオス

電子カルテの端末には余計なソフトは入れず、電カル専用で使うのがトラブル回避のための原則です。

当然ならが、接続するネットワークは電カル専用の院内LANに限定し、インターネット接続などは論外です。

と言いたいところですが、診療でメインに使っている1台のMacだけは、例外的にネット接続をしています。

セキュリティを考慮して常時接続はしませんが、メールチェックや検索等の際には一時的にネットに繋ぎます。

さらに、各種データをクラウドと同期する必要があるので、DropboxやEvernoteを入れ込んでいます。

当然、ウイルスチェックソフトもインストールしておかなければなりません。

もちろん、診療に必要なデータベースや表計算や文書作成ソフトなども、インストールすることになります。

こうして、電カル専用Macの中には結局、私がよく使うソフトが一通り全部入ってゴチャゴチャしてきます。

さらに一時的にせよ、EthernetとWi-Fiの同時接続をすると、それはそれで余計なトラブルの原因になります。

では、同時接続さえしなければ問題無いのかというと、そうでもないことに気付きました。

単純にネット接続を切ると、DropboxやEvernoteなどが、なんとか同期しようと「もがき」始めるからです。

というわけで、クラウドとの同期は、終業時にまとめて行うことにしました。

最後の難題は、Mac上の仮想ディスクにインストールしているWindows 11が、Macを重くしてしまうこと。

心電図を診察室で見るためには、Windowsがどうしても必要なので、現時点では他に手立てがありません。

このようにして電カル専用Macのはずが、院長室や自宅のMacよりもソフトがてんこ盛りになっていきます。

ま、そういう混沌とした環境は、嫌いじゃありません。マシンパワーがまた、それを許容してくれるのです。

ビジネス機器のことは、プロに任せろ

「オンライン資格確認」と電子カルテの連携作業のほか、昨日は「デジタル複合機」も刷新しました。

複合機は、電カルと接続するプリンタとして、さらにコピー機やFAXやスキャナとしても利用する機器です。

毎日激しく使うせいで前の複合機がトラブり始めたので、今回は最新機種への入れ替えです。

ところが、今朝からいきなり重大トラブル勃発。

処方箋や領収証の印刷でいちばんよく使うA5サイズが、Macから印刷出来ません。WindowsからはOK。

すぐ業者に来てもらうと、Macのプリンタドライバに不具合があることが判明。

実は昨日は、Windows機は業者の方が、5台のMacは私が、プリンタドライバをインストールしたのでした。

Macって、ネット環境下で新しいプリンタに繋ぐと、ドライバが自動的にインストールされますよね。

なので安心していたのですが、その簡便なやり方では、ドライバの「フルイントール」はできないらしいです。

家庭用プリンタならともかく、ビジネス複合機でそんな簡易インストールじゃだめなんですね。

教訓その1。ビジネス機器の初期設定は、知ったかぶりせず、プロに任せること。

教訓その2。さまざまな状況を想定して、手を抜かず、すべての接続端末でテストすること。

「オンライン資格確認」準備完了間近

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4161.html" target="_blank" title="オンライン資格確認">オンライン資格確認</a>」は4月からの導入が原則として義務づけられており、当院でも準備完了間近です。

「マイナ保険証」を読み取る「顔認証付きカードリーダー」と操作端末(PC)は、すでに設置済です。

そのシステムと電子カルテシステムとの「連携」作業が、本日完了しました。

これによって、読み取ったマイナ保険証の情報が電子カルテの端末に自動的に転送されることになります。

受診者の氏名や生年月日、保険証の記号・番号などが間違いなく自動入力できるので、大いに助かります。

すべての準備が完了し当院が一定の基準を満たした場合、当院では「初診料」が値上がりすることになります。

これが「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」です。初診料に加算されるので、患者負担が増えます。

(1)通常の保険証:4点(40円)

(2)マイナ保険証:2点(20円)

ただし、「オンライン資格確認」の準備等が間に合わない医療機関では、この加算が取れないので、

(1)通常の保険証:0点(0円)

(2)マイナ保険証:使えない

つまり「マイナ保険証を使わない」方は、「マイナ保険証を使えない」医療機関を受診した方が安くなります。

オカシな話ですが、この制度の過渡期における矛盾点です。

レントゲン室で漏電騒ぎ

夜中の2時過ぎに携帯が鳴りました。私は爆睡していて気が付きませんでした。数日前の雨の晩のことです。

朝になって折り返してみると、発信元はクリニックの警備会社でした。

クリニックで夜中に警備システムが異常を察知したため、緊急出動してみたら漏電していたとのこと。

漏電箇所はレントゲン室かレントゲン操作室と判明し、その部分だけブレーカーを切る対処をしたようです。

このままではレントゲンが使えないし、漏電場所の詳細もわからず不安です。なんなら火災の恐れもある。

すぐにハウスメーカーのサービス経由で、なじみの電気工事の方に来ていただきました。

するとその方は、当院の駐車場に到着した瞬間に漏電の原因を突き止めたので驚きます。

原因は、駐車場の外灯のガラスの破損でした。そこから雨が降り込み、ショートしたようです。

外灯とレントゲン操作室の電源が同じブレーカーだったというところがミソです。

応急処置をしていただき、外灯のみが使えない状態で、屋内の電源はすべて正常化しました。

と安心していたら、今日になってレントゲンの画像管理システム(PACS)が故障しました。

すぐに業者にリモートで診てもらったところ、データ保存用HDDが故障したようで交換が必要とのこと。

漏電事故とは無関係とは思いますが、ちょうど年度末の健診時期だけに、まことにタイミングの悪い故障です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4180.html" target="_blank" title="電子カルテの端末の更新">電子カルテの端末の更新</a>はほぼ終えたところですが、レントゲンの周辺機器の老朽化には気付きませんでした。

M2チップ搭載Mac mini「開封の儀」

電子カルテ用の、新しいMacを買いました。最近発売されたばかりの、Apple M2チップ搭載Mac miniです。

この1,2年間、ほぼ「総替え」に近く電子カルテ用端末を更新してきた中での、今回が最後の一台の購入です。

ディスプレイも、最近はLGばかり買って来ましたが、今回はApple製。美しい5Kの「Studio Display」です。

興味の無い方には実につまらない話題で恐縮です。新機種なので高性能なんでしょ、ぐらいに思ってください。

「開封の儀」は今日の午後、執り行いました。文字通り、梱包から取り出してセッティングする作業です。

まあそれにしても、Apple製品の梱包って、驚くべき「紙工作」ですね。「蟹工船」じゃないですよ。紙工作。

とくにStudio Displayの、どんだけコストがかってるんだろうという、だけど紙だけの外箱には圧倒されます。

開封の儀に続く「初期設定」は、いつもと同じ手慣れた作業で、しかもいつも同じところで引っかかります。

ATOK入れて、Dropbox入れて、アンチウイルスソフト入れて、Windows入れるところでトラブるのです。

WindowsをMac上で使うのがいまの私の定番ですが、ライセンス認証が一発で決まった試しがありません。

やっとプロダクトキーの支払いを済ませたと思ったらサーバーエラー。でも再起動したら支払完了。なにそれ。

最終目的である電子カルテのクライアントソフトをインストール。動作確認。ここまででいったん作業は終了。

残るは心電図ソフトのインストールです。これがWindowsでしか動かないから、こんな作業が必要なんです。

趣味ならともかく業務の現場では、Macはしばしば「使えねえ」のです。いつまでこんな苦労が続くのやら。

マスク着用は個人の判断へ

マスクは今日から、「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断が基本」ということになりました。

ただし、医療機関や高齢者施設、混雑した電車やバスにおいては、今後もマスクの着用が推奨されます。

とは言え、「個人の判断が基本」なので、具体的な着用基準等については、厳密な規定も罰則もありません。

「感染者」においては、発症後7日間が経過するまではマスクの着用が推奨される、とのこと。あくまで推奨。

「濃厚接触者」は、マスクを着用せずに感染者と接触したことをもって一律には特定しない、だそうです。

医療機関受診時にマスクの着用が推奨されるほか、医療従事者も勤務中のマスク着用が推奨されるとのこと。

当院では今後も、職員のマスク着用は続けます。お互いを守るためです。

また、受診者の幅広い年齢層や基礎疾患等を考慮すると、来院者にもマスク着用をお願いすることになります。

つまり、院内全員マスク着用という、昨日までと変わらない対応です。

そのことをポスターにして、今朝から当院の玄関と受付に掲示しています。

今日のところは、「オレはマスクはせん!」とゴネる、ではなく主張する方は、いらっしゃいませんでした。

そういう方には、あえて強くマスク着用は求めず、専用の待合室へお通しすることにしています。