「5類化」によって感染対策を緩和した医院が多いらしい

「5類化」によって開業医はどう変化したか。

医療従事者用のサイトで行われたアンケート調査の回答を見ながら、当院の実情と突き合わせてみます。

「発熱患者の受け入れ制限を緩和した」

そのような回答が多かったようですが、元々受け入れ制限をしていなかった当院からすれば、複雑な心境です。

でも動線分離ができない等の理由で、いまなお発熱患者の受け入れを断っている医療機関もあります。

「受付のパーテーションを止めた」

当院はまだ止めていません。多少のデメリットがあるとしても、まだ感染者が多い現状では止められません。

予約なしで受付まで入り込んでくる発熱者もいます。そのような方は、むしろこれから増えるかもしれません。

「発熱患者の診察時のガウン着用を止めた」

私はまだ、ガウン+マスク+フェイスシールド+キャップ+手袋、という完全装備を続けています。

診察中に、不意にこちらに向かって咳込まれたりすることがあり、飛沫を浴びることだけは避けたいのです。

「コロナ検査をするかどうかは患者の希望次第にした」

当然、ていうか元々そうでしょ。でもたしかに、有料にもなったし、検査を強く推奨することは減りましたね。

コロナ感染の疑いのある方がそれを意識して行動するのなら、診断を確定する必要は必ずしもありませんから。

高齢者や基礎疾患のある患者さんがいつも待合室にいる当院では、まだ感染対策の緩和は難しいですね。

祝日の発熱外来

祝日はいつも、日曜日をしのぐ勢いで診療の予約が入ります。

朝8時からネット予約の受付を始めると、あっという間に(数秒で!)午前中の予約枠が一杯になります。

8時半には電話予約の受付も開始します。ネットが使えない方のために、電話用の枠も少し設けているのです。

電話予約の開始時刻をネット予約よりも早くしている医療機関が多いですが、当院は逆です。

なぜなら、電話はすぐに回線(2回線)がパンクするので、かけた順にはつながらないからです。

一方でネットは、入力操作が1秒でも(1ミリ秒でも)早い方が優先されるので、その意味では公平です。

今朝も私と受付事務員の2人態勢で、8時半から電話番をしましたが、予約の電話がまったく途切れません。

受話器を頭と肩の間に挟み、名前や病状などを聞き取りながら問診シートに書き込んでいきます。

電話回線の占有を最小限にするために、最小限の問診を取ったらいったん電話は切ります。

あとで、院内用の携帯電話から患者さんにかけ直して追加の問診を取り、来院後の診療に備えます。

電話がなかなかつながらず、しびれを切らして予約なしで直接来院される方も、日曜祝日にはかなりいます。

しかし、運良く電話がつながった方の分だけでも、予約枠はすでに満杯なのです。

直接来られても空き枠がないだけでなく、動線分離の観点からも玄関口で支障を来しかねません。

今日の発熱外来受診者は52人。そのうちコロナ検査39人中の陽性者は17人(陽性率44%)。

それに加えてインフルエンザの陽性者も7人。真夏だというのにどういうことなんですかね、このインフルは。

猛暑の「発熱外来」

熱中症警戒アラートが出ている中、こっちが発熱しそうになるほど暑い「発熱外来」でした。

今日は、コロナ検査25人中の陽性10人(陽性率40%)、インフル検査20人中の陽性5人(25%)でした。

自宅で抗原キットで陽性だった方が、確認再検査目的ではなく、処方目的で来院されるケースも増えました。

隔離診察室(陰圧室)が1部屋しかないので、多くの方のコロナ検査は、屋外駐車場で行うことになります。

私は直射日光とアスファルトの照り返しと、エンジンをかけたままの車からの熱気を浴びなければなりません。

多量の汗をかきながらも気力は充実していたので、私はいつものように張り切ってサクサク動いていました。

ところが昼前になって、急にドッと倦怠感が来て、胃がもたれ、視力が急に低下したように感じたのです。

こりゃマズイとスタッフに伝えたら、すぐにスポーツドリンクと塩飴を調達してきてくれました。

一般に熱中症では、スポーツドリンクは糖分が多い割に塩分が少ないため、治療用としては推奨されません。

しかし今日の私には、塩分も水分も糖分も必要だったと見えて、スポーツドリンク+塩飴がとても効きました。

たちどころに水分が体に染み渡り、塩分が補われ、血糖値が回復し、元気がみなぎったのでした。

日頃患者さんには、塩分を控えろ、糖分を制限せよと言っていますが、それは「平時」の話。

「有事」(熱中症) の際にそんな制限は忘れましょう。塩と砂糖って、本来は体に一番大事なモノなんですよね。

明日は今日よりも暑いといいますが、でも大丈夫。塩飴は十分に確保できてますので。

世間が「連休」のとき、たいてい当院は「連診」なのです

世間が「3連休」で賑わっている中、当院は今日から「3連診」です。

コロナが増えつつあるいま、とくに休日の発熱外来をおろそかにはできません。

にしても、バカ暑な日でしたね。防護具をつけて駐車場と院内を行き来するだけで、だいぶ痩せましたうそ。

真夏のコロナで難しいのは、たとえば熱中症との区別がつきにくいことです。

オマケにこの時期、子どもが高熱を出すヘルパンギーナやアデノウイルス感染が大流行しています。

さらに今年は、インフルエンザとRSウイルス感染も流行しているので余計ややこしい。

胃腸炎の初期には高熱が出ることがありますが、コロナの初期に胃腸症状を呈する場合もあります。

コロナかどうかは病状ではなく、周囲に発熱者がいたかどうかなどの状況証拠の方がヒントになります。

今日の発熱外来では、検査した14人中7人がコロナ(陽性率50%)、2人がインフルエンザでした。

コロナは職場のクラスターが目立ち、インフルエンザは学校や幼稚園での感染でした。

今日の時点での熊本市内の学級閉鎖は、菱形小、中島小、熊本西高、高平台小、力合西小の5校。

北部や西部の学校が多く、当院近隣の学校での流行はおさまっているようですが、もちろん油断はできません。

日曜祝日となると、当院発熱外来は県内各地からの受診者が集中し、予約枠は朝のうちに埋まりす。

そこへ予約なしで、診て欲しい、検査して欲しい、薬が欲しい、という方が何人も割り込んで来ます。

そんなわけで明日もまた、暑い、熱い日になりそうです。

雨漏りその後

院長室の雨漏りは、その後どうなったのかと、ご心配の方もいらっしゃるでしょうか。

どうぞ、ご安心ください。昨日のうちに、ハウスメーカーの方に屋根の応急処置をしていただきました。

そしていま、今日は休診日ですが、確認のために出勤してきたところです。

今日も朝から大雨なので、水漏れ修理が不完全なら雨漏りが続いているはず。それではとても困ります。

気象庁の「高解像度降水ナウキャスト」を見て青色表示以上の雨雲が過ぎ去るのを待ってから、家を出ました。

来てみるとさいわい、院内に新たな雨漏りの兆候はなく、院長室のカーペットはおおむね乾いていました。

しかし臭気はまだ少し残存しており、今後、カビや雑菌やコケやキノコなどが生えてくる恐れがあります。

そこで、秘密兵器の出番です。

まず定番の「ファブリーズ PREMIUM」を振りまいて除菌。「ふんわりおひさまの香り」で満たされました。

引き続いて「リセッシュ WIDE JET」を噴霧。抗菌スペクトラムを広げるための、いわゆる「2剤併用」です。

さらに「無香空間」を設置して悪臭を完全ブロック。おひさまの香りも除去されますが、それはかまいません。

最後に「水とりぞうさん」を室内に3個配置するという念の入れよう。もう乾燥肌が心配になるレベルですね。

雨漏りクリニック

金曜日の豪雨のせいで、クリニックで雨漏りが始まっていたようですが、休診日なので気付きませんでした。

土曜日に出勤してみると、受付カウンター前の床に直径1メートル弱の水たまりができていました。

雨水がどこをどう伝ってきたのか、天井の非常灯のところから、滴がポタポタ落ちて来ます。

そこはちょうど、マイナ保険証の顔認証リーダーを設置している場所の真正面です。

なので今回の雨漏りは、マイナ保険証反対勢力による妨害工作の可能性も考慮しておくべきかもしれません。

とりあえず、ハウスメーカーの方に来ていただき、その日のうちに応急処置をしてもらいました。

おかげで昨日の日中は1滴の雨漏りもありませんでしたが、それは単に、天気が良かったせいだったようです。

夜からまた豪雨となり、今朝出勤してみたら顔認証リーダー前の床が土曜日よりもひどい水浸しでした。

モップがけして、新聞紙を敷いて、バケツを置いて、天井から落ちてくる水滴を受け止めます。

おそらく、外壁の1階と2階の境目から水が浸入しているのだろうというのが、ハウスメーカーの見立てです。

コーキングのあちこちにすき間ができているようです。これじゃまるで「線状漏水帯」じゃないですか。

熊本地震のときに外壁に圧力がかかって、コーキング部分に亀裂が生じた可能性があるとのこと。

地震から7年も経った今頃になって「地震被害」ですか。ある意味「七年殺し」です。

というわけで今日もさらに応急処置を追加していただきました。さて、明日からはどうなるか。

猛暑の発熱外来でしたが、明日は豪雨になりそうです

「どうする円安」

このフレーズをたぶん世界で最初に思いついたので(個人の憶測です)、証拠としてここに書いておきます。

さて今日も、大河ドラマを観た後は、「コロナ日曜週計」にいそしむ時間帯です。

5類化後の、当院で診断した毎週のコロナ感染者数は、5→7→9→13→15→27→29→31という推移でした。

さらに、今日コロナ陽性と診断した10人のうち8人は、周囲にコロナはいない、と言っていた方でした。

そのような、どこで感染したか分からない方が、先週までよりもさらに増えている印象です。

最近のコロナは高熱が出ることが多いですね。なので多くの方が、インフルエンザを疑って来院されます。

以前のオミクロン株BA.4/5とは異なり、いまの流行株XBB.1.16/1.5は高熱が出やすいのかもしれません。

BA.4/5に罹っても、BA.4/5のワクチンを接種しても、XBB株には感染しやすいことが問題とされています。

これを「XBB株は以前の免疫から逃れる性質が高い」という言い方をしますが、つまり油断するなということ。

当院受診者の中でも、2度目のコロナ感染の方は珍しくなくなりました。もはや何度も罹る感染症なのです。

ワクチンの接種は今もボチボチ行っていますが、なにしろBA.4/5のワクチンですから気合いが入りません。

9月からは、XBB対応ワクチンに切り替わるようですが、その頃の流行株は果たして、何なんでしょうね。

コロナも夏風邪も増えています

いよいよ第9波が迫ってきたのか、今日の発熱外来は15人検査してコロナ陽性は8人(陽性率53%)でした。

じつは発熱外来受診者自体は46人いて、未検査の方の中にコロナが何人いたかは、わかりようがありません。

もちろん、コロナでもインフルでもない発熱者も多いはずで、とりあえず診断としては夏風邪です。

夏風邪とは夏における風邪のことで、冬は風邪を引いても当たり前なので冬風邪とは言わないのでしょう。

一方で、夏に流行しやすい子どもの感染症があって、プール熱や手足口病やヘルパンギーナなどがそうです。

と書きましたが、昨今の流行時期は不定期で、たぶんコロナ禍の3密回避とかマスクや手洗いの影響でしょう。

以前であれば、毎日のように子どもたちから「浴びる」ウイルスによって、私は免疫力を鍛えられていました。

しかしこの3年半、風邪症状の方の診察では必ず、マスクとフェイスシールドなどの防護具を付けています。

つまり、コロナやインフルのウイルスのみならず、すべての病原体から私は徹底的に逃げてきたわけです。

その結果、免疫力は確実に低下し、どのようなウイルスに対しても、弱いからだになっているかもしれません。

なのでいま、まとも風邪のウイルスを浴びたら、確実に風邪を引きそうな気がしています。

たぶん高熱も出るでしょうし、なんなら咳もひどいかもしれません。

診療を維持するためには、絶対に風邪を引くわけにはいきません。

そういうわけで私は、診療中以外であっても、マスクを外すのにはまだ抵抗があるのです。

「世界禁煙デー」なのだけど

今年も5月31日は「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3877.html" target="_blank" title="世界禁煙デー">世界禁煙デー</a>」ですが、当院の禁煙外来はずっと、止まったままです。

もう2年前から、肝心の禁煙補助薬「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3551.html" target="_blank" title="チャンピックス">チャンピックス</a>」が出荷停止となっているためです。

1年前には、出荷再開は今年(←2022年)後半以降になる、とメーカーは言ってましたが、全然ダメですね。

そのメーカーというのは、新型コロナワクチンの代名詞ともなった米国の製薬大手「ファイザー」のことです。

禁煙学会等は去年から、チャンピックスがだめなら「ニコチネルTTS」を使うようにと言い続けています。

これは、チャンピックス登場以前の禁煙外来で処方されていた、ニコチンの貼り薬です。

厚労省は、チャンピックスもニコチネルTTSも、禁煙成功率には大差ないといいますが、そうでしょうか。

チャンピックスには、ニコチンと似た脳内作用と同時に、タバコを美味く感じなくさせる特徴があります。

一方でニコチネルTTSには、治療の途中でも吸ったタバコが美味しく感じるという、重大な欠点があります。

禁煙が失敗するのはたいてい、うっかり(そそのかされて)タバコを吸ってしまうことが原因です。

そう考えると、自力禁煙とあまり変わらないメカニズムで作用するニコチネルTTSは、私は気が進みません。

まだメドが立っていませんが、できればチャンピックスの出荷再開を待ちたいところです。

小児用抗生剤の味比べ

小児用の薬には、美味しく飲めるように味が付いていますが、それでも、あまり美味しくはありません。

不味くて飲めなければ処方した目的が達成できず、病状の悪化も心配になります。

「マクロライド抗生剤」(エリスロシン、クラリシッド、ジスロマックなど)の苦さは、よく知られています。

飲めない子が多いので、最近ではとくに必要な状況でのみ、処方しています。

「セフェム系抗生剤」はよく使う薬ですが、その味をじっくり味わったことがありませんでした。

そこで今回、隣の薬局から小児用の細粒を少しいただいて、味を比べてみました。

(1)メイアクト(セフジトレンピボキシル細粒小児用10%「トーワ」)

先発品はバナナ味ですが、東和のジェネリックはオレンジ味。あまり苦くないけど、美味しくもない。 

(2)フロモックス(セフカペンピボキシル塩酸塩細粒小児用10%「トーワ」)

イチゴ味。意外と苦みが強くて、わりと不味いですね。よく使う薬なのに知らなかった。

(3)セフゾン(セフジニル細粒小児用10%「トーワ」)

イチゴ味で甘い。しかも苦くない。今日味わった中では、ダントツ美味しい。コレ嫌いな子は少ないでしょう。

(4)トミロン(トミロン細粒小児用10%:先発品:富士フイルム)

イチゴ味で普通に甘い。苦みが少ないので飲みやすい。

(5)バナン(バナンドライシロップ5%:先発品:第一三共)

昔の袋入り粉ジュースを思い出させる、安っぽいオレンジ味。後で苦くて、そこそこ不味い。

こうしてみると、とくに理由がなければセフゾンの一択ですね。次点はトミロン。覚えておきましょう。