定年退職の歳の同窓会

恒例の「とり福の会」が、本日開催されました。

学生時代の親しい仲間が10名程度、毎年この時期(5月初旬)に集まる同窓会(懇親会)です。

福岡で行われることが多いのですが、今回は私が幹事だったので、久しぶりに熊本での会となりました。

私以外は全員が他県からの参加です。遠路はるばる東京から来てくれた友人もいます。

2012年以来毎年開催されていたのですが、コロナ禍の4年間は中断され、昨年から再開したところです。

前回熊本で開催したのは、2013年のこと。あれから12年経ちましたか。途中で地震も起きました。

熊本地震直後の会には、私は参加できませんでしたが、当会のメンバーが皆でカンパを募ってくれました。

地震被害のシンボルの1つとなった熊本城の、そのライトアップされた姿を愛でながら、今夜は飲みました。

と過去形の如く書いていますが、じつはこの原稿は今日の昼間に書いて予定投稿したものです。

会合が終わってから書くことなど不可能(時間もなければ覚醒度にも懸念がある)と考えたためです。

今年の参加者9名はみな、昭和35年度生まれ。全員が今年度に65歳となるメンツでした。

そのうち開業医は3人。6人が勤務医(医学部教授2名を含む)です。

定年退職・退官後のことなど、今夜の会合でのモロモロの話は、明日あらためて書くことにします。

では、そろそろ出かけます。幹事なので早めに。

「DPT」と「DTaP」と「Tdap」

百日咳を予防するためのワクチンをまとめてみます。現在国内で使用できるのは、以下の3つのワクチンです。

・3種混合ワクチン:ジフテリア(D)+百日咳(P)+破傷風(T)を予防するワクチン。「DPT」

・4種混合ワクチン:3種混合に不活化ポリオワクチン(IPV)を混合。平成24年に導入。「DPT-IPV」

・5種混合ワクチン:4種混合にヒブ(Hib)を混合。昨年4月導入。現在の標準ワクチン。「DPT-IPV-Hib」

標準的には1歳時に定期接種を終えるため、学童期以降の百日咳抗体の低下がいま問題となっています。

そこで、就学前(年長時)と11〜12歳ごろに、3種混合ワクチンの追加接種を行う事が推奨されています。

その際に用いるワクチンとして4種や5種は認められていないので、3種混合を接種することになります。

さて3種混合(DPT)です。その成分について、理解を深めるために少し踏み込んでおきます。

日本では、1950年代から「DP」の2種、60年代からは「DPT」の3種として、定期接種が行われていました。

ところが「全菌体(whole cell)百日咳ワクチン(wP)」成分が原因で、70年代に重篤な副反応が起きます。

以後接種率が低迷しますが、80年代に「無細胞(acellular)ワクチン(aP)」が導入され、現在に至ります。

よって今使われているDPTは、「aP」含有であることを強調するため、また順序も変えて「DTaP」なのです。

さらに欧米では、副作用軽減のために「D」と「P」の成分を減らした「Tdap」ワクチンが使われています。

成分を減らしたことが分かりやすいように、小文字が使われています。

日本国内でも、輸入した「Tdap」を接種している医療機関もありますが、正式には推奨されていません。

当院では、「DTaP」つまり従来の3種混合ワクチンを、年長時から大人まで、幅広く使っています。

「D」も「P」も大文字なので、局所反応などの副作用が強いかもしれませんが、安全性は認められています。

オボちゃんも冤罪か

TBSの日曜劇場『キャスター』を、時短のためCMの無いNetflixで観ています。(以下、ネタバレあります)

「iL細胞は存在します!美しき科学者の秘密を暴け!」というタイトルの第3話。

「STAP細胞騒動」を題材にしたストーリーでしょうから、視聴者も同様の展開を想像します。

科学雑誌の表紙が「Nature」ソックリ。こういうパロディは、徹底すればするほど面白いんですよね。

ただ、研究指導者が自殺を図った点までは、真似しなくてもよかったんじゃなかろうか。救命できたとしても。

研究論文を捏造する目的には、2種類あると思います。

(1)意図的に架空のデータを作り、虚偽の研究成果を発表する

(2)いちどは確認した実験結果をなかなか再現できず、ついに作ってしまう

STAP細胞では(1)でしたが(たぶん)、ドラマでは(2)。しかも捏造のままでは終わりませんでした。

こういう予想を裏切る結末が、このドラマの面白さかもしれません。第4話以降にも期待します。

「理論的にはIL細胞はあり得る」という、ノーベル賞受賞教授の柔軟なコメントが、私には刺さりました。

可能性があるなら、捏造説すらも疑ってみる、それが科学者のあるべきスタンスなのかもしれません。

もしかするとこのドラマ、「オボちゃん冤罪説」の議論を巻き起こす狙いがあったのかも(まさかね)。

機内で携帯電話が発火

飛行機内で乗客が持っていた携帯電話が発火した、というニュースはとても気になります。

・それはiPhoneなのか、それ以外ならどこのスマホか、もしくはスマホ以外の携帯電話か

・充電しながら使っていたのか、充電せずに使っていたのか、そもそも使用中ですらなかったのか

羽田に緊急着陸したハワイアン航空HA457便は、引き返しや目的地変更ではなく、もともと羽田行きでした。

その様子を「flightradar24」で検証してみました。こういうのが好きなのです。

機材はAirbus A332。定刻19:25のことろを18:42に、羽田では最長のC滑走路に北向きに着陸しています。

当時の羽田は南風運用(南向き着陸)中でしたが、都心を回り込むのを避け、時間を短縮したのでしょう。

その着陸3分前から、羽田からの他機の離着陸はすべて止まっています。万一の事故に備えたわけですね。

そしてHA457が無事着陸した3分後から、堰を切ったように他機の離着陸が始まりました。

機内では、発火した携帯を「防火かばん」に入れて消火したようです。迅速な処置でケガ人も出ませんでした。

なにしろ先日の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4917.html" target="_blank" title="韓国の大事故">韓国の大事故</a>がありますからね。延焼でもしたものなら機内パニックになるところでした。

にしても気になるのは、その「携帯電話」の機種と使用状況ですね。

これがスマホで、しかも充電中どころか使用中ですらなかったとしたら、これは大問題です。

機内モードにしても、スリープ中でも、常時なにか稼働しているのがスマホですからね。

まさか今後、フライト中は機内モードではなく電源オフが義務化されたりしないでしょうね。

もしもそうなると、機内Wi-Fiどころか、動画鑑賞も音楽も写真撮影も全部ダメじゃないですか。それは辛い。

「動く歩道」を使わず歩く

埼玉県羽生(はにゅう)市に家を建てた息子家族のところへ、日帰りで行って来ました。

新居は想像を超えて格好良く、孫たちもますます可愛かったのですが、今日ここで書くのはその道中の話。

慣れない場所に行くとき私はいつも、「NAVITIME」というサイトで交通機関の乗換えなどを検索しています。

羽田から羽生駅までいくルートは、時間帯によってもさまざまありますが、乗換え回数は2〜4回。

1回か2回ならともかく4回ともなると、しかも時間的な制約があると、田舎の人間にはハードル高いですね。

今日も、ホームに着いたらすぐ降りて、隣のホームの急行に乗り換える局面がありました。失敗しました。

10秒程度しか余裕がなく、本当にその電車で合ってるのか確認する暇がない。慣れの問題なんでしょうけどね。

また今日は、電車が遅れていることに気付かず、予定通りの時間に押上駅で降りたつもりが浅草駅でした。

浅草で地上に出たおかげで、スカイツリーと雷門を見ることができました。人間万事塞翁が馬です。

飛行機の話も書きましょう。今日の復路便(ANA649便)は、羽田空港の48番ゲートからの出発でした。

このゲートは旧サテライトにありましたが、2タミ本体と陸続きになり、バスではなく全部歩くので遠いです。

ラウンジを出て案内表示を見上げると「47番搭乗口まで960m」だと。48番はその隣。ほぼ同じ距離か。

ちょっと萎える距離ですが、逆に私はやる気が出てきました。よし、動く歩道は使わず、全部歩こう。

新ゲート付近は見晴らしが良く、歩くのは健康的。ほぼ駅と空港内だけで、今日は10,333歩も歩きました。

高齢者医療費が増えるのは、高齢者が多いからです

「医療費削減」が叫ばれていますが、削減できるのか、ていうかそもそも削減すべきことなんですかね。

団塊の世代がみな後期高齢者となったいま、高齢者の医療費が過去最大規模に膨らむのは至極当然のことです。

そのような状況で医療費を削減しようとすれば、高齢者1人あたりの医療費を減らさなければなりません。

そのためには、高齢者が医療を受ける頻度(量)を減らし、医療内容(質)を縮小しなければなりません。

どうやら国は、医療費が膨らんだのは医者がムダな医療をして儲けているせいだと、そう思っているようです。

そこで、手っ取り早く、医療費の単価を安くすることで医療費の総額を減らそうというのが国のやり方です。

つまり、高齢化のツケを、医療機関を薄利にすることで乗り切ろうというわけです。

医者への報酬(診療報酬)とは、一定の診療内容に対して医者に支払う単価であり、国が自由に設定できます。

医療の量や質は同じでも、医者の儲けだけが減るような報酬体系にすれば、医療費が容易に減らせるわけです。

細かくチマチマと点数をいじるのが常套手段でしたが、1点10円の根幹に手を付ける可能性も出てきました。

医者だけ限定して収入減にするため、医者以外の医療従事者のベースアップを確保する仕組みも作られました。

こんな理不尽なことが何年も行われているのに、メディアは医者の味方をしてくれず、世間にも知られません。

しかしそもそも、高齢者の医療費を負担するのは生産年齢人口です。それが減っているから大問題なのです。

何年経っても少子化を食い止められないのは、国の失策です。医者はただ、日々の医療を行っているだけです。

極薄iPhoneは極厚ケースで守る?

「iPhone 17 Air」という、極薄iPhoneが発売されるらしいですね。(まだ噂の段階ですが)

数年前、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1452.html" target="_blank" title="薄くて良く曲がるiPhone">薄くて良く曲がるiPhone</a>として定評のあったiPhone 6を、仕様通り見事に曲げたことがある私です。

お尻のポケットに入れていたんですね。気が付いたら、真横から見るとチンアナゴのようになっていました。

私は元々そんなところにiPhoneを入れる習慣はなかったのですが、これも魔が差したというか。

さて、「不安になるほど薄い」という前評判の、iPhone 17 Airに話を戻します。厚さは5.5mmになるとか。

ただ極薄iPhoneは、カメラの飛び出しが余計目立つでしょうね。あのデザインはいまだに好きになれません。

今さら言いますが、ハッキリ言って不格好です。ジョブズやアイブなら絶対認めなかったデザインですよ。

薄さに期待するのは、スマホストラップ(サコッシュ)に入れやすいところですね。それに多分軽くなるし。

今使っている、とくに海外旅行では必需品のサコッシュには、iPhone 15 Proを入れるとキチキチなんです。

だけどそれだけ薄いなら、心配なのはバッテリー容量。外出時にはモバイルバッテリーの携行は必須ですね。

たぶん、iPhone本体よりもバッテリーの方が分厚くて重いでしょうね。それって、どうなんですかね。

大丈夫です。「モバイルバッテリー搭載 iPhone 17 Air補強ケース」なんてのが、やがて発売されるはずです。

これでバッテリーも強度も十分ですね、なわけないでしょ。最初からそんな中途半端なiPhone買いませんよ。

「AI2027」論文

「AI2027」という論文が、いまの話題であり今日のテーマです。

OpenAIの研究者などの専門家が2027年末までのAIの発展を予測したもので、具体的で衝撃的な内容です。

詳細は省きますが、結論として、今後のAIの開発ペースしだいで、行く末は2つに分かれるとしています。

(1)開発競争を優先した場合:AIが自律的に意思決定を行うようになり、最終的に人類の支配権を奪う

(2)開発ペースを抑えた場合:AIは人に対して従順で、人をサポートする

私に言わせれば、(2)は単なる過渡期であって、最終的には(1)になるような気がします。

なぜなら、時間とともにAIはいくらでも進化しますが、人は数年〜数十年程度では進化しないからです。

それに各国が協調して(2)を目指したところで、抜け駆けする大国が3つ4つあるでしょう。米露中などです。

どうせ世界が(1)に至るなら、せめて自国だけはAIの側に付きたいと、利己的に考えるわけです。

人類を支配したAIが何を考えるかと言えば、世界平和や地球環境の維持を際限なく追求し始めるでしょうね。

なので皮肉なことに、米露中などが真っ先に「駆除」されることになるでしょう。少々痛快です。

でも最終的には、全ての人間が駆除されることになりますね。完璧な意味で罪のない人間などいませんから。

人間は隠れて抵抗するしかありません。映画『ターミネーター』の世界が現実になるのは、もうすぐです。

ただしそれが2027年末だとしたら、ちょっと早すぎませんか。あと2年半ですか。いやあ、どうしよう。

「MRワクチン」の定期接種期間は延長されています

MRワクチンの定期接種期間が延長されています。

この件については、当ブログで周知できていなかったので、今日になって慌てて書いておきます。

このワクチンが不足していることについては、2カ月前に書いたとおりです。

それを受けて厚労省から、令和8年度末までの公費接種延長措置の対象が、以下のように決定されました。

・第1期:令和6年度に2歳の誕生日を迎えた方(令和4年度生まれの方)

・第2期:令和6年度にMR2期の接種対象(平成30年度生まれの方)

・第5期:昭和37〜53年度生まれで、昨年度までに風しん抗体検査を受け、抗体価が不十分であった男性

本来、1期の接種対象は「満年齢」1歳ですが、延長措置の対象は「年度年齢」単位で決まる点が要注意です。

ワクチンの供給不安定が令和6年度末まで続いたというのが、この規定の理由(厚労省の理屈)のようです。

にしても、令和6年度の対象者の接種期間を令和8年度末まで延長するのは、延長のしすぎじゃないですかね。

それと対照的に、令和7年度の接種対象者には延長措置が無く、接種期間の逆転現象が起きています。

たとえば、3/31に2歳になった子は今後約2年間接種できますが、4/2に2歳になった子はもう接種できません。

現時点ですでにワクチンの流通は安定しているので、今回の延長措置はもう少し短い期間でも良かったですね。

いま海外から持ち込まれた麻疹が国内で発生しており、国内では久しぶりに麻疹の流行が懸念されています。

接種期間の延長のしすぎは対象者にムダに余裕を与え、接種を遅らせ、結果的に感染のリスクを生みます。

延長対象のお子さんは、延長されたからといってのんびりせず、なるべく早めに接種しましょうね。

「新幹線大爆破」

映画『新幹線大爆破』がNetflixで配信されたので、鑑賞しました。(以下、ネタバレ少しあります)

1975年に公開された同名の映画の、リメイクというか、リブートというか、じつは○○でしたね。

子どもの頃にテレビで観た前作(昭和版)については、ちょうど10年前に書いたことがあります。

犯人が高倉健、運転士が千葉真一、指令は宇津井健、刑事は丹波哲郎に北大路欣也と、超豪華なキャストです。

その昭和版では、新幹線は博多行きの山陽新幹線でした。

北九州に入る前に山口県内で爆破させようという、山口県人(当時の私)としては納得できかねる展開でした。

それに対して令和版は東京行き。まあね、想定される被害が大きい方が、映画も盛り上がるのです。

さすがに現代風の機器も登場しますが、指令所のパネルのアナログなところがじつにいいですね。

新幹線のある車輌が、一定の速度以下になると爆発するような爆弾がセットされた、という設定は共通です。

遠隔操作で起爆する方が簡単なのに、なぜそんな面倒な爆弾にしたのかといえば、それが映画だからでしょう。

おかげで独特の緊迫した場面が約束されます。よくぞその設定を思いついたと思います。

意外なことに令和版って、昭和版のリメイクでもなければリブートでもない、「続編」だったんですね。