です・ます

「そうですね」と言うかわりに、「ですね」で済ませる人が増えています。

「そうです」と返答する場面で、「です」 とだけ言う人も時々います。

「そう・です」という言葉の中で、省くと意味が無くなる「そう」を省き、本来意味をもたない「です」だけを残す。斬新です。

「ですです」と重ねて言う人にも、最近出会いました。

そのうち、こんな感じになるでしょう。

「明日はお休みですよね?」

「です」

「じゃあ、飲みにでも行きますか?」

「ます」

 ーーー

「焼酎好きなんですね、もっと飲みますか?」

「ですます」

スケジュール管理

システム手帳を、かつて私は愛用していました。

ヌメ革の表紙の手触りが好きで、いつも携帯していました。リフィルにも凝りました。

ただ、スケジュール管理には最適だったのですが、データの再利用ができないのが欠点でした。

例えば、あとで特定の事項を検索しようとすると、アナログなりの苦労をしました。

そこで7,8年前、電子手帳を導入しました。ソニーのCLIEです。これまたヌメ革のケースに入れていました。

実を言えば、端末の使い勝手はいまひとつでしたが、パソコン(Mac)とのデータ連動(同期)ができるのが強みでした。

ところがある日突然、ソニーが電子手帳からの撤退を表明。CLIEの販売を中止してしまったのです。

ソニーという会社は、意外と平気でこういうことをやって、ユーザーをがっかりさせます。

将来性を失ったCLIEを使い続けるわけにもいかず、一時システム手帳に戻りました。

最近のスケジュール管理はもちろんiPhoneです。ケースはヌメ革です。好きなんです。

スケジュールは常にパソコンとiPhoneとで自動的に「同期」します。

これは、予定表の本体がいわゆる「クラウド」にあるからです。パソコンやiPhoneでは事実上「クラウド」上の予定表を修正したり見ているに過ぎません。

これってホントに便利な仕組みです。

これからのスケジュール管理の真の主役は、スマートフォンという端末ではなく、「クラウド」なのかもしれません。

最近の流行語

辛くも不信任案が否決された菅首相。約束した退陣の時期は、震災からの復旧・復興と福島原発事故の収束に「一定のメドがついた時期」とのこと。

「一定の」メド

いまホットな言葉です。紛糾を招いています。

字面の印象とは裏腹に、どのようにでも解釈できるあいまいな言葉なので、今後政治家の間で流行が予想されます。

「ゼロではない」

原子力安全委員会の班目委員長によると、彼の口癖で、「事実上ゼロだという意味」とのこと。

この言葉、医者は意外によく使うのでは?

手術前のインフォームド・コンセントで、希な合併症や併発症のことを説明する際、「起きる可能性は低いですが、ゼロではありません」と、私はよく使っていました。

これを「起きる可能性はほとんどありません」と言うと、誤った印象を与えるからですが、悪く言えば責任回避の常套句です。

班目委員長もおそらくそのニュアンスで使ったのでしょう。

ところで、なぜ「斑目」ではなくて「班目」なのか。

「ペテン師」

前首相が現首相に言う言葉でしょうか。

それにしても、久しぶりに聞いた、レトロな言葉です。

高2全員へのMRワクチン接種へ向けて

2回接種法による、麻しん風しん混合(MR)ワクチンの定期接種は、平成18年から始まりました。

接種回数を、1歳時と就学前の2回に増やすことによって、麻しんの撲滅を目指したわけです。

この時点ですでに小学生だったこどもたちにも、2回目の接種機会を与えるために、平成20年度から24年度までの時限措置として、中1と高3に対する定期接種が設定されました。

時限措置の最終年度(つまり来年度)にようやく接種ができるのが、今の小6と高2です。

とくに高2は、1回目の接種からの間隔が長いので、免疫力の低下が心配されています。

国は5月20日、政令によって、高校2年生をMRワクチンの接種対象に加えました。

東京などで麻疹が流行している今、なかなかフレキシブルな対応と評価できます。

ここまでは「いい話」。

ところが、厚労省は実施要領のなかで、海外への修学旅行予定者を念頭においた上で、

「修学旅行や学校行事としての研修旅行に行くなど、特段の事情がない場合は、18歳となる日の属する年度に接種すること」

と限定条件を付けたのです。

「政令では高2もOKとしたけど、原則高3ですよ」というわけです。

全国の多くの自治体がこの要領に従い、「高2への接種は海外への修学旅行予定者限定」の条件をつけてしまいました。

調べてみるうちに、政令の趣旨を一省庁が損ねてしまう、今回のような実施要領には、効力が無いことを知りました。

早速、医師会を通じて市の担当者に問い合わせてみました。

市では判断できなかったようで、県に問い合わせたうえでの回答は

「高2への接種は海外旅行予定者に限ります」との一点張り。

「家族旅行でも認めます」という、プチ譲歩もありましたが、とても納得はできません。

再び市に要求。こんどは県を通さず、国に直接問い合わせるようにと念を押しました。

すると驚いたことに、回答は180度転換。

「高2は無条件で全員接種できます」とのこと。

というわけで、熊本市では、高2の接種条件が撤回され、全員接種可能になりました。

全国的にこの接種制限が回避されるように、発言力のある人たちへの働きかけを考え中です。

ポリオワクチン

ポリオは小児麻痺ともいわれ、日本では2000年に根絶宣言が出された感染症です。

なのに今でも、毎年のように発症例があります。これらはすべて生ワクチンからの感染です。

日本でのポリオ予防は、すべての乳幼児に対して2回づつ、経口ポリオ生ワクチンを飲ませることによって行われています。

そしてその生ワクチンによって、100万人に1人程度の確率で、ポリオを発症して麻痺が起きてしまうことがわかっています。

アメリカは1997年に、感染の危険のない不活化ワクチンに切り替えました。

いま、不活化ワクチンが世界の常識です。なのに、日本はいまだに生ワクチン。

市民運動などを最近マスコミが取り上げることも増え、ようやくお役所が動きました。

厚労省は先週、来年度からの不活化ポリオワクチン導入を決めました。

「もっと早く導入できなかったのか」と、今日も細川厚労相が自嘲気味に語っていましたが、それほどに、日本のワクチン行政は動きが鈍いのです。

日本でのポリオワクチン接種は昭和34年に始まりました。

最初に使用されたのは、実は不活化ワクチンで、しかも任意の有料接種でした。

ところがその翌年、私が生まれた昭和35年ですが、ポリオの大流行が起きたそうです。患者数は全国で5600人以上。当然ワクチンは不足しました。

そこで国は、市民運動に押される形ではありましたが、生ワクチンの超法規的緊急輸入に踏み切り、治験も行わず、全国の乳幼児全員に無料で、短期間のうちに一斉接種を行い、患者発生数を激減させたのでした。

日本が成し遂げたその「快挙」は、その後、世界の感染症対策のお手本とされたそうです。

残念ながら、日本のワクチン行政はその後だんだんと鈍化し、後のワクチン後進国を築いていくことになります。

メルトダウンと水位計

福島第一原発1号機の核燃料が、地震の直後にメルトダウンしていたことがわかりました。

原子炉の水位計を調整して判明したことは、燃料が完全に「空だき」になっていた事実でした。

これまでの2カ月間、テレビや新聞で原子炉の図解を見て、燃料棒と水面の位置関係についての最新情報に一喜一憂してきたあれは、いったい何だったのか。

メルトダウンを示唆する傍証はこれまでにたくさんありました。

しかし東電や役所は、異を唱える一部の専門家の意見には耳を傾けず、事態を過小評価してきたわけです。

あのスリーマイル島原発事故でも、水位計の故障のために原子炉内が満水と誤認してしまい、冷却を止めたために、燃料棒が3分の2ほど露出してメルトダウンが起きたそうです。

映画「チャイナ・シンドローム」は、そのスリーマイル事故の直前に作られた、原発事故を題材にした映画ですが、その中でも、やはり水位計の誤表示が原因で判断を誤り、メルトダウンになりそうになるシーンがありました。

学生の頃この映画を観たとき、原子炉が「メルトダウン」という状態になると、高温の核燃料によって原子炉の底が抜け、地球規模の大惨事になってしまうと、そのように理解したものでした。

いま福島のメルトダウンした核燃料は、圧力容器の底にたまっているようです。

東電によれば、少量の水によって「うまい具合に」冷却されているとのことですが、そんな説明で素直に安心できるほど、今の日本人は無知ではありません。

圧力容器はすでに損傷し、これまでに大量の水が漏れています。

もしも、その損傷部がだんだん拡大して冷却水注入が追いつかなくなると、核燃料が再び水面から露出してしまいます。

原子炉の底は抜けないのか。私はそれを、本気で心配しています。

それにしても、原発の水位計って、原子炉を冷却する上では何よりも重要な計器なのに、どうしてこんなに簡単に故障してしまうのでしょうか。

ユッケで食中毒

焼肉店で起きた、腸管出血性大腸菌「O-111」による集団食中毒。

ただの食中毒では済まされない事件に発展してきました。

初めは、某焼肉店での集団食中毒と、ユッケを食べた男児の死亡報道。

>衛生管理のひどい焼肉店があったものだ。

同じ焼き肉チェーンの、別の店でもユッケを食べた男児が死亡。

>この企業の経営体質に問題がありそう。

両店はユッケ用の肉を同じ食肉業者から仕入れていた。

>もしかして真犯人は食肉業者? 

店は生食用ではなく加熱用と認識して仕入れていた。

>やっぱり焼肉チェーンに重大責任あり。

食肉業者はユッケ用と知っていて加熱用肉を卸していた。

>卸も焼肉店もどっちも悪い。

「生食用」表示の牛肉は、そもそも国内に存在しない。

>なんじゃそりゃ

「生食用」と表示するための厚労省の衛生基準に強制力無し。

>元凶は行政の不備?

国は、形ばかりの規則をつくり、あとは丸投げ。

問題が起きたら、社長が土下座し、官僚が苦々しい顔をしてみせる。

おなじみの構図になってきました。

原発事故

福島原発事故の評価が、チェルノブイリ並みのレベル7に引き上げられました。

「同じレベル7でもチェルノブイリとはまったく違います」と言う人がいますが、「では、どちらが深刻なのですか」と切り返したくなる気分です。

ところでチェルノブイリ原発事故といえば、その放射線被害の大きさばかりが記憶に残っていますが、事故のいきさつを、あらためて調べてみて驚きました。

もしも何らかの原因で緊急炉心停止装置が故障し、停電によって外部電源も途絶え、おまけにディーゼル発電機もうまく稼働しない状況になった場合に、どのようにして冷却用の電力を確保できるのか。

電源喪失時の対処法を「実験」する中で起きたのがチェルノブイリの事故だったようです。

原発においては、昔から電源喪失を恐れてきたことがわかります。

そのチェルノブイリから四半世紀もたった今、電源喪失による原発事故が起きたことに愕然とします。

絶対に冷却を止めてはならない核燃料という「暴れん坊」を、人類はまだ手なずけることができていないようです。

使用済み核燃料プールの無防備さにも驚きました。

いくら原子炉本体がきわめて頑丈な圧力容器や格納容器で守られているとしても、建屋の天井が無くなると、外から核燃料プールが丸見えです。

プールが破壊されたら、おそらく制御不能の大惨事になるでしょう。

原発を存続させるのなら、隕石の直撃や航空機テロにも耐えられるぐらいの、あきれるほど徹底した安全対策をしてもらいたいです。

震災と健康問題

被災地の惨状が、だんだんと詳しく伝わってきています。

今日は、医療分野で気になること。

まず、被災者の健康問題。

震災によるケガや避難後の体調悪化だけでなく、必要な医療が中断されたことによる持病の悪化も大問題です。

急病患者への医療もままならないでしょうし、癌や心臓病などで手術予定だった人たちはどうなっているのか。

被災地の過酷な環境で医療に従事する人たち。想像を絶するものがあります。

ニュースの大半を占めているのは、原子力発電所事故に伴う放射能汚染問題。

「一部で高レベルの放射能が検出されましたが、その他の地点では健康被害をもたらす放射能は検出されませんでした。ご安心下さい。」

官房長官は今日もこのような語り口です。

「多くの地点では健康被害をもたらす放射能は検出されませんでしたが、一部では高レベルの放射能が検出されました。ご注意下さい。」

どうしてこのように言えないのか。危機感の欠如を感じます。

米国と韓国は、自国人を原発から80キロ退避させたというのに。

被爆覚悟で原子炉の冷却作業に従事している人たちのことを思うと、涙が出ます。

製薬工場の被災で、供給停止の危機に直面している薬があります。

日本でただ一カ所、あすか製薬のいわき工場で作られていた、甲状腺ホルモン剤です。

これは日本中の、甲状腺機能低下症の患者さんにとっての一大事です。

緊急輸入等で対処できると思いますが、こういった薬は、全国に分散して生産または貯蔵するような仕組みにはできないのでしょうか。

話はそれますが、ACジャパンのTV CMはどうにかならないものでしょうか。

趣旨は悪くないのですが、あれだけ何度も同じものを見せられると、さすがにちょっと・・・。

CMが流れている間だけ、TVの電源が切れる仕組みにできませんか。節電にもなります。

大震災

未曾有の大災害が起きました。

言葉が見当たらず、ブログ更新を躊躇するうちにも、刻々と状況が変わっています。

津波の規模が大きすぎて、従来の沿岸対策ではまったく歯が立ちませんでした。

「想定外」という言葉が繰り返されますが、では今後、どのレベルまで「想定」すべきなのか。

二重三重の安全策が講じられていたはずの原子力発電所に、毎日新たな異常が出現し、不具合は連鎖し、放射能汚染の拡大が懸念されています。

これだけの緊急事態だというのに、電力会社の隠蔽体質は変わらず、情報を矮小化して発表する傾向が見られます。

首相や官房長官の発言にも、楽観的・希望的表現が目立ちます。

不用意な発言によるパニックを恐れているのか、それとも悪い予測を口にすることを忌み嫌う日本人の体質なのか。

事ここに至っては、チェルノブイリ級の事態を想定した対策を打ち出したとしても、だれも政府を責めることはないでしょう。

これまで私は、反原発の立場の人々の考えを前近代的で非科学的と見ていましたが、それは偏見でした。

これを機に、日本は脱原発をリードする国になってはどうでしょうか。

それはドイツではなく、被爆国日本・地震国日本の宿命的役割かもしれません。

日本よりも経済規模の小さな多くの国々が、いま日本に援助の手をさしのべようとしてくれていることを、素直にありがたく感じます。

みな同じ地球人だという思いになりました。

被災された方々には心からお見舞い申し上げます。

災害規模があまりに大きく、被災者の救援活動は難航し、復興のことまで考えると途方に暮れてしまいます。

西日本に住んでいて直接的被害がない自分に、いまできることは何か。

とりあえず、いちばん即効性のある支援といわれている「節電」に取り組んでみたところです。