九州電力が墓穴を掘りました。
玄海原発運転再開のための説明番組における「やらせメール」問題です。
会社側の人間が、一般市民を装って、会社にとって有利な意見をメールする。
これを九電が指示したというのなら、明らかに世論操作です。
ただ、九電を弁護するわけではないですが、今回の「やらせメール」は稚拙で無計画なものだったと思います。
まず、本社からの指示メールの扱いがずさん。秘密裏に伝達されるべきなのに、容易に関連会社内に拡散し、2000人以上が目にしたといいます。内部告発が出てこない方がおかしい。
また、実際のやらせ投稿があまりに無計画。原発再稼働の賛成数が286と、反対の163を大きく引き離す「やり過ぎ」な結果になってしまいました。やらせメール投稿の「発案者」はいても「管理者」がいなかったのでしょう。
そもそも、メールやFAXによる短時間の意見集約に、公正さを求めること自体が、無理なような気がします。
このような場合に投稿するのは、人一倍問題意識を持ち、行動的な人が多いでしょう。
概して、保守的な人よりも革新的な人の方が、投稿する動機を持ちやすいと、私は思います。
九電は、このようなバイアスを是正しようとあせり、やり方を誤ったのかもしれません。
結果として、九電の信頼は、東電並みに失墜しました。