インフルの検査を受けない選択肢

この数日の発熱外来の様子から想像するに、インフルエンザもコロナも、どちらも流行へ向かっていますね。

ただし面白いことに、と言うと語弊がありますが、インフルの疑いがあっても検査を受けない方が時々います。

コロナはかつて、検査も薬も無料だった時代がありました。遠い昔のように思えますが、2年前までの話です。

「5類化」によって検査代が有料となり、薬代もバカ高く、コロナかどうかを知りたくない人も現れました。

コロナと並行して流行を繰り返しているインフルエンザについても、患者さんの意識には変化が見られます。

インフルだって検査代は安くないし、コロナと同様に、診断を確定したくない人もいます。

つまり、発熱しても検査しないという選択肢があることを、コロナ禍を通して知ってしまったんですね。

それが間違っているとは思いません。むしろこれまでの日本は、検査と治療が過剰だったと思うべきでしょう。

日本には、念のためインフル検査しとこう、陽性ならタミフル飲んどこう、という観念が定着していました。

しかしコロナ5類化を機に、5類の先輩格であるインフルへの理解も、少し変わってきたのかもしれません。

コロナですら特効薬を飲まずに自宅療養してるのに、インフルで慌てることもなかろう、ということです。

タミフル信奉者はまだ多いですが、薬の副作用に敏感な方たちの間では、無治療を選択する方も増えています。

どちらの感染症がより重大だという絶対的な指標はありませんが、インフルにタミフルは必須ではありません。

そんな流れが見え始めているのが、今シーズン(と言うのか?)のインフルの、新たな特徴かもしれません。

コメ価格高騰

カレーと豆ご飯の時ぐらいしか白飯を食べない私ですが、コメ価格の異常な高騰は他人事ではありません。

家人が白飯をバクバク食べてますから。

そんな中、新たに農水相になったばかりの小泉進次郎氏が、古い備蓄米の安価放出に踏み切りました。

彼の歯切れの良い発言にばかり目が行きますが、最終的に新しいコメの価格まで下がるかどうかがキモです。

日本政府の「減反政策」によって、コメはつねに需要ギリギリの生産量を維持しています。

余裕が無いので、猛暑やインバウンド増加等によって需給バランスが崩れると、コメはすぐ不足するのです。

これは、病棟をほぼ満床にしなければ儲からないようになっている、いまの診療報酬体制と少し似ています。

そんなときにパンデミックが起きると、すぐに空き病床がなくなり、スタッフも足りず、医療はひっ迫します。

減反政策は、政府が農家に補助金を出して生産を減量させ、米価を市場価格よりも高く維持するものです。

この政策の誤りを国は認めないので、昨年の段階では、コメが不足していることすら認めたがりませんでした。

これは、ワクチンが不足しても流通や医療機関の問題だとして認めない、厚労省の言い方とそっくりです。

ただし、農業と医療への国の対応は真逆です。

減反政策が農家の収入を維持する方向に働く一方で、医療政策はつねに医者の収入を減らす方向に作用します。

高用量インフルエンザHAワクチン

今年10月からのインフルエンザワクチンの話を書きます。実はもう、それほど先のことでもないのです。

現時点で、日本で薬事承認されているインフルエンザワクチンは、次の3つです。

【不活化インフルエンザHAワクチン】(KMB、ビケン、デンカの3社が、それぞれ別の製品を製造)

対象は0歳6カ月以上の全年齢。3歳未満は1回0.25ml、3歳以上は0.5ml。13歳未満は2回接種。

毎年10月から、任意接種と高齢者対象の定期接種が始まる、もっとも一般的なワクチンです。皮下接種。

【経鼻弱毒生インフルエンザワクチン】(第一三共)

対象は2歳〜18歳。点鼻なので痛くないですが、乳幼児は大泣きして鼻水ズルズルだと使いづらそう。

製剤の取扱い難さなどを嫌って、当院では昨シーズンの導入を見合わせました。今年は改めて検討します。

【高用量インフルエンザHAワクチン】(サノフィ)

対象は60歳以上。免疫力が低下して予防接種の効果が弱い高齢者用に、抗原量を倍増して強めたワクチンです。

高用量の分、痛そうですね。ファイザーのコロナワクチンの2倍を超える0.7mlという筋注量にもビビります。

商品名は「エフルエルダ」。今年の定期接種ワクチンとして採用されるでしょうか。あとワクチン高そう。

未完のコロナ、波がまた来る

終わらないコロナ。ていうか、ウィズコロナですから、終わりも何もないのですが、また波が来そうです。

当院の発熱外来では、このところ検査数自体が多くはないですが、検査すると散発的に陽性が出ます。

しばしば、会社で何人か出たなどと、クラスターの存在を耳にします。

今日は近隣の中学生が陽性でした。その子の家庭でも学校内でも、コロナが出た話は聞いてないとのこと。

病状が比較的軽い方が多く、しかも検査率が減っており、感染拡大の実態を正確につかむことは不可能です。

なので検査代が無料のため検査率が高い子どもにおいて、流行の予兆が早期に把握されることになるでしょう。

ただしコロナ禍以降、学校では欠席者が何の病気で休んでいるかを、個別には明らかにしなくなりました。

プライバシー保護のためとは言え、コロナなのかインフルなのか、同級生にもわからないことがあります。

近隣の他の中学校では、学級閉鎖も出ています。これはB型インフルエンザという情報を聞きました。

しかしそれとて、「コロナ込み」の欠席者数による学級閉鎖判断だったのかもしれません。

夏にはコロナが大流行する、という警戒情報が、このところあちこちから聞こえ始めています。

もう誰もカウントしてないかもしれませんが、次は「第13波」です。

第8波以来、波のピークは「R5正月→R5夏→R6正月→R6夏→R7正月」と繰り返し、次が「R7夏」です。

ある意味で「季節性」変動がありますが、その要因は気温や湿度ではなく、「人の移動」かもしれませんね。

深夜の通販番組

高齢者は起床時間が早くなります。単に早寝早起きというのではなく、何時に寝ても早く目覚めます。

これを「睡眠相前進症候群」と言ったりします。4時5時ならまだしも、2時3時ともなると困りものですね。

早寝できる人なら良いのですが、夜更かしをする習慣の方だと睡眠時間がとても短くなってしまいます。

真夜中に目覚めてしまうと、もうひと寝入りしようと思ってもなかなか眠れません。体が覚醒モードなのです。

しょうがないのでテレビでもつけてみると、たいてい通販番組をやっています。

真夜中なのに、いますぐお電話くださいとか、いまならオトク、などのフレーズで元気よく攻めてきます。

まだ少々ボンヤリした状態で、ちょっとそそる内容の商品を紹介されると、ついつい手を出してしまいます。

そんな話をときどき耳にしてきましたが、実家の母も最近、同じパターンで健康関連商品を買ったようです。

日中に相談してくれたら、少し調べて楽天で買う事もできたのですが、まあ済んだことと思っていました。

ところが先日、頼んでもないのにまた同じ商品が届いた、しかも料金が高くなっている、と母からの連絡あり。

あちゃ〜、初回限定大幅値引きで自動更新(継続)のパターンのヤツじゃないですか。やられたね。

こういった「自動更新罠」の商法は、詐欺とまでは言いませんけど、誠実な商売ではないですね。

とくに、未明に高齢者向け商品を即断発注させる、いわば「ボンヤリ商法」って、かなり悪質だと思います。

そんな真夜中にテレビを見てる高齢者が多いから、狙うんでしょうけどね。

迷惑メールフォルダは常連の巣窟

「国税庁からの連絡を装った不審なメールについて」と国税庁が注意喚起するメールが、私にも届きました。

「税金未納分のご案内」という件名です。これはまずい、すぐ対応しなければ、と思わせますね。

ですが差出人が「イータックス( i-Tax )」ですからね。なんでソコ間違えるの。「e-Tax」でしょうよ。

こんな失態をやらかすような詐欺メールは、逆に本文もじっくり読みたくなりますが、こらえました。

このメールは「迷惑メール」フォルダに格納されているのを見つけたものです。

大事なメールが時々迷惑メール扱いになっているので、このフォルダは毎日チェックしなければなりません。

今日は「JCB Webmaster」と「ETC利用照会サービス」からも届いていました。怪しいメールの常連ですね。

Amazonから、配送予定の連絡メールが来ますが、何が届くのか、メールを見ただけではわかりません。

以前は、メール内に注文の詳細と写真があったのですが、最近は注文番号と確認ボタンがあるだけです。

そのボタンをクリックすればAmazonのサイトが表示されるのでしょうけど、クリックには抵抗がありますね。

どうしてそのような、リンクをクリックさせるようなメールをいまだに送ってくるのでしょう。

Amazonだけじゃありません。リンクを貼っているメールを送ること自体、いまどき非常識でしょう。

とはいえ、メール内のリンクのクリックをかたくなに拒み続けるのは、ホントに不便です。

厚労省からも、リンクだらけのメールが届きます。たぶん安全なのですが、どうしてもクリックは躊躇します。

結局、回り道して、ブックマークしたサイトから入るのです。そういう杓子定規な性格がイヤになります。

航空旅行中のトイレ事情

旅行中に見た景色や出会った人、食べた物や買った物、乗り物や体験したことを思い出すのは楽しいものです。

そこで今日は、先週の旅行中にどこのトイレに何回行ったか、その詳細な状況を思い出してみました。

なお、食事中の方は読まない方がよろしいかと。

熊本空港で小2回。もしも大をするなら、ラウンジ横よりも奥の搭乗口前の方が、個室が多くて良いですね。

羽田空港で小1回。成田空港で小3回。ラウンジのトイレはホントに綺麗です。

成田–メキシコシティー便の機内で小4回、大1回、大かと思いきやオナラ1回。トイレの窓からの景色が良い。

メキシコシティー空港で小2回、大1回。個室間の壁の下側がすごく空いていて、落ち着きません。

あ〜、やめます。アホらしい。(いま気付いたか)

機内のトイレって狭いですよね。一見小綺麗ですが、便器内部が汚れていることがけっこうあります。

CAさんが定期的に清掃しますが、私の使用直後に清掃に入られると、私が汚したと勘違いされてイヤですね。

たまに床がひどく汚れていることがあって、あんな場所で寝間着に着替えたくないです。

そこで今回、そのまま寝間着にもなるイージーパンツを買ったのですが、自宅に忘れて出発してしまいました。

飛行機では、混み合う前にトイレに行くのが鉄則です。シートベルトサインが消えたら即、行動すべし。

機内食の時間帯が近づいたら、その前に早めにトイレに行っておかなければ、通路の移動が難しくなります。

旅行中に限りませんが、便意が来たらすぐトイレに行くこと。出るのがオナラだけでも、お腹は楽になります。

窮屈なシートに十時間以上座り、歩くのはトイレの時だけ。そんな国際線では便通管理がとても大事なのです。

海外旅行中のネット環境

海外旅行中のデータ通信は、前回シドニーに行ったときには「eSIM」を初めて使いましたが、正解でした。

なので今回のメキシコでも、同じ会社が提供するeSIMを使い、旅行中の快適なネット環境が維持できました。

しかも無制限プランが4日で2,390円と、ソフトバンクの「海外パケットし放題」の1日分の料金より安い。

では準備編。あらかじめ旅行前に、できれば早めに、ネットで購入しておくと焦りません。カード決済です。

購入するとすぐに、メールでQRコードが届くので、それを元にインストールします。とても簡単です。

その際についでに、忘れないうちに、帰国時に必要なVisit Japan Webの登録も済ませておくのが良いですね。

これもQRコードが発行されるので、それをスクショしておけば帰国準備完了です。

実践編。現地(今回はメキシコシティー空港)に着いたら、すぐにeSIMのアクティベーション作業をします。

iPhoneで設定するのは3カ所。詳細は省きますが、その3カ所のボタンを緑にするだけです。

最初は繋がらずに焦りましたが、iPhoneを再起動したら解決しました。通信関係の「あるある」ですね。

通信速度はとても速く、観光地で調べ物をしたり、移動中にGoogle Mapを見られるのが嬉しい。

4日間の通信量は2.3GBでした。思いのほか使わなかったのは、空港やホテルではWi-Fi環境だったからです。

Wi-Fiが使える場所では、それがある程度信頼できるなら使いますが、実際の安全性はよくわかりませんね。

また、Wi-Fi環境下で使った後に屋外に出ると、ときどきeSIMのデータ通信ができなくなりました。

これもまた、iPhoneの再起動で改善しました。どうやらそこがポイントでしょうか。トラブったら再起動。

カンクンまでたどり着くために

ワイキキに飽きた上級者が行くのがカンクンらしいですが、私はワイキキに飽きてもないのに行ってきました。

難易度の高そうな(=体力を使いそうな)場所に、先に行っておきたいからです。

今後カンクンに初めて個人旅行をする方のために、私の経験を踏まえて行き方の注意点について書いてみます。

カンクン(CUN)までのルートとして私は、メキシコシティ(MEX)経由しか思いつきませんでした。

なぜなら、ANAの成田–MEXの特典航空券は、とても入手しやすいのです。希望日がたいてい取れます。

しかしそうなると、MEX–CUN間で利用する航空会社は、遅延で有名なアエロメヒコ一択となってしまいます。

他にLCCがありますが、アエロメヒコよりもさらに危険(遅延その他諸々)なので、かなり上級編となります。

今回の往路は出発が90分遅延しました。心配な復路の遅延はわずかで、乗り継ぎへの支障はありませんでした。

現地在住の日本人はたいてい、ロサンゼルスかヒューストン経由でCUNと日本を行き来するそうですね。

米国入国は必要ですが、CUN便にユナイテッド航空を使えるので、信頼性が違うしANAとの親和性も良い。

あらためて地図を見たら、ヒューストンとカンクンってめっちゃ近い。ヒューと飛んでストンぐらいですよ。

ANAの発着はMEXのターミナル1ですが、アエロメヒコはターミナル2です。ターミナル間の移動が必要です。

バスよりも乗継用のアエロトレンが便利です。ただし乗車の際には入口で搭乗券を提示しなければなりません。

駅の係員はスペイン語しか通じないので、紙かスマホの搭乗券を見せられる準備をしておいた方が無難です。

私はeTicketしか持っていなかったので手こずっていたら、通りすがりの航空会社の機長が助けてくれました。

駅の入口には銃を構えた兵士が立ち、緊張感が漂っています。搭乗券無しでは絶対に乗れない雰囲気です。

今回の私のように、日本から一気にCUNまで行くのは、通算の移動時間がとても長くなってけっこう疲れます。

MEXなどの乗継地点で1泊すれば、時間帯の調整と観光もできて一石二鳥かもしれませんね。

ユカタンの歴史と蛇

「カンクン」とは、「マヤ語」で「蛇(カン)の巣(クン)」だと言います。

かつては海辺のジャングル島でほぼ無人だったそうで、もちろんヘビもウジャウジャいたのでしょう。

いまはしかし、米国のセレブはホテルゾーンではなく、ユカタン本土のジャングル地帯のホテルに泊まるとか。

富豪らが何を考えているのかわかりませんが、彼ら向けの、カリブ海の見えないホテルもたくさんあります。

ユカタンはマヤ文明が栄えた場所なので、あちこちに遺跡があります。

私が訪れたのは、いちばん有名な観光地でもある、「チチェン・イッツア」のピラミッドなどです。

一般的な遺跡の説明などをここに書いてもしょうがないので、私の体験・印象深い点を書いてみます。

チチェン・イッツアは、ユカタンの内陸部のジャングルにあり、カンクンからはかなり遠い。車で3時間以上。

ピラミッドの中には、まるでマトリョーシカ人形のように、小ぶりのもう一つのピラミッドがあるそうです。

マヤの最高神である「ククルカン」の頭の石像が、あちこちにあります。「カン」は蛇の意味ですね。

高い場所にあるモノ、落下したモノ、レリーフに描かれたモノなど、あちこちが蛇頭だらけです。

ピラミッド周囲に日差しを遮るものがなく、真上からの直射日光は凄く暑くて熱中症の危険があります。

チチェン・イッツアに限らず、近隣のジャングル沿いの道路には、マヤの民芸品の露店が数多く並んでいます。

マヤ人はいまもユカタンには住んでいて、民芸品店や空港などでも、それと分かる風貌の人たちを見かけます。

他のマヤの遺跡はあまり見られませんでした。世界には他にも遺跡もたくさんあるので、次はそっちかなぁ。