大屋根リングとApple Park

大阪・関西万博会場の雨対策は大丈夫ですかね。

開幕初日、大屋根リングの雨漏りがひどかったと報じられた記憶も新しいのですが、改善されたのでしょうか。

あれは雨漏りではなく、雨といの水が溢れて吹き込んだのだそうですが、来場者からすれば同じことでしょう。

「雨がっぱを持っていただくなどの対策をお勧めしたい」と今も主催者が言ってるので、推して知るべしです。

結局あの会場は、風雨対策を真面目に考えていなかった(怠っていた)ということです。たぶん、猛暑対策も。

雨降りだった昨日も、リング下のベンチはカッパ姿や傘を差す人で埋め尽くされていたようですね。

リングは高さが高すぎて、幅があっても風雨が吹き込みやすく、雨宿りにはあまり適してないのでしょう。

梅雨の降り具合ぐらいならまだしも、夏のゲリラ豪雨ではまた悲惨なことが起きそうな気がします。

大屋根リングから連想するのは、2017年に完成したAppleの本社ビル「Apple Park」です。

その外径464mは、675mの大屋根リングよりもふたまわり小さいですが、ガラス張りでいかにも未来的。

そのAppleの開発者向けカンファレンス「WWDC 2025」が昨日、Apple Parkで開催されました。

Apple製品全ての「UI」が刷新されて統一感が強まり、「Apple Intelligence」も進化するようです。

新製品に興味無いわけじゃないのですが、かつて敬虔なApple信者だった私も、最近は布施を減らしています。

今年は西暦奇数年。私の基準ではiPhoneを買い替える年です。バッテリーの持ちが改善してると良いのですが。

あちらこちらに富士がある

羽田経由で「稚内」に行って来ました。「北海道の北の突端に?」「そうや」

以前は、学会で札幌に行ったりすることも時々ありましたが、近年北海道に行くのはたいてい単なる旅行です。

しかも日帰りで「訪道」するとなれば、現地での滞在時間を削るしかありません。せいぜい何か食べるぐらい。

もったいないなどと言わないでください。おもに現地までの移動を楽しむ旅もあるのです。訪道の自由です。

で、今回の機内での楽しみは、遠くロシア方面を眺め思いを至らせながら飛んだこと、などです。

シベリアからの風当たりが強いのか、道北はよく揺れると聞いていましたが、今日は穏やかな空の旅でした。

このような航空旅行の場合はとくに、左右どちら側の座席を選ぶか、あらかじめ吟味しておく必要があります。

そのため、搭乗予定便のの飛行ルートと周囲の地理を調べてから、シートを指定することになります。

往路は左側です。東北地方から雲が切れ始め、鳥海山(出羽富士)と岩木山(津軽富士)がよく見えました。

北海道は、函館から支笏湖、洞爺湖、羊蹄山(蝦夷富士)を愛でつつ道東を北上しました。

しばらく進むと目の前に利尻島が現れましたが、曇ってて礼文島や樺太は見渡せませんでした。

復路は右側の席。離陸後に左旋回すると、目の前に利尻山(利尻富士)が綺麗に見えました。

島そのものが山なので、まるで海から突き出た富士のようで、今日いちばんの風景でした。

いつかこの梅雨の時期に、もう少しゆっくりと、梅雨のない北海道内の周遊旅行なんて計画したいですね。

ミスドの新作食べ尽くし

ミスタードーナツが新製品を出したりすると、当院ではその都度、昼のミスド会が開催されることになります。

今日はそれが「もっちゅりん」でした。やたらにモチモチして、なおかつ甘いドーナッツです。1人2個ずつ。

まあ、こういう楽しみもたまには必要なので、ミスドの企画はとても助かります。ありがた山でごぜえやす。

強いて注文を付けさせていただけるなら、新製品を打ち出す頻度は、もう少し減らしていただいても良いです。

元々私は「オールドファッション」のような固いドーナッツが好きで、柔らかいのは好みではありません。

フワフワした「イーストドーナツ」とか「フレンチクルーラー」など、私はドーナッツとしては認めません。

外側が固く(カリカリまたはサクサク)、中が柔らかい食べ物が好きなのは、なにもドーナッツに限りません。

類似品で言うなら、黒糖ドーナツ棒とかサーターアンダーギーとか、フィナンシェもダックワーズも好きです。

なので肉でも、外側がしっかり焼かれて固く、しかし中が柔らかい状態の焼き具合が一番好きです。

ハンバーグでも、私は外側が黒焦げの状態が好きです。わが家ではいつもそのように焼いてもらいます。

他人から見ると、たぶん失敗作に見えると思います。なので来客時には普通に焼くので、私には不満です。

一見堅物だけど実は優しくて柔軟、みたいな人物が私の理想像。話を広げるなら、そういうことになります。

溶連菌感染は放置しないこと

九州北部が梅雨入りです。雨が降ったりやんだりの鬱陶しい天気の中で、発熱外来が混み始めてきました。

今日は、コロナ、インフルA、インフルB、マイコプラズマ、百日咳、溶連菌、手足口、リンゴ病が出ました。

このように、いろんな感染症が並行して出ているところに、何かいや〜な予感がします。

現状のような散発状態のときは良いのですが、流行期に入ると、確率的には重複感染が現れるようになります。

2,3年前には、「コロナ+インフル」とか「コロナ+溶連菌感染」等を、何度も経験したものです。

中でも溶連菌の重複感染は、必ずしも周囲で溶連菌感染が流行していなくても、起きる事があります。

溶連菌を保菌していた方が他の感染症に罹り、それに伴って溶連菌感染が顕在化してくることがあるからです。

治療法に影響するだけに、とくに溶連菌感染は、なるべく見逃さないようにしなければなりません。

たとえ家族がコロナでも、学校ではインフルが流行中でも、咽頭所見次第では、溶連菌も検査すべきです。

私の研修医時代から若手医師時代、溶連菌感染が原因の心臓弁膜症の方の診療に、数多く携わりました。

石のように硬く小さく閉ざした僧帽弁口を切開する手術や、その再手術、再々手術を、何十例と経験しました。

近年、溶連菌感染が原因の僧帽弁狭窄症は減り、別の原因による心臓弁膜症の方が相対的に増えています。

それは、抗生剤(抗菌剤)による溶連菌感染の早期治療が奏功しているからだと思います。

溶連菌感染による咽頭炎は、ウイルス性の「のど風邪」と同様、おそらく放置していてもたいてい治ります。

しかし、自然治癒の過程で惹起される自己免疫反応が、僧帽弁に炎症を起こしてしまうかもしれないのです。

溶連菌感染症は、必ず薬物治療した方が良い、身近で代表的な感染症だと、私は確信しています。

久々の「クリーンインストール」気分

パソコンのHDDを完全に初期化してOSをインストールすることを、「クリーンインストール」と言います。

かつて私は、所有するすべてのMacを毎年1回初期化し直して、OSをクリーンインストールしていました。

家に例えるなら、定期的に上物を取り壊して新しい家を建て直し、併せて家具調度を一新するようなものです。

物理的に初期化したまっさらなHDDには、まず最新のOSをインストールし、環境設定を行います。

続いて、ソフトウェアを1つずつインストールし、最後に、バックアップしていたデータを戻します。

これはおおむね1日仕事です。なので休診日を何日も潰して、この作業を複数のMacに行っていたのです。

しかし近年(この十数年?)、OSの更新はもっぱら、OSの指示に従ったアップデートを行っています。

これも1,2時間はかかりますが、環境設定がほぼ引き継がれるし、多くのソフトウェアがそのまま使えます。

家に例えるならリフォームですね。壁紙を変えて水回りを一新するような感じでしょうか。

家具や家電などはそのまま残し、新しく買い揃える物はあまりないので、違和感の無い新生活が始められます。

アップデート方式の問題は、使ってないソフトやその他諸々の「澱」のようなものが、そのまま残ることです。

逆に言うなら、クリーンインストールのメリットは、その澱の除去だったのです。

そんなわけで、最近クリーンインストールと同じ新鮮な気分になれるのは、新しいMacを買った時ですね。

今日はその作業を、Mac miniという「新築物件」で始めたところです。ではまずは、家具や家電の搬入から。

学校健診に来ない子どもたち

春の学校健診の時期です。先週と今週、学校医をしている小学校に行ってきました。今日は5,6年生でした。

5年生については、脊椎側彎の視診のために、背部から肩までを完全に露出させなければなりません。

そのために<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4645.html" target="_blank" title="昨年から採用した「ラップタオル」方式">昨年から採用した「ラップタオル」方式</a>は、皆が慣れたのか今年は比較的スムーズでした。

健診対象のお子さんのうち1割近くが欠席していたので、後日別の機会に健診を行う必要があります。

風邪などによる病欠以外に、一定数のお子さんが、必ずしも毎日登校していない状況にあります。

あるいは、午後ぐらいにやっと登校できる子もいて、午前中の健診には間に合いません。

また、健診の日だけ休む子や、登校しているのだけど健診はイヤだと保健室まで降りて来ない子もいます。

そのようなお子さんも、日頃は当院での診療や予防接種には来るので、集団行動への抵抗があるのでしょう。

自分独自のタイミングや流儀があって、学校ではなかなかその希望が満たされないわけです。わかります。

私は小学生時代、通知表の「公共性」の項目がいつもダメでした。皆と同じことをするのがイヤだったのです。

しかし、何が大事かがわかってないわけではなく、でも自分には関係ないという、自己中な子でした。

それがやがて反転して、こうすれば先生は喜ぶに違いない、ということばかり考えるイヤな子になるのでした。

カラフルな「FDA」機

空を見上げると、ときどき派手な色の飛行機が飛んでいます。「FDA(フジドリームエアラインズ)」ですね。

FDAは、富士山静岡空港と名古屋小牧空港を拠点として、地方路線を運航しています。

熊本からは、静岡に1日1往復(期間運航)、小牧との間は1日3往復、飛んでいます。

FDAの保有機材は15機。色は登録順に、赤・水・桃・橙・紫・黄・黄緑・金・灰・緑・白・青・赤・桃・紫。

私にはそのような色に見えるのですが、公式には別の色かもしれません。でもともかく、カラフルです。

調べたら、桃はピンクとローズピンク、赤はドリームレッドとワインレッドなので、全色違うらしいです。

時間帯が合えば、熊本空港で駐機中の機体を見かけることもありますが、まだ搭乗したことがありません。

だって、名古屋とか静岡に行く用事がないのです。

ただ、ANAの熊本–中部線が3月から運休中なので、次に名古屋に行くことでもあれば、FDAを使いますかね。

FDAは、羽田などの拠点と地方空港との間ではなく、地方空港同士をつなぐ路線を持っているのが特徴です。

これを「横方向需要」と言う人もいて、一定の需要がある「スキマ」狙いと言えるかもしれません。

たとえば、静岡–出雲とか、神戸–青森なんてのは、なかなか渋い路線ですね。

こういうのをANAで行こうとしたらだいぶ面倒なので、ちょうど必要な人がいたら、ひどく便利なんでしょう。

ちなみに今朝の熊本–小牧便を飛んだ機材はその後、青森、神戸、花巻、小牧を経て、いま福岡にお泊まり中。

熊本から青森に行く用事があったら、FDAが便利かもしれませんね。

いやそれよりも、私がFDAでやってみたいのは、もちろん「全色制覇」です。

出生数ついに70万人を下回る

去年生まれた子どもの数が、統計開始以来初めて70万人を下回ったことが、厚労省の調査でわかりました。

その68万6千人余りという数字が、前年より4万千人余りも、大幅に減っていることが、私には衝撃的でした。

出生数推移のグラフを見ると、上に凸じゃないですか。だんだん減っているのではなく、加速が付いてます。

これ、だいぶヤバいです。親の世代が激減してるので、どう転んでも、今後の出生数は減り続けるでしょう。

仮に、来年合計特殊出生率が回復しても、出産適齢期の女性の数が少ないので、出生数は易々とは増えません。

よほど大幅に持続的に出生率が増えない限り、今後ずっと、出生数が減り続けることが確定的なのです。

地域医療を担う者として、あるいは事業主として、私に何ができるのか。以前からそれを考え続けています。

私が行っている診療では、直接的に子どもの数を増やせている(減るのを食い止めている)とは思いません。

ですがいまの子どもを守る医療を続けていれば、やがて出産年齢の女性も増やせると信じています。

生後2カ月からのワクチンデビューや満1歳で始めるワクチン接種は、とくに精力的に推進しています。

HPVワクチンは、勧奨接種停止中においても、対象のお子さんをもつ親御さんに接種を啓蒙してきました。

乳児の百日咳を減らすべく、妊婦さん対象のワクチン接種も、この1,2カ月で何人かに接種を行いました。

職場としての当院は、何人もの職員の結婚・出産・育児を支援してきました。子どもがたくさん生まれました。

しかしどの職員もみな、時短勤務を経て最終的には当院を去ってしまい、この問題の難しさを物語ります。

私ができることは限られていますが、これからも当ブログでの情報発信は続けて参ります。

『ショウタイムセブン』vs『キャスター』

映画『ショウタイムセブン』を、遅ればせながら昨日観ました。

キャッチフレーズは、「生放送と事件が同時進行する、リアルタイム型サスペンス・テンタテインメント」。

この映画は以前、試写会に応募したことがありました。

その少し前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4884.html" target="_blank" title="『出張!なんでも鑑定団』">『出張!なんでも鑑定団』</a>に応募したら当たったものだから、2匹目のドジョウを狙ったのです。

いや正確に言うなら、2匹目狙いはNHKのど自慢の公開録画への応募なので、映画の方は3匹目でした。

ともかく、試写会に外れたので配信されるまで待ってたら、このたび配信開始となったので観たわけです。

ですけど内容が、4月から放送が続いているTBSのドラマ、日曜劇場『キャスター』とかなり被ってませんか。

いずれも主演は阿部寛、テレビ番組のキャスター、放送中に大胆な行動に出て、不正を暴く。同じじゃん!

まるでドラマが映画のスピンオフか、シリーズ化されたのかと思ってしまうほどの「完全に一致」ですよ。

映画の方は、生放送中に進行するというリアルタイム構成なので、その分緊迫感が持続します。

しかしいかんせん、毎週ドラマでキャスターの阿部ちゃんを観ているので、どうしても既視感だらけなのです。

もちろん、映画とドラマでは描こうとするテーマや掘り下げている部分がだいぶ異なります。

なので主演が同じじゃなかったら、こんな思いはしなかったのに、なぜ同じ俳優にした。そこが残念なところ。

インフルエンザワクチンは毎年不足気味

「ワクチンが不足しても流通や医療機関の問題だとして認めない」という、厚労省の悪口を先日書きました。

それどころか国は、ワクチンが足りないのに余っていると強弁し、生産を減らそうとさえしてきました。

今は季節性もへったくれも無いですが、かつて日本のインフルエンザは、12月〜3月が流行期でした。

それに間に合うように10月からワクチンの接種を始めるため、ワクチンは例年9月末から供給が始まります。

そのため、薬品卸と納入価格や本数の打合せを始めるのが8〜9月。予約サイトを準備するのもその頃です。

国は、次のシーズンのインフルの流行型とワクチン需要を予測し、メーカーへ製造株と生産量を指示します。

しかし、この需給予測の誤りによって、日本はしばしば(ていうかほぼ毎年)ワクチン不足に陥ってきました。

そのようなことが起きやすい原因として、ひとつはお役所得意の「前歴主義・実績主義」があると思います。

最終的にワクチンが余ると、ワクチンが過剰生産だったとの解釈で翌年の供給量を減らす、という図式です。

しかし、現実に「需要=供給」となるはずがなく、流通には遊びが必要なので必ず「需要<供給」となります。

全国の医療機関の中には、ワクチンが足りないところもあれば、多少余るところも出るでしょう。

足りないところは結果的に接種量を減らすしか無いので、全体で見ると、ワクチンは最終的に少し余ります。

たとえ全体としてはワクチン不足でも、需給のアンバランスのために、ワクチンは最後に必ず余るのです。

それなのに国は、余ったのなら生産量を減らす。それを繰り返すので、供給量は際限なく減っていくのです。