この数日の発熱外来の様子から想像するに、インフルエンザもコロナも、どちらも流行へ向かっていますね。
ただし面白いことに、と言うと語弊がありますが、インフルの疑いがあっても検査を受けない方が時々います。
コロナはかつて、検査も薬も無料だった時代がありました。遠い昔のように思えますが、2年前までの話です。
「5類化」によって検査代が有料となり、薬代もバカ高く、コロナかどうかを知りたくない人も現れました。
コロナと並行して流行を繰り返しているインフルエンザについても、患者さんの意識には変化が見られます。
インフルだって検査代は安くないし、コロナと同様に、診断を確定したくない人もいます。
つまり、発熱しても検査しないという選択肢があることを、コロナ禍を通して知ってしまったんですね。
それが間違っているとは思いません。むしろこれまでの日本は、検査と治療が過剰だったと思うべきでしょう。
日本には、念のためインフル検査しとこう、陽性ならタミフル飲んどこう、という観念が定着していました。
しかしコロナ5類化を機に、5類の先輩格であるインフルへの理解も、少し変わってきたのかもしれません。
コロナですら特効薬を飲まずに自宅療養してるのに、インフルで慌てることもなかろう、ということです。
タミフル信奉者はまだ多いですが、薬の副作用に敏感な方たちの間では、無治療を選択する方も増えています。
どちらの感染症がより重大だという絶対的な指標はありませんが、インフルにタミフルは必須ではありません。
そんな流れが見え始めているのが、今シーズン(と言うのか?)のインフルの、新たな特徴かもしれません。