熊本で、後に「前震」とされた震度7の大地震が起きたのは、9年前の今日でした。木曜日の夜でした。
翌日は休診日でしたが早朝からクリニックに行くと、パソコンなどの備品のほとんどが床に落下していました。
出勤してきてくれたスタッフと一緒に片付け、翌日にはなんとか通常通り診療できるようにしました。
ところがその夜「本震」が来て、ほとんど全ての家具が倒れ、ほとんど全ての物品が床にまた落下しました。
前日の片付け作業をすっかりムダにし、復旧の希望すら失わせるような、無慈悲で冷酷な仕打ちでした。
ひどい余震が続く中、当院のスタッフのほとんどが、避難所生活か車中泊を始めることになってしまいました。
心身の疲労が続きましたが、スタッフや身内に犠牲者やけが人が出なかったことを幸いと思うようにしました。
地震後も臨時休診せずに診療を続けたのは、かかりつけの患者さんの中に被災した方が多かったからです。
薬を紛失した方への処方も必要でした。保険証が無くても診療・処方ができる措置も取られていました。
クリニック隣のサンピアンは部分損壊して閉店し、その駐車場は車中泊の車で一杯になりました。
大災害を想定した避難所やトイレが、少なくとも熊本ではまったく整備できていないことを思い知りました。
交通路が分断され、水や食糧やさまざまな物資が枯渇しました。熊本にその蓄えができていませんでした。
私自身、職場でも自宅でも、水や食糧の備蓄を怠っていたことは大きな反省点でした。
その後、水を少々蓄えたりもしましたが、喉元を過ぎれば備蓄ゼロ状態に戻っています。いけませんね。
地震の日が来るたびに、このことを肝に銘じるのですが、なかなか具体的な行動には至りませんでした。
しかし今日は、先ほど災害用の備蓄セットをポチりました。使い古された言葉ですが、備えあれば憂いなし。