「曖昧の美徳」

トランプ政権発足以来、激しく打ち出し続けている関税政策に対して、各国は対抗措置を計画しています。

と、そんな難しい話を続けるつもりも能力も私にはありません。

他国が「対抗措置を講じる」と憤っているのに、日本の首相の発言のなんと曖昧なことかと、それが言いたい。

石破首相は、「あらゆる措置を検討していかなければなりません」だと。悲しくなるような言い回しです。

「検討する」と言うだけでも漠然とした表現なのに、「いかなければなりません」とは、まるで他人事です。

そもそも「あらゆる措置」って何。「遺憾の意を表明する」ことですか。つまり結局何もしないと。

もともと日本人は、断定的な発言を好まない国民ですね。「曖昧の美徳」と言ってもいいかもしれません。

ただし政治家の場合は、対立を避けて和を重んじるというより、ただ言質を取られたくないのが本音でしょう。

結果的に失敗するのがイヤなのでしょう。成功しなくても良いから失敗だけはしたくない。

官僚やお役人も同様で、施策の失敗によって批判されるぐらいなら、無策のほうがマシと思っているのです。

たとえばワクチン。日本人は元来、有効性よりも安全性を重要視する傾向があります。

なによりも副反応の無いワクチンを求め、もしも副反応が出たものなら過剰反応してしまいます。

国はそのような国民感情に棹さして流され、トラブったワクチンはすぐ止める措置をとってきました。

消去法のような形で誕生した石破首相。政権外に居たときの、あの皮肉交じりの威勢はどこに行きましたか。

もう破れかぶれで、やりたい事をやりたいようにやったらどうですか。失うモノは、たいして無いですよ。