山火事が鎮圧

カリフォルニアの山火事を「対岸の火事」と思ってたら、日本を経て韓国にまで「飛び火」してしまいました。

日本各地の山火事は、消火活動によってあちこちで鎮圧が発表され始め、鎮火に向かいつつあるようです。

延焼を抑制できた状態が「鎮圧」で、完全に消えた状態が「鎮火」なんですね。今回初めて知りました。

ただ、ニュースでたびたび耳にする「火災が鎮圧した」のような「自動詞」的使い方には、違和感があります。

これが「火災が鎮火した」なら違和感がありません。「馬から落馬した」みたいでくどいのはさておき。

たしかに「鎮」は、「鎮める」と「鎮まる」の両方で使います。「咳を鎮める」と「咳が鎮まる」のように。

鎮火は、「火を鎮める」とか「火が鎮まる」という意味で、他動詞的にも自動詞的にも使えます。

鎮圧はしかし、「圧を鎮める」や「圧が鎮まる」という意味ではなく、「力で何かをおししずめること」です。

火災に対して鎮圧を用いるなら、それは「人や自然の力によって火災をおししずめること」であるはず。

なので「火災が鎮圧する」は違うと思うのです。せめて「火災を鎮圧する」か「火災が鎮圧される」でしょう。

こんなところに引っかかるのは、私だけですかね。もう気になって気になって、心が鎮まりません。