航空便の掲示板

空港に行くと、目立つところに巨大な電子掲示板(デジタルサイネージ)があって、航空便を一覧できます。

たいていは左から、時刻・航空会社・便名・行き先・ターミナル・ゲート・備考、などの情報が出ています。

国内線だと、ターミナルは省かれているかわりに、空席の有無や検査場の場所が表示されていたりします。

表示は刻々と更新され、昔は「パタパタ」で趣がありましたが、いまはほとんどがデジタルで味気ないですね。

2年前に、羽田空港第2ターミナルの大型掲示板が「いったん」撤去されてしまうという「事件」が起きました。

利用者はスマホで見られるから掲示板は必要ない、というANAの言い分は、およそ納得しかねるものでした。

たとえ空港に着く前にスマホでチェックしていても、ターミナルに着いたらまた、確認したくなるものです。

両手がふさがっていても、アプリを立ち上げなくても、掲示板ならちょいと見上げるだけで済むのです。

おまけに、自分が乗る便の情報が得られるだけでなく、どこか遠くへ行く他社の便名や地名まで目に入ります。

それよって旅情がかき立てられ、いま自分が空港という非日常空間に居る高揚感に包まれるのです。

まったく何てコトしてくれたんだANA、と思っていたら、昨年、掲示板が復活しました。そりゃそうでしょう。

解像度が高く明るくなったので、見やすいだけじゃなく情報量も増えて快適です。

で、本題はココから(今からかよ)。実は自宅の書斎にも最近、航空便の掲示板を「設置」してるんですね〜。

ホワイトボードにマグネットで、今後乗る予定便の日付や便名や行き先や時刻などをずらっと掲示しています。

出発地・到着地や、航空会社のロゴをカラー印刷してマグネットに貼るという凝った造りで、悦に入ってます。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3138.html" target="_blank" title="「手段が目的化したものを趣味という」">「手段が目的化したものを趣味という」</a>という理屈で言うなら、いまはこの掲示板作りが趣味でしょうか。

「紐を引っ張ったら温まる」弁当

鶴屋の「全国有名駅弁当とうまいもの大会」の商品を、フーディーワンで買いました。

選んだのは、姫路駅の駅弁「あったか但馬牛めし」です。

弁当はもちろん美味しかったのですが、今日書きたいのは、その「紐を引っ張ったら温まる」弁当のこと。

この手の弁当には、「生石灰(せいせっかい、きせっかい:酸化カルシウム)」と水が、仕込まれています。

紐を引っ張ると水を入れた袋が破れ、生石灰が水に触れて化学反応を起こし、熱が出て蒸気が充満します。

その熱蒸気を容器内で対流・伝導・輻射させて食品を加熱すると、メーカーのサイトに書いてありました。

水と反応した生石灰は「消石灰(しょうせっかい:水酸化カルシウム)」になります。運動場の白線ですね。

つまりこの反応は「水+酸化カルシウム(生石灰)=水酸化カルシウム(消石灰)」と、覚えやすいですね。

それよりも、昔から(中学時代から?)の疑問は、なぜ「生」+「水」→「消」なのか、ということです。

辞書を引いたら、消石灰とは「水酸化カルシウムのこと。生石灰を水または水蒸気で消和してつくる」とある。

「消和(しょうわ)」ですか。私は初めて聞く言葉です。昭和の時代にも聞いたことがない。

そこで同じ辞書(日国)を引いてみると、消和とは「生石灰に水を加えて消石灰にすること」だと。

出た。久々の堂々巡り。つまり、生石灰を消和して消石灰をつくることを消和というわけですか。

消和は英語で「slake」。のどの渇きを満たすこと。火を消すこと。なるほど。なんか分かってきましたよ。

つまり、反応性に富む「生きた」石灰に水を与えたら、反応性の「消えた」石灰になると、そんな感じですか。

完全予約制では時間厳守を

生活習慣病などの方の診療と発熱外来を両立するためには、動線や時間帯の分離を徹底することが必須です。

そして時間帯分離のためには、完全予約制での診療を行う事になります。

完全予約制の診療順は、予約時間どおりに来られた方が優先です。

隔離室の運用等の事情もあるので、予約時間に遅れた方がいると、全体の診療の流れに大きく影響します。

遅刻した方の診察は、予約通りに来られた方よりも後回しになり、かなりお待たせすることになります。

予約時間よりも早く来られても、診察順は早まりません。また、お待ちいただく場所で困ることもあります。

車で来た方は駐車場で待っていただくのですが、徒歩やバスやタクシーで来た方の場合が問題です。

屋外に屋根付きのベンチはありますが、寒い日や熱い日に、そこで長時間お待ちいただくわけにはいきません。

暑くても大丈夫と言って外で待たれていた方が、やはり暑かったのか、最後に苦情が出たことがありました。

最近見学した某クリニックには、隔離診察室のほかに隔離待合室が作ってあり、なるほどと思いました。

ただし厳密には、原因が特定できてない複数の発熱者を同じ隔離待合室で待たせることには、問題があります。

おそらく、小さな個別の待合室がたくさんあれば良いのでしょうね。コロナ禍を経て、そう思い至りました。

その待合室がそのまま診察室にもなり、しかも各部屋へは屋外から直接出入りできる設計が理想ですね。

またまた、おたふくかぜワクチン不足

「おたふくかぜのワクチンが、いま不足しています。ただし、接種希望者が急増しているわけじゃありません」

と書いたのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3492.html" target="_blank" title="4年前">4年前</a>のことですが、まさに今日も、同じ内容のブログを書かなければならない状況です。

おたふくかぜワクチンは、武田薬品と第一三共で製造しています。当院はいま、第一三共の方を使っています。

前回は、武田の工場で不具合が見つかって製造を中断した事案だったので、第一三共の方は流通していました。

つまり当院への影響はなく、武田の欠品騒ぎについては、申し訳ないですが高みの見物をしていた次第です。

ところが今回は第一三共です。有効成分の力価が規格を満たしていない(=効かない)ことが判明しました。

3月から出荷停止。すでに今月から限定出荷とし、9月まで出荷できない見込みだとのこと。これは困りますね。

しょうがないので武田のワクチンを急遽お願いしようと薬品卸に電話したら、それも難しいです、だと。

日頃取引のない当院に出せる武田のワクチンは無いと、そういうことですか。前回とは立場が逆転しましたね。

たぶん今回は、武田のワクチンを使っている医療機関がニヤッとしているんでしょうね、きっと。

と思っていたら、どうやら武田の流通も制限されていて、結果的に全体のワクチンが足りなくなっています。

ワクチンって、メーカーが限られている上に有効期限も短いので、こういうことがよく起きますね。

業界全体のワクチン供給計画に余裕がないのでしょうか。ワクチンが儲からないのかもしれませんね。

当院内の在庫はまだ多少ありますが、今後しばらくは節約して接種することになります。

すでに予約済の方の他には、MR第1期接種との同時接種の場合に限って使うことにします。ご了承ください。

カンパ襲来

この冬最強といわれる「寒波」が来ています。熊本でも朝から雪が降りました。夕方にも降りました。

子どもなら喜んで犬のように走り回るところですが、私も大人なので、明日の道路の凍結が心配になります。

愛車は電子制御4WDなので安心はしていますが、太い(305mm)サマータイヤは滑りやすいかもしれません。

ところで、カンパを募る、なんて言うときの「カンパ」は、何かの目的に賛同した資金援助のことですね。

元々は、政治運動を起こして大衆を組織する意味のロシア語「カンパニア」に由来しているといいます。

議事堂の鐘を鳴らす合図で市民が立ち上がったそうで、その鐘(カンパネラ)が語源だとか。

「カンパネラ」はイタリア語で鐘の意味だと思っていましたが、あらためて辞書を引いてみたら少し違う。

鐘はイタリア語で「カンパーナ」。小さな鐘が「カンパネッラ」。カンパネラは呼び鈴サイズのようです。

なので議事堂の鐘の場合はカンパーナだと思うのですが、まあ私の理解の及ばない理由があるのでしょう。

同様のイタリア語を調べてみたら、「フォンターナ」が泉で、「フォンタネッラ」が小さい泉。

語尾に「ella」を付けると「小さい」という意味になるんですね。しかも語感まで可愛くなる。

イタリア語とかスペイン語って、聞いてて語尾が陽気ですよね。ノリが良くてちょっとうさん臭い。

夕食で久しぶりにスティックセニョールを食べたので、余計にそんな気がしているのです。

ちなみに「スティックセニョール」は、日本で開発されて日本で命名された野菜。「和製西語?」なんですね。

ドラレコで身を守る

「ドライブレコーダー」の映像が交通事故の原因究明に役立つであろうことを、身をもって体験しました。

今朝、通勤中のこと。交差点で赤信号を無視した暴走車に、側面から激突されそうになったのです。

私は交差点内で急ブレーキをかけ、目の前を右からやって来たその車を、左に受け流すことができました。

対向車も同様に交差点内で急停車したので、その違反車に接触することはありませんでした。

おそらく両方の車のドラレコに、その一部始終が録画されていたはずです。

もしもどちらかがその暴走車と衝突すれば、その瞬間の映像を記録することになったでしょう。

難を逃れましたが衝撃的だったので、そのドラレコの映像をiPhoneにダウンロードしてみました。

そしてさらにエアドロしてMacで見てみましたが、あらためて、危機一髪だったことを再認識しました。

考えてみると、自分の車のドラレコ映像をきちんと再生して見たのは、これが初めてかもしれません。

まだ薄暗かった曇天の早朝でしたが、映像はけっこう鮮明で、しかも広範囲に後ろも前も撮影されています。

よく見ると、隅の方に時刻と位置と速度がリアルタイムで表示されています。

相手の車に全面的に非がある事故でも、こちらの速度によって過失割合が左右されることになるのでしょう。

ドラレコ映像で身を守るためには、自分が常に遵法運転をしていなければならないというわけです。

今年の節分は2月2日

「なぜ今年の節分は2月2日なのか、節分は2月3日じゃないのか」と、巷はちょっとした騒ぎです。

今世紀後半は、今年のように2月2日が節分になることが増えるとか。

でも逆に20世紀には、2月4日が節分だったことが多かったようですね。まったく覚えていませんけど。

どうしてそんなことになるのかを、今日ここで書いてみるのは控えます。どうせ受け売りになるので。

でもじつは私は、こういう天文学の分野が大好きです。

共通一次試験(古い!)は、点数の取れる物理と化学で受験しましたが、本当は生物と地学が好きでした。

鉱物が好物で、宇宙に夢中になり、天文の専門家になろうとさえ思い、毎晩気象通報を聞いていました。

当時の気象通報は夜10時にも放送しており、ラジオの前で待ち構えて、天気図に記入作業をしていたものです。

いま思えば面白いことに、物理と地学に共通の要素があり、化学と生物に密接な関係があるんですよね。

ところで、春分の日や秋分の日は毎年のようにころころ変わっているのに、あまり騒動にはなりませんね。

冬至や夏至もたまに変わるのですが、ふ〜ん今年はそうなの、ぐらいの意識でした。

つまりこれらの日付は、天文学的な法則で決まるものなのだろうと、誰もが納得できるのでしょう。

ところが節分は、冬至と春分の中間である立春の前日という位置でありながら、その変動には抵抗があります。

おそらくそれは、豆まきなどの文化や風習と密接に結びついた日だからなのでしょう。

翌月の「桃の節句」が3月3日で固定しているため、節分も2月3日で固定のように思えるのかもしれませんね。

血圧は変動するもの

高血圧症の患者さんには、自宅で毎日「朝晩」血圧を測って、専用の血圧手帳に記録してもらいます。

具体的に朝晩のどのタイミングで測るのかは、個人個人の生活習慣やリズムによって決めてもらいます。

日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」には、「起床後1時間以内」と「就寝前」と記載されています。

朝の降圧剤の服用前のタイミングと、どのように過ごした日でも毎晩測れるタイミング、ということでしょう。

朝といっても、覚醒直後なのか、朝の家事の前なのか後なのか、はたまた朝食後なのかで違います。

私はそれを、可能であれば「朝食直前」に測るように指示します。「いただきます」の時に測ってくださいと。

覚醒からの時間を少し取ってもらうことと、朝食による影響を除くためです。

夜はさらに、仕事からの帰宅直後なのかどうか、入浴や飲酒や食事によっても、血圧はかなり変動します。

なので私は「夕食よりも入浴よりも前」に血圧を測ってもらいます。血圧が下がる要因を除外するためです。

つまり朝も夜も、比較的血圧が高めになりそうなタイミングで測るように指示しているわけです。

血圧は、2回(たまに3回)測って平均値を記録する方と、最後の血圧を採用して記録する方がいます。

たいてい1回目の血圧が高く、家事でバタバタした後だからだろう、という認識の方が多いですね。

確かにその通りで、裏を返せば、家事や仕事をしている時の血圧は安静時よりも高いということなのです。

そのことに気付かせてくれるのが1回目の血圧なので、間隔をあけて2回測ることには意味があると思います。

なかには、1回目と2回目の血圧を別々の折れ線グラフにしてくる几帳面な方もいて、とても参考になります。

ただ、血圧の記録はその推移を知ることが目的なので、測定しやすいタイミングを選ぶことの方が大事です。