新年の発熱外来「3連戦」始まる

今日から当院は「3連戦」です。極寒の駐車場で発熱者と対峙するという、厳しい3日間が始まりました。

ニュースでは、インフルエンザが大流行だ、タミフルが足りない、などと毎日報じられています。

当院の隣の薬局では、いまのところ抗インフルエンザ薬の在庫はある様ですが、咳止めがやや不足しています。

今シーズンのインフルエンザは、咳や咽頭痛が先行したり最初から微熱の方もいて、症状が多彩です。

コロナ禍を経て、インフルエンザウイルスが妙な変異をしたのでしょうか。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4847.html" target="_blank" title="先日も書いた">先日も書いた</a>ように、咽頭炎所見が強すぎて典型的な「インフルエンザ濾胞」が見えないケースが多いですね。

ただし、もしも咽頭後壁に明瞭なインフルエンザ濾胞が見えたら、それはほぼ確実にインフルエンザです。

インフルエンザ濾胞は、アデノのように隆々とした「イクラ」ではなく、扁平で大人しい顔つきをしています。

そしてペンライトで照らすと、妙に白く反射します。扁平ゆえかもしれません。

ただし、咽頭所見の割に痛みが強い場合、ためしにコロナも検査したらそっちが陽性だったりします。

コロナもいま増えている印象です。ひと頃のように、インフルとの重複感染例が出始めるかもしれません。

いまからしばらく、人混みの中ではマスクを外さない方が良いでしょう。

電気自動車はエアコンが弱いというジレンマ

電気自動車(EV)の弱点はいろいろありますが、この時期、いちばん身にしみるのは暖房の効きの悪さです。

車内温度を急速に上げるパワーは、ガソリン車には勝てません。

その欠点を補うべく、シートやステアリングには強力なヒーターが入っています。体感温度を上げるわけです。

なので毎朝の出勤時は、足元は冷えているのにお尻と手だけはやたらポカポカというギャップに苦しみます。

タイマーでエアコンを起動しているので、出発前に車内は暖まっています。でも足元がなかなか暖まりません。

ガソリン車の暖房はエンジンの熱を利用できますが、EVは純粋に電力だけで暖めます。

いうなれば、ガスファンヒーターとエアコンの違いでしょうか。

EVはバッテリーをヒーターで暖めているので、その熱は暖房に利用しているそうですが、やはり弱いですね。

なにしろバッテリー容量がEVの航続距離に直結するので、むだに電気を使えない事情もあるのです。

考えてみると家も、オール電化だと何かとパワーの弱さを感じる局面がありますよね。

なによりも風呂のシャワーが弱い。エコキュートには、ガス給湯器のような熱とパワーは望めません。

IHクッキングヒーターも、出力を上げれば強いのでしょうけど、ガスの炎の強さには勝てません。

電気がクリーンなのは消費現場(家や車や道路)だけの話で、発電所まで遡ればクリーンとは言えません。

なので私は、環境を考えてEVを選んだつもりはありません。単に、動力性能(加速性)に惹かれたのです。

そのモーターの爽快なトルクを感じながら、エアコンが弱くて震えて運転してる現状って、どうなんでしょ。

インフルエンザ陽性ならタミフル、という脊髄反射

インフルエンザの報告数が、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、最も多くなっているそうですね。

1医療機関あたり報告数の全国順位TOP5は、大分、鹿児島、佐賀、熊本、宮﨑で、九州が独占しています。

ただしこのNHKの報道は、昨年第52週(12/23〜29)のデータを報じたもので、最新のものではありません。

たとえば熊本の報告数は、昨年は92.56でしたが、今年第1週(12/30〜1/5)では47.87に下がっています。

当院での陽性診断数も、昨年の最終診療週(12/22〜28)は132で、今年第1週(1/4〜9)は77でした。

もしかすると熊本など九州では、インフルエンザの流行は年末年始で峠を越えたのかもしれません。

ですが全国的には、おそらくいまがピークなのでしょう。

そんな中で「抗インフルエンザ薬」の製造が追いつかず、一部の薬が供給停止となっています。

こんな時、お役所はいつも医療機関や薬局に対して、過剰な薬剤発注を控えるようにと言い始めます。

あのね、何が過剰なものですか。こちらはいつも、流行状況を踏まえて計算して発注をしているのです。

むしろそっち(国やメーカー)が、見通しを誤ってるだけじゃないですか。

とは言え、自分で処方しといて言うのもナンですが、日本の抗インフルエンザ薬の使用率の高さは異常です。

インフル即タミフル、という安易な治療選択は、そろそろ見直した方が良いかもしれません。

たしかにタミフルは、肺炎などの重症合併症を減らしたという報告もあるので、高齢者には処方したい薬です。

しかし基礎疾患の無い方に対しては、熱が1日早く下がる程度の効果に過ぎません。

すでに熱のピークを越えた方への処方が、どれほど意味があるのか、もしかすると無意味かもしれません。

なので病状経過等を考慮して、せめて処方日数を減らしたいところですが、なかなか賛同を得られないのです。

キャベツ高騰、ブロッコリーは?

キャベツの価格が高騰しているそうですね。私は自分で買い物をしないので、実感はないですけど。

夏の高温と冬の低温・少雨のため、十分な大きさに育たなかったとか。

NHKのニュースを見ていたら、千葉のキャベツ農家の人はしかし、ブロッコリーのような頭でした。

このアフロな人を敢えて取材対象に選ぶとは、NHKもやりますね。

そういえば<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4378.html" target="_blank" title="1年3カ月前">1年3カ月前</a>に、ブロッコリーが高くてキャベツが安い、という話題について書いたことがあります。

猛暑でブロッコリーの収穫量が減ったそうですが、でもキャベツは育ったんですね。よくわかりません。

ブロッコリーは、私は毎晩1株食べています。ただし例外的に、スーパーで高かった日は食卓に上りません。

その意味では私は、ブロッコリー価格にはそこそこ敏感です。

わが家の愛犬・花ちゃんは、キャベツとブロッコリーが好物です。レタスは嫌いです。

私はキャベツもレタスも好きですが、ブロッコリーは単に習慣として、あるいは意地で食べているだけです。

当ブログと同じで、長期間続いているブロッコリー習慣を途切れさせる勇気がないのです。

なので、「今日は高かったからブロッコリー無いよ」と家人が言ったとき、じつは私は少しホッとするのです。

「マイル」で買い物するんですか

ANAの機内誌「翼の王国」には、多くの「連載記事」があります。

たとえばパラダイス山元氏による「快適な空だけの旅」は、私の大好きなエッセイです。

他にも何編か連載エッセイがあり、それぞれに見方や趣味や雰囲気がまったく異なって、読み応えがあります。

もちろん機内誌ですから、海外や国内の都市や街を紹介して旅に誘うような特集が、毎号2つあります。

例えば今月号では、ストックホルムと福岡をとりあげています。

私がいちばん興味深く読むのは、ANAの「中の人」の仕事について紹介する、「翼の流儀」という記事です。

今月号は「マイルを軸としてANA経済圏の構築、拡大に取り組むANA Xの取り組み」というタイトルでした。

「取り組み」という言葉がダブってるのが気になりますが、今回は触れないでおきます(触れたけど)。

「ANA X」というのは、ANAの「非航空」分野の顧客サービスを行う、グループ企業です。

それが「マイル」を軸として「ANA経済圏」を構築しようというのですが、私には理解に苦しみます。

ANAの航空機に乗ったり、系列の通販や実店舗で買い物したりANAカードを使ったら、マイルが貯まります。

そのマイルを「1マイル1円相当」で使える、その利用店舗を全国で拡大していこうというものです。

しかしそれでは、楽天などの「ポイント経済圏」に食い込めるほどのアドバンテージがないし、後発すぎます。

むしろマイルは、1マイル3円〜10円以上のレートで入手できる「特典航空券」にこそ、利用価値があります。

マイルを、なるべく使わずコツコツ貯めたら、いつか航空券に替えられる喜びがあるのです。

たとえば明後日からの1週間、熊本–羽田や熊本–那覇間の特典航空券は、片道4千マイルで入手できます。

ハワイ往復(現在:ローシーズン)の特典航空券だと、エコノミーで3万5千、ビジネスで6万マイルです。

そういうご褒美のような使い方こそがマイルの醍醐味なので、1マイル1円で浪費する気には私はなれません。

シャンプーをあれこれ試してますが

毛髪量は十分に多いのに、頭頂部の髪の分け目というか、「目地」が幅広い人がいますね。

家人がそのテレビに出ていた人を見て、「モーゼの十戒」のようだと言い放ちました。まったく失礼な話です。

もちろん私は、自分の事を棚に上げるつもりは「毛頭」ありません。

実はもう10年以上前から、頭髪が気になってシャンプーにもこだわり続けています。そういう年頃なんです。

やれシリコンフリーだ、アミノ酸系だ、炭入り・海藻入り・生姜入りだと、あれこれ試してきました。

ですが、何をしても特段の効果を感じる現象は起きていません。むしろ状況は悪化の一途です。

そこで最近、家人が時々使っている、薬用の(高額な)シャンプーを拝借して、試し始めたのです。

ところがこれが、じつに泡立ちが悪い。でも薬用ってそういうものなんだろうと、信じて使い続けました。

そもそも汚れを落とすのが目的のシャンプーではないのだから、泡立つ必要はないのかもしれません。

多めに使っても、二度洗いしても泡が立ちませんが、毎晩念入りに頭皮をマッサージしながら使いました。

とは言え、さすがにたまりかねて今日家人に尋ねたら、「ああ、詰め替え間違えてリンスを入れてる」だと。

ちょっと待ってください。そういう重大事項は、きちんと通告するなり掲示するなりしてくれませんかね。

毎晩毎晩、私は頭皮にリンスを擦り込んでいたわけですか。おかげで最近、髪が妙にサラサラですよ。

インフル多いけど、症状と所見がちょっと変

今年最初の日曜診療は、昨日予測した通り、インフルエンザの大爆発が続いていました。

この2日間でインフルエンザ迅速検査は61人に行い、陽性は41人(陽性率67%)。すべてA型でした。

無検査で、病状と状況からインフルエンザと臨床診断したケースが6例。

他院でインフルと診断されたのに十分な抗インフルエンザ薬の処方を受けられず、当院に来た方もいました。

同じ2日間でコロナと診断したのはわずかに1人。溶連菌感染やマイコプラズマ感染はいませんでした。

コロナを疑う病状でも検査を望まなかった方は、何人かいました。検査代も治療薬も高いですからね。

インフルエンザは近年、咽頭後壁の「インフルエンザ濾胞」が診断の決め手になると言われています。

この濾胞の内視鏡所見からインフルをAI診断する検査機器「nodoca」は、2年前から保険適用となっています。

私はいつも咽頭をよく見た上でインフルエンザの迅速検査を行い、自分なりに「答合わせ」をして来ました。

ところが、現在流行中のA型インフルエンザでは、発症早期から咽頭全体の発赤が強い方がかなりいます。

咽頭後壁全体が腫れて濾胞が目立たないどころか、軟口蓋も口蓋扁桃も赤く腫れ上がっています。

どうかすると、溶連菌感染かと思うぐらい、硬口蓋まで真っ赤なケースにも出会います。

もしかしてインフルじゃないかも、と思いながら検査をするとしかし、インフルエンザ陽性。

それに加えて最近のインフルは、熱よりも咽頭痛が先行することが多くて、なんか従来型と違うんですよね。

nododaの今シーズンの診断精度(特異度)は、どうなんでしょうね。すごく気になります。

明けてみたら、予想通りインフル大爆発中

新年の初診療日でした。

予想通り、年末に警報レベルに達したインフルエンザの流行が、そのままの勢いでした。

おそらく明日の方がさらに激しいでしょうから、発熱外来に関しては明日書くことにします。

今日のような土曜日でも、あるいは日曜日でも、生活習慣病の方の定期的な受診がかなりあります。

平日に仕事をしている方には、土日の受診が便利だからです。

当院が土日祝日診療している理由のひとつは、そういった方へ診療機会を提供することでした。

しかし一方で、休日は診療している医療機関が少ないので、発熱などの急性疾患の方も当院などに集まります。

当院が毎週土日に診療していることを知っている方は、もう休日当番医は探さないのです。

このような方へ診療機会を提供するのも、開院当初からの私の目的でもあります。

というわけで休日には、生活習慣病の方と発熱外来受診者との、2つの患者層が受診することになります。

もちろん、動線や時間帯分離を徹底して院内感染を避けていますが、どうしてもニアミスは防げません。

予約無しで受付まで入って来る発熱者は、珍しくありません。入口に注意書きをしていても効果ありません。

診察中に、じつは昨日高熱が出た、いまはのどが痛い、などと言い始めたりする生活習慣病の方もいます。

待合室に80代や90代の高齢者がいるようなタイミングだと、ゾッとしますね。

「昭和100年」に高齢者の仲間入り

「昭和100年」となる今年、IT分野では、システム障害が起きる可能性「2025年問題」が指摘されています。

かつての「2000年問題」の日本限定版ですか。まあシステム改修でなんとかなるんでしょう。知らんけど。

昭和生まれの人の年齢がすぐわかる、というメリットはありますね、今年は。

昭和35年生まれの私なら、100から35を引いて今年65歳。誕生日前なら、1引いてください(老婆心)。

各種高齢者割引きなど、さまざまな「特典」が待ち受けているのが65歳です。

ANAの「スマートシニア空割」もそのひとつ。ですが搭乗当日しか予約できないので使いにくいですかね。

そういえばTOHOシネマズも、「シニア割引き」対象の60歳になってから、なぜかほとんど行ってませんね。

65歳になったら「高齢者の定期予防接種」を受けることになります。待ち受けているのは、次の4ワクチン。

(1)インフルエンザ(10月〜1月)、(2)新型コロナ(10月〜3月)、(3)肺炎球菌、(4)帯状疱疹

以上の4つの定期接種ワクチンのほかに、2つの任意接種ワクチンが高齢者に推奨されています。

(5)20価肺炎球菌結合型ワクチン:子ども用と同じワクチン、(3)の1年後から接種可能

(6)RSウイルスワクチン:60歳以上が対象

他人に接種を勧める立場上、自分が対象となるワクチンは全部接種するつもりです。今年は忙しくなりそう。

「2025年問題」の年になりましたが

「2025年問題」という名称が象徴する、その2025年になりました。

多くの人口を抱える「団塊の世代」が、すべて後期高齢者(75歳以上)になる年だといいます。

しかし、その世代が74歳でも73歳でも本質は変わらず、日本はとっくに「超高齢化社会」の真っただ中です。

すでに、医療や介護や年金や、すべての雇用や消費など、社会・経済に影響する大問題が起きています。

抜本的には生産年齢人口を増やさなければ解決しませんが、残念ながら少子化も進んでいます。

20年も30年も前から分かってたのに、指をくわえて見ていたかのような結果になったと言わざるを得ません。

医療者(とくに内科系開業医)としてできることは、まず、生活習慣病や感染症を減らすことでしょうか。

健康寿命を延ばせば、医療・介護費用を減らせるはず。政府はもっと健康増進や予防医療に力を入れて欲しい。

たとえば禁煙は絶対です。禁煙外来で使う経口禁煙補助薬の、一刻も早い流通再開を期待しています。

厚労省の少し前の資料を見ていたら、「たばこの値上げの意義」として3つあげていました。

(1)成人の禁煙を促し、青少年の喫煙防止にも役立つ

(2)喫煙率の高い低所得者層の禁煙を促進し、健康格差を縮める

(3)ニコチンの依存性により税収の増加も期待できる

少々問題のある記述ですが、本音なんでしょうね。じゃあ早く、欧州並みの価格と税率にすればいいのに。