「定点あたり報告数」は、全体の感染状況を正確に反映するのか

今年一番の勢いで、今日は発熱外来の予約が殺到しました。夕方までの枠が、朝9時過ぎには埋まりました。

電話でのご予約は、その病状の内容を厳選した上で、多くをお断りすることになってしまいました。

この1週間(12/16〜23)の、当院におけるインフルエンザ陽性診断数は47と、先週より大幅に増えました。

過去の経験から、当院の数値は熊本市の定点あたり報告数のおよそ1.5倍ぐらいのことが多いようです。

なのでおそらく今週の熊本市では、定点あたりの報告数が30を少し超え、警報レベルに到達しそうです。

ところで、熊本市の「定点医療機関」の数は、インフルエンザとコロナの場合25、他の感染症では16です。

その医療機関を選んだ基準や理由は知りませんが、定点として適切かどうかは時々検証しているのでしょうか。

というのも、極端に報告数が多い、または少ない医療機関が含まれていると、統計学的な信頼性に欠けます。

そのような、全体的な分布と比べて飛び抜けた数値を「外れ値」といいますが、集計からは除外すべきです。

試しに、どこかの1週間を決めて、全医療機関が全数報告をすることにしてみてはどうでしょう。

そして、定点あたり報告数が全体の感染者数の正確な指標となるように、定点医療機関を入れ替えるのです。

そうすれば、定点あたり報告数に一定の「定数」をかければ、感染者総数を推測すること可能になります。

もうひとついうなら、既存の定点医療機関からの報告数の「生データ」が、いつも見られるといいですね。

当院の数値が、定点医療機関の報告数の分布と比べて外れ値に相当しないかどうかを、ぜひ知りたいのです。