高血圧治療と日々の血圧測定

「白衣高血圧」とは、日頃の血圧は正常の方が、健診などの時だけ異常に高くなってしまう現象ですね。

とりあえずは経過観察で良いのですが、高血圧の予兆かも、と考えて家庭での血圧測定をオススメします。

高血圧症の方の外来診療において重要なのは、自宅での朝晩の血圧「家庭血圧」の測定とその記録です。

「血圧手帳」(A6サイズぐらいのノート)に、朝晩の血圧を記録して、できればグラフにしてもらいます。

月に1回とかの来院時には、診察室で私が「診察室血圧」を測りますが、より重要なのはやはり家庭血圧です。

多くの研究で、家庭血圧の方が診察室血圧よりも心臓や脳血管疾患などとの関連が強いことがわかっています。

なので、家庭血圧の測定が几帳面な方の場合にはとくに、それがとても貴重な血圧管理の指標となります。

家庭よりも診察室での血圧の方が高いかと思いきや、その反対に家庭血圧の方が高い方が少なくありません。

これは「仮面高血圧」という現象と同様で、たいていは、朝晩の血圧が高く昼間は下がるパターンなのです。

休日には、昼間にも血圧を測ってもらうと、自宅でもかなり低い血圧になっていることが判明したりします。

あるいは、仕事の日に血圧が高く休日には下がる方は、休日に来院するので診察室血圧はいつも低くなります。

仕事の日の朝、どんだけアドレナリンが出てるんだろうと思います。日頃の家庭血圧の記録が需要です。

高血圧治療中の方にも、家庭よりも診察室血圧の方が高い白衣高血圧的な方が、多くはないけど時々います。

もしかすると、私が緊張を強いるような雰囲気を出しているせいかもしれません。

血圧を1回測って高いとき、意識を逸らすような雑談を挟んで2回目を測ると、20ぐらい下がったりします。

そういう変動にも意味はあるのでしょうけど、高血圧治療の指標となるのはやはり家庭血圧なんでしょうね。

ご面倒でもできるだけ毎日、朝晩記録していただくことをお願いするばかりです。